>>493
造反有理、その通り
確かに、悪夢的存在としても書かれているとも思う
しかし、悪夢的存在であっても悪魔的存在とは書かれていないと思ってしまう
それは、バボは何も言わないで死んでいく、犯罪が露見したあと、悪魔的に自己正当化を行わないことこそがこの小説の凄さ
単に反乱を起こしただけでなく、悪夢のように事件が鎮圧されても憑りついている

それは力が衰えつつある、反乱におびえる「白人」に「暴発」のイメージが幽霊のように憑りついている象徴的な、表現ではないかと思う
「ベニト・セレノー」は古くから「幽霊船」というタイトルをつけられてきた通り、リアリズムではないシンボリズムの小説として読んでいる