モーパッサン
よくも悪くもモーパッサンの評価は確定している。
『女の一生』はかなりベタだが、味わいの面では悪くない。
今ある連続ドラマの走りみたいだね
モーパッサンは人生や人間社会の醜悪な部分をことさら好んで描いた。
まさに人生の皮肉によって、なんの罪もない登場人物がひたすら転落して行く様子とかw
『脂肪の塊』では、傍観者たちの持つエゴイズムが描かれている。
明治期の日本の文学者はほぼ同時期に輸入されたモーパッサンの文学にかなり影響を受けている。
モーパッサンの背後にはショーペンハウエルなどのペシミズム思想があると
言われているがどうなんだろう?主題についてはもう研究し尽くされているので
“モーパッサンの文体”というテーマで研究すると面白いんではなかろうか。 モーパッサン、フローベルは好きだと言った作家はいたが、ゾラが好きと
言った作家はいたかね? モーパッサンの評価がゾラを上回ってるのは流石に日米くらいだろ
中編小説は基本的に油彩画に対する水彩画みたいなもんで、長編より下に見られる >>212
きみの読解はあまりに表面的だな
児戯に類するといえるだろう
それを換骨奪胎してハリウッドで映画化したのが
ジョン・フォードの「駅馬車」なんだけどな
>>219
後世の大衆的な小説・演劇・映画の創り手たちにあたえた影響は計り知れない 『脂肪の塊』 は漱石が多角評価死ており増すけれどもねぇ〜(笑) ゾラはつまらない、モーパッサンは面白い。
同じようなテーマなのに、結局、語り口が上手なのよ。 読んでないか、もしくはせいぜい「居酒屋」しか読んだことのない奴がよくそういうことを言ってるね モーパッサンが長生きしていれば、『ユリシーズ』や『失われたときを求めて』の登場は、少し遅れた。 ゾラ面白いのになあ。『金』や『ごった煮』読んでごらん。 >>220
映画「駅馬車」のオリジナルが「ブル・ドゥスイユ」を下敷きに創作された
という話は初耳。
娼婦は出てくるけど、あの映画は後々の、一緒に乗り物に乗り合わせた乗客の
人生模様を描く諸作品の原型なのかもしれない。しかも、実に良く出来ていて
面白い。 まさにモーパッサンの作品は面白いという点で、映画的でもあるね。 サマセット・モームがモーパッサンを好んだのもそこでしょうね >>226
ただし「駅馬車」にはクレジットされてないですけど昭和30年代から映画ファンのあいだで指摘されていました
まあ黒澤の「七人の侍」や「用心棒」に「水滸伝」や「血の収穫」を下敷きにしたとは一切明記していないのと同じ
むろんそれぞれの映画が独立した名作であることは紛れもない事実ですし…
>>227
モームがチェーホフよりもモーパッサンの短篇を好んだのは有名です
落ちがある小説を低く見るのはおかしいという意見には一理あると思います 「靴直しの女」。この短編を探して読めた人には、幸運がやってきますよ。 脂肪の塊」を西部小説にしたアーネスト・ヘイコックスの原作から『駅馬車』を作った モーパッサンの「手」って小説の犯人って手の持ち主でいい?
場が荒らされた様子がなかったことから本当に怪異現象だったのかもしれないが・・・ ノルマンジー出身の田舎者がパリに出てきて売春宿にはまり、梅毒であぼ〜んとは、哀れな話なり。 ● 石原都知事のフランス語侮蔑発言 ●
「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも当然」
「都立大はフランス語の講師が8人いるのに、受講者は1人もいない」
※都庁内であった首都大学東京の支援組織設立総会で発言。
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/冫、 )::: モーパッサンか・・
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面白いわよ・・ >>243
おれ、きのう食べたよベラミソーセージ。 漱石に一太刀でバッサリと殺られてるなこの作家
見事な斬りっぷりだから、きみ達も一度読んでみたまえ
「文芸の哲学的基礎」 暇だから抜粋しておく
(略)次にこんな事を書いたら、どうなりましょう。一人の乞食(こじき)がいる。諸所放浪しているうちに、或日、或時、或村へ差しかかると、しきりに腹が減る。
幸(さいわい)ひっそりとした一構えに、人の気(け)はいもない様子を見届けて、麺麭(パン)と葡萄酒(ぶどうしゅ)を盗み出して、
口腹の慾を充分充(み)たした上、村外(むらはず)れへ出ると、眠くなって、うとうとしている所へ、村の女が通りかかる。
腹が張って、酒の気(け)が廻って、当分の間ほかの慾がなくなった乞食は、女を見るや否や急に獣慾を遂行する。 ――この話しはモーパッサンの書いたものにあるそうですが、私は読んだ事がありません。
私にこの話をして聞かした人はしきりに面白いと云っていました。なるほど面白いでしょう。
しかしその面白いと云うのは、やはりある境遇にあるものが、ある境遇に移ると、それ相応な事をやると云う真相を、臆面なく書いた所にあるのでしょう。
しかしこの面白味は、前の唖の話と違って、ただ真を発揮したばかりではない。他の理想を打ち壊しています。
その打ち壊された理想を全然忘れない以上は、せっかくの面白味は打ち消されてしまうから役に立たんのみか、
他の理想を主にする人からさんざんに悪口される場合が多いだろうと思います。 こう云う場合に抽出の約束は成立しそうにもない。約束が成立しない以上は、この作物の生命はないと云うより、生命を許し得ないと云う方がよかろうと思います。
一般の世の中が腐敗して道義の観念が薄くなればなるほどこの種の理想は低くなります。
つまり一般の人間の徳義的感覚が鈍くなるから、作家批評家の理想も他の方面へ走って、こちらは御留守(おるす)になる。
ついに善などはどうでも真さえあらわせばと云う気分になるんではありますまいか。 (中略)
大変に虚栄心に富んだ女房を持った腰弁がありました。ある時大臣の夜会か何かの招待状を、ある手蔓(てづる)で貰いまして、
女房を連れて行ったらさぞ喜ぶだろうと思いのほか、細君はなかなか強硬な態度で、着物がこうだの、簪(かんざし)がこうだのと駄々(だだ)を捏(こ)ねます。
せっかくの事だから亭主も無理な工面(くめん)をして一々奥さんの御意(ぎょい)に召すように取り計います。
それで御同伴になるかと云うと、まだ強硬に構えています。最後に金剛石(ダイヤモンド)とかルビーとか何か宝石を身に着けなければ夜会へは出ませんよと断然申します。 さすがの御亭主もこれには辟易(へきえき)致しましたが、ついに一計を案じて、朋友(ほうゆう)の細君に、
こういう飾りいっさいの品々を所持しているものがあるのを幸い、ただ一晩だけと云うので、大切な金剛石の首輪をかり受けて、急の間を合せます。
ところが細君は恐悦の余り、夜会の当夜、踊ったり跳(は)ねたり、飛んだり、笑ったり、したあげくの果(はて)、とうとう貴重な借物をどこかへ振り落してしまいました。
両人は蒼(あお)くなって、あまり跳ね過ぎたなと勘づいたが、これより以後跳方(はねかた)を倹約しても金剛石が出る訳でもないので、
やむをえず夫婦相談の結果、無理算段の借金をした上、巴里(パリ)中かけ廻ってようやく、借用品と一対(いっつい)とも見違えられる首飾を手に入れて、
時を違(たが)えず先方へ、何知らぬ顔で返却して、その場は無事に済ましました。が借金はなかなか済みません。
借りたものは巴里だって返す習慣なのだから、いかな見え坊の細君もここに至って翻然(ほんぜん)節を折って、台所へ自身出張して、飯も焚(た)いたり、水仕事もしたり、霜焼(しもやけ)をこしらえたり、
馬鈴薯(ばれいしょ)を食ったりして、何年かの後ようやく負債だけは皆済(かいさい)したが、
同時に下女から発達した奥様のように、妙な顔と、変な手と、卑(いや)しい服装の所有者となり果てました。
話はもう一段で済みます。 ある日この細君が例のごとく笊(ざる)か何かを提(さ)げて、西洋の豆腐(とうふ)でも買うつもりで表へ出ると、ふと先年金剛石(ダイヤモンド)を拝借した婦人に出逢(であ)いました。
先方は立派な奥様で、当方(こちら)は年期の明けた模範下女よろしくと云う有様だから、挨拶(あいさつ)をするのも、ちょっと面はゆげに見えたんでしょうが、思い切って、おやまあ御珍らしい事とか何とか話かけて見ると案のごとく、先方では、もうとくの昔に忘れています。
下女に近付はないはずだがと云う風に構えていたところを、しょげ返りもせず、実はこれこれで、あなたの金剛石を弁償するため、こんな無理をして、
その無理が祟(たた)って、今でもこの通りだと、逐一(ちくいち)を述べ立てると先方の女は笑いながら、あの金剛石は練物(ねりもの)ですよと云ったそうです。それでおしまいです。 これは例のモーパッサン氏の作であります。最後の一句は大に振ったもので、定めてモーパッサン氏の大得意なところと思われます。
