[怒りの葡萄]ジョン・スタインベック
二十日鼠と人間
まずは短いものから
それも少しずつ読むことにするのであった
そもそも読むのおせーし
このくらいがちょうどいいかも 夜は孤独だ
その孤独を共有することが
すなわち親密になるということだ
夜のキャンプファイアーっていいもんだ ジジイがジジイ犬を飼っているというのはよくある話ではある 二十日鼠と人間、よみおわった
面白かったなあ
良くも悪くもスタインベックは男の作家さんだなあ
農場の嫁もちょっとかわいそうな気がしなくもない
みんな弱いんだもんねえ
さて、つぎはなにをよもうかな これも短くてちょうど良さそうだなあ
ということでつぎは真珠だ 弱い者とはなにかという問題に関して
たとえばかれの労働力が常に買い叩かれる者としてもいいし
たとえばかれの生活必需品が不当に高値である者としてもいい 二十日鼠と人間でもそうだったけど
水のあるところというのは生命を育む場所であると同時に
血の流れる場所でもあるんだなあ
それにしても嶮しい山だなあ 真珠、読み終わった
帰って来るんだあ
そして還ってゆくんだ
これはもう悲しいとか寂しいとかいう問題じゃないな
つまり
なんてゆうか
宿命なんだなあ 小3生、NFTアートで「4000万円」ゲット 加藤浩次「すごい時代ですねぇ」
小学3年生が、ゾンビになったクモをイメージして書いたデジタルアートが、9月に
およそ170万円で購入された。この小学生は3カ月で200作品を販売して、
取引総額4400万円以上になったという。いったいなぜなのか?
NFTとは、「Non‐Fungible Token」の略で、直訳すると「替えがきかないしるし」の意味。
簡単に言えば「デジタルの絵につけられる鑑定書」のようなもので、難しく言うと
「デジタル上で唯一無二のアイテムとして保存されている資産のことで、
ユーザーにデジタル世界での所有権を与る」もの。 スタインベックの中国人への親愛
それはそれでよかろう メカニック
これぞアメリカ人
物質と機能の明晰さこそアメリカの魂だ
脱線は神の悪戯 ぐうたらで他人に迷惑ばかりかける人間が愉快に騒ぐ話というのは
基本的に好きではないのだが
しかしマックというキャラは一応内省するのである
嘘吐きは自分も含めて嫌いなのだと
こうなると
決して好き一方でバカやってるわけじゃない感じになるから巧妙だ カエルの貨幣というのは悪くない
しかし宴のあとというのは荒涼というか
むしろ腹立たしくもあるなあ 罐詰横丁、読了
ドクの孤愁
みな寂しいのだなあ
せめて偶さかの出会いは温かいものであってほしい
さて、次は長いもの
エデンの東にするか怒りの葡萄にするか エデンの東から読んでいこうか
ふむふむ
サリーナスの山からか
明と暗
二種類の山並みからか
面白そうだな ハミルトン家の始祖
アイルランド移民のサミュエルは出来る人間だが金には淡白
さて、一方のトラスク家はどうなんだろうか 軍事おやじサイラスの二人の異母兄弟アダム(兄)とチャールズ(弟)
転倒を整理しておこう
土地は東から西(コネチカットからカリフォルニア)
アダムがアベルでチャールズがカイン
父から家を出るように言われる(軍に入れられる)のはアダム
継子アダムからのささやかな贈り物を母アリスは実子チャールズからのものと勘違いしている チャールズの鉛筆で書かれた手紙
自分が農場を出るべきではなかったかという感覚
だが、実母アリスの死してなお示される存在感(椅子)
追放されるもの流離うもの遊牧するものそれぞれの差異
愛されているもの愛されていると信じられるもの
愛されるべきだと苦悩するもの
誰に?
誰ゆえに? ハミルトン家は男女比気質性向全てにおいてバランスが取れている
まあ子沢山だからね
個性の集まりとしての家族といったところかな カインの徴について考えることにしよう
だから5ちゃんとはしばらくオサラバ アダムは流浪することに習熟するものの
社会はそれを許さない方向に変ってしまう
逃亡は川で
雨の中でおこなわれる
正しい?窃盗
そして盗品の新しさを消す
よい駅のシーン サイラス死して巨額遺産を残す
帰郷したアダムと
これを迎えたチャールズのぎこちなさ
父ちゃん何でこんなに金もってたのか疑惑について
アダムが案外あっさりしているのは自分も盗みの経験があるからか?
