古代ギリシャ・古代ローマ総合
>>259
岩波の文庫版およびちくまの厚表紙版については読んだことがある
岩波の文庫版は訳語がやや古風で訳文全体としてより硬質な印象
ちくまの厚表紙版は訳語がやや現代寄りの印象
現在販売されている訳書には、京大出版会の厚表紙2巻本もある
1巻訳者の逝去により、2巻は別の訳者による引継および解説記述となっている
詳細にはまだ読み込んでいないが、ざっと目を通した限り、各訳書中最も現代寄りの印象
ちくまの訳書については文庫版化もされているが、こちらは未読
厚表紙本の訳文には、文意がやや不明瞭な箇所
(冒頭の、各ポリスの外交方針の推移に関する記述など)が散見され、
こうした箇所に関してどの程度の推敲が為されているか、
文庫版を今後読む機会があれば確認したい
注釈は、岩波の文庫版の内容が非常に大量かつ詳細
また、岩波の文庫版には、同時代史並行の詳細な年表も併載
ただし、岩波の注釈は、該当箇所アステリスク、該当ページおよび該当行数のみの表示で、
個別番号が無いために、箇所特定がやや面倒
また、注釈を含む文中に誤植がところどころ見受けられるが、
過去少なくとも18回の再版はあっても厳密な校訂までは行われていない模様
ちくまの厚表紙版には、マルケリヌスによるトゥキュディデス伝を併載
ただし、この個人伝自体は、史実性に難点が多いとされる
なお、ちくまの文庫版には、この個人伝は併載されていないとのこと
京大出版会の厚表紙版のうち2巻には、
古代ギリシア史の一般事項に関する用語解説ページあり >>260 追記
ちくまの訳本については、現在、厚表紙本・文庫本とも、新刊本は品切れの模様
ただし、ネット通販業者からの購入や電子書籍購読は可能の模様 >>260 訂正
過去少なくとも18回の再版
↓
過去少なくとも初版第1刷およびその17回の再刷 「戦史/歴史」のうち、例えば第7巻のシチリア戦の描写は、
特に岩波版の古風で非常に硬質な文体が、より緊張感を増す効果を与えている
現代風のやや平易な文体の場合、こうした緊張感がやや緩く感じられることがある >>260 にいう「マルケリヌス」は、
一般的に著名な歴史家としてその名が上がることが多い「マルケリヌス」とは別人とのこと 古典ギリシャ彫刻のsevere styleの始まりはイオニアで起きたという説がかなりの反響を呼んでるようだが、
彫刻で表現されてはいないが、スキタイの騎馬戦士が後ろ向きに矢を射るポーズはコントラポストであり、
もっと古くはブロンズ時代のバビロンのニムロッドが天に向かって矢を射るポーズもコントラポストだろう。
運動の意識の焦点は腰骨の背部の真ん中にあったということ。マクベスはシーザーと同じく帝王切開で
生まれたことを自慢するが、帝王切開の鼠径部より少し上の腹部の逞しさは男の場合、神への反逆者の証明なのだ。 >>261 再追記
ちくまのトゥキュディデス「歴史」、文庫版の新刊本が現在在庫有りらしい
(追記して状況を訂正) ギリシア語文法上の文意解釈の幅に由来する可能性があるけれども、
トゥキュディデスの「戦史/歴史」の訳本は、岩波版や京大版と、ちくま版とで、
基本的に同じ底本(オックスフォード 1942年)に則った訳本でありつつ、
(写本誤記可能性部分の置き換えではなく原文そのままからの訳と思われる場合含め)
同じ箇所の訳で文意がかなり異なっていることが、時にある
研究論文その他も含め、いろいろ併読していく方が確実かもしれない アサシンクリードオデッセイってゲームにアリストファネス エウリピデス、ソフォクレスも出てきて
当時の演劇の様子も再現されてるんだけど本当にあんなお面被ってやってたんだろうか 俺は古代ギリシャ・ローマに関する考古学論文以外はここで紹介する意味は無いと思ってる。
近年は地中海の交易に関する考古学的研究の進歩が素晴らしい。 >272
「考古学論文の紹介しか意味が無い」と断ずるのは、カテゴリ違いだろう
それこそ文学板とは全く別の考古学板や世界史板が実際あるのだから、
考古学論文の議論は考古学板や世界史板のほうがずっとふさわしい
このスレは基本的に「古代ギリシア・ローマ時代に書かれた、文学作品・文献の、内容」
について論ずるスレなのだから >>271
「位格」「人格」「人称」といった訳語になることばって、ラテン語だと persona
これはもともと、演劇などで使う「仮面」を指すことばだよ
それを着けることでその登場人物の「役割、位置付け」が表わされることから、
転じた意味としても使われるようになったってわけ 東ローマ帝国の後期ともなると、古代というよりも中世だけど、
その時代の東ローマ帝国の文献は、文学カテだと、どこのスレの扱いになるのだろう?
明確に中世欧州文学を謳う総合スレも見当たらないし、ここのスレでもいいんだろうか?
