『戦争と平和』を一緒に読もう!
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3月開始を予定しています。 当方、以前に【米川訳】で既読。 今回は【北御門訳】をメーンに、 新たに【藤沼訳】と【英訳】も参照。 先行での参加も可。 第二巻読了 アンドレイとナターシャの婚約から破局が中盤の山場でした 戦争とはあまり関係もないけど… 第三巻からはまた戦争シーンが増えるようだ 【ロシヤ語原文】 И разве я не вижу, что этот дурень смотрит только на Бурьенку (надо ее прогнать) ! 【英訳】 As if I don't see that this fool is only looking at Bourrienka (she must be thrown out)! 【米川訳】 それにあのばか者め、 ただブリエンカ(ブリエンヌの語尾をロシヤ式に変えて侮辱の感じを帯びさせたもの)ばかり見てるのが、 わしの目に入らんと思ってるのか! (あの女は追い出してしまわなくちゃならん。) 【北御門訳】 それにあの馬鹿男がただブリエンヌばかり見ていたのが わしにわからんとでも思うのか? (あの女は追い出してやらねば) 【藤沼訳】 それに、おれの目に入らんとでも思うのか、 あのあほうがブリエンヌのやつばっかり見てるのが (あの女は追い出してやらんとな)! 【英訳】に「訳注」なし。 【北御門訳】は「人名表記」が原文主義なんだけれど、 この箇所はどうしたものか? 【木村浩訳】は徹底した「人名表記原文主義」で好きだ。 >>171 何章でしたっけ?(読んだような気もするけど) トルストイほど翻訳に恵まれた作家がいるだろうか、いやない >>174 【米川訳】【藤沼訳】 第1部第3篇第5章 【北御門訳】 第3篇第5章 『アンナ・カレーニナ』の再読 【木村浩訳】と【北御門訳】の併読が楽しみだ。 第二巻の最後のところ(第5部20章)、ナターシャの誘拐が失敗に終わり、ピエールがアナトーリに諭す場面で「遊ぶなら、ぼくの妻(=アナトーリの妹)のような女を相手にしたまえ」というのが面白い 今のところ、妻が浮気してるという決定的なものは出てないと思うんだけど >>179 実際アナトーリはエレンと兄妹ながらデキてると噂あったことを思うと二重の皮肉なんやろね 【ロシヤ語原文】 Ах вы, полотеры проклятые! 岩波のポケット版じゃダメだな。 消費税うp前に研究社の露和辞典買おうかな。 【英訳】 Ah, you cursed floor-scrubbers! 今アンナカレーニナを木村訳と中村白葉訳を見比べながら読んでまーす やっぱり木村訳の方が読みいいかな? 人の名前は簡略化してあることが多い 第三巻約半分読了(第二部20章まで) 戦争の描写が多い フランス軍が迫る中、逃げ遅れた公爵令嬢マリヤをロストフが助ける、というのがメイン 2人のきょうだい(アンドレイ、ナターシャ)が婚約してるのに 初対面なのかい?とびっくり マリヤがブサイク設定なのは何故だ 兄のアンドレイはカッコいい設定なのに 妹は老公爵に似たんだろう。 若公爵は母親似なんだと思う。 老公爵は娘を可愛がっているし。 人格も似ているからだろうね。 >>188 中身がカッコイイだけでは? 背が低いし 第1篇第4章にある。 「ボルコンスキイ公爵はそう丈の高くない、 眉目秀麗で取っつきにくい表情をした、 非常にハンサムな青年であった。」 兄弟姉妹で顔が似てても美形と残念になることはあるよね >>192 工藤訳は 背丈のあまり高くない、端正すぎて冷たいような顔だちの、水もしたたるような貴公子だった 公爵令嬢マリヤは悲しそうなおびえきった表情で自分の部屋へもどってきた。