公式には確かめようのないものは仕方ないし
今更偶像破壊してみたところでつまらんじゃないかということだが…
父を愛さなかった兄とその父に愛されなかった弟という寒い男所帯 キャシー・エイムズ登場
彼女はそもそもモンスターとして生まれてくる
ただし身体障害者としてではなく
精神障害者として
つまり彼女は生まれつきの嘘吐きで
早や十歳から性による他者支配の実験を開始するのである 堕落させ
破滅に導く
やっぱこういう悪女キャラは長いものにはマスト
このさき更に犠牲者続々となるんだろうな藁 冷酷なはずのセックスビジネスマンが愛に溺れてはいけない
エドワーズがキャザリンを半殺しにする場面は
だからある意味切ない
神話的世界で繰り広げられる愛と暴力と血と痛みの相克という通俗性
それで良い
アメリカなのだ
みな人でなしなのだ オッサン
住人はデバガメのオッサンだけだ
sageでやってくれ なぜsageでやらなけりゃいけないの?
親切な方、おしえてください ボコられたキャシーがトラスク家に転がり込む
アダムのキャシーの手指への愛着には
二十日鼠と人間のレニーのフェチな感覚に通ずるものがあるなあ
それにしても保安官がこう簡単に誤魔化されちゃうのはマズイんでないか? しかしキャシーという女の生命力というか悪辣さは半端ない
アダムと結婚し、かつチャールズをたらし込む
そして時代はいよいよ20世紀へ
アメリカという土地の始源
20世紀という時間の始源
始まりが終わり
終わりが始まる アダムはキャシーを連れてカルフォルニアに
身ごもった子を自ら堕胎しようとしていたキャシーだが
医者に見破られてしまう
一方のアダムは購入を考えている土地の地下水脈に関して確認しよう考え
サミュエル・ハミルトンを紹介される
サムは土地の名物男で無私の人
そして常に夢を語る男である
アダムは目をつけていた土地の購入を決め
この地、サリーナス・ヴァレーに定住することにするのだった サム・ハミルトンの娘オリーヴ
つまりは語り手ジョン・スタインベックの母
昔の学校の先生は偉かったのね
しかし戦債売りまくったご褒美に飛行機に乗せられる話は
正直あまりおもしろくないんだなあ アメリカ生まれの中国人コックのリー
そりゃ出来ればアダムのところじゃなくてサムのところで働きたいわな
しかしいつの世も
あるいはどの国でも
めぐりあわせというか運不運というものはやっぱりあって
そういうどうにもならない風や水や地形のようなものの中で
ちっぽけな人間たちが泣いたり笑ったりしているわけだ
一見アダムの鈍感さがありえないように思われるものの
よくよく考えてみれば知らぬが仏で生きているのは彼だけではないのだった スタインベックの夜の動物の動きは楽しい
昼と夜との二分法も徹底すれば面白いのだなあ
サムが幼児期にロンドンデリーの市で経験した金髪の処刑人の視線と
つい先程見たキャシーのフラットな目
人間の原罪を呼び覚ます夜の力と月の光
そしてリザの朝の厳格な日常の復元力
親子三人でアダム・トラスクのエデンの園建設へと向かうのだった しかしキャシーの出産を助けるサムはほとんどエクソシスト
嚙まれた手、マジ痛そうだ藁
隕石やらヴィーナスやら
とにかく壮大というかオドロオドロしい
まあ先が思いやられるというものである
いちおう無事に双子ちゃん(ふたりとも♂)がこの世に誕生となるのだけれど
キャシーはアダムを拳銃で撃って家を出ていくのであった
うー酷っ 保安官補が肩を撃たれたアダムに尋問するものの
どう考えても本当とは思えないことしか言わない
軍務経験のあるアダムが銃の手入れでそんな暴発事故を起こすわけはないのだ
それにしてもキャシーはどこに行ったのやら
ハミルトン家でキャシーの特徴を聴取した後
保安官に助言を求めにいったらさすが保安官
ちゃんと知っていた
額に傷のあるこの女は娼婦となっている 娼館というのは疑似的家庭である
フェイが母でケイトに化けたキャシーが娘だ
髪の色も変える
それは保安官からの助言だ
それにしてもこの保安官がまさに神様みたいな人
額の傷?
