>>527
>歴史の新しい見方とか新しい解釈とかいう思想からはっきり逃れるのが、以前には
>大変難しく思えたものだ。そういう思想は、一見魅力ある様々な手管(てくだ)めいたものを
>備えて、僕を襲ったから。一方歴史というものは、見れば見るほど動かし難い形と
>映って来るばかりであった。

魅力ある手管を備えているのは、「歴史の新しい見方とか新しい解釈という思想」であって
歴史の新しい見方や新しい解釈が魅力的に見えたから、そのような思想が備えている
「手管」も自分にとって魅力的に映ったと、そういうことだよね。 ここでいう「歴史の新しい
見方」というのは、もっぱらマルクス主義による歴史の新たな解釈のことを指しているのでは
ないかと思われるね。まあトレルチなどの新カント的な歴史哲学、ヘーゲルの歴史哲学も
おそらくは含まれているのだろうね。