評論っていうより随筆でしょ、ほとんど。
戯文というか。

安吾は文章力が確かなのと、サービス精神が旺盛なので随筆類が今でも
面白く読め、若い読者も多いようです。

ただ、安吾の本領は圧倒的に小説にあるのに、小説は未熟な読者には
やや敷居が高く、かえって手すさびないし原稿料かせぎで書いた随筆の
ほうが読まれてしまう。

太宰がうらやましいと草葉の陰で安吾さん、嘆いているかも。