偶然ってことがあるだろ、か ケイトの娼館乗っ取りは当然予想できたこと
しかしエドワーズの時もそうだったが
彼女(当時はキャシー)の酒による本性出現の気味悪さは
見ようによってはコミカルでもある
この程度でビビってしまうということは
フェイも案外世間知らずなのだな トラスク家の双子は1年も名無しで放っておかれる
サムが蛮勇をふるってアダムを覚醒させ
ようやく名付けが行われる
ケイブルとアーロン
ケインとエイブルと同じイニシャルである
リーを含めた三人でこの創世記のエピソードを考えるのだが
しかし、この原罪という問題は単純で深い
人間なら誰もが胸の奥に飼っている罪なのだろうか?
とにかくここまでで第二部おわり 時が過ぎ
さしものサミュエル・ハミルトンも老いた
家にいる息子のトムは哀しい息子だ
が、こういう不器用な子供というのは
いざという時に一番頼りになる子供なのかもしれない
ウーナの死やデッシーの恋愛事件等々
スタインベックの母方の実家の時の流れのスケッチである 憤るカインに神は罪は治まるのだと約束したのか(欽定訳)
それとも罪を治めなさいと命じたのか(米国標準版)
リーがこの部分にこだわって
サンフランシスコの一族の長老たちに相談する
彼らはヘブライ語を一から勉強してtimshelはmayestという結論に達する
つまり人間は選択することが可能であるというのだ
このことこそ人間を人間たらしめているものであり
魂の偉大もそれによって開かれた可能性にあるという
この話のあと
サムはアダムにキャシーがケイトと名を変えてサリーナスで最低最悪の娼館を経営していると告げる
アダムは生きるか死ぬかの危機に向かい合わねばならなくなったのだ
馬(頌歌)に揺られて帰ってゆくサミュエルの雄々しい後ろ姿に惜別するリー
暗黒と星々と静寂の夜であった 毎日ごくろーさんだなオッサンw
精々頑張ってくれオッサンw サミュエル・ハミルトンの葬儀の帰り
強いラム酒を飲んだアダム・トラスクはキャシーの娼館に行く
そして酒を飲んで本性をむき出しにしたキャシーは
アダムを壊すべく双子の父親は弟のチャールズだと言う
さらにベッドへ引きずり込もうとするが
アダムにとってキャシーはもはや性悪な猿にしか見えなくなっていた
思い出に笑い掛けつつ、ようやくキャシーに別れを告げるアダムなのであった リーはアダムに自分の将来の計画を打ち明け
出来ればサンフランシスコに行きたいと申し出るが引き留められる
そんなときにベーコン一家が雨宿りにトラスク家を訪れる
これがキャル(ケイレブ)とアロン(アーロン)とアブラの出会いとなる
誰からも愛されるアロンはアブラの好意を自然に得る
これに応えるべく
アロンは射止めたウサギに恋文まで添えて立派なプレゼントを整えるのだが
キャルの奸計に引っ掛かったアブラはそれをあっさり捨ててしまう
蟻の巣を見つけたときのそれぞれの異なった態度が
双子の性格の違いの例証として挙げられているのだが
こういうベタな説明もそれなりに味があって悪くない
そもそもそういうベタな話なのだ キャシー/ケイトと再会し心の整理のついたアダムは
息子たちとようやくまともな会話が出来るようになったものの
キャルに母親の墓の話題を振られると動揺してしまう
一つの嘘がそのほかの真実を損なうことを恐れるリーは
双子に母親の真実を語るべきだとアダムに忠告する
そして自分の出生の話をする
自分を身ごもっていた母は
父の甥と偽って広東から送り込まれた鉄道労働者たちに交って働いていたが
女であることが露見して性に餓えた男たちに強姦されてしまう
その直後に血まみれの肉体から父によって取り上げられた赤子のリーを
母を犯した者たちを含むであろうこの労働者たちが
母親代わりとなって育てたという
この話を聞いたアダムはチャールズに会うことを思い立ち
リーのペンとインクと便箋を借りて手紙を書くのだった ウィル・ハミルトンのところから買ったT型フォードで
郵便局へ郵便を取りに行く
チャールズの弁護士からの手紙が来ていて、チャールズは死んだと
遺書によると遺産はアダムと彼の奥さんとで等分してくれと
どうしたもんかとアダムがリーに相談しているのを
キャルが盗み聞きする
僕だって下劣でありたいわけじゃないんだ
と、彼なりに苦悩してはいるのである アダムは結局キャシー/ケイトにチャールズの遺産の件を伝えに行く
その帰り、オリーヴのところに引き取られているリザを訪問する
リザはトムを気にかけてやってくれと頼む
さらに双子の教育のためにサリーナスに家を探しているということで
デッシーが実家に引き上げるので彼女の家が空くことを教える
孤独に暮らし
ポエムを時々書いたりすることから
ウィルにはダメ人間の烙印を押されているトムだが
帰郷したデッシーと暮らすことで未来が開けるか(海外旅行!)と思ったのも束の間
デッシーは病で死んでしまう(内臓のがん?)
