確かに僕は怠け者だ。非常に怠け者です。
併し、どうも僕には、人生に対して非常に怠惰な態度を取る他に道はない。
とすればどうしたらよいか。幾時になったら、この僕の暗い心持が無くなるか見当がつきません。
惟ふにこういう心の状態は、人間だけに振り向けられたものだ。
天上のものと地上のものが混じり合って人間の魂の雰囲気が出来上がっている。
人間とは、何と不自然に創られた子供だろう。
精神界の法則というものがめちゃめちゃにやられているからです。この世は、罪深い思想によって損なわれた天上の魂達の煉獄の様に僕には思えます。
この世は途轍もない(否定的なもの)と化し、高貴なもの、美しいもの、清らかなもの悉くが一つの当てこすりとなってしまった様な気がします。
ところで、こういう絵の中に一人の人間、絵全体の内容にも形式にもよらぬ、一口に言えば全くの異邦人が現れたとしてら、どういう事になるでしょう。
絵は台無しになり、無くなってしまうでしょう。

だが、全世界がその下でうめいているお粗末な外皮が見えているこの覆いを破り、永遠と一体となるには、ただ意志をふるい起こせば足るのだとは知っている、みんな解っている。
それでいて、凡そ生き物のうちで一番のやくざ者でいるとは、これは堪らぬ事だ。人間とは何と意気地のないものか。
ハムレット、ハムレット。
彼の荒々しい、嵐のような話を思うと、足腰立たぬ全世界の嘆きが聞こえて来る様で、もう僕の胸は悲し気な不平にも非難にも騒がぬ。
僕の心はいよいよ苦しくなり、僕は知らぬ振りをする、でないと僕の心はこわれてしまいそうです。
パスカルは言った。哲学に反抗するものは自身が哲学者だ、と傷ましい考え方だ。(…) 僕には新しい計画が一つあります。発狂する事。 以下略』