[白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー]
アメリカ文学の巨人のスレッドがしばらくなかったので立てておく。 >>462 遅いレスだけど今年の5月に朗読CD発売されましたよ 結構発音なんかはよい感じです >>464 どうもありがとうございます。 CD がないかを調べたのはもう2年くらい前だったんです。 MP3 なので1枚というのは有り難いですね。 でも、英語も知らない単語が多いし、中身が分かってないからw >>465 正直なところ、朗読に向く小説でないのは確か 「天使は天使でしかないという偏見」 there prevails a sort of prejudice against angels, who are merely angels and nothing more >>467 そうじゃなくてangelってのがそもそも伝令者っていうのがもとの意味になっている 坂下訳だと 「天使(マーレフ)はただの伝令者(シュリーエフ)に他ならないなどと言う偏見もそうであろう」 邦訳ではわざわざヘブライ語を持ってきている mal'akh:ヘブライ語聖書で一般に使われている天使(原義messenger) shaliyah :天使においても人間においても使えるmessenger ピエールって言う小説は一見通常の言葉を使っているように見せて思いっきり聖書の単語を使っている しかも天使の伝令だけでなく神々しさ・美しさ(天使性)を強調して描写するのはただの婚約者に過ぎない 主人公はキリストとして描写されるし、頭が狂ったと言われるにふさわしい変な小説なわけです >>468 シャレのつもりのカキコが勉強になるレスが付いてた! 面白い話ありがとうございます 旧約の「マラキ書」のマラキは "My messenger" という意味だと習ったわ >>463 柴田はピンチョンの翻訳でも微妙だったしな 訳文に関しては八木の方が一枚上手だと感じる クィア短編小説集 名づけえぬ欲望の物語 (平凡社ライブラリー) 発売日:2016/08/16 「わしとわが煙突」 ハーマン・メルヴィル 「モッキングバード」 アンブローズ・ビアス 「赤毛連盟」 アーサー・コナン・ドイル 「三人のガリデブの冒険」 アーサー・コナン・ドイル 「ティルニー」 ワイルド 「ポールの場合」 ウィラ・キャザー 「彫刻家の葬式」 ウィラ・キャザー 「アルバート・ノッブスの人生」 ジョージ・ムア 2010:moby dick でかけりゃいいってもんじゃない、ってことを教えてくれる映画 90 名前:番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ 367f-I0VL)[sage] 投稿日:2017/02/01(水) 19:06:55.67 ID:NMqkB8BL0 ナンタケット島に入植したクエーカー教徒たちが捕鯨産業を始めたという歴史があるらしくて エイハブ船長や登場人物達は皆thou, thy, theeみたいな、クエーカー教徒風の古い表現を使ってるのを原書読んだときに知った "I tell thee thou must not follow Ahab now."とかみたいに 訳注に書いてあることをなぜわざわざ得意げにコピペしてくるのかわからん 小谷野敦「藝術作品の価値というのは、科学的に証明できるようなものではないのである」 http://www.bookbang.jp/article/525912 メルヴィルの『モービィ・ディック』は、日本では『白鯨』と訳されていて、 しかしモービィ・ディックは鯨の名前なのだから、そのままの題で出すべきだと思う。 だがそれでは売れないと判断されるのか、阿部知二以来少なくとも十点の邦訳が出ているが、 今にいたるまで「モービィ・ディック」だけでだしたものはない。 私は大学三年の頃、カネがなく、古書店で新潮文庫のカヴァーなしぼろぼろの田中西二郎訳を上下巻百円で買ったのだが、 読み始めると夢中になって、 西浦和で家庭教師をしていたその帰りもう暗くなった西浦和駅で電車を待ちつつもむさぼるように読んでいたのを覚えている。 しかし、何がそんなに面白かったかというと、これを伝えるのは難しい。 