如何なる星の下に生れけむ。われや世にも心よわきものなるかな。
暗にこがるゝわが胸は、風にも雨にも心にして、果敢なき思をこらすなり。花や採るべく、月や望むべし。
わが思には形なきを奈何にすべき。恋か、あらず。望か、あらず。あはれはいねはわが為にそを語りき(「わが袖の記」M30.8)