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詩を語り合おうぜ!!!!!2

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0001吾輩は名無しである
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2012/05/02(水) 21:42:33.98
前スレ「現代詩を語ろうぜ!!!!!」
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1329500264/

広く、詩・言語芸術について、みんなで、
語り合おうぜ!!!!!
えい!
えい!
おー!!!!!
0024吾輩は名無しである
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2012/05/03(木) 16:28:43.60
>>21
人間は、限られた命の中で、必死に、抵抗しようとする、
意志を、感じた時、感動する、と、おれは、思う。
ここで、問題は、10人の人が、「振り子」を見て、
その中で、9人が、感動し、1人だけが、感動しないとする。
感動した、9人と、感動しなかった、1人の、違いは、何か?
でも、おれは、そこに、希望を、感じる。
「振り子」を見た、人、すべてが、「振り子」に、感動したら、
それは、おれにとっては、すごく、怖ろしいこと。

http://www.youtube.com/watch?v=b8KKf6zwRKA
0025吾輩は名無しである
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2012/05/03(木) 16:52:43.53
「この部屋を出てゆく」関根弘

この部屋を出てゆく
ぼくの時間の物指しのある部屋を

書物を運びだした
机を運びだした
衣物を運びだした
その他ガラクタもろもろを運びだした
ついでに恋も運びだした

時代おくれになった
炬燵や
瀬戸火鉢
を残してゆく
だがぼくがかなしいのはむろん
そのためじゃない
大型トラックを頼んでも
運べない思い出を
いっぱい残してゆくからだ

がらん洞になった部屋に
思い出をぜんぶ置いてゆく
けれどもぼくはそれをまた
かならず
とりにくるよ
大家さん!
0026吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 01:04:11.38
「対称の領域」森博嗣

夢の中ではいつもロープウェイに乗る
途中で反対方向のゴンドラと擦れ違う

空っぽのはずのそのゴンドラに
擦れ違う一瞬、僕は僕を見つける
こちらを見て笑っているのだ

そうか……
僕は一人ではなかったのだ

少しだけ悲しくなった
空しくなった

向こうの僕は何を笑っていたのだろう?
0027吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 01:10:53.92
小野小町

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に
0028吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 01:30:47.07
おれは、今日、ひとの、死について、考えてた。

笑う感覚、って、その時代、時代で、
笑いの文化、変化、って、あるじゃないですか?

でも、なぜ、死には、人間の、死生観の、
変化が、無いんだろう?
古代から、芸術、文学を、見ても、
死に対して、人は、脅え、苦しみ、悲しむ、
ということが、共通してるじゃないですか?

なぜ、いつの、時代にも、
死に、関してだけは、
人間の、価値観が、
変らないのだろうか?
0029吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 01:48:20.38
>>28
価値観の変容はあるよ
具体的に死生観に焦点を合わせた研究もある
過去において実際に死がどれだけ身近であったかを考えて見るに
百年前と千年前を比べるよりも
ここ数十年とそれ以前を比べると明白だと思う
そもそも>>28さんの問いが文明化や医療が高度に進展した後期資本主義より前には
意味をなさない問い、というか問うことができなかったであろうことからも推察できるんじゃないかな
でも問いそのものは今日的だからこそ、すごく意味があると思いますよ
気に障ったらごめんね
0032吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 03:30:23.55
>>29
レス、どうも、ありがとう^^
この、スレでは、重すぎる、質問かなー、っと、思って、
ちょっと、心配してました。
西洋なんかの、神が、大きく、背後にある世界では、
死の、価値観は、一定なのかな、と、
勘違いしていた、おれに、
>>29さんの、ご指摘は、明解でした^^
なんか、おれ、>>29さんの、おかげで、
文学に、希望を、持てるように、なった^^
0033吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 03:35:36.89
赤木三郎

こわれた時計はなおしたが
歯車に みのこした夢が こびりついてた

動かなければ
永遠だった のに と
0034吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 03:44:52.02
石川啄木

不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心
0035吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 08:38:34.16
アドルノは、アウシュヴィッツ以後、詩は、ない
と言った。
旧約聖書には、ひとりを、救うことが
全てを、救うことに、つながる、
と、書かれてあるらしい。
おれは、詩・文学、あるいは、芸術には、
人ひとり、救う、力が、あるだろうと、
願う、少数の、人間の、一人だが、
みんなは、どう思うか?

http://www.youtube.com/watch?v=QFCNEfd9mQ8
0037吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 10:50:29.60
芸術に救いはあると思うけど、救おうとするのは駄目なんじゃないかな
0038吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 11:49:18.72
むかしサルトルが「飢えた子供の前で文学は有効か」という問いかけをしたけど、
文学が飢えた子どもたちの血や肉となるはずもないから、命を救うと言う観点からは無力だろうね。
また文学や芸術が全ての人に対しての有効な救済装置になり得るというのも幻想に過ぎないように思う。
ただ俺が自分自身に向かって、文学や音楽などが俺を支えてくれたことがあるか、慰めてくれたことがあるか
鼓舞し、力を与えてくれたことがあるかと聞かれれば「ある」と答える。
信仰を持たない俺にとって暗闇の中のたいまつのようなものであるとさえ言える。
そういう人間が一人でも居るとしたら文学や音楽も無駄ではないと思う。
そしてそのような人間が世の中にはたくさん居ることに間違いはないと思う。
0039吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 12:58:38.97
文学音楽は資本主義のただなかにおける「精神」の終の棲家、痕跡、
0040吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 13:04:21.37
「私とは何か、人間とは何か」。それは小説には常に書かれ、いつの時代でも
今日でも、常に進行中の近代化過程の上部構造として、つまり常に失われてい
く自己の補償装置として、小説は存在について象徴的なものの閉域内部で考え、
あるいは考えるふりをする。それは私や人間の「意味」、つまり私や人間の性
行為、私や人間の生産活動、私や人間の病気や死の、意味を語る。夏目漱石の
時代でも今日でも、人間の意味はこうだと言い、意味はないと言い、こうすれ
ば意味を忘れるくらい気持ちいいと言い、やはり忘れられなかったと言い、何
とかしてくれと言い、そんなことは言うなと言い、何も言いたくないと言う。
 それらは臨床社会学的、文芸評論的、歴史学的な価値をもつ。つまり知的、
芸術的観点からは、一行の例外もなくゴミ屑であり、既に哲学という「意識」
内部で分節されたことの、大衆版、発展途上国版だ。
0041吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 13:06:35.88
「私は何か」「人間とは何か」。それらの問いは広すぎ、茫漠とし、馬鹿げて
いて、解答など存在しない。
 もし誰かが「机とは何か。なぜそれはここにあるのか」「コップとは何か。
そもそもそれは何なのか」と問いかけるなら、それを聞く者は、彼に精神科を
受診するよう勧めるだろう。あるいは誰かが「神とは何か。それはなぜ存在す
るのか」と今日問うなら、やはりそれを聞く者は、彼の文化に同情と敬意を払
いつつ、彼がその問いを諦めるのを待つだろう。

 そして「人間とは何なのか、私はどこからやって来たのか」という問いも、
それが昼の明るい陽射しの下で声高に問われるなら、やはり精神科の管轄に所
属する。しかしそれが昼の陽射しと生産と交換の最中(さなか)でなく、夕暮れ
から夜の時間に、声になるわずか手前の喉元で出されるなら、人がそれを発す
るのを誰も聞いたことがないのに、人がそれを発しているのを誰もが知ってい
る、ありふれた問いとして、今日でもなお存在する。
 それは哲学の最後の避難所、あるいは哲学と神経症、「存在」と「人間」の
燃え滓のようなものだろうか?
0042吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/04(金) 13:08:51.39
一日の仕事の後、郊外電車が地下から地上に上がり、群青(ぐんじょう)色から
黒に変わりつつある空に高層住宅群の明かりが浮かぶのを目にしながら、曖昧
な意識と疲労の中で、人は「私は何なのか。私は何をしているのか」と問いか
ける。あるいは夜空に帯状に広がる無数の銀河系の星を前に、高揚と空虚が同
居する気分の中で、人は「人間とは何なのか」と問いかける。

 「机は何か、コップは何か」という問いかけが馬鹿げていても、「私は何か」
「人間は何か」が可能なのは、それが「問いかけること」の祖型、いわば原‐問いかけ
であり、そこで問われているのは問いかけの行為そのものであり、そこには世
界の分節と言語の手前で、原初的他者に向かおうとする力動が刻印されている
からだ。「私は何か」は、発声が言葉と意識に変わる最初の場所の痕跡だが、
それは同時に声が向かい、探し求めた最初の他者の痕跡でもある。そして「私
は何か」が意識の中へと再び現れ、主体の「今」に回帰する時、その他者は墓
標となり、遺跡となり、絶対他者の彫像のように、その問いの受け手となる。
それゆえ「私は何か」は、象徴的・日常的世界での自我の自信喪失をきっかけ
に、原初的他者への依存を求めて、しばしば退行的に出現するが、しかしそれ
はまた、高揚する自我が日常の臨界まで漂流し、星雲の中で世界との最初の出
会いに回帰する一瞬にも、発現する。

0043吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 13:09:41.56
今日これらのこと、「私は何か」のメカニズムを、人々は概略知っている。そ
れゆえ人は、この問いを問い詰めない。もし人が「私は何か」を自我の意味へ
と去勢せず、しかもそれをあくまで言語と意識の中に留めおくなら、神話が再
来し輪廻が始まることになるだろう。そこでは世界が到来し、目に入りこみ、
私となる瞬間が、多形倒錯的・退行的に保存されつつ、他方で全ての意味作用
はその瞬間に回付され、認識から解き放たれ、最終的に「私はどこにもいる」
が意識の中で造形される。原初的視覚と原
初的他者は、カメレオンを変態させる森の緑のように実体化され、意識と時間
の中に侵入し、「私は常に生成する」という感覚、「私はどこにでも生起する」
という声となり、それが自我を飛び越え、認識を眠らせ、世界の中の自我であ
る「この私」の、死の問題、あるいは世界の中の自我と自我との相克である、
善悪の問題を抹消する。
0044吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/04(金) 19:20:05.20
>>36
やっぱ、難しい問題だね^^
なるほどー、ドイツ文化が、アウシュヴィッツを、
生んだかー。
アドルノは、音楽についても、多くの、著作を、
残されてる、みたいだね。
ニーチェ→ワーグナー→ドイツ文化→アウシュヴィッツ
なんかの、流れでも、興味深い、問題。
>>37
たしかに、たしかに^^
芸術に、よって、一番救済されるのは、
自分自身かもしれないね^^
そこから、他人を、救済することへと、
繋がっていくと、いいね^^
>>38
38さんの、文学、音楽が、自分自身を、
救ってくれた、ことがある、という、言葉は、
力強いね。
おれも、他の人に、ひとりでも、いいから、
精神のリレー、として、芸術の、バトンを、
手渡したい^^
0045吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/04(金) 19:36:16.21
「ある代議士の葬儀」中桐雅夫

冬の冷たい風が、痩せた禿鷹のように
会葬者の口と、壁にピンでとめられた赤い弔旗の
間を吹きぬけた。「いくら寒くても
こういうところでは手をこすってはいけない……」
葬儀委員長は重々しい足どりで
祭壇の前に歩みよった。一層静かになった。
だが、この静けさには何か欠けたものがある、
悲しみもあり、人の死にふさわしい厳粛さもあるが、
吹きぬける風をとめる力を持つ何かが欠けている。

委員長は声を高めて言った、
「三十余年の同志の死にあい、許されるならば、
私が君にかわりたかった……」
(この誇張を、誰も不思議に思わないのは
それが葬儀というものだからだろうが)
大学教授は遺影を見あげて言った、
「いまは静かに眠ってください。そして
われわれの望んでいるような時が来たら
眼をさまして立ち上ってください……」
(そんなことができるとは誰も思ってはいないが、
葬儀は死者にとって大切というより、
生き残った者の慰めなんだ)

(続く)
0046吾輩は名無しである
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2012/05/04(金) 19:47:25.26
>>45の続き)

黙祷。静かな一分間の長さ。人の死がこんなに悲しくないものとは
今が今まで気がつかなかった。
第二次大戦における日本兵士の
戦死、行方不明は二百五十六万五千八百九十八名、
1般市民は約六十万、そしてここに今、
行われているのは一人の代議士の葬儀。
委員長はまた祭壇に近づき、作法通り、
三度、香をつまんで、三度、頭をさげた。
(彼は無宗教のはずだった)
続いて顧問が立って、おなじ所作をくりかえした、
(彼はクリスチャンのはずだった)