刊行当初、理解されずにメルヴィルは海洋冒険小説作家としての名声を失い、二十世紀に再評価されたと言うが、 たぶん今でも、何がいいのか分からないという人はいるだろう。もちろんさまざまな解説はある。 その博物学的な記述がいいのだとも言えるし、私はそこに女性嫌悪を見出したりしたが、 そういう説明は結局でかい鯨を撫でるようなもので、 面白くないと言っていた人が、そういう解説で、なるほど! と急に面白く思えるようになったりはしないものである。 ビーートたけし「あああーん!あべぴょーん、らめえええええええー!ひぎーぃ!アナルが裂けちゃううううううっ!うぐっ!ほっほい!」 メルヴィル作『フォアトップマン』という作品があるらしいのですけれど、 邦訳はあるのでしょうか? ご教示願います! >>486 紀田順一郎の本に出ていたのです。 『ビリー・バッド』のことだろうと思ったのですが、 ちょっぴり自信がありませんでした。 レスありがとうございます! 南が丘文庫 http://www.minamigaoka.info/BOOKS/ Official Homepage 横浜市立南が丘中学校の母体である、平成研究会、通称、経世会とは、自由党吉田茂派を起源に持ち、周山会(佐藤栄作派)・木曜クラブ(田中角栄派)の流れを汲む、鉄の軍団と呼ばれた保守本流集団である。 横浜市立南が丘中学校OB会 「ベニト・セレノ」(留守晴夫訳)を読んだ アフリカへの帰還を願って船の中で反乱をおこし、シージャックを指揮した黒人奴隷バボが、訳者解説で一方的に「恐るべき悪党」「戦慄すべき悪魔性」と悪の権化みたいに形容されていて、思わず「造反有理!」って叫びたくなったわ 白鯨 モービィ・ディック 上 (講談社文芸文庫) ハーマン・メルヴィル (著), 千石 英世 (翻訳) 出版社: 講談社 (2000/5/10) 白鯨 上 (岩波文庫) ハーマン・メルヴィル (著), 八木 敏雄 (翻訳) 出版社: 岩波書店 (2004/8/19) ビリー・バッド ハーマン・メルヴィル (著), 留守晴夫 (翻訳) 出版社: 圭書房; 初版 (2009/8/7) バートルビー/ベニト・セレノ ハーマン・メルヴィル (著), 留守晴夫 (翻訳) 出版社: 圭書房; 第一版 (2011/1/10) タイピー 南海の愛すべき食人族たち (シリーズ世界の文豪) ハーマン・メルヴィル (著), 中山 善之 (翻訳) 出版社: 柏艪舎 (2012/3/20) ビリー・バッド (光文社古典新訳文庫) ハーマン メルヴィル (著), Herman Melville (原著), 飯野 友幸 (翻訳) 出版社: 光文社 (2012/12/6) 白鯨 (上) (角川文庫) メルヴィル (著), 富田 彬 (翻訳) 出版社: KADOKAWA/角川書店; 改版 (2015/6/20) 書記バートルビー/漂流船 (古典新訳文庫) メルヴィル (著), 牧野 有通 (翻訳) 出版社: 光文社 (2015/9/9) >>493 造反有理、その通り 確かに、悪夢的存在としても書かれているとも思う しかし、悪夢的存在であっても悪魔的存在とは書かれていないと思ってしまう それは、バボは何も言わないで死んでいく、犯罪が露見したあと、悪魔的に自己正当化を行わないことこそがこの小説の凄さ 単に反乱を起こしただけでなく、悪夢のように事件が鎮圧されても憑りついている それは力が衰えつつある、反乱におびえる「白人」に「暴発」のイメージが幽霊のように憑りついている象徴的な、表現ではないかと思う 「ベニト・セレノー」は古くから「幽霊船」というタイトルをつけられてきた通り、リアリズムではないシンボリズムの小説として読んでいる >>495 うん、本編についてはその通りだと思う 特に「デラノにとってのバボ」と「セレノにとってのバボ」が最後まで徹底的に対比的に描かれていて 決してバボ自体は一面的には描かれてないよね 訳者解説がバボにちょっと容赦無さ過ぎるかな、と思っただけ サン・ドミニク号が霧の中から姿を現すとき、サヤ・イ・マンタのインディアンのノゾキアナからこちらを窺っているリマの密通女の邪眼と似ている、と描写される このサヤ・イ・マンタというのは目だけ出した真っ黒いベール 