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【菜っぱのおしたし】尾崎翠2【チョコレエト玉】
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0638吾輩は名無しである
垢版 |
2011/07/16(土) 15:52:11.30
角秋は「尾崎は20世紀初頭のドイツ表現主義の影響を受け・・・」とか、
言うんだが、違うと思うんだよな。むしろ、象徴主義からシュール
レアリズムへ動こうとする中途にあったと思う。あえてドイツで言えば
german dadaismか。尾崎の場合、それはyeatsらの
影響だと思うんだな。だが、イエーツらの 象徴主義からシュール
レアリズムへの動きを媒介したのはoccultismだった。
order of hermetic golden dawn というオカルト・クラブみたいなものに
当時のイギリスのインテリの多くが参加していたんだな。その中にwilliam
sharpやbutler yeatsもいた。オカルトの研究によって、民話への関心も
高まった。
william sharpのfiona macleodのペンネームが william sharpやbutler
yeatsが作品の題材を得たケルト民話に登場するfinn mac Cumhailかfinn
maccoolの女性形であることはほぼ、間違いないだろう。
(ちなみに、フィネガンズ・ウェイクのフィネガンはfiona againの
意味らしい。)
取り分け、sharpの場合はスコットランド西沖の小島イオナのカルディーの
歴史に深い思いを寄せていた。その一つが個人の内面での女性性と男性性の
合一によって、人間は再生することができるという思想なんだな。
カルディーはクムランの死海文書の書き手ではないかとして有名になった
essene派の流れを汲むとも言われてる。
sharpのfiona macleod誕生にはrinder wingateという若い女性ライターの
存在があったからだと言われてるが、性関係はなかったとも言われてる。
だが、fionaがペンネームであると同時に「隠し女」の意味が込められてる
ことを、尾崎は強く意識していたと思うんだな。「第七官界彷徨」での
彼女の一部の意図は「私こそfionaなのだ。」というのは当然であるとしても、そこでの尾崎の意図は「隠し女」というところに、「女流詩人」よりも大きなウエイトが置かれていたのではないか?
尾崎の良く使うモチーフに「盆踊りでの妹の影」、「地下室」、「屋根裏」
という言葉らに共通するのがカモフラージュであったり、「隠し場所」
なんだな。
一体、尾崎翠は誰の「隠し女」だったのか?
0640吾輩は名無しである
垢版 |
2011/07/16(土) 16:33:22.56
>>638の続き
1920ー30年代は世界的には大恐慌の時代だけど、バブル崩壊後から
今までの日本と似てる。だが、文化的にはミニ・ルネッサンスの
ような状況を呈していたのだろう。それを経てきたからこそ、花田は
「復興期の精神」の題名を思いついたのだ。花田が日本の室町時代
後期を日本のルネッサンスとして注目するのはずっと後だ。
龍胆寺や花田も昔のアンシクロぺディストや普遍人気取りだったが、
龍胆寺の実践力はまさにレオナルド気分だった。それは女性作家の
中にも影響を及ぼしていたかもしれない。大体は林芙美子や
片山廣子、吉屋信子などセックス面が強く強調されてるが、尾崎翠は
彼女らとは一線を画して、相当にorder of hermetic golden dawn を
研究していただろう。簡単に言えば、hermeticism.そうでなければ、
fiona macleodの名前を持ち出すはずがない。これほどいわくつきの
名前を、中途半端な知識で出せるはずがないのだ。
1920ー40年代前半は混沌期であり、作家達の文体は急速に
変化して行った。批評家においても、板垣鷹穂のルネッサンス論と
花田のルネッサンス論とでは雲泥の差がある。そういう中での尾崎の
自然主義批判だったことを踏まえておく必要があるだろう。

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