「いくらのみたくても、
こういうところでは煙草をとり出すわけにもゆかぬ」
斎場を出てマッチをすると、
炎は大きく大きく、夕陽のように燃えて消えた。
タクシーに合図する僕の右手に穴をあけて、
死はまた風のように、どこかへ吹きぬけてしまった。
0047吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/04(金) 19:54:33.24
>>41
たしかに、たしかに、
あまりにも、抽象的で、漠然とした、問いかけ、
だもんなー。
でも、こういう、問いから、
芸術が、生まれるという、
手応えが、おれには、あるなー^^
0048吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/04(金) 20:11:56.46
>>40-43
これは樫村晴香さんの文章だと思うんですが、引用の場合には出典を書かないと問題があると思います。
もしご本人でしたら差し出がましい意見ご容赦願います。
0049吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/04(金) 20:29:29.69
>>48
なるほどー^^
>>40さん、もし、おいでであれば、
引用の、先を、教えてくださいませ^^
よろしく、お願いします^^
0050吾輩は名無しである
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2012/05/05(土) 00:51:23.26
「階段」寺山修司

一段目に夏
二段目にぼく
三段目にみずえ
四段目に腰かけて
五段目で初恋だった
六段目で何をしたのか
七段目で神さまが見てた
八段目でみずえが立上ると
九段目でぼくは淋しくなった
十段目で哲学し自省し感傷して
十一段目で訪れる秋をむかえよう
十二段目で翼のように両手ひろげて
十三段目さま人生さまみんなさよなら
0052吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 10:37:29.29
AAなんかもよくああいうのが作れるなあっていつも感心させられてる
あれもひとつの詩だと思うんだよね
無名なのもいい
0053吾輩は名無しである
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2012/05/05(土) 13:17:14.84
>>51
最近、また、寺山さんの、詩・短歌・俳句を、
読み直してます。
やっぱ、寺山修司さんは、世界観が、素晴らしい^^
>>52
AAさんは、おれは、初めて、お聞きする、お名前で、
今、ネットで、見てきたんですけど、
ユニークな、詩だね^^
詩の、スタイルも、面白い^^
0054吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 13:28:45.38
「終電車の風景」鈴木志郎康

千葉行の終電車に乗った
踏み汚れた新聞紙が床一面に散っている
座席に坐ると
隣りの勤め帰りの婆さんが足元の汚れ新聞紙を私の足元に
 けった
新聞紙の山が私の足元に来たので私もけった
前の座席の人も足を動かして新聞紙を押しやった
みんなで汚れ新聞紙の山をけったり押したり
きたないから誰も手で拾わない
それを立って見ている人もいる
車内の床一面汚れた新聞紙だ
こんな眺めはいいなァと思った
これは素直な光景だ
そんなことを思っているうちに
電車は動き出して私は眠ってしまった
亀戸駅に着いた
目を開けた私はあわてて汚れ新聞紙を踏んで降りた
0055吾輩は名無しである
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2012/05/05(土) 16:53:52.27
引きこもり・・・蟄居、さく居。

若者達はネットの中に引きこもると言うけれど、本当に引きこもって
いるのだろうか?

アーレントの「精神生活」という本の中では、「引きこもり」が哲学用語
として登場する、「現象学的還元」とか「状況の括弧入れ」とかじゃなく
「引きこもり」というコトバが選ばれている。

多分、ネットの中で自分A'に成っているのだろうな。
本当に引きこもるのは、逆に難しい社会になったのではないだろうか?
0056吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 18:30:23.81
>>55
おれは、友達が、一人も、いないんですけど、すごく、気楽^^
バイト中以外の時間、一人で、部屋で、本読んでるか、
ネットしてるか、どっちかです。
友達付き合い、とか、合コン、とか、飲み会、なんて、
おれには、つらい。
ひとりで、いるほうが、おれは、楽しいです。
今の時代の、引きこもり、っていうのは、
ひとつの、文化だと、思う。
対人関係が、すごく、ストレスになる、
今の、時代を、反映した、現象なんじゃ、ないかな?
0057吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 18:36:59.63
「恐怖」石原吉郎

まぎれもなく健康であることは
たぶん巨きな恐怖だから
きみはなるべく
病気でいるがいい
ドアが正常に開き
通行を保障されるのは
たぶん巨きな恐怖だから
きみはすみやかに
拘禁さるべきだ
二人の男が向きあって
なにごともなく
対話がつづくのは
たぶん巨きな恐怖だから
一人は 即座に
射殺せねばならぬ
0058吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 18:50:33.56
西行法師

ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ

寂蓮法師

村雨の 露も未だ干ぬ 槇の葉に 霧立ち昇る 秋の夕暮れ
0059吾輩は名無しである
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2012/05/05(土) 20:07:57.04
「春望」杜甫

国破山河在、城春草木深。
感時花濺涙、恨別鳥驚心。
烽火連三月、家書低萬金。
白頭掻更短、渾欲不勝簪。

「春望(しゅんぼう)」杜甫(とほ)

国(くに)破(やぶ)れて山河(さんが)在(あ)り
城(しろ)春(はる)にして草木(そうもく)深(ふか)し
時(とき)に感(かん)じては花(はな)にも涙(なみだ)を濺(そそ)ぎ
別(わかれ)を恨(うら)んでは鳥(とり)にも心(こころ)を驚(おどろ)
                                かす
烽火(ほうか)三月(さんげつ)に連(つら)なり
家書(かしょ)萬金(ばんきん)に低(あ)たる
白頭(はくとう)掻(か)けば更(さら)に短(みじか)し
渾(す)べて簪(しん)に勝(た)えざらんと欲(ほっ)す。

(続く)
0060吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 20:15:19.40
日本の名句・名詩・名歌を集めた本ってまずないんだよな
一冊でお得な詩集があれば入門にいいと思うんだがな…
0061吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 20:15:30.93
>>59の意味)