この表情はめったに彼女の顔から消えることがなく、その美しくない病的な顔をよけいに醜いものにしているのだった 第1巻第1部第22章 これでみると、田舎にこもり、偏屈で癇癪持ちの公爵と暮らしていたせいで、さえない容姿になっていたってことかな? 【米川訳】第1部第1篇第3章 ボルコンスキイ公爵はあまり背の大きくない、きわめて美しい青年であったが、 顔の表情はこっちりと固まって、かさかさしていた。 【北御門訳】第1編第4章 ボルコンスキイ公爵はそう丈の高くない、 眉目秀麗で取っつきにくい表情をした、 非常にハンサムな青年であった。 【藤沼訳】第1部第1篇第3章 アンドレイは背が低く、冷やかで目鼻立ちのはっきりした、 実に美しい青年だった。 【英訳】 Prince Bolkonsky was of medium height, a rather handsome young man with well-defined and dry features. ※ 【北御門訳】の章分けは【米川訳】【藤沼訳】【英訳】と異なる。 美貌が必ずしも幸福を招くとは限らないということだよね。 マリヤは立派な男と結ばれるわけだから。 ポルコンスキイ公爵は背丈こそ高くはないが、 非常に美しい青年で、端正な冷たい顔立ちをしていた。 原卓也訳 使用している【英訳】は Larissa Volokhonsky, Richard Pevear訳の Leo Tolstoy“War and Peace”(Vintage Classics)2009/8/6 >>27 【原卓也訳】 中公 世界の文学 新集 p10-11 このお話をぜひまとめてください、そしたらわたしはもう永遠にあなたの忠実な奴隷になりますから。 うちの領地の村長がいつも報告書に書いてよこす言葉をかりるなら、あなたの土隷にね しかし、そのお嬢さんなら家柄もいいし、資産もおありになる。わたしに必要なものは、すべてそろっているというわけですからね。 ※土に傍点 >>35 【原卓也訳】 中公 世界の文学 新集 p12 ボルコンスキイ公爵の若婦人は金色の刺繍をあしらったビロードのバッグに、 やりかけの手芸を入れてやってきた。 >>204 巧い意訳だね! 「土」を用いるとは実に上手い! >>41-43 【原卓也訳】 中公 世界の文学 新集 p33 公爵夫人が入ってきた。彼女はもう別のホームドレスに着替えていたが、 これも同じようにエレガントな真新しいものだった。 >>47-48 【原卓也訳】 中公 世界の文学 新集 p37 ナプキンから銀製品、陶器、クリスタルの食器にいたるまで、 すべてが、若夫婦の家庭によく見られる、一種特別な真新しさの陰影をおびていた。 >>89-90 ,92-93 【原卓也訳】 中公 世界の文学 新集 p177 羽布団の上に、乳飲み子を抱いた女と、老婆と、 真っ赤な頬をした健康そうな若いドイツ娘とが坐っていた。 >>94-95 【原卓也訳】 中公 世界の文学 新集 p182 どれも同じようでいながらさまざまな顔をそろえた全中隊が 第1部第3篇第8章 【米川訳】 これらの恐ろしい耳を聾するような声の響きに包まれ、 四辺形のまま化石したようにじっと動かぬ大集団の前を、 鷹揚にかっこうよく、そして、なによりも驚嘆すべきことには、 自由に身をこなしながら、数百人の幕僚たちが騎馬で進んだ。 【北御門訳】 こうした凄まじい、耳を聾せんばかりの大音響の中、 化石したようにじーっと動かぬ四辺形の大集団の前を、 数百人の騎馬の扈従が悠々と、それでも整然と、 そして何よりも落ち着き払って進み、 その先頭に二人の皇帝が馬を進めていた。 【藤沼訳】 こうした声のおそろしい、耳をつんざくような響きのもと、 自分たちが作っている方形のなかで、まるで化石になったように、 じっと動かずにいる部隊のいくつもの塊のあいだを、 乱雑に、左右が不揃いな形で、なによりもまず、のんびりと、 数百人の馬に乗ったお付きの者たちが進み、 その先頭に二人の人間―両皇帝がいた。 