詩を語り合おうぜ!!!!!2
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前スレ「現代詩を語ろうぜ!!!!!」
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広く、詩・言語芸術について、みんなで、
語り合おうぜ!!!!!
えい!
えい!
おー!!!!! 「春雨」嵯峨信之
ぼくが消えてしまうところが
この地上のどこかにある
死は時の小さな爆発にあつて
ふいに小鳥のようにそこに落ちてくるだろう
その場所はどんな地図にも書いてない
しかし誰かがすでにそこを通つたようにおもわれるのは
その上に灰いろの空が重く垂れさがつていて
ひとの顔のような大きな葉のある木が立つているからだ
あなたは歩みを早めて木の下を通りかかる
そしてなにかふしぎな恐れと温かな悲しみを感じる
ぼくの死があなたの過去をゆるやかに横切つているのだ
ろう
春雨がしめやかに降りだした
いますべての木の葉が泣きぬれた顔のように
いつまでもじつとあなたを見おろしている 「断章」嵯峨信之
死というのは
どんな階段をのぼらねばならぬのか
水晶の階段の上空で
雲雀が鳴いている
ひとりの男が森の中へ駈け込んでいつた
全ての時が着くのはどこの岸辺だろう
大きな終りが待つていたように梢にざわめいていた
風が急に止む
筏は遠くへながれていつた
ここまで書くとぼくはふいに眠くなる
ぼくの名がいつか消えてしまう
だれも行つたことのないところまでゆき着くと
そこでもかすかに雲雀が鳴いている 「永遠」嵯峨信之
永遠とは
多くの時間のなかを流れるひとすじの時間だ
そこだけに別離がある
そこだけに物憂さがある
そこに 失つたものから匂いが帰つてくる
そこに 手を触れた温かい記憶が止どまつている
とは云え
どこでぼくは迷路に踏みいつて日がたつたのか
その流れの外で自分を喰うことをいつ覚えたのか
歩みの王のぼくという下僕よ
*
昨日とはどういうことだろう
忘れるという領土はどこからつづいているのか
また遠ざかることで何が始まるのか
納屋いつぱい積みあげられた小麦の山
一匹の野鼠がその下に這い込んだとき
戸外では急にはげしく雨が降りだした ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています