翻訳の文体にはそれぞれ好みがあると思う
ただ注釈や全体の流れの解説の親切さは、中公文庫が一番かな

『ファウスト』読んでみて思ったのは、ゲーテを知らない人がいきなり『ファウスト』読んでも良さが分からないんじゃないかと
一般道徳的な感想で言ったら、ファウストの行動には共感しにくいし、最終的にファウストを救った意味も理解できない
事前にゲーテの著作や詩に触れていて、ゲーテの考え方
(道徳やキリスト教神学を見下ろした神のような視点・何よりも行動と意欲に忠実な生き方・人生を儚いものと思いながら、その儚さを肯定)
に共感して『ファウスト』を読むと、ゲーテがこの大作に生涯を掛けた意義が分かってくる
ゲーテの集大成のような本だから、いきなり挑戦するより『若きウェルテルの悩み』とか『ゲーテとの対話』等である程度ゲーテを知ってから読むほうがいいと思った