>>359
大審問官によるイワンの説明では、イエスは3つの言葉であらゆる過去と現在と未来をあらわしたと言う
それは、イエスは荒野で40日の断食をされた際、3つの悪魔の誘惑に言った言葉であると
そのうちの一つがパンと自由の問題である
悪魔がこう言った、あなたが神の子であるなら石をパンに変えればいい
その誘惑に対してこう答える、いわく、人はパンのみに生きるわけではない
ドストエフスキーは、なぜイエスはパンを石に変えなかったのかをこう述べている
それは、パンによる支配は人間の自由意思を奪うことになる
石をパンに変えたがために信じるものが永遠と自分の跡につづいてしまうと
古代より宗教は指導者に属するのは絶対だったが、キリスト(キリスト教)によって、人間は自由意思を初めて与えられたことになる(鎖がはずれたということ)
この後にのこる2つの言葉で神秘(奇跡)と権威についての話が続く

これはドストエフスキーの独特な考えなので正しいのかは読む人によるだろう
だけど願わくば、ドストエフスキー理解の材料の1つにでもになってほしい