実際よく人間の残忍な行為を『野獣のようだ』というが、それは野獣にとって不公平でもあり、かつ侮辱でもあるのだ。
なぜって、野獣は決して人間のように残忍なことはできやしない。あんなに技巧的
に芸術的に残酷なことはできやしない。虎はただ噛むとか引き裂くとか、そんなこと
しかできないのだ。人間の耳を一晩じゅう釘づけにしておくなんて、たとえ虎にそん
なことができるとしても、思い付けるもんじゃない。

とイヴァンカラマーゾフはいったが、きょうライオン兄弟の宿命という動画を見たんだ。

このドキュメンタリーの最後に研究者が語る「ライオンというものはひじょうに可愛いが、

その反面信じられないほどの邪悪さをもっている」と。

とにかく、ナチスのユダヤ人虐殺どころじゃないメチャクチャな動画だった。つまりなにが言いたいかというと、イヴァンのこの認識さえ、現実を把握してないということなんだ。