421つづき

 小林の批評についても同じで、あくまでも具体的にしか俺は論じる気はない
。どっちがどう、という結論に性急に行くのではなく根拠を引用し、
出すべきだね。小林の「様々なる意匠」は好きな作品だし、作家の作家たる
運命や書くことに到る宿命をあげている箇所は好きだが、吉本は小林の
こういう批評の提示を継承してみせている。吉本の太宰論や
三島論に乳児期から掘り起こし辿って行く手法があって、ああいうところを
みると吉本は小林が提示した作家の「血球の流れ」を生誕史や生涯史として
書いたと分かるよ。しかもそこでどっちも生涯を生きながらえることが
できないで自死を選んだ悲劇を描いて見せている。作家論として素晴らしいし
人間学としても良い。小林が「様々なる意匠」で提示した方法の継承でも
ある。色んな意味で吉本の作家論は良いよ。

 P氏がやはり「花田を持ち上げたから浅田が駄目だと言ってるのだろう」
とか書いてるが、これまたP氏は浅田の批評、花田の批評について、
具体的に語って見せるのが礼儀ではないかな。その上で、「貴方が言う
ほど花田の批評も浅田の批評も悪くはない」とやるべきじゃないかね?
貴方はそもそも 花田の書いたものを読んだことはあるのだろうか?なけれ
ば俺の花田論 に反論し、その根拠を提示することは出来ないだろう。
それができないから単なる勘繰りに(「貴方は〜ファンだから」的見方)
なってるように見えるのだよ。そうならないようどうか頑張ってください。