[白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー]
アメリカ文学の巨人のスレッドがしばらくなかったので立てておく。 特定作家の研究者の解説を読むと、その作家へのリスペクトがあるからか、
どの作品にも好意的で、失敗作などないかのようだ
しかし、どんな偉大な作家でもすべて傑作ということはありえない
また、金を払って本を買って読んだ読者は自由に感想を述べてよい資格がある
5ちゃんねるの文学板は気軽に感想を述べ合うにはよい場だと思うね >>528
俺が書いたのは >>518の
「しかし作品としては完全な駄作で間違いない」だけど
これはあくまで俺から見てということであって「お前やお前以外の人間が見てもそう思え」なんて思ってないんだが?
どんな作品の誰の評価だってあくまでそいつの一票であり
他人が従う権利なんてないなんてごくごく当たり前の前提だけどそんなことも分からんか
ていうかお前こそ「マーディを駄作と認める権利」を他人に認めてないだろ
>対象を馬鹿にしていない。
>これが文学的な態度だと思う。
じゃあお前の中では、世の中に馬鹿にできる駄作なんてもんは存在しないんのか?
そうでなくてメルヴィル作品は別というならお前は読者じゃなくてただの信者だよ お前が無知で何も理解できないのも、単に気に入らないのも、どうでもいいよ。
けれどここには他者がいるよね。それも、メルヴィルの様々な作品を愛読する者たちが集まって来る。
頭で思うのと、他者のいる場で露出するのが違うことくらいわかるかな。
権利権利うるさいけれど、お前たちの恨みがましい物言いは、陳腐な愚痴に過ぎないにしても悪意があり、不快なんだよ。
そしてそれは俺一人の不快感ではなかったよね。こうなるのは当たり前だと思うよ。
ここが「よい場」であると思うのなら、これからはその作品が好きかも知れない他者の存在にも配慮してくれるかな。
パブリックでない場所でなら好きなだけ馬鹿にしてたらいいでしょう。 >>532
無知だの、恨みがましいだの、陳腐だのお前もずいぶん無礼なやつだな
偉そうに配慮だの言える立場かよ
どんなスレだって作者への批判ぐらいあるわ
批判だけしてたらアンチスレ行けも分かるが
とりあえず
「この作品の素晴らしさが理解できないのはそいつが無知だからだ」
この論法ほどタチが悪いものはない
素晴らしいと思うのならその点を説明でもすりゃいいのに 自分が好きな作品を誰かが貶していると腹が立つ
これは経験があるから、よくわかる
しかし読者は読んだ作品を自由に解釈してよい
だから、好きな読者に配慮して批判は書くべきではないと
いうのはやはり違うのではないか
批判があってもそれを甘受する度量が必要だ
絶賛と批判の応酬の方が面白いと思う マーディは駄目だと思うが
それを言ってファンを不快にさせるつもりはまったくなかった
それについては申し訳ない >>534
批判するなとは言ってないんじゃない?
PierreやMardiを(特に坂下訳で)読んでついていけないのは基本だし
メルヴィルが好きならそれくらいの意見には嫌でも慣れてる
鋭い批判も中身があれば多くのファンは喜んで読むはず
今回のはそれ以前の問題、というのは私も読んでいて感じた
まあ、建設的にいきましょう Hershel Parker『HERMAN MELVILLE: A Biography』上下巻読み終わった。
半年かかったけど、最高の読書体験だった。 >>538
色々ありすぎて簡単には言えないんだけど、上巻の1ページ目から物凄く興奮したよ。
Parkerの師匠筋でもあるLeon Howardによる伝記をすでに一昨年読んでいたから、
メルヴィルの生涯の概観はかなり知っているつもりだったんだけど、きめの細かさが違い過ぎた。
多くの場合、メルヴィルの伝記は父アランの破産とそれによる一家の夜逃げの場面から始まる。
Howardもそうだったから、メルヴィルが11歳の時に一家がオールバニに逃げたことくらいは知っていた。
でもParkerの記述には、母親と他の兄弟は先にオールバニに移っていて、メルヴィルが最後の家財持ち出しを手伝うために父親と二人で残っていたこと、