当時の東ローマ帝国の第一言語は中世ギリシア語だったね 東ローマ中世の「アレクシアス」読んだことある人も、ここのスレには来るのかな? イリアスいろいろ読み比べ、土井晩翠訳やはりよい
ヘクサメトロスと咬み合う七五七五は読みやすい >>279
私もイリアス、いろいろ読み比べたけど、やっぱり土井晩翠訳が好きなんだよね。
ヘクサメトロスと七五七五のリズムがうまく噛み合ってるから、読みやすいし、原文の力強さもちゃんと伝わってくる。他の訳だと、ちょっと堅苦しかったり、原文のニュアンスが損なわれてるように感じちゃうんだよね。
特に、戦闘シーンとかは土井晩翠訳だとすごく迫力があるよね。まるで目の前で戦いが繰り広げられているような臨場感があって、つい引き込まれちゃう。
ただ、難点としては、やっぱり現代語訳に比べるとちょっとわかりにくいかな。
言葉遣いが古かったり、慣れない表現が出てきたりすると、意味がわからなくなっちゃうこともある。でも、そこは辞書を引いたり、ネットで調べたりしながら読めばいいしね。
それに、土井晩翠訳は全訳じゃなくて、一部だけ抜粋されてるバージョンが多いっていうのもちょっと残念。
せっかくイリアスって壮大な叙事詩なんだから、全部読んでみたいよね。でも、全訳されてるバージョンはなかなか見つからないんだよね。 >>280
冨山房から出てる土井晩翠訳イーリアス新版は、現在のところ品切れらしいね
今のところいつになるかは分からないけど、増刷される時を待ってみようと思ってる
古書店通販サイトや大規模図書館では新版本を見掛けるから、隠れた人気はかなり高そう
やや古風な訳語については、
仏典や漢籍を先に読んでいれば「あれだな」と気付く用語・表現がよくあるね
「瞋恚」は仏教での「十悪」のうち一つとして挙がる用語だし、
「窈窕」は詩経の冒頭の詩「關雎」に出てくる表現だね
それに、土井晩翠自身が、訳語の出典として宋代の漢籍を訳注に明記している箇所もあるし 西洋古典学の世界に興味があるなら、京都大学学術出版会から出ている『西洋古典学事典』をぜひチェックしてみて!
この事典、初心者でも理解しやすいように、ギリシャ・ローマ神話伝説を網羅的に解説してるんだ。神話だけでなく、当時の文化や社会についても詳しく知ることができるよ。
しかも、母音の長短から古典ギリシャ語表記まで、かなりマニアックな情報も載ってるのがポイント。アッティケー方言以外にも、イオーニアー方言やドーリス方言、アイオリス方言なんていうマニアックな方言まで網羅してるんだ。
西洋古典の世界に一歩踏み込みたい人には、本当におすすめの一冊だよ https://nazology.net/archives/150700
3500年前の鎧レプリカを海兵隊に着せて「トロイア戦争」の戦闘シミュレーションを実施!
2024.05.26 SUNDAY >>283
https://karapaia.com/archives/52332084.html
3500年前の鎧が激しい戦闘に適していたことがギリシャ軍海兵隊の実戦テストで証明される
2024年05月29日 >>280
土井晩翠の詩風って、全般的に、漢語や七五調を多用して重厚かつリズミカルでしょ
現代でも世間一般に広く知られている作品だと、例えば「荒城の月」とかもそうだし
ほら、新聞に読者投稿の創作短詩の欄ってあるじゃない?
短歌や俳句や川柳や……が並ぶ、あれね
実はね、ああいった読者創作投稿欄に、大正頃までは漢詩の部門もあったんだと
「イーリアス」「オヂュッセーア」の和訳にも明確に表れてる、土井晩翠のあの詩風って、
漢籍の語彙や表現に充分習熟してる人が日本の世間一般に一定以上存在してたっていう、
そうした時代背景にも基づいてるものでもあるんだよ 古代ギリシャと古代ローマは、西洋文化の基盤を築いた文明として、文学作品においても重要な役割を果たしていますよね。
古代ギリシャでは、ホメーロスの叙事詩『イリアス』や『オデュッセイア』が、神話や英雄譚を語り継ぎ、後の文学に大きな影響を与えました。また、ソフォクレスやエウリピデスの悲劇作品は、人間存在の深淵を描き出し、普遍的なテーマを扱っています。
一方、古代ローマでは、ウェルギリウスの叙事詩『アエネイド』が、ローマ建国の神話と英雄アエネアスの物語を壮大に描いています。また、キケロやセネカなどの著述家は、政治思想や倫理哲学を論じ、後の西洋思想に大きな影響を与えました。
このように、古代ギリシャと古代ローマの文学作品は、西洋文化の形成に大きく貢献し、現代の私たちにも深い洞察を与えてくれます。 tenjuu99(天重誠二)
ハイデガーが、ラテン語という共通言語的なものの登場でギリシャ的な意味が捨象されているみたいなのを思いだした。ハイデガ
ーの場合は、ラテン語みたいな超民族的な言語に対する批判をいろいろやっているけど、この記事の場合は英語圏的世界観が日本
語で書かれていることに特長があるような感じはする。英語圏文化の影響が強い現在の日本語圏で和製英語的な語がどう機能する
か、気になる文章だった。
alternative rock って日本語文中に英語で書くと、たぶん「本場の」みたいなコノテーションがつきますよね。語の出典を詮索し
てみたり。これがカタカナで表記すれば差異を捨象することになる、みたいな特性がある。日本語文中にカタカナで通じそうな英
語をわざわざ導入すれば、差異を強調する効果があり、逆に日本語話者に日本語で書くとこの差異が捨象され、それゆえ「精神
性」という抽象をつうじて日本の4つ打ちロックも「オルタナティブロック」に回収される。ここで機能しているレトリックはな
んかおもしろいな。
2024/03/02 ここの人にとって髙津春繁「古典ギリシア」は今更だろうけど、この本みたいに学問の香気が感じられる本は最近の人にはもうないな