柄谷や浅田がこの事件に注目してるのは、現代の天皇制を
否定する最も現実的な手段としてヒントになり得るということ
ではないか?
南朝方の支持者は多分、現代の日本全体の半分以上かもしれない。
南朝方天皇がほんものの神器を所持して登場すれば、天皇制に
ついての激しい議論が起こる可能性は高い。
多分、花田はそこに注目して『室町小説集』や『小説平家』を
書いた。
あるいは谷崎の『吉野葛』でさえ、その疑いがある。
女系天皇を容認することの裏には、全国のどっかに残っている
かもしれない南朝方の天皇が登場する可能性を高める?

現代で中上の遺志を継ぐとすれば、俺個人的には全く無名の
新人が望ましいだろうが、敢えて既存作家で挙げれば、
笙野かな。
文体には胆汁の毒のような両面的(自分に対してと外部に対しての)な
毒が必要だと思うんだな。
ま、そんなことはどうでも良いのかもしれない。
現代のリアルな貴種流離譚を津原氏も書いてみたらどうかw