国は滅亡してしまったけれど、山や川は元の姿のまま存在している。
(戦争で壊れてしまった)町には春が来て、草木が青々と茂っている。
戦争の絶えない時代を感じては、花にさえも涙を流し
(家族との)別れを悲しんでは、鳥にさえも心を乱される。
戦争は3ケ月の間絶え間なく続き、家族からの手紙は、お金に代えられない
大きな価値を持つ。
白髪だらけの頭を掻けば髪の毛はさらに短くなり、
もうかんざしを挿すのも無理になりそうだ。
0062吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 20:20:36.32
>>60
そうかー、
そういうの、あまりないのか^^
詩集なんかでは、みんなで読もうぜ、っ的な、本を、
時たま、見かけるんですけど、
たしかに、
俳句・短歌は、あまりみないなー。
研究が、どうしても、偏るのかも、しれないね^^
0063吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 20:36:42.20
「日本の現代詩101」 高橋 順子 あたりはどうなんだろう?
名句・名歌だったら大岡信の「折々のうた」シリーズを徐々に
0065吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 20:52:41.12
         / --、   \
        /   (⌒)  ヾ i
       /  ""(_   (ヽ)   >>1さん 元気だしなよ
       /      `-ヽ__)゙/    醤油温めたけど飲むかい? 
      /          /
      /          /
     /        /
    /     `ー- く
  /          。 \
  /         。∫∫゚ ヽ
 /     /^ー:r ̄ ̄ ̄i l
 |    i /   ,ノ、__ノ |
0066吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 21:50:36.72
>>64
ごめんね^^
本当に、心から、謝ります^^
ごめん^^
ヤフーで、「AA 詩」って、検索したんですけど、
正直、詩みたいなのは、あまり、出てこなくて(笑)、
励ましソング、みたいなのが、出てきて、
>>64さんが、言うの、これかな?
なんて感じで、レスしてしまいました^^
本当に、ごめんね。
おれを、見捨てないでくだせえよ^^
以前、パウル・ツェランの、ネット絵を、観たけど、
すごく、ツェランの、繊細な感じが、出てて、
上手く、描かれてた^^
>>65
これこそが、お噂に、お聞きする、
アスキーアートかー!!!
やっぱ、こういう、絵が、上手い人は、
なんらかの、形で、デザイン系の、ことを、
されてるんだろうな^^
ああ、まあ、元気出すよ。
醤油、100杯くらい、飲みたい、気分だぜ!!!
0067吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 22:12:02.33
>>64
高橋順子さんの、本、今、アマゾンで、見てきた^^
評は、すごく、いいみたい。
詩の、読み、註なんかも、充実してるみたいだよ。
おれも、すごい、欲しいけど、
うーん、¥1500かー^^
今は、手が出ない(T0T)/
大岡信さんの、「折々のうた」は、新聞掲載の、短歌・俳句、評が、
載ってるみたいだね^^
大岡さんは、詩よりも、評論に、力を、入れられてるな^^
最近、おれ、村野四郎の、『現代詩読本』
っていうの、読んだよ^^
すごく、いい本です。
この一冊だけで、近代詩は、ほぼ、カヴァーされてると、
思う。
アマゾンでは、馬鹿高いので、買わないほうが、いいです。
おれは、図書館で、借りて、読みました^^
0068吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 22:22:42.46
「申告」天野忠

死んでから
神様の前で
正直に申告する。
向うの台帳どおりかどうか
名前、年令、職業、死因、その他
例えば
──名前は
──ハイ 太宰治 三十九才
──職業は
──(小さい声で)小説家
──死因は
──心中でした。
空白欄に
神様はポンとはんこを押す。 可
それから
恥ずかしそうに
太宰治は極楽へ行く。
0069吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 23:35:29.56

 | |l ̄|
 | |l民|
 | |l主|
 | |l党|
 | |l_|
 |   .|_∧  
 |   .|`∀´>
 |   .⊂ ノ
 |   .| ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
民主党とAKBの関係が遂に明かされようとしている
秋元康の後ろには蓮訪
蓮訪の後ろに前原、枝野 そして民主党全体

税金を使ってAKBを宣伝し、その税金が民主党に流れている
AKB自体が、税金目当ての捏造ブーム
0070吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/05(土) 23:45:27.25
詩関連の本は高いうえにすぐ絶版になっちゃいますね〜
村野四郎の『現代詩読本』も絶版のようですね
さいわい最寄りの図書館は他の図書館とと比べても詩のコーナーが充実してるのでラッキーっす
折々のうたはBookoffの100円コーナーで見つけるたびに買って徐々に増やしてます
0071吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 00:54:13.98
>>69
おれは、SKE48の、矢神久美ちゃん、神押し!!!
久美ちゃんの、ユニークなとこ、と、
なんか、人間的に、ふんわり、してるとこが、大好き♪
0072吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 00:56:54.62
折々のうたは名著だよね
図書館で夢中になって読んだなあ
他にも大岡氏の本では百人百句とかよかった
0073吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 01:04:09.80
>>72
百人百句! 初めて俳句に対する興味を持たせてくれたありがたい本、俳人の書いた俳句の本より数段面白かったよ
が、いまやこの本も絶版なんだよな…
0075吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 01:23:57.20
>>73
あれもう絶版なのか
この前近くの本屋でみたようなw
確かに専門の人間が書いたものが、必ずしも面白いとは限らないんだよね
0076吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 01:32:34.32
>>70
やっぱ、詩、関係、高いですよね^^
出ても、おれには、買えない(T_T)
図書館で、詩関係が、充実してるのは、うらやましい^^
昔、高木護さんの、詩集、図書館で、全部、コピーしたもんなー(遠い目♪)
なんと!!!
折々、が、100均で、買えるとわー!!!
アマゾンで、中古で、出てる、『現代詩読本 村野四郎』高すぎ!!!
そこまでして、買うような、本じゃ、ないです^^
おれ、まだ、借りた本が、部屋に、あるので、
取り上げられてる、詩人さん、書き出しときますね^^
北原白秋・高村光太郎・萩原朔太郎・室生犀星・千家元麿・佐藤春夫
宮澤賢治・中原中也・金子光晴・草野心平・北川冬彦・西脇順三郎
さん、なんかを、村野の、おっさんが、論じて、おります♪
0077吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 01:51:42.67
今、アマゾンで、見てきたんですけど、やっぱ、吉本隆明さん、関係の、
新刊、何冊か、出てるね^^
0078吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 01:59:58.05
>>77
ここで初めて吉本さんを知るという若い人たちも出てくるのかもしれませんし
吉本さんの思想が新たに受け継がれていく契機になるのかもしれませんが