債権者の目を逃れてハドソン川から夜のうちに船に乗るも、大嵐のために出航できず、一晩中船の中で息を潜めていたこと、
それが『白鯨』でヨナの逸話を執筆する際にフラッシュバックしたであろうこと、父親と二人きりで過ごしたのはそれが最後だったこと、
後年マンハッタンの埠頭を歩くたび、死んだ父親の面影が重なって見えたであろうこと……
といったディテールとコンテクストが書き込まれていて、ああ、あれはそういうことだったのか……とため息をついた。
基本的に、2000ページずっとそうだから、もう常に感動していた。 そしてもちろん、それだけじゃないんだよ。
Parkerは、メルヴィルの特質として現在の風景や事物、出来事を目の前にしながら、それらに異質な
自らの過去、記憶の幻影を重ね合わせ、並置させる精神作用(juxtaposition)があることを強調するのだけれど、
この本を読んでいる間、膨大な伝記の特質上、読者は何度も何度も過去に読んだページに立ち戻り、参照し直すことになる。
それを数千回数万回と繰り返しているうちに、次第に自分の頭の中に、読書の記憶と重なり合って、「メルヴィルの記憶」のインデックスが作られていくのを感じた。
これはjuxtapositionの追体験だった。こんな読書をしたことはほかにない。
他にも凄いことはいっぱいある。
例えばGansevoort。メルヴィルの4歳上の長兄なんだけど、彼についてここまで描き出したメルヴィル伝は他に存在しないと思う。
彼から最後に送られた手紙を読んで、俺は涙が止まらなかった。 Parkerは、伝記的事実を軽視あるいは無視する(ポストモダン系も含む)新批評の流れに異議を唱えて、彼自身
『The Isle of the Cross』の存在を初めとして、これまで多くの一次資料を発見してきた。
この伝記はそうした半世紀に渡る営為の集大成であり、だからこそ桁外れに面白い。
同時代の新聞雑誌記事や親族友人の書簡類はもちろん、メルヴィルのシェイクスピア、ミルトンその他蔵書の欄外書き込み、
比較的近年に発見された"Augusta Papers"(メルヴィルの妹オーガスタが保管していた書類)&c. &c.、
ありとあらゆるソースから描き出されるメルヴィル像が底なしに魅力的で、興味深い。
感想は尽きないのでもうやめますが、本当に読んでよかったです。 詐欺師、国書版も八潮版も売り切れ
そんなに人気あるのか
映画コンフィデンスマンとは関係ないのに >>544
というより、初版発行部数がそもそも相当少ないんじゃないかな?
『白鯨』『バートルビー』『ビリー・バッド』『ベニート・セレーノ』辺り以外の作品となると、
日本ではほとんど読者を見込めないもの。 他の長編も部数は同じくらい少ないはずだが、売り切れていない
この作品だけ需要があるのは何か理由があるはずだ いや『ピエール』はもっと売れてるでしょ、国内でも。
『ポーラX』の帯付きで新装版が出たぐらいだし。 鈍いやつだな
ピエールは部数が出ているから、売り切れていない
理由が分からんなら、書き込むな なんでまた「鈍い」とかいちいち刺々しいの笑
「この作品(詐欺師)だけ需要がある」「ピエールは部数が出ているから」
だから矛盾してるんだっつーの笑
お前の言う「売り切れ」がAmaの中古とかで手に入らない状態を言うのなら、『信用詐欺師』は7月3日まで3500円で出品されていたし、
逆に現在7200円の『ピエール』は7月29日まで出品者なしだった(現在28806円の新装版も8月4日まで出品者なし)。
これくらいの変化は頻繁に起こるのに、一時点の乏しい情報だけで作品の人気にまで風呂敷広げすぎなんだよ笑 お前、ほんと病的だな笑
それはそうと日本の古本屋に八潮の『詐欺師』普通に売られてるから(9900円だったかな?)欲しいのなら買うといいよ。 >>551
国書版を昔1800円で手に入れて読み込んでいるから不要だ
さらば、うんこ野郎 ぼくたちは幽霊のようにさまよい歩く。しかし生きなければ。
The ghost would haunt, nor could be laid.