向こうからは見えるが、こちらからは眼しか見えない 船に乗り込んだデラノ船長は黒人が物も言わず眼だけぎらぎら見つめているさまを黒い頭巾の修道士の一団かと見まがう バボというのは肉体的にも奴隷の中で矮小で、スペイン語を話せるだけ 奴隷の中にいる王族アチュファルに鎖を巻き付けて奴隷のふりをさせる 巨漢で元セネガル王への隠微な見せしめはセネガルでも奴隷だったバボ以外には理由が見出せない 奴隷たちもまた、神=バボの意図を知ることができず、「黒い修道士たちのように」従う バボの頭は絞首刑になった後も晒されるわけだけれど、「狡知の巣箱」というその頭は「僧院」をにらみ続け、その僧院にセレノは三か月後に埋葬される バボはセネガル人なのだけれど、なぜ「インディアンの覗き穴」とされているのか? ただ黒人名だけでなくて、インディアン根絶作戦(マニフェスト・デスティニー)を遂行しながら、無意識に住み着くインディアンに恐怖するアメリカ人を描いていると思う ちなみにバボにだまされて、「反乱なんか忘れてしまえ、自然は美しいじゃないか」とセレノを励ますデラノ船長は、フランクリン・「デラノ」・ルーズヴェルト大統領の先祖で、100年後にラルフ・エリスンが「見えない男」を書く 白鯨を書いた直後のメルヴィルのホーソーンへの手紙 考えうる限り最も邪悪な小説を書くことができました しかし終わりではありません クジラよりも大きな怪物、クラーケンがいるのです そして書かれた「ピエール」 静謐な海面から突然巨大な触手が屹立し、大海原の弧船を深海へ引きずり込む その暗い触手が主人公を破滅させる様は白人に絡みついて覆いかさばる、黒い髪、サヤ・イ・マンタになぞらえられる 主人公の父が先住民族を強姦して生まれ、主人公を死に至らしめる異母姉イサベルは黒くて暗い髪の「眼だけが光る」密通女となり、大天使ルシファーたる完全無欠のいいなづけルーシーから主人公を寝取る この女性はバボそのものなのだ 悪魔ではなく、悪夢であり、原罪であり、居座るバートルビーそのもの イサベルとは悪王エイハブの妻 孤児イシュマエルを破滅させ、タシュテゴや「アメリカ」を皆殺しにして自死するエイハブ ただ一人理想的な白人ピエール(石=ペテロ)を砕き、光を陰らせるイサベル 石に覆いかぶさる黒い髪が絡みつくvine(蔦)と表現される 黒さ(dark)は犯罪を覆い隠し、父の犯した罪の隠ぺいを破壊してたどり着く息子と同根であり、息子を破壊しながら愛し、その死に縋りつく バートルビーの失職は「政府がOfficeを閉鎖したから」であり、その時期に閉鎖されたOfficeはインディアン管理局のみ インディアンとの果たされなかった契約(Dead Letter)をひたすら筆写し続けていたバートルビーは、ほかの仕事に就くことを拒み続け、別の場所に移動させられることを拒む 「私はそうしたくはないのです」 語られない過去に何を、してきて、裏切られたのか バボーイサベルーバートルビー 新潮文庫の上巻で挫折した 船に乗るまでは面白く読めたんだが・・・ みんなすごいね 「ピエール」はハムレットの再解釈版だと思うけどなあ ハムレットが懐疑の中で運命に抗いつつ行動し、 やがて破滅していく近代人の雛型なら 「ピエール」はその懐疑すら「運命」の中に組み込まれた 装置に過ぎないというもので 挙句の果てにバートルビーのように何もしないことのみを選択して やはり死んでいくという境地にたどり着く ここまでいくと殆どカフカの断食芸人のようなものだけど メルヴィルはカフカの半世紀以上も前にこういう境地にたどり着いている 「ボヴァリー夫人」や「白痴」のようにある種の理想主義への幻滅があったのだろう 理想のみではなく思考自体への懐疑も射程に含んだものだろうから そんな事をすると小説自体が成立しなくなる地点にまで追い込まれかねない とりあえず新潮文庫を再開してみた 1回10ページづつゆっくりと進めていこう とりあえず上巻を読了 このペースだと今年中に読み終わるかどうか・・・ だんだん面白くはなってきたが 映画白鯨、すごく面白かった もしかして老人と海ってこれの縮小版なのか 読んでみたくなった 『白鯨』って、船に詳しくないと読んでて苦しいよね? 