>彼らが自由を欲求の増大とその迅速な充足と解するかぎり、自己の本性をゆがめているのである、

>そのわけは、自分の心のなかに多くの無意味なばかげた望みと習癖とまったく愚にもつかない思いつきを生みだすことになるからだ。

ほんとうに「自身の生命の中」に、無数の愚かしい無意味な希望と習慣や、思いつきを感ずる。

これをば、無くなるようにと、清らかな生命となるようにと、先ほど祈った。
下は、われわれ凡夫の姿です。

>彼らはたがいにうらやみあい、肉欲と自惚れを満足させるためだけに生きているのだ。うまい食事にありつき、馬や馬車や官位や奴僕をもつということがいまやすでに必要欠くべからざることと見られ、

この必要を充足させるためとあれば、命や名誉や人類愛まで犠牲に供し、それが充足できなければ、自殺さえしかねない。

金持ちでない者のあいだにもおなじようなことが見受けられるが、貧しい者は欲求不満と羨望をさしあたり飲酒でまぎらしている。だが、そのうち酒を飲むかわりに血まで飲みだすだろう、彼らはそこまで行きつくにちがいない。

私はみなさんに尋ねるが、こういう人間がはたして自由な人
間といえるだろうか?