たなしんから君たちへ贈る魂の提言!知らないうちにあなたも「奴隷」化している!

それでいいのか。知らないうちに、茹で上げられてしまう蛙のようになってもいいのかどうか。
そこから抜け出せる可能性はあります。生き方はみずから選ぶのだという自覚を持てば、変わっていけるかもしれません。
人生を、自分の足で踏みしめようとしたことがありますか。手ごたえはそこにしかないと思うのです。

これまで作家として、十年あまりやってきました。体力的にきついときはありますが、幸いにも寝込んだりせずに済んでいます。
原稿を書き、それが雑誌などに載ると原稿料をもらえる。出版社がOKを出せば本にしてくれて、刷られた冊数に応じて印税を受け取る。シンプルな仕組みです。

書くことは独りきりの作業ですが、編集者とのやり取りは、繰り返しおこなわれます。そもそも打ち合わせで「こういう小説にしましょう」という話が出て、方向を決定し、それに沿って進めていきます。
読んだ編集者から、なにかしらの注文が返ってくる。「それもそうですね、じゃあこうしましょうか、いや、ああしましょう」と話し合う。忌憚のない意見を交わしていきます。

その過程で、こちらにも疑問は湧いてくるわけです。
なんで、こんなこと言われなきゃいけないんだ。ぎりぎりになってそんなこと。もっと前に言ってほしかった。

そんな感じです。聞く耳はもちろん持ちますが、いつも全面的に受け入れるわけではない。通すときは通すし、相手を受け入れるときは受け入れる。
状況に応じてやっていくというのは、すごく難しくて、同時に重要なことです。

わたしの場合、そうやって相手ときちんと向き合えているかぎり、奴隷にはならずに済みます。