『マーディ』読書中 途轍もなく面白いわけでなく、かといってとんでもなくつまらないわけでもない 例によって坂下昇のクセの強い訳文に呆れながら読み進められている 坂下訳がイヤにならないのは日本語のリズムが一応あるからだと思われる 久しぶりにクジラがagaったナ。 やっぱナレーションの問題に突き当たって、19世紀の文学だな って思うよね。 岩波のおかげで読み通せられた 新潮のは廃刊にした方がいい >>515 自分はドン・ジャロロが出たあたりが絶望的に詰まらなくて苦痛だった でも次第に「これは架空の島が舞台だけど現実を風刺してる話なんだ」と気づいたら少しだけ楽しく読めた しかし作品としては完全な駄作で間違いない 坂下は訳も癖があるが、注釈も自己満足なものが多いと思う ベロ王の注釈で「モデルはせむしのリチャード」とか書かれてて 自分はリチャード3世を読んだことあったからそれで通じたが そうじゃなきゃそんな説明じゃ何言ってるのか分かんねえよ >>518 坂下の註釈は読んだところで読解しやすくなるわけではないから一切読まなかったね メルヴィルの長編はあらかた読んだが、『マーディ』がいちばんチンプンカンプンだった 物語形式の哲学書といっていいが、文学的感銘はなく、読まなくていい類いの奇書だ 『ピエール』は見事な失敗作 『コンフィデンスマン』は意余って力及ばず、 上っ面をなでただけの思わせぶりな凡作 そこへいくと、『レッドバーン』は素直な佳作 >>1 ボーン アイデンティティの 主題歌歌っている方が子孫だとかだったな >>519 でもあれを読むとメルヴィル=ゲイ説がよく分かる 最愛のヒロインが消えて必死になって捜索しなくちゃいけないはずなのに ほぼ最後まで男の尻を追いかけつづけるだけで終わる ヒロインが消えたことによる苦しみや悲しみはほとんど感じられず 男男男がいろんな島を巡っていろんな男に会う光景を眺めるだけで満足しちゃってる 『マーディ』の後半はメルヴィルが読み込んだ色んな哲学書を披瀝する内容になっていて、 物語はどこかに忘れてしまった印象だ リアリズムの観点からすれば、太平洋諸島の島民がどうしてヨーロッパ哲学を知っているのか という素朴な疑問が生じる 破綻した作品には違いない 自分が読んで理解らなかったものを凡作だとか失敗作だとか呼ぶのはやめようよ。 メルヴィルとはあらゆる能力が違い過ぎるのに、自分の限られた理解力を基準に対象を偉そうに貶しているのは見ていて気分が悪い。 「ぼくはわからなかった」でいいじゃないか。 >>520 3作とも同感だな 鑑賞眼あるね ちなみに『白鯨』は大傑作だよね? >>520 オレもレッドバーンは佳作だと思う 青春ものって感じで面白かった 家が没落して「世の中が暗く見えた」というメルヴェイルの本音が出てていい >>524 「ぼくから見ると駄作だった」という権利すらないのか読者には >>526 524のようなわがまま駄々っ子は軽くスルーしよう >>526 「ぼくから見ると」なんて書いてないよね。誤魔化すなって。 「は完全な駄作で間違いない」「読まなくていい類いの奇書」「は見事な失敗作」 「は意余って力及ばず」「上っ面をなでただけの思わせぶりな凡作」 偉そうに。 作者に対しても、作品に対しても、何のリスペクトも感じられない。 公然と他者の作品を駄作呼ばわりする前に、理解出来なかったのは自分の力不足かも知れないと一瞬でも逡巡したか? メルヴィルの最晩年に英国から手紙を送ってきたJames Billsonは、 "I have liked the Mardi best although not feeling quite sure I have perceived all the meaning of the allegory." と書いていた。 彼は自分が理解できないからといって対象を馬鹿にしていない。 Billsonは後にウェルギリウスの翻訳者になるほどの教養があったが、これが文学的な態度だと思う。 あなたに対してここまで言っても仕方がないけど、 メルヴィルのキャリアを破滅させたのは、審美的な判断を下せるほどの素養もないのに 気安く作品を馬鹿にするアメリカの一般読者層そのものでもあったから、 そのような物言いを見ると、彼の愛読者として本当にうんざりするんだよ。 