軽薄な巴里(パリ)の社会の真相はさもこうあるだろう穿(うが)ち得て妙だと手を拍(う)ちたくなるかも知れません。
そこがこの作の理想のあるところで、そこがこの作の不愉快なところであります。
よくせきの場合だから細君が虚栄心を折って、田舎(いなか)育ちの山出し女とまで成り下がって、何年の間か苦心の末、
身に釣り合わぬ借金を奇麗(きれい)に返したのは立派な心がけで立派な行動であるからして、
もしモーパッサン氏に一点の道義的同情があるならば、少くともこの細君の心行きを活かしてやらなければすまない訳でありましょう。ところが奥さんのせっかくの丹精がいっこう活きておりません。 積極的にと云うと言い過ぎるかも知れぬけれども、暗(あん)に人から瞞(だま)されて、働かないでもすんだところを、
無理に馬鹿気(ばかげ)た働きをした事になっているから、奥さんの実着な勤勉は、精神的にも、
物質的にも何らの報酬をモーパッサン氏もしくは読者から得る事ができないようになってしまいます。同情を表してやりたくても馬鹿気ているから、表されないのです。
それと云うのは最後の一句があって、作者が妙に穿った軽薄な落ちを作ったからであります。
この一句のために、モーパッサン氏は徳義心に富める天下の読者をして、適当なる目的物に同情を表する事ができないようにしてしまいました。
同情を表すべき善行をかきながら、同情を表してはならぬと禁じたのがこの作であります。
いくら真相を穿つにしても、善の理想をこう害しては、私には賛成できません。 以上
どう足掻いてもモーパッサンは反論のしようがないだろう 補足
>>248にある「抽出」というのは、文学の理想、つまり文学者の目的とする「美、善、荘厳、真」の四種のうち、異なる種の理想と互いに行き当たった時に
自分の理想を一時的に抽出して、その相手に一先ず道を譲り、その場の平穏を保つという約束事(これは文学だけに限らないが)を示してるんだけど
自分にはうまく説明できないから「文芸の哲学的基礎」の本文を読んでくれ 訂正
×自分の理想を抽出して
○他の三種の理想を抽出して(むろん自分の理想を含む) 最近、モーパッサンを読みはじめた
モーパッサンの短編で、一番ページ数が短い作品はどれだろう? そういう意味のない問いかけには答えが付かなくてもしかたないな。
そういえば、昨晩、風呂に浸かりながらモーパッサンの短編ひとつ読んだ。
題名は、”Empailleuse”かな。赤貧の女の生涯をかけた恋。しかし、女が密かな恋心を
燃やし続けたその相手の男はなんと・・・・・・ >風呂に浸かりながらモーパッサンの短編ひとつ読んだ
防水紙で出来た本か?w ざんげを読んだけど、なんか何処かで聞いた事あるような話だったな。
類似品があるのか? >>261
それを言うなら“La rempailleuse”、「藁椅子直しの女」だな モーパッサンの怪奇小説ってほとんど神経の高まりによる幻覚だよね
本当に偉大な作家には入らないかな モーパッサンって、メリメのことどう思っていたんだろう 映画には期待してないけど
こうやって新訳が出てくれることは喜ばしいな 中村光夫の旧訳のほうが良かった。
河出文庫あたりから出せばいいのにね。 モーパッサンはフランスのチェーホフだ
結構すごいよ
三巻の全集がある モーパッサンは、O・ヘンリー、チェホフと並ぶ三大短編王だ 英米圏はヘミングウェイやポウの方が上のような気がします。
というか、意外とフランスは短篇小説作家が少ない。 >>283を読んで
中学生の頃だったか、「女の一生」の出版年(1883)を
「いや(18)、もうパッサン(83) 女の一生」
とかいう語呂で覚えさせられた記憶が甦ってきた 教科書に載ってる首飾りが初読作品
ダーク落語って感じがした おじさんの話が好きです。
アメリカで大金持ちになっているのではなく、遊覧船で牡蠣を剥いていたおじさん。 高校の国語の教科書に載ってた
これ面白いでって友達に言われて暇つぶしに読んでみた どう思ったと言うより、今では、私自身が脂肪の塊です。 ジュールおじさんおもしろいね。
牡蠣が食べたくなった。 長編では『われらの心』のみ持っていない。
モーパッサン全集でしかこの邦訳読めないよね? 福武文庫から出てる
モーパッサン怪奇傑作集ってやつ読んでるんだけど、すごくいいね。 >>301
しかも二刷でびっくり。昔は本が売れてたんだね。 脂肪の塊について誰も語らない
もっと語るべきではないか 一番最初に読んだモーパッサンの作品。
タイトルに惹かれた。 モーパッサン派 花袋、荷風
反モーパッサン派 漱石