さっさとシェイクスピアを語ろう
ケネス・ブラナー『シェイクスピアの庭』2018
本作は引退したシェイクスピアが亡くなるまでの3年間を描き出していく シェイクスピア名言集
本多顕彰[編]著, 講談社, 1965.10
200p., (講談社現代新書 ; 57)
シェイクスピアの面白さ
中野好夫著, 新潮社, 1967.5
231p., (新潮選書)
シェイクスピア時代
高橋康也, 樺山紘一著, 中央公論社, 1979.1
251p., (中公新書 ; 529)
シェイクスピア物語
小田島雄志著, 岩波書店, 1981
216p., (岩波ジュニア新書 ; 35)
シェイクスピアの人生観
ピーター・ミルワード著 ; 安西徹雄訳, 新潮社, 1985.1
247p., (新潮選書)
シェイクスピア名言集
小田島雄志著, 岩波書店, 1985
219,10p., (岩波ジュニア新書 ; 104) シェイクスピアとロンドン
青山誠子著, 新潮社, 1986
198p., (新潮選書)
シェイクスピアと日本人
P.ミルワード著 ; 安西徹雄訳, 講談社, 1986
253,76p., (講談社学術文庫 ; 747)
シェイクスピア講演
福原麟太郎著, 講談社, 1988
264p., (講談社学術文庫 ; 831)
法律家シェイクスピア
小室金之助著, 新潮社, 1989
239p., (新潮選書)
シェイクスピアを読む
岡村俊明著, 朝日新聞社, 1991
246p., (朝日選書 ; 438)
シェイクスピアのフォークロア : 祭りと民間信仰
石井美樹子著, 中央公論社, 1993
196p., (中公新書 ; 1114) シェイクスピアと日本人
ピーター・ミルワード 著 ; 中山理訳, 講談社, 1997
202p., (講談社学術文庫 ; 1304)
シェイクスピアを観る
大場建治著, 岩波書店, 2001
226p., (岩波新書 ; 新赤版 754)
シェイクスピアの墓を暴く女
大場建治著, 集英社, 2002
222p., (集英社新書 ; 0162F)
シェイクスピアのたくらみ
喜志哲雄著, 岩波書店, 2008.2
205, 3p., (岩波新書 ; 新赤版 1116)
シェイクスピア : 人生劇場の達人
河合祥一郎著, 中央公論社, 2016.06
242p., (中公新書 ; 2382) ヴェニスを舞台に繰り広げられるシェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』といえば、冷酷なユダヤ人の金貸しシャイロックと、彼に立ち向かう若き商人バサーニオのドラマが思い浮かぶ。しかし、この作品は単純な善悪の物語ではない。むしろ、当時の社会背景や人間の本質を深く描いた、奥深い作品と言えるだろう。
私がそう考える理由は、大きく3つある。まず、シャイロックは単なる悪役として描かれていない点だ。確かに、彼はキリスト教徒を憎み、冷酷な金貸しの顔を持つ。しかし、その背景には、長年受け続けてきた差別や迫害がある。彼は復讐心を燃やし、アントーニオから「一ポンドの肉」を要求するが、それは彼自身の苦しみを理解してもらいたいという、切実な願いの裏返しでもあるのだ。
2つ目は、バサーニオも完璧な英雄ではない点だ。彼は美しいポーシャを手に入れるために、彼女の財産目当てで試練に挑む。一見すると軽薄な人物に見えるが、彼は真の愛を求めており、試練を乗り越えることで成長していく。
3つ目は、作品全体を通して、人間の複雑な感情や価値観が描かれている点だ。愛と友情、憎しみと復讐、正義と法、様々な対立軸が絡み合い、観客に考えさせられる。
このように、『ヴェニスの商人』は、単なる勧善懲悪の物語ではない。登場人物たちの葛藤や苦悩を通して、人間の本質や社会の矛盾を深く描いた、奥深い作品と言えるだろう。中学生にとっても、様々な視点から考えさせられる、刺激的な作品と言えるのではないだろうか。