むかしサルトルが「飢えた子供の前で文学は有効か」という問いかけをしたけど、
文学が飢えた子どもたちの血や肉となるはずもないから、命を救うと言う観点からは無力だろうね。
また文学や芸術が全ての人に対しての有効な救済装置になり得るというのも幻想に過ぎないように思う。
ただ俺が自分自身に向かって、文学や音楽などが俺を支えてくれたことがあるか、慰めてくれたことがあるか
鼓舞し、力を与えてくれたことがあるかと聞かれれば「ある」と答える。
信仰を持たない俺にとって暗闇の中のたいまつのようなものであるとさえ言える。
そういう人間が一人でも居るとしたら文学や音楽も無駄ではないと思う。
そしてそのような人間が世の中にはたくさん居ることに間違いはないと思う。