【英訳】 To the terrible, deafening sound of these voices, amidst the masses of troops,motionless, as if petrified in their rectangles, the hundreds of horsemen of the suite moved casually, asymmetrically, and, above all, freely, and in front of them two men―the emperors. 【米】 「鷹揚にかっこうよく、そして、なによりも驚嘆すべきことには、自由に身をこなしながら、」 【北】 「悠々と、それでも整然と、そして何よりも落ち着き払って進み、」 【藤】 「乱雑に、左右が不揃いな形で、なによりもまず、のんびりと、 数百人の馬に乗ったお付きの者たちが進み、」 【英訳】に近いのは【藤沼訳】 【藤沼訳】がいちばんいい。 【原卓也訳】 中公 新集世界の文学 p313 それぞれの四角な隊形の中で化石したように身じろぎもせぬ軍団の間を、 耳を聾するすさまじいこれらの喚声を聞きながら、 数百人の騎馬の幕僚は、無造作ではあるが整然と、 そしてなによりも、のびのびと進んでゆき、先頭には二人の皇帝が馬を進めていた。 >>84 の箇所を読んだとき思い出したのは ジェフリー・アーチャーの『ケインとアベル』 主人公アベルを育ててくれた猟師の娘(姉として育てられた)が 「ポーランド・ソ連戦争」で ポーランドに侵攻してきた露助の兵士に輪姦される場面。 アベルは助けようとするが殴られて気が遠くなりながらも、 姉を犯す兵士を1人、2人……と数える。 マリヤもレイープされそうなところを助けられて良かったな 【工藤精一郎訳】 新潮文庫 p470 これらの声の天地をゆるがすかとばかりの恐ろしい雄叫びにつつまれて、 四角の隊形に凝固したかのような不動の各部隊のまえを、 二人の皇帝を先頭に、数百名の随員の騎馬姿が、 無造作ではあるが均斉のとれた隊形を保ちながら、 そして何よりものびやかに、進んでいった。 >>212 工藤訳 無造作ではあるが均斉のとれた隊形を保ちながら、そして何よりものびやかに、進んでいった。p570 かぶった 均斉や、整然だと明らかに誤訳か 幕僚と随員も結構差があるな 描写としては方形にじっと固まった兵士と、 乱雑で左右不揃いな皇帝とお付きの者達ののびのびとした行進を対照させるシーンか 効果的には均斉や整然だとちょっと薄れてしまうな それだと藤沼訳の、のんびりも微妙にニュアンス違うのか 「無秩序のようではあるが自律性がある」ということかな。 アメーバとか粘菌のような活動。 【英訳】の翻訳者 Larissa Volokhonsky は ロシヤ語を正確に英語に置き換えるから理解に役立つ。 第三巻読了 ピエール大活躍だが… 義勇軍とはぐれて戦場を一人ウロウロするピエール ナポレオンを暗殺しようとするがナポレオンがどこにいるのかもわからず、モスクワをウロウロするピエール レフ・トルストイ 皇帝ナポレオンをバカにし過ぎ ドイツ人もバカにし過ぎ 第四巻まで来た 第一章エレンいきなり死亡(ドラマでいうとナレ死) ピエールは生き伸びた アンドレイが死んでしまったぁぁ(;_;)/~~~ >>226 ナポレオンを支持する貴族がいたり、フランスかぶれのロシア社会の様子も書かれていて面白い ドイツの扱いはちょっと軽い感じ 新潮文庫の解説によると登場人物559人と書いてあるけど、どういうカウントしたんだろ ピエールの目の前で処刑された5人は入ってるだろうけど >>91 の馬車に乗ってた3人?の女も含むのか 【北御門訳】誤訳だか誤植だかが多すぎる。 「将官」を「将校」と間違えて「会話文」もタメ口にしている。 