[白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー]
0001吾輩は名無しである
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2011/01/08(土) 10:22:49
アメリカ文学の巨人のスレッドがしばらくなかったので立てておく。
0358吾輩は名無しである
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2015/10/15(木) 11:06:49.82
アメリカ文学では、19世紀は『白鯨』、20世紀前半は『響きと怒り』、
20世紀後半は『重力の虹』が代表だろう。
ところで、尼で『レッドバーン』だけ1万以上もするのは何故だろう? 人気ある?
0360吾輩は名無しである
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2015/10/17(土) 05:35:15.54
>>355
エリソンの「Invisible man」ってメルヴィルの「ベニト・ソラノ」から来ているらしいな
黒人の奴隷に反乱されても気づかないオットセイ漁のスペイン船長とベニト・セラノとの会話から。
Melville の描く南洋の奴隷反乱を、20世紀アメリカにメタフォリカルな手法で据え直し、人種搾取という植民地主義の遺物を風刺することで、現代社会に異議申し立てをする。
メルヴィルの知らないことに、このスペイン船長「デラノ」はエリソンが「見えない男」書いていた時のアメリカ大統領フランクリン・(デラノ)・ルーズベルトの直接の先祖だったりする。
たまたま今「ベニト・セラノ」関連読んでてエリソンが出てきた
0361吾輩は名無しである
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2015/10/21(水) 17:54:59.56
『白鯨』の抄訳やダイジェスト版の構成を知っている奴はいないか?
一般的にあの作品のどういった箇所が不要とされてきたのか知りたいんだ。

俺自身は、不要な箇所は一文字も無いと考えている。
0364吾輩は名無しである
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2015/10/28(水) 08:03:24.08
白鯨がいろんな意味を勝手に付与される小説かな
登場人物によってあらゆる情報や寓意と結び付けられるけれど、その解釈者たちが全てしに、白鯨は生き残る。

一人イシュメイルが生き残り、エイハブに斥けられた、意味でなく息子を捜索する船長に助けられる
0365吾輩は名無しである
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2015/10/28(水) 20:56:33.88
白鯨は100以上の章からなっている
最初は主人公がニューヨークで骸骨を売る男と同棲するところから
始まる
船はホーン岬を超えて太平洋にはいる
ラストは日本近海での話になる
実はこの小説こそ江戸時代の開国にいたる経緯でもある
日本近海はクジラの宝庫だったらしい
歴史的な意味もある小説だ
0367吾輩は名無しである
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2015/10/29(木) 05:48:01.38
なるほどな。みんな答えてくれてありがとう。
やっぱりこの作品の読まれ方は読み手それぞれなのだと再確認した。どれも面白い。
みんなが言ってること、それぞれよく分かる。
メルヴィル・スレに来ている人たちがどう読んでいるのか興味があったから、嬉しい。
おれは研究者じゃないけれど、この夏から『白鯨』に没頭していて、
いま個人的な『白鯨』論を書いているんだ。
阿部知二の日本語訳を3周、BANTAM社版の原文を1周して、
書き込みのないページが1ページもないくらい夢中になってるよ。
ほんとうに、感動的な作家だね。
スレのみなさんには色々学ばせてもらうところが多いと思う。どうぞよろしく。
0369吾輩は名無しである
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2015/10/29(木) 10:24:41.02
海を舞台にした小説ならいくらでもあるが海について書かれた小説は白鯨だけだと思う
0370吾輩は名無しである
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2015/10/29(木) 13:50:51.12
クラークのいるかの島なんかは面白いよ。
老人と海、や、海底二万マイルなんかもいい。

海について書かれた小説がMDだけ、なんてのは単なる視野狭窄。
0371吾輩は名無しである
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2015/10/29(木) 16:38:11.41
>>368
おれは、阿部知二を推す。
最初にどの訳を読むべきか、自分は「Call me Ishmael.」の訳し方を比較して選んだ。
「わたしの名はイシュメイルとしておこう。」
訳文があまりに今っぽく軽快であると作者の意図から外れる作品であろうし、阿部訳は
しばしば見慣れぬ漢字が当てられているという程度で、けっして晦渋な文章ではない。
全体に作品の生命力がふくらんでいるのを感じるし、美しい文章がそこらじゅうにあるよ。
ほかの訳は、訳者と作品とのあいだにどこか距離を感じる。
0373吾輩は名無しである
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2015/10/29(木) 21:29:36.55
白鯨で言えば「交響曲」の冒頭に相当するような、海の情景描写が
魅力的な作品てことでしょう?そういうのはたしかにいくらでもあるでしょう
白鯨に海を感じるのはそこではなくて、イシュメイルが船や鯨について繰り出してくる
あの実に細々とした平坦な記述がひたすら連続する主要部のほうです
0375吾輩は名無しである
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2015/10/31(土) 10:42:53.79
現岩波の八木敏夫訳も評判いい。俺は旧岩波の阿部知二訳が好きだが。
0376吾輩は名無しである
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2015/10/31(土) 16:29:49.56
白鯨を読むために聖書を読んでるが長すぎる、白鯨の8倍くらいある
長いだけでなく胸糞悪い独善思想が垂れ流しで読むのが辛い
いつまでたっても白鯨読めない
0377吾輩は名無しである
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2015/10/31(土) 16:44:13.39
>>378
旧約『創世記』『列王記』『ヨブ記』『ヨナ書』
新約『ヨハネの黙示録』

