>「ブール・ド・スイユ=脂肪の塊」、それは娼婦の呼び名でもあるのだけど、同時に彼女を蔑んでいるブルジョワ階級のことでもある。
>娼婦は身体が「脂肪の塊」だけど、上品な方々は心が「脂肪の塊」だ。

ちょっと深読み過ぎな気がする。食うシーンはディテールの一部にすぎないし、
ブルジョワだけでなく、共和主義者のコルニュデという人物も配していて単なる金持ち批判の浅薄なスタンスは取っていない。
むしろテーマは敗戦という惨めな極限状態に陥った人間たちのエゴと愛国心の虚妄を、敵の将校にスケープゴートとして渡してしまう巧妙かつ刺激的なストーリー展開で、えぐりだしたことだ。
だから脂肪の塊とは、ストーリー展開の核となった彼女自身のことにすぎない。
千と千尋と関連させるのは突飛でつね。