Parkerは、伝記的事実を軽視あるいは無視する(ポストモダン系も含む)新批評の流れに異議を唱えて、彼自身
『The Isle of the Cross』の存在を初めとして、これまで多くの一次資料を発見してきた。
この伝記はそうした半世紀に渡る営為の集大成であり、だからこそ桁外れに面白い。
同時代の新聞雑誌記事や親族友人の書簡類はもちろん、メルヴィルのシェイクスピア、ミルトンその他蔵書の欄外書き込み、
比較的近年に発見された"Augusta Papers"(メルヴィルの妹オーガスタが保管していた書類)&c. &c.、
ありとあらゆるソースから描き出されるメルヴィル像が底なしに魅力的で、興味深い。
感想は尽きないのでもうやめますが、本当に読んでよかったです。