死者に群がる…という感も否めないよなぁ
0079吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 14:16:26.59
>>78
そうですよねー^^
本当に、ある意味、
吉本隆明さんの、死によって、
何か、とても、重要な、ものが、
終わった感、おれも、あるもんなー^^
0080吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 14:58:06.90
上杉謙信家訓 十六箇条

一 心に物なき時は心広く体秦なり
二 心に我儘なき時は愛嬌失はず
三 心に欲なき時は義理を行ふ
四 心に私なき時は疑ふことなし
五 心に驕りなき時は人を敬ふ
六 心に誤りなき時は人を畏れず
七 心に邪見なき時は人を育つる
八 心に貪りなき時は人に諂うことなし
九 心に怒りなき時は言葉和らかなり
十 心に堪忍ある時は事を調う
十一心に曇りなき時は心静かなり
十二心に勇みある時は悔やむことなし
十三心賤しからざる時は願い好まず
十四心に孝行ある時は忠節厚し
十五心に自慢なき時は人の善を知り
十六心に迷いなき時は人を咎めず 
0081吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 15:14:08.79
「暗視野」渡辺武信

眠れない夜々の中に
一心に数えられている
椅子 死体 羊たち
それら ぼくたちの都会の夜空に
暗い星座をつくって流れる
きみのくるしげな不眠は ただ
夜の堅固な表面に金色の羊たちを殖やす
その輝く毛の渦をかき分け
ぼくの眠りがうがった細い細い井戸の中に
ひとつの記憶だけが
撃たれたハトのように落ちていく
きみの傷口は地平線を覆って
まぶしく口をひらく
けれど おそらく 撃たれたのは
ぼくだ 落ちていくのは幼いぼくだ
どこまでいったいどこまで落ちるのアリス
あ あそこ 石炭袋 空の孔だよ
どこへ行ったのカムパネルラ
首をちょんぎっておしまい はたして
豚は飛べるか猫は笑うか
問いはいちどきにぼくのまぶたを侵す
落下しながら水中花のようにひらく記憶の垂鉛
夜は地の果てからきみの唇から時代から
あふれあふれだして
血まみれのアリス血まみれのジョバンニを洗う
光に群れる魚たちのように
ぼくの指が集っていく
巨大な闇の果実
その内部にすでにくりぬかれている
無数の そしてただひとつの顔
0083吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 17:56:07.21
>>82
まだ読んでなかったら

「ガリア戦記」

日本のは良いの無いと思う、「記録」っていう概念が成立してない時代だから仕方ないけどね。
0085吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 21:10:06.85
「ノアの方舟」嵯峨信之

眠つているぼくを起こしにくるのは
どこかの水平線だ
そのやわらかな水平線が
縫目のないしかたで遠くからぼくの瞼を撫でる
それでもぼくが目ざめなかつたら
ノアの方舟の鐘を鳴らして起こされるだろう
ぼくのはるかな記憶を利用して
その背後(うしろ)にひろがる緑の反響(こだま)で
だがぼくはなお目ざめない
しずかなしずかな瞼の中をどこまでも漂流していく
ぼくには遠ざかるものしか
まだ来ていない



ぼくは眼を刳りとつた
心をぼくにしかと釘づけするために
ぼくは耳をおもいきり削いだ
たれからも全くぼくが自由であるように
ぼくは唇を縫い合わせた
他から何一つ求めないために
ぼくは両足を断ち切つた
たれも行きついたもののない遠くへ行きつくために
ぼくは両手を切り落とした
さいごに抱いたものを全身で記憶するために

(続く)
0086吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 21:12:39.33
http://ishii.mai433.com/profile.html
石井さんとの出会い (島田誠「無愛想な蝙蝠』風来舎より抜粋)

     受話器の向こうで、内気な声が必死に訴えるようにしゃべっている。
     「突然、電話してすみません。」おたくのギャラリーは、時々拝見させていただい
     いますけど、先日『ギャラリー・インフォメーション』を読ませていただいて、
     信濃デッサン館への旅に感激しました。こんな文を書く方なら、私のことをわかってくれる
     かとおもいまして.......」時々、胸の病気を想像させるような咳をまじえながら、
     彼は延々としゃべり続けた。

     「石井一男。49歳。年老いた母親しか身寄りがなくて、内気な性格で、友人もいない。
     夕刊を駅へ届けるアルバイトをしながらひたすら絵を描いている。でも体調も悪い、
     あまり先がない予感もする。絵をみていただくだけでよいから」

     あまり暗い話ぶりに、途中で電話を切るわけにもゆかず途方に暮れてしまう。
     すがりつく声に「ともかく、一度資料か絵を持ってきてください」と電話を切る。
     やりとりに耳を傾けていたスタッフが「変な電話ですね」と肩をすくめてみせる。

          二枚、三枚と繰ってゆくうちに、今度はこちらが息を飲む番だった。
     これは素人の手遊びとはとても言えない。どれも三号くらいの婦人の顔を描いた小品
     だけど、孤独な魂が白い紙を丹念に塗り込めていった息遣いまで聞こえてきそうだ。


0087吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 21:15:10.34
>>85続き)

