>>289
もっとも貧弱なプロレタリア文学者のひとりでも、「その辺のうら若き女性に人間知において及ばないということ」はない、ということなんだよ。
現実を見る力という意味でね。
逆にいえば、現実を解析するためには、「人間学」(人間知?)に意味はないと吉本はいってるんだ。

その意味で吉本は、小林の「人間学」が「うら若き女性」の「人間知」に及ばないと指摘しているともいえる。

吉本の志向する批評にとっては、「人間学の達人」は無価値なんだ。
批評は個人の感想や相対評価であってはいけない、絶対評価を可能とする基準が必要だ、というのが、吉本の考え方なんだよ。