ハーマン・メルヴィル「クラレル」より 国書刊行会のメルヴィル短編集『乙女たちの地獄』全2巻を持っているが、
読んだ人はいるかな? 地獄というから何かと思えば女工の話なのね
コカイン含有清涼飲料水であるコカ・コーラの誕生は
産業労働と都市化が背景だったというから
あの時代としては地獄だったんだろうね ビスマルクとメルヴィルとドストエフスキーはだいたい同時代人かあ 9.11のことを考えると、なんか白鯨のことを思った >566
いや
きちんと言えるかな
アメリカってことだと思う なんだこりゃ!という小説らしいねえ
読んでないからしらんが 鯨の蘊蓄小説だからな
やめようぜこういうの評価するのと俺なら思う
でもジョイスやプルーストにしろ解説がないと
まともに読む気がしないようなものが多いから仕方ないか ストーリー2割、クジラの150年以上前のかなり主観の入った(これは言っても仕方ないし、むしろ現代との齟齬が面白い)生態情報8割かな ほんとに良い話だよ。難しいとは思うけど。
おれ東大の英文中退だけど、
平石貴樹ってアメリカ文学の一番エライ感じの教授、
きちんと読めてたとは思えない。
白い鯨が世界の意味みたいなので、
結局それを倒せなかったっていうのは、
世界に意味があるのかないのか、分からない、
みたいな解説をしてたと記憶してるけど、
それはきちんと読めてないと思う。 乗組員のスターバックがコーヒーのスターバックスの名前の由来だったとは 『白鯨』はメルヴィルの長編では最もまともな小説だ
『マーディ』『ピエール』『コンフィデンスマン』なんか恐ろしくけったいな小説だ 大岡昇平の俘虜記読んでても米兵からモヴィーデイックを借りた云々の話がでてくるから、この小説は伝統的アメリカ文化を象徴する一つのアイテムなんだな。
日本で言うなら・・・ Kindleのパッケージに印字してあるサンプル文章も白鯨だよな >>576
これは今更すぎない?日本でも20年前くらいから言われていたような >>580
テーマに関連した話なんだから別にいいだろ。
そんなんで揚げ足取るな、みっともない。 >>581
別にいいんじゃない?
>>576も情報、>>580も追加情報
>>581はただの文句
>>582はその場をまとめて諫めている心優しき人
一番みっともないとしたら君かな 『白鯨』の良さが分かるなら、文学というものが分かっているといえる
短編では人間の実存を描いた『バートルビー』がすさまじい傑作だ この良さが分かるなら文学というものが分かっている
人間の実存を描いたすさまじい傑作だ
何にでもあてはまるなw 知恵遅れの「人間の実存を描いたすさまじい傑作だ」おじさん永遠に悔しそうwww >>584は無能が小説を読んだところで無意味という具体例やね
1000ページ読んでも3ページしか読まなくても頭の出来はそのまま 『異邦人』の良さが分かるなら、文学というものが分かっているといえる
短編では人間の実存を描いた『転落』がすさまじい傑作だ
『審判』の良さが分かるなら、文学というものが分かっているといえる
短編では人間の実存を描いた『判決』がすさまじい傑作だ
『嘔吐』の良さが分かるなら、文学というものが分かっているといえる
短編では人間の実存を描いた『壁』がすさまじい傑作だ
『万延元年のフットボール』の良さが分かるなら、文学というものが分かっているといえる
短編では人間の実存を描いた『飼育』がすさまじい傑作だ
コピペかな? 世界にはメルヴィルのような人物もいれば
コピペ並のことしか言えない知能の持ち主もいる
不公平やのう 哀しいほど必死に立て続けに書き込んでいるのが一匹いるな
まあ、がんばれよw 大学中退しているバカとかコピペ脳しかいないあたり、メルヴィルって池沼のコンプをくすぐる作家なのかもねw nhk fm オペラファンタスティカにて9/24
ブリテンのビリーバッドを紹介詳しく話が聞けた 大学を中退した云々って、まえに書いたりしたけど、
バートルビー、いま読んだら、かなりわかると思うんだよ。
変な感じで株取引とかやって、ウンザリした後で、
バートルビー読むと、いい話だって思えるんじゃないかって。 ピェール: 黙示録よりも深く (上)(下) (ルリユール叢書)
ハーマン・メルヴィル (著), 牧野有通 (翻訳)
出版社 : 幻戯書房 (2022/11/29) Takayuki Tatsumi's FULL METAL APACHE
2023/08/29
日本英文学会全国大会 第93回 「ハーマン・メルヴィルと黒人音楽――Redburnを中心に」巽孝之(慶應義塾大学
名誉教授)司会:牧野有通(元明治大学教授・日本メルヴィル学会会長) 2021年5月21日 『レッドバーン』はいい小説だな
読んだ人はあまりいないだろうが カミュ「『白鯨』は、人間存在の不条理を最も深く描いた作品の一つである。」 『白鯨』は現代人の目には古臭く感じられるかもしれないが、19世紀当時の読者にとっても同様の印象を与え、当時はほとんど注目されなかった。メルヴィル自身も生前は評価を得られず、専業作家として生計を立てることはできず、他の職に就いてひっそりと暮らしていた。しかし、死後数十年を経て、その作品の真価がようやく認められ、文学史に燦然と名を残すこととなった。まさに、波乱万丈な作家の生涯と言えるだろう。