この世にはどこかに大凪の海があるだろう
少しずつ少しずつ流れている大凪の海があるだろう
もしぼくがその海を空樽のように漂流していたら
いつかはノアの方舟が拾いあげてくれるだろう
そしてぼくを新らしい世界へ送りとどけるために
方舟は鐘を鳴らしながらゆるやかに進路を変えるだろう
0088吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 21:27:55.53
>>86
おれは、絵も、大好きで、ダリ、キリコ、マグリット、なんかの、
シュルレアリスム系、
ドイツの、ゲルハルト・リヒター、アンゼルム・キーファー、なんかが、
大好きです。
石井一男さんの、お名前は、初めて、お聞きします。
「石井さんとの出会い」ホームページへ、飛んで、読みました。
絵も、観せていただき、おれは、深い、祈り、を感じました。
ルオーの、絵に、似てる。
精神の、とても、深いところを、突いてくる、絵です。
0089吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/06(日) 21:44:28.96
お、久しぶりに(笑)ツボだぞ、嵯峨信之さんか。スレ立て主はいろんな詩を紹介してくれて楽しい。
穏やかな模糊とした一連から思わぬ激しさの2連へ。(たぶん(続き)の所で連が分かれるのだと思うけど)
ふたたび凪の3連へとこの詩自体が大きな波のような、ゆったりとした音楽のような詩ですね
0090吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 01:34:55.18
>>89
久しぶりに、>>89さんの、ツボったかー^^
おれも、がんばるべ^^
うん、(続き)の所で、一行、空き、があって、>>87が、最終連^^
そうだね、音楽、嵯峨さんは、とても、詩のリズムに、
気を付ける、詩人さんです。
晩年まで、ジュール・シュペルヴィエル、ルネ・シャール、
ジュゼッぺ・ウンガレッティ、の詩を、
嵯峨さんは、熱心に、研究したらしいぜ^^
嵯峨さんの、詩は、全体に、すごく、死の匂いがする、
詩が、多くて、晩年に向けて、シンプルな、詩形に、
なっていかれる、感じ。
今、「現代詩フォーラム」で、箱舟さん、という詩人さんが、
詩を、投稿されてます。
ヤフー検索で、「現代詩フォーラム」と検索して、
「現代詩フォーラム」のサイトで、人名検索「箱舟」と、
入力されたら、箱舟さんの、詩が、読めます^^
たぶん、>>89さん、が、好きな感じの、詩だと、思うので、
時間がある時に、読んであげてください^^
明日、バイトから、帰ったら、もう一篇、嵯峨信之さんの、詩を、
貼ってみるよ♪

0091吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 09:04:10.46
嵯峨信之全詩集 [単行本]
嵯峨 信之 (著)
内容(「BOOK」データベースより)
雑誌「詩学」によって詩を支えるかたわら、生の根源的なテーマを限りなく追
いこんで自らの詩を彫琢した詩人の全貌。生前刊行された詩集全七冊をはじめ
、単行本未収録詩篇、未発表詩篇を完全収録。丹念な調査に基づく作品解題、
青土社版「自己“半年譜”」を増補した詳細な年譜を付す。

--------------------------------------------------------------------------------
登録情報
単行本: 653ページ
出版社: 思潮社 (2012/05)
ISBN-10: 4783723583

0092吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 09:47:28.56
>>91
ご紹介ありがとうございます
4月に出たばかりの新刊ですね、完全収録とは豪勢です
丹念な調査に基づく作品解題というのも魅力ですし
しかし! 果てしなく高い壁が! 定価9,030円(税込)

まずは現代詩文庫の嵯峨信之詩集あたりからですね…
0093吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 13:55:46.97
>>91
>>92
まだ、ネット書店には、出回ってない、みたい。
現代詩文庫の、嵯峨信之詩集、
嵯峨さんの、良い詩が、集成されてて、とても、いいよ^^
0094吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 14:00:35.44
上で、鉄拳の「振り子」
について、語ろう、と、
言われてた人、
良かったら、
おれと、「振り子」について、
語り合わないか?
涙、人間の、悲しみ、について、
少し、語り合わないか?
良かったら、出てきてくれ^^
0095吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 14:12:41.73
「春雨」嵯峨信之

ぼくが消えてしまうところが
この地上のどこかにある
死は時の小さな爆発にあつて
ふいに小鳥のようにそこに落ちてくるだろう

その場所はどんな地図にも書いてない
しかし誰かがすでにそこを通つたようにおもわれるのは
その上に灰いろの空が重く垂れさがつていて
ひとの顔のような大きな葉のある木が立つているからだ

あなたは歩みを早めて木の下を通りかかる
そしてなにかふしぎな恐れと温かな悲しみを感じる
ぼくの死があなたの過去をゆるやかに横切つているのだ
 ろう

春雨がしめやかに降りだした
いますべての木の葉が泣きぬれた顔のように
いつまでもじつとあなたを見おろしている
0096吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 14:20:45.57
「断章」嵯峨信之

死というのは
どんな階段をのぼらねばならぬのか
水晶の階段の上空で
雲雀が鳴いている

ひとりの男が森の中へ駈け込んでいつた
全ての時が着くのはどこの岸辺だろう
大きな終りが待つていたように梢にざわめいていた
 風が急に止む
筏は遠くへながれていつた

ここまで書くとぼくはふいに眠くなる
ぼくの名がいつか消えてしまう
だれも行つたことのないところまでゆき着くと
そこでもかすかに雲雀が鳴いている
0097吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 14:30:03.45
「永遠」嵯峨信之

永遠とは
多くの時間のなかを流れるひとすじの時間だ
そこだけに別離がある
そこだけに物憂さがある
そこに 失つたものから匂いが帰つてくる
そこに 手を触れた温かい記憶が止どまつている
とは云え
どこでぼくは迷路に踏みいつて日がたつたのか
その流れの外で自分を喰うことをいつ覚えたのか

歩みの王のぼくという下僕よ



昨日とはどういうことだろう
忘れるという領土はどこからつづいているのか
また遠ざかることで何が始まるのか

納屋いつぱい積みあげられた小麦の山
一匹の野鼠がその下に這い込んだとき
戸外では急にはげしく雨が降りだした
0098吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/07(月) 20:39:21.23
>>95-97
嵯峨さんの詩ありがとう。>>91にも超弩級の本紹介してもらったし
この方の詩はゆったりしてるなかに緊張感もあり、
沈んだトーンにさえ澄み切った透明感があるように僕は思います。
現代詩フォーラムのほうも覗いてみますね。
しかしあなたは義理堅くまめな人ですねぇ、尊敬いたします。
僕は休み明けの仕事で疲れちゃったぞ
0102吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 01:45:24.54
ギヨーム・アポリネールに

ふたりで見送った死神の思い出に

ぼくらのあいだで跳ねて吼えて  
            そいつは倒れた

埋葬された花束の思い出に

「夜想曲」ジュゼッぺ・ウンガレッティ

きらめく光の道程を
さすらいゆく人

憂鬱な風の下で空は
消えてしまった

かぐろい枝先に春がいま点されてゆく

この一時に耳を澄ますのは詩人だけだ

そして詩人は立ちあがる
きらめく光と一体になった
あの力を振りしぼって

(続く)
0103吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 01:51:16.63
>>102続き)