特定作家の研究者の解説を読むと、その作家へのリスペクトがあるからか、 どの作品にも好意的で、失敗作などないかのようだ しかし、どんな偉大な作家でもすべて傑作ということはありえない また、金を払って本を買って読んだ読者は自由に感想を述べてよい資格がある 5ちゃんねるの文学板は気軽に感想を述べ合うにはよい場だと思うね >>528 俺が書いたのは >>518 の 「しかし作品としては完全な駄作で間違いない」だけど これはあくまで俺から見てということであって「お前やお前以外の人間が見てもそう思え」なんて思ってないんだが? どんな作品の誰の評価だってあくまでそいつの一票であり 他人が従う権利なんてないなんてごくごく当たり前の前提だけどそんなことも分からんか ていうかお前こそ「マーディを駄作と認める権利」を他人に認めてないだろ >対象を馬鹿にしていない。 >これが文学的な態度だと思う。 じゃあお前の中では、世の中に馬鹿にできる駄作なんてもんは存在しないんのか? そうでなくてメルヴィル作品は別というならお前は読者じゃなくてただの信者だよ お前が無知で何も理解できないのも、単に気に入らないのも、どうでもいいよ。 けれどここには他者がいるよね。それも、メルヴィルの様々な作品を愛読する者たちが集まって来る。 頭で思うのと、他者のいる場で露出するのが違うことくらいわかるかな。 権利権利うるさいけれど、お前たちの恨みがましい物言いは、陳腐な愚痴に過ぎないにしても悪意があり、不快なんだよ。 そしてそれは俺一人の不快感ではなかったよね。こうなるのは当たり前だと思うよ。 ここが「よい場」であると思うのなら、これからはその作品が好きかも知れない他者の存在にも配慮してくれるかな。 パブリックでない場所でなら好きなだけ馬鹿にしてたらいいでしょう。 >>532 無知だの、恨みがましいだの、陳腐だのお前もずいぶん無礼なやつだな 偉そうに配慮だの言える立場かよ どんなスレだって作者への批判ぐらいあるわ 批判だけしてたらアンチスレ行けも分かるが とりあえず 「この作品の素晴らしさが理解できないのはそいつが無知だからだ」 この論法ほどタチが悪いものはない 素晴らしいと思うのならその点を説明でもすりゃいいのに 自分が好きな作品を誰かが貶していると腹が立つ これは経験があるから、よくわかる しかし読者は読んだ作品を自由に解釈してよい だから、好きな読者に配慮して批判は書くべきではないと いうのはやはり違うのではないか 批判があってもそれを甘受する度量が必要だ 絶賛と批判の応酬の方が面白いと思う マーディは駄目だと思うが それを言ってファンを不快にさせるつもりはまったくなかった それについては申し訳ない >>534 批判するなとは言ってないんじゃない? PierreやMardiを(特に坂下訳で)読んでついていけないのは基本だし メルヴィルが好きならそれくらいの意見には嫌でも慣れてる 鋭い批判も中身があれば多くのファンは喜んで読むはず 今回のはそれ以前の問題、というのは私も読んでいて感じた まあ、建設的にいきましょう Hershel Parker『HERMAN MELVILLE: A Biography』上下巻読み終わった。 半年かかったけど、最高の読書体験だった。 >>538 色々ありすぎて簡単には言えないんだけど、上巻の1ページ目から物凄く興奮したよ。 Parkerの師匠筋でもあるLeon Howardによる伝記をすでに一昨年読んでいたから、 メルヴィルの生涯の概観はかなり知っているつもりだったんだけど、きめの細かさが違い過ぎた。 多くの場合、メルヴィルの伝記は父アランの破産とそれによる一家の夜逃げの場面から始まる。 Howardもそうだったから、メルヴィルが11歳の時に一家がオールバニに逃げたことくらいは知っていた。 でもParkerの記述には、母親と他の兄弟は先にオールバニに移っていて、メルヴィルが最後の家財持ち出しを手伝うために父親と二人で残っていたこと、 債権者の目を逃れてハドソン川から夜のうちに船に乗るも、大嵐のために出航できず、一晩中船の中で息を潜めていたこと、 それが『白鯨』でヨナの逸話を執筆する際にフラッシュバックしたであろうこと、父親と二人きりで過ごしたのはそれが最後だったこと、 後年マンハッタンの埠頭を歩くたび、死んだ父親の面影が重なって見えたであろうこと…… といったディテールとコンテクストが書き込まれていて、ああ、あれはそういうことだったのか……とため息をついた。 