目的地が『白鯨』なら、さしあたって読むのは、これくらいで十分だと思う。
0381吾輩は名無しである
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2015/11/03(火) 05:43:05.36
『白鯨』のどの部分が「不要」とされてきたのか知りたかったが、縮約版の知識がある人が見つからないため、
Sonia Davenportによるabridgedバージョンのオーディオブックを米国から輸入して直接確認した。
この書き込み自体が「不要」な情報かも知れないけれど、>>361への自己回答として書いておく。

(CD1)…1.Call me Ishmael 2.The Spouter Inn 3.Queequeg 4.Breakfast among whalers 5.Nantucket
6.The Pequod 7.The Prophet 8.Knights and Squires 9.Ahab 10.The Quarter Deck

(CD2)…1.Moby Dick 2.Hark! 3.The first lowering 4.The chase 5.The Sprit-Spout 6.Squid
7.Sperm whale 8.Stubb's Supper 9.Cutting in 10.Stubb & Flask kill a Right Whale 11.The China Seas

(CD3)…1.Piratical Malays 2.The Grand Armada 3.A charmed existence 4.The Castaway 5.The Tryworks
6.Wrapped in darkness 7.Queequeg in his Coffin 8.The Forge 9.The Candles 10.The Needle 11.The Rachel

(CD4)…1.Ahab's Soliloquy 2.The sighting 3.The Chase: First Day 4.The power of Moby Dick
5.The Chase: Second Day 6.The boiling maelstrom 7.The Chase: Third Day 8.Fedallah The Parsee
9.Swift vengeance 10.Epiloque
0382吾輩は名無しである
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2015/11/03(火) 06:01:52.47
友人でもあったホーソーンとの比較が多いんだけどメルヴィルは表層的な意味の向こう側に絶望があるんだよな
ホーソーンは社会の不合理を超えたところにはほんの少しの希望がある
それは距離の近い墓に葬られる「緋文字」みたいなほんの少しの希望なんだけどメルヴィルにはそれが少ない
ホーソーンと同じく不合理な社会の理想主義的な変革には懐疑的で、しかももう少しペシミスティック
小説の真髄は細部にあるというスタイルとは違う作家のような気もする
細部を突き詰めることに意味はないと考えて同時に細部を書き込むような、矛盾したスタイル

黒人奴隷に対する態度とか含めてあの時代のアメリカ小説は面白いと思う
0383吾輩は名無しである
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2015/11/03(火) 13:15:08.43
白鯨の中に沈没していく舟を改修する男の話が出てくるが、あれがメルヴィルの抱く人類のイメージ。
0384吾輩は名無しである
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2015/11/03(火) 16:22:22.48
>>383
船大工のこと?
俺は、あれがメルヴィルの人類観だとは思わない。
船大工は、何事にもまるで意味を見出そうとしないがために、
意味を失った世界でも平然として生きている、そんな人物として描かれたのではないか?
その世界で自殺せずに生きるための方法を、『白鯨』の登場人物たちは
それぞれ模索しているのだと、俺は読んで感じる。
0385吾輩は名無しである
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2015/11/03(火) 18:39:13.81
冒頭で圧政に対する抵抗の時代ももはや過去となり(うろ覚え)、といったことが書かれていたから
捕鯨船というのは当時の社会状況の縮図として取り上げられたものだと思う。
ただ、メルヴィルの社会観がどのようなものだったかは分からない。

ただ、社会主義革命(パリコミューン)や人種差別撤廃運動(インディアン蜂起、黒人奴隷問題)
などへの挫折感程度で片付けられるような種類の話じゃないと思う。
世界中で内戦や民族紛争が激化していた時代の空気はいまではよく分からない。
その苛烈さは現在の比じゃないと思うのね。
0386吾輩は名無しである
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2015/11/03(火) 21:04:17.72
>>385
同時代にエマソンやホイットマンっていうアメリカの精神みたいな人たちがいて
それに違和感を覚えつつも全体的には理想主義を貫くエドガー・アラン・ポーとホーソーンがいて
これにメルヴェル加えて「アメリカン・ルネッサンス」と呼ばれるわけだがこいつら全員黒人開放に反対なんだよな
1840年にスピルバーグが映画化した黒人奴隷がスペイン奴隷船を虐殺した事件が起こってアメリカが二分される
メルヴィルは南北戦争で作家のキャリアを終わらせているようなもので、決してリンカーンや理想主義者には与していない
1951年の白鯨でそれまでかろうじて持ってた読者を失い、1952年のピエールでメルヴィルが狂ったと言われたでもそれ以前からピエールの副題「and , the Ambiguities」っていうように両論併記の作家でもある
何か超越したものを求める主人公は必ず挫折することになっていて、だから南北戦争後に再評価されたんだというのは言い過ぎかもしれないけれど
>>384>>385の言いたいこと両方がよくわかるわっと思った
0387吾輩は名無しである
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2015/11/04(水) 20:09:37.09
人種差別といえば
ラブクラフトがいる
こいつの作品はむかつく
0388吾輩は名無しである
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2015/11/04(水) 20:48:23.92
リンカーンは奴隷解放論者というわけでもなくて
実際、黒人奴隷の女中を慰み者にして産ませた隠し子がいるくらいだから。
現代黒人奴隷解放史研究ではあれはもののはずみで出た言葉に過ぎなかったとさえ言われている。
あの当時の人に人種的平等という発想はほとんどなかったと思いますよ。

そもそも、黒人奴隷解放後には黒人はガンガン野垂れ死にしているし、
この奴隷労働力不足を大量のアジア系奴隷(中国系がほとんど)で補って
たとえば大陸横断鉄道を敷設したりしている。
まあ、枕木一本につき1人死亡と言われるくらい死屍累々だった。
末端労働者であるカウボーイだって実はインディアンや中国系が多かったと聞くし、

若干、時代が遡るとはいえ、「白鯨」はそういう時代状況における
下層労働者たちの世界を舞台にしているわけで。
ドストエフスキーの「死の家の記録」のようなものです。
0389吾輩は名無しである
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2015/11/05(木) 01:18:47.14
>>388
あの時代のabolitionistって言う人たちが奴隷解放論者ですね
ギャリソニスムとかクェーカー教徒たちがそのような主張をしています
もう少し遡るとイギリスの感情革命ってのが波及してきたのがナポレオン戦争後で、移民(この時期だとアイルランド)らから人権思想が広まる
功利主義を唱えたジェレミー・ベンサムも苦痛を感じる力は黒人も同じであり苦痛を可能な限り少なくさせようとする上で奴隷解放を主張していた
1830年くらいを境にこういう急進的社会改革者ってのがたくさん出てきて、ホーソーンも一時期その種の理想主義的コロニーに参加していた時代だと思う
結構このメルヴィルが青春時代をすごしていた時期に平等思想(理想主義運動)って猛火を振るっていて、時代の空気としては無視できなくなったのが1830年くらい
もちろんアメリカは広いんで奴隷維持を唱える人も多かっただろうけど新しく州になる地域には奴隷制度は認めないとかの決まりも出来ていた
にも関わらず、文学者からは奴隷解放を唱える人は出なくて、法律家から運動が起こったってことが面白いとは思う
ベンサムももとは法学者だし1839年の奴隷暴動事件で黒人を解放したジョン・クインシー・アダムズ(元大統領)も法律家
0390吾輩は名無しである
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2015/11/07(土) 11:13:55.01
幽霊船なんて人種差別の最たるものではないか
奴隷によって船を占拠されたなんていうけど
黒人にしてみれば
自分たちを抑圧してきたんだから怒って当然のことだろう
0391吾輩は名無しである
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2015/11/07(土) 18:28:13.84
>>389
なるほど。
アイルランド系(おそらくはプロテスタント)移民の人権思想や
功利主義者の人権思想が背景にあるというわけですね。
そういえばイギリスではベンサムの後継者たるミルが普通選挙や女性解放運動をやっていましたね。
ただ、ミルは大英帝国の植民地主義やセポイの反乱には否定的だった筈。

法律家といえばホームズ判事が北軍に従軍していて
この人はパースやジェイムズが参加していたメタフィジッカル・クラブの主要メンバーだった。
つまりプラグマティストということ。
この連中はハーバード出身でその当時紹介されたばかりのダーウィニズムの影響を強く受けている。
その思想形成期がだいたい1850年代末で南北戦争直前頃。

簡単に言うと科学主義に基づく計画主義なんですね。
ただ、プラグマティズムはエマソンの超越主義にも淵源を発していて
この中心はマサチューセッツ州のボストン。
ホームズ判事はマサチューセッツ軍に従軍していた筈。

そう考えるとエマソン流の超越主義がわりとくせものだと思うんですよ。
メルヴィルは1819年生まれだからエマソン主義の流行期が青年期と重なる。
エマソン主義からダーウィニズムの流れを汲む科学主義の勃興期に
主要作品が書かれている。
0393吾輩は名無しである
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2015/11/09(月) 04:30:20.80
>>391
アイルランド移民は大雑把に独立前、イングランドのアイルランド併合とカトリック弾圧、ジャガイモ危機後に分かれる
数としては100万人単位のジャガイモ危機(1850年頃)が多いんだけど、1800年のアイルランド併合の時期も結構多い
この時期は基本的にガン・パウダー事件とかあってカトリックは公職にも就けず、イングランドから特に差別されてた時代
比較的穏健にカトリック解放運動していたダニエル・オコンネルって人が黒人解放も唱えていた
基本的にアイルランド移民はカトリックでWASPと言われる東部では差別され続けていた
(貧しい労働者階級の移民自体が黒人を差別する構造もあってややこしいけれど)
アメリカで黒人の学校をはじめて行ったのもカトリックのアイルランド神父だったりする
まぁその辺はどうでもいいんだけど黒人とアイルランド人をどちらも野蛮人とか悪魔とか扱う人々がいたのよ
イギリスのトマス・カーライルやディケンズもそうで、少し時代が下ってだけどJ.S.ミルとは対立してた
(1865年にジャマイカで数百人の黒人殺害した総督を英雄視するカーライルやディケンズに対してきちんと裁判を受けさせろと)
メルヴィルの作品は主に1845年から1852年で、その後は雑誌に発表した散文が1857年まででビリー・バッド書くまで30年くらい散文書いていない
そうするとメルヴィルに限るならもう少し前の時代(1830年から50年くらい)の奴隷制度はよくないけど連邦制度壊して南部とは戦争したくないって恐怖があった時代の影響が主じゃないかな
幽霊船や白鯨やタイピーに出てくる黒人や人食い人種はストウ夫人のような善良で陽気な黒いキリストじゃなくて一皮向けば恐るべき狡知と悪意を持ちうる存在と描いてもいたと思う
0395吾輩は名無しである
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2015/11/09(月) 20:47:05.48
もちろん読んだ作品違えばそういう風に読み取れるところもあると思う
タイピーで教育や西洋化によって人食い人種の楽園は堕落するみたいなくだりがある
幽霊船でも言葉がしゃべれる黒人は船長を脅迫して暴動が起こっていないように見せている
あくまでメルヴィルにおいてだけど黒人の野生/野蛮さは強調していないかね
もし社会とか教育の可能性を感じる部分あったら教えてくれるとうれしい
なんだかんだいろんな解釈許す作家やし
0396吾輩は名無しである
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2015/11/09(月) 23:34:50.82
俺は>>394じゃないが、メルヴィルが真に野蛮であると感じたのは、
むしろ堕落したキリスト教徒の方だと思う。『白鯨』から引用。

「(……)その山出しの連中は、白人というものは白く洗った黒人以上に
 高尚な何ものかとでも思いこんでいるのか」第13章

「人間という生きものが、おのれの灯火油を供給する動物をむさぼり食い、
 ことにスタッブのように、そのものの油を焼く灯影において食うなどとは、
 じつに野蛮きわまることと思える」第65章

「(……)その運河筋の田舎に生まれた何千という少年や青年が、信心深い
 静かな野良仕事から野蛮この上もない荒海の収穫仕事に移ってゆく」第54章

「人間という造化物は、エイハブの見るところでは、その不変の本質構造に
 おいては、卑俗なるものだ。かりに白鯨がこのおれの野蛮な乗り組みどもの
 心を燃え立たせ、その野蛮性に働きかけて、いくらかは騎士修行の美わしさ
 をさえその心に芽ぐませたとしても、しかも、このモゥビ・ディクを欲得
 はなれて追っているその間にも、生まれついた日々の食欲をみたす餌だけは、
 あてがわなければならぬ。崇高な騎士道精神に燃えた昔の十字軍でさえ、
 聖墳をめざして闘いすすむ二千マイルの山川を行くには、やはり道々に強盗
 掏摸その他のありがたい役得がなしには満足しなかったではないか。」第46章

「だれが食人種でないというのか。わたしはいうが、フィジー島人が、来る
べき飢饉に備えて、やせっぽちの宣教師を窖で塩漬にしたとしても、その用
心深いフィジー島人は、大審判の日には、諸君のごとき文明開化の食通、
――鵞鳥を地に釘づけにして、そのふくれた肝臓をパテ・ド・フォワ・グラ
にして舌鼓うつ人々よりも、罪が軽いことになるであろう。」第65章
0397吾輩は名無しである
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2015/11/10(火) 04:25:34.84
>>396
exactly
それは文明が人を楽園から追放させるという文明への悲観視を感じさせる引用だと思う
野蛮人を文明化(キリスト教化)することを良しとする、西洋中心主義に対してゾロアスターや仏陀、グノーシス、異教の神々なんかを作品に導入している
1837年にアメリカ大不況で財産失って資本主義に疑問を抱いて太平洋に出奔せざるを得なかったメルヴィルの個人史にも通じると思う
父親が財産失って発狂して死んだことや、実際に捕鯨船から逃げ出して人食い部族の集落にいたことを彼は書いている
ただし少し誇張を踏まえているし、父が隠し子作ってたことが世界をぶっ壊すほどの衝撃として小説書いて商業的には大失敗してもいる
エイハブの言う「ボール紙の仮面」にすぎない理想主義のペルソナの欺瞞性を指摘している
この辺がエマソンやその弟子ソローを登場人物に仮託して批判しているところで、たぶんストウ夫人みたいな「差別されているけど善良な隣人としての黒人」みたいな見方は偽善だと考えていると思う
幽霊船(ベニト・セラノ)の黒人に奴隷にさせられるセラノ船長は南部白人、だまされる善良なデラノ船長は北部白人とする解釈もあって、デラノに救われたベニトが衰弱死する理由が奴隷化していた黒人に奴隷にされ、相手も人間なのだと知ってしまったためだっていう評論もある

西洋的な楽園から(理不尽に)追放されて放浪する「イシュメイル」たちは文明の外に楽園を見つけてもそれは決して楽園じゃなくてユダヤ的な神とかデミウルゴスの支配する楽園だっていう印象がある
そのデミウルゴスの楽園をフランス・スペインチックにキリスト教化するとしっぺ返しあるよってのがけっこう作品に通底している、と今のところ読んでいる
未開人をキリスト教化するのは彼らの肝臓をフォアグラにする(裕福にする)だけで真の魂の救済とは程遠いっていう引用はまさにそのとおりで、だからといって野蛮人が無原罪のタブララサかといえば一緒にすごしてみればそんなこと言えないんだぜ、って主張している
人食い部落に歓待されて命からがら逃げ出し、斧を加えて追っかけてくる恩人の頭をかち割って逃亡に成功するデビュー作とか幽霊船で突然ボートに飛び掛ってくる黒人反乱者の印象強いのかもしれないけど
0398吾輩は名無しである
垢版 |
2015/11/16(月) 17:12:25.56
『ハーマン・メルヴィル事典』の中身ってどんな感じ?
716ページもいったい何が書かれてあるんだ?
0399吾輩は名無しである
垢版 |
2015/11/17(火) 02:18:35.27
基本的にはそれこそ辞書です
9割がたAからZまでメルヴィルに関する単語の説明です
A-Aはマーディに登場する狡猾な3姉妹の一人で他の二人はIとOである
結構メルヴィルはやたらと長い詩(単行本500P位)を書いているのでそちらに偏重している印象があります
あくまで研究者向けです
彼の義父が最高裁判所の首席判事でリベラルだけれども逃亡奴隷を南部に送り返す判決を初めてした人物だとかエイハブのモデルだとか知りたい人向けですね
0400吾輩は名無しである
垢版 |
2015/11/17(火) 03:33:17.52
おお!! どうもありがとう!
仰るとおり、研究者向けに違いないけれど、ずきっと興味をそそられた。
なんとか現物に会いにいって眺め回してみるよ!
0402吾輩は名無しである
垢版 |
2015/12/24(木) 23:59:51.60
ピークォド号、ナンタケットを出港。
0403吾輩は名無しである
垢版 |
2016/01/16(土) 21:43:46.71
白鯨を読みたいが岩波か新潮か角川か講談社かで迷っています
どの訳がどんな感じでおすすめですか?
0404吾輩は名無しである
垢版 |
2016/01/18(月) 11:54:15.67
阿部知二を推す。
氏の訳文が作品の本質にもっとも近い『白鯨』だと思う。
0406吾輩は名無しである
垢版 |
2016/01/19(火) 20:51:46.67
全集買っちゃったから俺は坂下訳と心中する
たとえば
“BLOODY BATTLE IN AFFGHANISTAN”の訳を比較すると

「アフガニスタンにおける血なまぐさき戦争」(阿部知二 訳 筑摩世界文学全集)
「アフガニスタンにおける血なまぐさい戦闘」(八木敏夫 訳 岩波文庫)
「アフガニスタンにおける大殺戮戦」(田中西二郎 訳 新潮文庫)
「韓くれないの血戦アフガニスタン」(坂下昇 訳 国書刊行会)

こんな感じで非常に独特な訳だが俺の白鯨はこの人だ

あおせっかく白鯨を読むなら挿絵つきの岩波を推す、あれがあると無いでは全然違う
それでも岩波版は全挿絵の1/5もないと思う
全集は全章に挿絵がついているのが素晴らしい
0407吾輩は名無しである
垢版 |
2016/01/21(木) 22:03:55.06
ほとんど読んでる人いないだろうけど、「集英社ギャラリー世界の文学16」に収められてる
幾野宏の訳も結構お勧め。

訳文もいいけど、それ以上にメルヴィルの科学考証のいい加減さや、前後のつじつまの
合わない描写などにツッコミを入れまくる訳注が素晴らしいw
0408吾輩は名無しである
垢版 |
2016/01/31(日) 00:56:21.21
『白鯨との戦い』、今日観てきた。
予想以上に良い映画だったので、改めてお伝えしておく。
メルヴィルも出るよ!
0409吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/02(水) 11:23:58.72
白鯨は1851年に発表された作品。
1851年は嘉永4年、つまり徳川家康で孝明天皇の御世。

旧約聖書、創世記弟一章二十一節:
and god created great whales, and ...

旧約聖書は、欧米人が鯨をガンガン乱獲して鯨油だけとり、
ほかは捨てていたって状況のときにも存在していたはずだけどね。
0410吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/02(水) 14:19:16.15
昔、挫折した。

今回、岩波と講談社の2種を用意したので並行して読むつもり。
0411吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/02(水) 14:34:30.04
>>410
ぼくも白鯨は三回くらい挫折してる
よかったら一緒に読んでくれないか
ぼくは意志が弱いので一人だと読み切れないと思うんだ
といっても他人には関係のないことだから無視してもらって構わないよ
0412吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/02(水) 14:44:27.00
『白鯨』はかつて阿部知二訳ですらすら読めた。
挫折したままなのは『ドン・キホーテ』。
現岩波の訳はいいのだが、なぜか話に興味が湧かない。
0414吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/02(水) 14:57:25.51
1851年というのはゴールドラッシュが始まった3年後だということは重要な影響を白鯨に与えている
1849年にカリフォルニアに集まった49ersと呼ばれる男たち、そしてそれを見て集まった51ersと呼ばれる女たち
彼らはどこから来たのかナンタケットから大陸を横断してではない。船に乗り、パナマへ行き、パナマ地峡を渡り、そこから船でカリフォルニアに行ったのだ
白鯨を追う旅が南米大陸南端を越えて太平洋に行く、と最初言及されながら途中でなぜか断念して東回りの経路をとって日本のそばを通って太平洋に行くことに注目した人はいるだろうか
まさにゴールドラッシュの影響で、メルヴィルが船乗り時代に当たり前であった南米南端を回る経路が時代遅れになってゆく時だったのだ
0415吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/02(水) 15:05:13.50
>>411

いいけれど。
現在、岩波と新潮の『カラマーゾフの兄弟』を精読中なのね。
残りが3分の1ある。
たぶん3月中には読了すると思う。
次に北御門訳と藤沼訳の『戦争と平和』を読もうと思っていたけれど、
4月からならいいよ。
ただしぼくはメモをとりながら読むから遅読だよ。
0416吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/03(木) 02:30:04.89
>>415
めちゃアホゥやねw
0417吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/04(金) 14:56:09.99
白鯨は難しい
とても読みとおせない
0418吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 06:29:46.15
白鯨の読み方

ノートを用意する。大学ノートの、あれば大判がよいな。
で、左側に英文を、右側に自分で考えた邦訳をつける。無論わからない言葉は辞書
で調べる。
ムリをせず、気の向いたときでいいから、少しずつでもやってみる。
やっている限り、挫折しているわけではない。
この方法のいいところは、途中までのところをリマインドするのに時間がかからない
こと。時間をおくと訳も改善できることがある。また、挫折した、なんて後ろ向きの感慨を持たずにすむ。
欠点は、ノートの消費が激しいこと。
0421吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 15:35:08.16
精々頑張ってくれ!
0422吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 15:36:29.66
原文で読むのが前提となってるのか?
内容が難しいのではなくて英文が難しい?
0426吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 21:12:06.67
>>418は何か勘違いした読み方でしょう
再読時に、とか20世紀実験小説にはともかく白鯨の初回の読み方ではないかな
0429吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 21:40:30.96
>>418フルボッコでワロタ
0431吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 23:20:57.83
では、反応もいいので、詳細に入ろう。

テキストは絵がすきならpenguinかな。コメンタリなどがついているので、精読向きの本。
全部で1000ページ強。
RinehartEditionsは絵もなく600ページ弱。ほかにも何冊かあるだろう。

まず、スケジュールをたてる。2年ではちょっと長すぎるかも。まあ、1年半くらいが
茶々入れてきたやつにはちょうどいいかも。
一日に何時間使うかは、一回やってみて決めればいい。

一日分の英文をまず左に、間隔を多めにとって写す。次に右。辞書なしで訳せるところは
まず訳す。辞書は知らない言葉を調べるためだけに用いる。辞書読みに時間をかけない。
これで99%は訳がうまるだろう。わからないところは英文にマークして終了だ。
翌日は英文を写す前に前日分に目を通す。これは流れをリマインドするため。
わからないところはざっと見てわかってしまうかもしれない。
であとは同じ。
邪道だが、鯨学は飛ばして、最後までいってから戻るのもいい。

1851年と2016年の違い、アメリカと日本の違い、などを考えると、読書の重みは
今と比較にならないほど濃かったと推測できる。
映画もアニメもマンガもないわけだから、じっくり読書ができる惠まれた環境だった、
と言えるかもしれない。

別に苦行しろと言っているわけじゃないんで、翻訳を読むのもいいだろう。
でも、まさか翻訳をそのまま右に写すのは意味ないぞ。訳はあくまで自分の訳に
こだわれ。納得して訳を盜むと言うならそれもよし。でも、そういうことをするなら
自分で一日一回だけ、とかの制限をつけたほうがいいと思う。

1ヶ月続けられゝばおそらく大丈夫だろう。完走すれば英語力アップ間違いなしだ!
挫折はダメだけど、中断ならよし。英気を養って再開すればいいだけだからな。

健闘を祈る。
0432吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 23:36:58.85
あほか
0433吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 23:42:16.11
英語が好きなやつは原文で読めばいい
俺は岩波文庫のやつを三日間じっくり読み通して
めちゃくちゃ充実感味わったわ
0434吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/05(土) 23:51:09.20
取り説君はだいぶ前から同じこと書き込んでる
0435吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:16:01.67
ノートを取ってどうたらこうたら
お勉強みたいな読書は好きじゃねーな
0436吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:28:25.12
メルヴィルにお勉強みたいな読書は似合わないわな
がちで文献学的考察するのでもなく、ぬるい読書するのなら無意味な作家
メルヴィルや同時代の風潮を網羅して読解するならともかく、白鯨だけを読むのはあんまり意味ない
0437吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:32:42.85
おまえにとって意味がなくても
俺にとって意味があればそれでよし
0438吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:39:03.56
>おまえにとって意味がなくても
じゃなくて他人に意味を持たせられようなことが書けないなら、一人で読んでればいいんじゃないかな
たぶんこれまで散々馬鹿にされてきた人の書き込み見たいだけど。
ぬるい読み方の無駄な書き込み続けて楽しいのかね?
428 名前:吾輩は名無しである :2016/03/05(土) 21:38:12.28
できない言い訳はいいから(笑
430 名前:吾輩は名無しである :2016/03/05(土) 22:42:57.01
>>425-427,429は同一人物に決まってるだろが(笑

431 名前:吾輩は名無しである :2016/03/05(土) 23:20:57.83
では、反応もいいので、詳細に入ろう。

テキストは絵がすきならpenguinかな。コメンタリなどがついているので、精読向きの本。
全部で1000ページ強。
RinehartEditionsは絵もなく600ページ弱。ほかにも何冊かあるだろう。

まず、スケジュールをたてる。2年ではちょっと長すぎるかも。まあ、1年半くらいが
茶々入れてきたやつにはちょうどいいかも。
一日に何時間使うかは、一回やってみて決めればいい。

一日分の英文をまず左に、間隔を多めにとって写す。次に右。辞書なしで訳せるところは
まず訳す。辞書は知らない言葉を調べるためだけに用いる。辞書読みに時間をかけない。
これで99%は訳がうまるだろう。わからないところは英文にマークして終了だ。
翌日は英文を写す前に前日分に目を通す。これは流れをリマインドするため。
わからないところはざっと見てわかってしまうかもしれない。
であとは同じ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
437 名前:吾輩は名無しである :2016/03/06(日) 00:32:42.85
おまえにとって意味がなくても
俺にとって意味があればそれでよし
0439吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:45:59.31
勉強自慢の長たらしい無意味な書き込みは迷惑だわな
まあ、こんなのに限って実際には勉強できないんだよなw
0440吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:57:55.88
ほんとamazonでページ数だけ検索したような書き込みでまるで読んでないような阿呆が書き込んでるからな
日本の注釈よりも詳しい注釈本って皆無だということすら知らない馬鹿が恥さらしている
0441吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 00:59:40.30
ほんとamazonでページ数だけ検索したような書き込みでまるで読んでないような阿呆が書き込んでるからな
日本の注釈よりも詳しい注釈本って皆無だということすら知らない馬鹿が恥さらしている
0444吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/06(日) 22:08:17.02
444
0445吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/12(土) 20:22:25.74
やばいな白鯨面白すぎる
この文体は癖になる
翻訳だけど
暫くしたら原文でも読んでみたい
0447吾輩は名無しである
垢版 |
2016/03/12(土) 21:58:17.30
>>446
集英社版世界文学全集38巻 幾野宏訳
岩波文庫も持ってるけどこっちのほうが読みやすい
0449吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/01(日) 00:43:13.90
阿部知二訳が最高だよな
0450吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/02(月) 08:23:52.66
なるほど
0451吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/15(日) 20:11:21.09
『白鯨との闘い』(はくげいとのたたかい、原題: In the Heart of the Sea)は、
アメリカ合衆国で製作され、2015年に公開されたヒューマン・アクション映画である。
原作はナサニエル・フィルブリックの『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』。監督はロン・ハワード、主演はクリス・ヘムズワースが務める。
『白鯨のいた海』という邦題で公開される予定であったが、後に変更となった。

1850年、アメリカの新進作家ハーマン・メルヴィルは、トーマスという男を訪ねた。
トーマスはかつてエセックス号という捕鯨船に乗り組み、巨大な白いマッコウクジラと戦った人々の最後の生き残りだった。
渋るトーマスから当時の壮絶な実話を聞き出すメルヴィル。