そして閉ざされた窓のアパートのあいだをひっそりと過ぎてゆく

彼の徹夜の刻限にあたりは静まりかえって

彼の立ち去った町に雪は振り積み

彼の見つめた無垢な野原に憂鬱は
消えてゆく

冷たく不思議な顔立ちをとった激しさ
これにまさる激しさはない

詩人に許されているのはただ
神の諧謔を見抜く殉教だけだ
0104吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 03:35:42.71
茨木のり子「詩のこころを読む」(岩波ジュニア新書)は
けっこう良い現代詩の入門書になってる。大抵古本で100円で買える
もちろん編者の評価に偏りがあるのだとは思うが
(これに取り上げられている詩はけっこう技巧的な場面転換を使っている詩が多いが、
日本だと珍しいタイプの詩だと思う)
0105吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 03:40:21.19
>>21
俺は話としては「一杯のかけそば」より杜撰だと思うなあ。
感傷と言うよりは、自分のショボイ人生を肯定させるためのネタじゃん
一杯のかけそばは低俗とはいえ、物質主義が一貫しててそれはそれでメッセージではある
0106吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 14:03:23.56
>>104
詩人さんが、書かれた、詩入門、ということで、
おれも、興味が、あります。
石垣りんさん、木島始さんが、取り上げられてる、ところ、
興味深い^^

0107吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 14:08:11.29
>>105
たしか、浅田次郎さんが、『きんぴか』で、「一杯のかけそば」を、
パロってたなー。
実は、大金持ち、だったという、話。
2回、「振り子」見たけど、1回目は、正直、
ちょっと、ほろっと、きました。
バックで、かかってる、音楽の、せいもある。
「一杯のかけそば」は、あまり深く、考えずに、見たら、
まあ、一応、なんらかの、メッセージには、なってるかも^^
0108吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 14:11:54.66
>>107
単純にいってバイクの運転してた高校生はまだ老人になってないと思っちゃうんだよね
0109吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 14:27:20.60
「賭け」黒田三郎

五百万円の持参金付の女房を貰ったとて
貧乏人の僕がどうなるものか
ピアノを買ってお酒を飲んで
カーテンの陰で接吻して
それだけのことではないか
美しく聡明で貞淑な奥さんを貰ったとて
飲んだくれの僕がどうなるものか
新しいシルクハットのようにそいつを手に持って
持てあます
それだけのことではないか

ああ
そのとき
この世がしんとしずかになったのだった
その白いビルディングの二階で
僕は見たのである
馬鹿さ加減が
丁度僕と同じ位で
貧乏でお天気屋で
強情で
胸のボタンにはヤコブセンのバラ
ふたつの眼には不信心な悲しみ
ブドウの種を吐き出すように
毒舌を吐き散らす
唇の両側に深いえくぼ
僕は見たのである
ひとりの少女を

(続く)
0110吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 14:35:30.51
>>109続き)

一世一代の勝負をするために
僕はそこで何を賭ければよかったのか
ポケットをひっくりかえし
持参金付の縁談や
詩人の月桂冠や未払の勘定書
ちぎれたボタン
ありとあらゆるものを
つまみ出して
さて
財布をさかさにふったって
賭けるものが何もないのである
僕は
僕の破滅を賭けた
僕の破滅を
この世がしんとしずまりかえっているなかで
僕は初心な賭博者のように
閉じていた眼をひらいたのである
0111吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/08(火) 14:42:15.73
>>108
高校生から、老人への、移行の、描写は、
おれ的には、なかなか、うまいなと、思いました。
「振り子」は、鉄拳さん、ご自身が、映像化して欲しいと、
願ったことから、見ても、たぶん、鉄拳さん、ご本人は、
かなり、手応えが、あったのだと、思う。
でも、鉄拳さんに、厳しいことを、言うけれど、
世の中には、おれの、ような、心が、貧しくて、汚れた、人間も、
いることを、もっと、勉強して、もらいたいと、思う。
おれの、汚れた心は、「振り子」ぐらいでは、感動しない。
0113吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/09(水) 00:49:07.98
>>112
おれも、そのうち、ぜひ、
読みたいと、思っています。
やっぱ、すごく、難解そう^^
でも、そこに、魅力が、あるんだけど^^
哲学・思想関係の、人も、
追悼文を、寄せてる、みたいだね。
吉本さん、おもしろいね^^
0114吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/09(水) 01:06:11.69
みんなは、君が代、問題について、
どう、思う?
おれは、戦争とは、もう、切り離して、
考えても、いいんじゃないか?
と思うし、式などでは、
一応は、みんな、ちゃんと、起立して、
歌いたければ、歌うといいし、
歌いたくなければ、歌わなければ、いい
と思うんだが。
みんなは、どう思う?
0115吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/09(水) 13:49:15.32
「原点破壊」黒田喜夫

のけぞる婦を
しようことなく眺めてると
肢のあいだに袋のようなものが現れてきた
産声はなくぐしゃりと肉色の包みが落ちてきた
おれはすばやくよつん這いになり
べとつく胎皮をなめ取ると
破れた袋から蛍烏賊に似た軟体がうようよ這いだした
座敷いっぱいひろがる軟体群のうえに
みんなあなたの種よ
うっとりした声がひびく
おれはうろうろとこれじゃ乳が足らない
ドライミルクの鑵をさがしていると
台所まで這いだしたのが野菜屑にたかる
屈伸する肢でゴキブリを押えて食べる
吸盤があるらしい
婦は歓声をあげる
貪婪だわ
生命力だわ
夢中で胸もとに群がらせてるのをみて妬けてきた
おれも横になり乳房のあたりに這ってゆく
沢山のちいさく軟いものが
首や四肢に吸いつくのを覚え
ふかく血縁に憑かれてしまった

(続く)
0116吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/09(水) 14:08:01.74
>>115続き)

妊婦によりそって囁いていた
おれたちの多産系
飢餓と貪婪といううつくしい言葉
婦はやすらかに息づく下腹を幻の土地よといった
骨盤は無限に広いなんて撫でてると
土地の奥に踞んでる人の形をさぐりあてた
肉の奥に踞んでるいびつなマッスの
休みない胎動にふれてると
にがい近親憎悪がきた
おれに似た仔か
農奴誕生か
いまはこの肉の鎖の断種こそ希う
飢餓と貪婪といううつくしい言葉
うつくしい言葉におもねて
肯定の種を蒔きつづけるこの肉の鎖を断つときだ
立上ると
婦が肢にすがり
そのままひきずって窓ぎわに立ち
遠い土地よ幻よ
遠く広い土地をゆめみることが何故救いなのか
アクションすさまじく細民の街を指さすと
恨みがましい顔をあおむいた
ああ鬼っ児生むわよ
鬼っ児なら生め
恨みがましく婦はのけぞっていった