基本的に、2000ページずっとそうだから、もう常に感動していた。 そしてもちろん、それだけじゃないんだよ。 Parkerは、メルヴィルの特質として現在の風景や事物、出来事を目の前にしながら、それらに異質な 自らの過去、記憶の幻影を重ね合わせ、並置させる精神作用(juxtaposition)があることを強調するのだけれど、 この本を読んでいる間、膨大な伝記の特質上、読者は何度も何度も過去に読んだページに立ち戻り、参照し直すことになる。 それを数千回数万回と繰り返しているうちに、次第に自分の頭の中に、読書の記憶と重なり合って、「メルヴィルの記憶」のインデックスが作られていくのを感じた。 これはjuxtapositionの追体験だった。こんな読書をしたことはほかにない。 他にも凄いことはいっぱいある。 例えばGansevoort。メルヴィルの4歳上の長兄なんだけど、彼についてここまで描き出したメルヴィル伝は他に存在しないと思う。 彼から最後に送られた手紙を読んで、俺は涙が止まらなかった。 Parkerは、伝記的事実を軽視あるいは無視する(ポストモダン系も含む)新批評の流れに異議を唱えて、彼自身 『The Isle of the Cross』の存在を初めとして、これまで多くの一次資料を発見してきた。 この伝記はそうした半世紀に渡る営為の集大成であり、だからこそ桁外れに面白い。 同時代の新聞雑誌記事や親族友人の書簡類はもちろん、メルヴィルのシェイクスピア、ミルトンその他蔵書の欄外書き込み、 比較的近年に発見された"Augusta Papers"(メルヴィルの妹オーガスタが保管していた書類)&c. &c.、 ありとあらゆるソースから描き出されるメルヴィル像が底なしに魅力的で、興味深い。 感想は尽きないのでもうやめますが、本当に読んでよかったです。 詐欺師、国書版も八潮版も売り切れ そんなに人気あるのか 映画コンフィデンスマンとは関係ないのに >>544 というより、初版発行部数がそもそも相当少ないんじゃないかな? 『白鯨』『バートルビー』『ビリー・バッド』『ベニート・セレーノ』辺り以外の作品となると、 日本ではほとんど読者を見込めないもの。 他の長編も部数は同じくらい少ないはずだが、売り切れていない この作品だけ需要があるのは何か理由があるはずだ いや『ピエール』はもっと売れてるでしょ、国内でも。 『ポーラX』の帯付きで新装版が出たぐらいだし。 鈍いやつだな ピエールは部数が出ているから、売り切れていない 理由が分からんなら、書き込むな なんでまた「鈍い」とかいちいち刺々しいの笑 「この作品(詐欺師)だけ需要がある」「ピエールは部数が出ているから」 だから矛盾してるんだっつーの笑 お前の言う「売り切れ」がAmaの中古とかで手に入らない状態を言うのなら、『信用詐欺師』は7月3日まで3500円で出品されていたし、 逆に現在7200円の『ピエール』は7月29日まで出品者なしだった(現在28806円の新装版も8月4日まで出品者なし)。 これくらいの変化は頻繁に起こるのに、一時点の乏しい情報だけで作品の人気にまで風呂敷広げすぎなんだよ笑 お前、ほんと病的だな笑 それはそうと日本の古本屋に八潮の『詐欺師』普通に売られてるから(9900円だったかな?)欲しいのなら買うといいよ。 >>551 国書版を昔1800円で手に入れて読み込んでいるから不要だ さらば、うんこ野郎 ぼくたちは幽霊のようにさまよい歩く。しかし生きなければ。 The ghost would haunt, nor could be laid. ハーマン・メルヴィル「クラレル」より 国書刊行会のメルヴィル短編集『乙女たちの地獄』全2巻を持っているが、 読んだ人はいるかな? 地獄というから何かと思えば女工の話なのね コカイン含有清涼飲料水であるコカ・コーラの誕生は 産業労働と都市化が背景だったというから あの時代としては地獄だったんだろうね read.cgi ver 07.5.1 2024/04/28 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる