とにかく作家というものは死してなお作品は残すわけだから
リメイクと称して過去の作品群をいじくり回すのは良くない。
作品というのはそれが書かれた時代の産物でもあるので、
後世の評価を期待するのなら、いちど発表したものに
時間が経過して手を加えるのは良くない。
作品の背後にある時代や(過去の)作者像を改変するのは驕りでしかない。
作家というのはそれほど特権的な立場を持っているわけではないのですよ。

しかし、高橋源一郎がこの人を評して
「作者が絶対者」という思想の持ち主である、
と指摘したのはまさに慧眼だったね。