(続く)
0117吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/09(水) 14:18:32.72
>>116続き)

それから産褥に群がり
雌も雄もない吸盤をからみ合わせていた
こうして始源の土地を想い
こうしてコンミュンへの坩堝をもやす
血縁に憑かれからみ合ってると
雌雄未分化の夢のような回想が溢れてきた
巨大な烏賊に似たおれが座敷でのたうち
故のないオルガスムスとともに奇妙な
仔どもを生みつづける
生みつづけて自己陶酔のうちに溶けてゆく
否定もない
反抗もない
軟かい幻境に溶けてゆく
生んでいるのか生まれてるのか
溢れる回想のなかにわからなくなったが
しどけなくからみ合う肢にそのとき
激烈な痛みがきておれは目醒めた

(続く)
0118吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/09(水) 14:27:30.83
>>117続き)

気がつくと
飢餓と貪婪の座敷に寝ている
沢山の鋭いものが肢に噛みついている
野菜屑もゴキブリも食いつくした軟体群が
すでに共喰いをする修羅場がきていた
婦は乳房を噛み裂かれ
群がる仔どもに埋まっている
みんなあなたの種よ
本望よ
あくない適応性の群のうえに
かすかな声がひびいている
おれはすばやくよつん這いになり
口で捕えては噛みつぶしはじめた
噛みつぶしてると悲鳴があがる
血縁の血の味とともに覚える叫びはおれの
喉のなかからあがってきた
そのたびに悲鳴をあげるのはおれの喉なのだ
0119吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/10(木) 16:20:04.46
「一匹の虫」犬塚堯

いつも散歩する道の小さな穴に心ひかれていた
それは鼻孔のように息づいていたからだが
ある正午 汗のような雨が降ったとき
一匹の虫が穴から出てきた
何かなじめぬ様子で辺りをうかがい
やがて小さな一声をあげた
僕にはそれが「主(しゅ)」(SHU)と聞えた
虫が戴く主とはどの警句より鋭く 真面目で
無神論者をも驚かす響きがあった

握ると虫の体臭があふれ
ふくらんで産卵の気配をみせた
眼を近づけてよく見ると
芥子粒のようなそれが実は厳然として
傘をもった竜の形をしているのだった
若いが既に豊かな知識をもち
僕の掌を少しずつ食い破ろうとした
そのように行動するのはおそらく
主と呼んだ声につづく確かな説話をもつものとみて
僕は自宅に持ち帰ったのだ

(続く)
0120吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/10(木) 16:45:36.91
>>119続き)

籠に飼ってしばらく経った
虫はしばしば飢え渇き僕の妻を呼び寄せた
その白い髯をみた妻は虫のふるう鞭に恐れ
一つのエロスを彼に与えたのだった
虫は自信に満ち 時には傲岸に成長した
籠を檻に代えるころ それは
天を仰ぐ複眼と精緻な巨体を完成した
彼は腹匍いで家に沢山の道を作った
僕は毎朝その道を通る 太陽の並ぶ道を

彼はなぜ様々に変身するのか
どこに辿り着こうとしているのか
多分 自然はいまも創造の途中であり
神は製作の手を休ませてはいないのだ
その神に通ずる我々の言葉も出切ってはいない
この分別の鎧戸から空の高さまで言葉を送るには
特異な抑揚やはずみが要る
炎を捩る鞴のような舌で

虫はまことに放縦で彼の領土に海や砂や風を求めた
すると絨緞に島が出来て流人と島があがってきた
麻が伸び 妻と娘はそこで会話をしている
過去に苦しまず未来の想像を恐れずに
海のホリゾントに精霊を認め
身内に天上の種族の妊娠を望んでいる

(続く)
0121吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/10(木) 16:59:59.01
>>120続き)

どうやら虫の意図がわかってきた
ある日 檻のまわりを新大陸がリボンのように
回ったとき
客が来て部屋を席捲する感動に満足して茶を飲んだ
そのとき虫は無数の肢で静かに歩いていた
卓布が滝のように床に滑り落ちた

僕は終日檻の前に座り愛情の全てを示している
虫の声と仕草を使って同化につとめている
触角で秋をさぐり 季節最良の果物を皿に集めている
死がなければ人生は更に不可解なように
時代は終らなければ疑問は解けない
虫は終る時代の痛苦をなめていた
裂けるような顔と体形の変化
吐息と独白の激しさ
白熱し失神して立上るとき一つの神の姿勢を示した
妻と娘は愛の昂まりから涼しい涙を虫にそそいだ

かつて神への通路をもたなかった大地の
縄のようにも一人の神を手繰らなかった時代の
わが家に信仰を求める虫がいまも歩き回っている
0122吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/10(木) 18:10:44.83
>>114
 多くの大人は、「近代国家」というゲームに付き合わされてシニカルな気持ちで歌ってるでしょ。
それをワザワザ小説にまでした丸谷才一」って作家もいたけど・・・
0123吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/10(木) 18:47:49.10
>>114
シニカルな気持ちさえないな。無関心。何故あんなに大騒ぎしてるのかさえわからない。
そもそも天皇との結びつきにいたるほどの力は既にこの歌にないだろ
俺にはもう死んで化石のように無味無臭となったもののようにしか思えない
それを無理矢理掲げてああだこうだ騒ぎ立てる連中の方がよほどきな臭く感じる
「そんなことだからあなた達は知らないうちに…」などと言われても困るけどさ
0124吾輩は名無しである
垢版 |
2012/05/10(木) 20:14:07.86
>>114
戦争云々じゃなくて>>123のいうように天皇制との結びつきでしょう?
いくらか弱まってはいても、「君」を称える歌なのは確かだからな。
そういえば、友人はこの〈君〉をそれぞれの大事な人を思い浮かべることにすればいいって言ってたよ。
そうすれば国民主権の理念に悖らないし、共同体的な隣人愛をもって歌えるからって。
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