ボルヘス絶賛のスティヴンソン「その夜の宿」読了。
こんなにスティヴンソンって面白かったんだ。「ジキルとハイド」ぐらいは読んでるが、ここまで食い入ってくる作家だとは思わなかった。
冒頭の精細な描写は、チェスタトンを想起させるし、作中のヴィヨンと妙に重なる部分を感じてしまう。
ちまちました悪事は重ねてきたが、勿論俺はこのような悪党でもないし、一つの欲求を満たすために他のモもっと大事なことを忘れているような気がした。
ただヴィヨンをそういう薄っぺらな人間としても描いていないところがこの短篇の面白さだ。