うーん
総決算的な思想的深さとか歴史の象徴化が
構築されてはないよね。明治的という内実
が分からない。やはり漱石の人間関係の
心理的な葛藤の描写でどこまで読ませるか、
という手腕に「かかり過ぎている」。
似たふたりの人物の私小説的な苦悩告白が
並べてあって、

まあこれはしょうがないけど
現代の読み手は大体の筋を知って読まざるを得ない

殉死の衝撃は事実としてあっても、
小説の舞台の時代そのものはいつでもいいでしょう。