自殺は罪だと知りながら
それを糊塗する手紙を書き残し、投函し、死ぬ(S&W)
サミュエルがアイルランドから来て痩せ地に築いたハミルトン家の終わりである
ここまでが第三部 自分が死んだら誰かが喜ぶだろうか?
自分は果たして良い人間だったろうか?
サリーナスの学校に転校してきた双子はそれなりに順応している
リーもなんだかんだいっても戻って来た
この人の思索の源泉には孤独があるなあ
アロンはアブラから彼の母親が生きているということを聞いたと告げられる
父親は嘘つきなのだろうか?
アロンの単純で素直な心は母親に心を閉ざして平衡を得る
優しさはしばしば寂しさである 自由に好きなことを書き込めるのが5ちゃんの良いところですが
他人のHNを使うのは良くないと思いますよ
第四部はエリア・カザンの映画とそこそこ筋が重なっているけれど
やっぱり全然別物
偶然再会したラビットを酔わせてケイトの娼館へ行ったキャルが
そのあまりの事実の重さに耐えかねてリーの部屋をノックするところとか
キャルなりの悩み方がさすがに小説では丁寧に描かれている
氷詰レタスで失敗して貧乏になったトラスク家の子供ということで
アロンはかなりいじけてしまう
揚句エスコパル教会にのめり込んでアブラを心配させたりしているのだが
こんなアロンに母親の真実なんか教えられないよな
とクラッシャーのキャルも今のところは自制しているのである チャイナタウンの賭場に居合わせてしょっ引かれたキャルをアダムが引き取りに行く
俺も昔、豚箱にいたんだよ
お前は何も悪い事をしていないので恥じることはないんだが、俺は盗みを働いたんだよ…
父子の距離は一気に縮まりようやく情愛の気が二人の間に醸し出される
キャルはさらに母親にも相対する
そして、自分の中にあなたはいないと言い放つのだった
キャシー/ケイトの両手のアースライティスがどうにも痛々しい キャルがキャシー/ケイトを圧倒したのには
彼女がエセルの脅迫を処理するのに神経を消耗させていたってことがある
流れっていうものはあるもので
キャルはウィル・ハミルトンの信頼も楽々勝ち取る
そして戦時物資である豆の投機にも勝利する
一方、アロンも一年繰り上げで大学入試にパスするが
アダムがサプライズでパーティやら金時計を用意していたのに
教会のラルフ師とのディナーに行ってしまう
リーの諭し、身に染みるなあ
世界って、そんなに良くもなければ悪くもないのだ アブラとキャルの会話
もう、このへんでアブラの気持はキャルに行っているよね
しかし本当の自分とはなんだろうか?
獣の欲望を根に持つ善き人間という無理な存在?
私は悪い子です、と開き直ってしまうのも違うんだろうなあ 娼館の用心棒兼雑用係のジョーのエセル探索
そしてエセルが握っているだろうケイトのフェイ殺し疑惑のネタで
勝負に出ようということなんだが
さて、このくだり要るか? 第一次世界大戦がはじまると
サリーナス在住のドイツ人仕立て屋への風当たりは強くなる
戦争だものなあ
アダムは町の徴兵委員になるのだが
かつて自分が参加したインディアン掃討戦の悲惨さを憶えており
他家庭の若者を戦場に送り出さねばならぬことに心を傷めている
でも、もうすぐ感謝祭
アロンがスタンフォードから帰ってくるのが待ち遠しい サリーナスのもう一軒の娼館の黒人マダム、ジェニー死す
ジョーはフェイからケイトへの不審なオーナーチェンジの聞き込み調査
火のないところに煙は立たず
人の口に戸は立てられず 感謝祭でキャルはアダムに1万5千ドルを贈るのだが拒否られる
アダムにしてみれば
自分が他人の子供たちを死地に赴かせているその戦争で儲けた金を受取れない
まあ、分らなくはないがキャルにしてみれば傷つくよな〜
完全にブチ切れてしまった彼は
アロン(母親似だから父に愛されているとキャルは思っている)を壊す
例の娼館に連れていってケイト/キャシーと対面させてしまうのだった
アロンはサンホセのリクルート・オフィスで入隊 ケイト/キャシーはジョーの裏切りにどう対処するのか?