1819年、エセックス号は捕鯨基地ナンタケットを出港した。
船長は家柄だけで選ばれた未経験者のポラードで、ベテランの一等航海士チェイスはそれが不満だった。
船には14歳の孤児トーマスもキャビン・ボーイとして乗り組んでいた。
1年以上の航海でもなかなか鯨油を集められないエセックス号は、
噂を頼りに南米大陸から2000マイル(3700キロメートル)以上離れた未知の海域に乗り出した。
マッコウクジラの大群を見つけて色めき立つ船員たち。だが、群れを率いていたのは巨大で凶暴な白鯨だった。

船員たちは白鯨に銛を打ち込むも、逆襲され沈没するエセックス号。3艘のボートに分乗した船員たちは、僅かな水と食料で漂流を始めた。
船員たちは途中で無人島であるデュシー島にたどり着くが、
島にいても生存は見込めないことを知り、残留を希望した数名を残して、再び洋上を漂流した。
その後食糧は尽き、最終的に生き残るためには、死者の肉を食べる必要もあった。
90日の漂流の後、救助されたのは船長とチェイス、若いトーマスなど、ほんの数名に過ぎなかった。

トーマスはその後、漂流中の体験を妻にさえ語らず、苦しみ続けて来た。メルヴィルに全てを語ることで、救われるトーマス。
1年後にメルヴィルは、取材した実話ではなく、そこから膨らませたフィクションの『白鯨』を出版した。
0452吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/19(木) 16:08:05.33
『白鯨伝説』は、NHK衛星第2テレビジョンの「衛星アニメ劇場」内で1997年から1999年にかけて放送された日本のテレビアニメシリーズ。

監督・絵コンテ - 出崎統

デュウ
声 - 関俊彦
エイハブ
声 - 大塚明夫
ラッキー
声 - 水谷優子
0453吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/20(金) 23:40:20.12
マートン・スィールツ著『メルヴィルの讀書』によれば、メルヴィルは西暦1850年の6月乃至7月に、
友人のエヴァート・ダイキンクからカーライルの『英雄崇拜論』及び『衣服哲學』を借りてゐる。
尤も、カーライルの影響は既刊の『マーディ』や『ホワイト・ジャケット』にも認められるし、
前年の英國旅行に際しては事前に知己を介してエマソンからカーライルへの紹介状を手に入れようとした程だから、
メルヴィルは初めて讀んだ譯ではなく、再讀のための借用であつたと推定される。

當時彼は、シェイクスピア、エマソン、ホーソーン等を貪るやうに讀んでをり、さうした作家たちの影響は翌年出版の『白鯨』に明らかだが、
やはり何と言つても「『白鯨』執筆の鍵となつたのはカーライル」であり
、「就中『衣服哲學』からメルヴィルは己がロマン的ヴィジョンを得たのである」と、ハロルド・ビーヴァーはペンギン・ブックス舊版『白鯨』の序文に書いてゐる。
實際、卷末の厖大な註釋にもカーライルからの數多の引證があつて、右の見解には實證的な裏附けの存する事が解る。
けれどもビーヴァーの關心は專ら、作品の有する變幻自在な表現樣式、そしてそのソース探し、パラレル搜しにあるやうで、
それらの技法が一體誰から如何なる影響を受けたものかに關する知識を提供する限りに於ては、彼の序文も註釋も讀者を裨益するものの、
何故メルヴィルがさういふ技法を採つたのか、或は採らねばならなかつたのか、といふ疑問には殆ど答へてくれないのである。
http://homepage3.nifty.com/okadash/melville.html
0454吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/21(土) 22:00:11.62
白鯨読むならどこが出してる本がいいですか?
日本語翻訳本で読みやすい(文字が小さ過ぎるのはNG)のがいいです
0455吾輩は名無しである
垢版 |
2016/05/24(火) 16:14:11.91
大熊 もう一つ『白鯨』ですが、私は阿部知二訳で慣れ親しんできたのですが、
2000年に千石英世さんが訳し直して、ちょっとした翻訳論議を呼びました。
 千石訳は『白鯨』の10番目くらいの訳だそうですが、すべて既訳を参照したけれども、原文の不明な箇所というのが多々ある。
それをどうするかということで持ち出されてきたのが「解釈訳」という考え方です。
そうした新機軸に加えて、読みやすさという点でも大変改善されています。
例えば、阿部さんがウルフィッシュ・ワールドを「豺狼(さいろう)の世の中」なんて訳しているのが印象に残っていますが、
千石訳だと、そういう驚きはありません。
 ただ、『白鯨』にしても『ユリシーズ』にしても、学問的な研究成果が蓄積されて、
テキストに新しい解釈を加える必要が出てきたので訳し直す、という理由はもっともなわけですが、それはかなり学問的なもので、
一般読者がそれを要求しているかどうかということとは、ちょっと違うとは思います。
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