帰路にて
視界の端に常なき光明を覚え観あぐれば
満ち足る月の光を浴みている事に気づく。
朔望未だ望に至れども、素人目には満月に他ならず。
この麗しさをば同じく帰途につく人々と分かち合おうと見回せば
我より他に月を仰ぐものなし。
再び月を仰ぐ。
この寂しき微苦笑を照らすは冷たき月の光。