アロンの運命は?
罪を犯したキャルにアダムはどうこたえるのか?
リーの役割は?
アブラの愛の行方は?
メロドラマ全開の最終盤なのだが
ネタバレになると悪いのでこのぐらいにして
ちょっと他のものを読んでみようかな オクラホマの赤い土、灰色の土
最後に降った雨は優しかった 雨でなく
砂が降る
非常に細かい砂
コーンが育たない
枯れてしまう
男も女も子供も、そりゃみんな心細くなるよな 全部で三十章
今日は第二章
ヒッチハイクお断りのステッカーがあるのに乗っちゃうのね
人殺しでお勤めしてたとトラックドライバーに告げる
やっぱ知らない人乗せるのって怖いよなあ
一日一章、ゆっくりよむ 陸ガメが移動する藁
カラス麦の種が蒔かれる
動くことは危険が伴うけれど
必ず何かが起こるのだよね 亀を抱えたトム・ジョード
柳の下に元説教師のジム・ケーシー発見
昔、洗礼してもらった人だ
信者の女と寝てしまい罪の意識からいまは一般人
二人連れだってジョード家にやって来るがどうも様子がおかしい 農業の国際競争力について時々議論されるけれど
そもそも人の生命を維持するものを輸出産品化していいのだろうか?
小規模農家を潰して大規模生産体制をとればそりゃ競争力はつくけど
しかし生きるための農業という考え方を
資本主義に馴染まないからといって簡単に切り捨てていいとは思えないなあ 食べるというのは面倒くさいのである
ウサギだって自ら進んで人間の食餌になってはくれないのである
捕まえるのも大変
皮を剥ぐのも大変
腑分けするのも大変
簡単なことなど何一つない
ちゃんと自分の口に入れようと思ったら
しっかり火を熾し
腹を据えて肉を焙らなければならないのである 車に限らず
中古のものを買うのは大変である
売り手にしてみれば
これは腕の見せどころ大有りのマーケット
カモがひいふうみい ジョード家は三世代
爺ちゃん婆ちゃんは汚いがしぶとく生きている
父ちゃんはここ最近衰えが目につくが母ちゃんがデーンとしているで大丈夫
トム、アル、ロザシャーン、チビふたり
おっと、長男のノアがいた
不思議な人
天使的、といっていい
父ちゃんが取り上げたとき
ちょっとひねってしまってこうなったというが
本当のところは分からない おっといけない
ジョン伯父忘れていた
若い嫁が腹痛で
医者呼んでくれって言うのに呼ばなかった
結果、盲腸で死んじまって
それからというもの孤独で偏屈な人としての人生なのだ 土地を離れる際に家財道具を売り払う
流れ者の単身者のようにスッと出発できればいいのだが
家族となるとそうはいかない
自分のものだけではない思い出の品々が次から次へと出てくるのだ
さらに風景ともなるとどうにもならない
スパッといかないんだなあ
ベキベキとか
ミシミシって感じなんだなあ
離れ方外れ方が ジョード一家名簿から落ちてたのは
長女のローズオブシャロン
その婿のコニー
二女ルーシー
末っ子ウィンフィールド
それにしてもスタインベックは助動詞にこだわるの好きだな
出来るかどうかじゃなくて
やるんだよってことね
見送るミューリーの姿がとっても寂しいのであった ルート66
25万人
5万台
4ドルか3ドル50セント
数字を睨んでいて思ったのだが
文学の価値というのは
数値化できないけれども明らかにあるなにものかを
見えるもの以上に感じさせるということにあるのではないか 途上での出会いと別れ
個人営業のガスステーションのおっさんのところでは
ここでは犬が轢かれて死んじまう
おっさんともここでバイバイ
ウイルソン夫妻のところでは
じいちゃんがいきなり卒中で死んじまう
そして一家はこのカップルに一緒に西へ行こうと提案する
出会いは別れの始めだけれど
それが誰と誰との出会いと別れなのかは
後になってみないと分からないんだよなあ イイ話ではあるのだけれど
もしかしたらこのロードサイドショップってのは
貧乏ななりをさせた男と子供二人を雇ってんじゃないかって
そんな不謹慎な想像をめぐらせてしまった藁
つまりお人好しのトラックドライバーたちに対して
人情芝居の一幕を提供してるというわけ
それで結構儲かってるんじゃないかって
まあ、そういうことを考えちゃいけないのだろうけど トムがヒーローたりえているのは
なんと言ってもメカニックとして優秀だからだ
もちろんこの場での優秀さではあるのだが
四の五の理屈を並べるだけでは前には進まないという
直面している状況に対するメンバーの認識が強固なのだ
しかしあの止血方法というのはハンパない藁 言葉のないケーシーの祈りの内容を知る由もない我々としては
せめてセイリ―・ウイルソンの歌声を耳にしてみたいものだと
詮無いリクエストを繰り返すしかないのだろう
モハーヴィ砂漠を横断して
新天地としてのキャリフォーニア・ヴァリーを目に焼き付けるのは
年寄りではなく子供たちだ
古いものが朽ち果て
新しいものが芽吹く
それが自然である ばあさんはそれなりの葬式をしてもらいたかっただろうが
なかなかそうもいかないんだ
土地を追われた極貧者が人並みの葬式を出そうなどと考えてはいけない
そのへんは日米今もってあまり変わっていないように思う
死んだばあさんに立派な棺桶作ってやるより
腹をすかしている子供たちに腹いっぱい食わしてやる方がずっといい
だいたい死んだ者は
飢えから解放されたことを
まず喜ぶべきなのだ
それ以上を望んでは罰が当たるというものだ トムが保安官助手に刃向う気持はよく分かる
そうしないと死んだように生きるしかなくなるからだ
それをとめる母ちゃんの気持もよく分かる
そりゃここで自爆するわけにはいかんもの
貧しさと自尊心は両立し難いのがこの世なのだ
とはいえそんな世の中がいつまで続くのか
その行く末を見届けるのは金持ちじゃなくて
わたしら貧乏人なのさと
なぜか彼女は確信しているのであった ウィードパッチみたいな良い所にも
狂信者じみたひとはいるわけで
マネジャーも大変だ
まあ、居住者全員まともなひとたちなんてこたーありえないのだ
しかし妊婦のロザシャーンを脅すなんてのはひどいよなあ
人が不安定な状態にあるのを見越して声かけてくるからタチが悪い 土曜のダンスの監視員として組むハーフインジャンのジュール
こういうちょこっと出てくる人物もいいんだなあ
ウィードパッチを出ていく際にダーラムを呉れたり
そうかと思うと娘の心配をしたりしていて
人物の輪郭がすごくくっきりしてるんだよなあ
いいやつなんだよ、たぶん
トムだってほんとうはここに留まりたいんだけど
仕事がないんじゃしょうがない
母ちゃんが起き出して
さあ、朝立ちだ ありついた仕事はスト破りの桃捥ぎ
ああ、ケイシーの頭が割られ
ああ、トムがまた人殺し
帯電の夜に血も涙も雨と流れる
ガソリン代ができたら速攻トンズラ
北へ向かえばコットン摘みだ
クラッカージャックで喧嘩をするな
黒雲が星を過ればサヨナラだ まあ母ちゃんの言う通り
というか秋元作詞美空歌唱の川の流れのように女は生きていくのだろう
その一方で父ちゃんとジョン伯父のトホホぶりが痛々しい
そもそもなるようにしかならないってことがどういうことなのか
わかる人とわからない人とにわかれるんだろうなあ
さて、これでひとまず怒りの葡萄はおしまい
面白かったなあ
しばらく余韻に浸っていることにしよう >>146
この作品の暗誦を始めました、よくもまあ短いセンテンスで含蓄が深いものだと感心しながら、頭から覚えていっています 野崎孝訳は良いねえ
集英社の世界文学全集でしか読めないのがネックだけど 怒りの葡萄新潮文庫とハヤカワ文庫どちらがいいですか
値段の安さと入手しやすさに無難な表紙で新潮に惹かれるんですが翻訳の内容はハヤカワの方が良いみたいなので悩んでます >>265
書店で現物見たら新潮のカバーの手触り良くて一瞬揺らいだけどハヤカワを尼で購入したw