仕事が忙しくて、この1週間本を開くことができなかった。 レフ・トルストイ『復活』の Larissa Volokhonsky による【英訳】はないんだよね。 いつになったら出るのだろうか? レフ・トルストイはクトゥーゾフを持ち上げ過ぎ! デブのスケベ爺w 典型的な露助男だ。 アレクサンドル皇帝の目の色は「碧い」のか? 「灰色」なのか? 第3編第15章 【北御門訳】 しかしその美しい灰色の眼には依然として、…… 第3編第10章 【北御門訳】 ……、とにかく彼はその碧い眼で…… オーストリア皇帝フランツUもドスケベ絶倫男だったw 第3篇第15章 【米川訳】 ちょうど、あけはなした窓から新鮮な野の空気が、ふいに息苦しい部屋へ匂いくるように、 いま駈けてきたこの華々しい青年の群れから、青春と精力と成功の確信が、 クトゥーゾフの陰気な司令部へ流れこむのであった。 【北御門訳】 ちょうど開け放した窓から不意に新鮮な野の空気が息苦しい部屋の中へ薫ってくるように、 いま馬で駆けつけてきた華やかな若者たちの姿から、 若さと精力と成功に対する確信の気分が陰気なクトゥゾフの司令部へ流れ込んできた。 【藤沼訳】 まるで開け放した窓から急に、新鮮な野外の空気が、息苦しい部屋のなかに吹き込んだように、 駆けつけて来たこの颯爽たる若者たちから、若さと、活気と、勝利の信念が、 陰気なクトゥーゾフの本営に吹き込んだ。 【原卓也訳】 中公 新集世界の文学 p351 開け放した窓から蒸し暑い室内へふいにすがすがしい野の風が吹きこんだかのように、 馬をとばしてきた華やかなこの青年たちから、 若さとエネルギーと、成功の確信とがクトゥーゾフの陰気な司令部に吹きつけた。 【工藤精一郎訳】 新潮文庫 p526 さながら開け放された窓から、ふいに息苦しい室内へ香り高いさわやかな野の空気が流れこんできたように、 この馬をとばしてきた絢爛たる若武者たちから、若さと、活力と、勝利への確信とが、沈滞したクトゥーゾフ司令部に吹きこまれた。 As fresh air from the fields suddenly breathes through an open window into a stuffy room, so youth, energy, and certainty of success breathed upon Kutu-zov's cheerless staff as these brilliant young men galloped up. Richard Pevear and Larissa Volokhonsky これ原卓也訳じゃなくて原久一郎訳に卓也が筆を加えた訳だけどね それどうなんだろう、集英社版世界文学全集は原久一郎と共同翻訳者名になっている 異同を比べるために買うのもどうかと思ってスルーしてるけど 少なくとも中公版の翻訳について書いてあるところでは父の名は出てない ここで見る限り原卓也のが 一番磨かれてる感じがする 気になってしまったので原久一郎・原卓也訳買ってきた 中公版のは新訳かなこれは 【原卓也・原卓也訳】 ちょうど、開けはなたれた窓から新鮮な野の空気が息苦しい部屋へさっと入ってくるように、 青春と活気と成功への自信が、いま駆けてきたこのはなばなしい青年の群れから、 陰気なクトゥーゾフの参謀部へ、軽やかに流れ込んできたのである。 ミスってた 【原久一郎・原卓也】 集英社 世界文学全集 47 p354 ちょうど、開けはなたれた窓から新鮮な野の空気が息苦しい部屋へさっと入ってくるように、 青春と活気と成功への自信が、いま駆けてきたこのはなばなしい青年の群れから、 陰気なクトゥーゾフの参謀部へ、軽やかに流れ込んできたのである。 トルストイ 『戦争と平和』原久一郎・原卓也訳 集英社版 世界文学全集 一九七八年 六月二十五日発行 c1978 p533 「戦争と平和」は、昭和四八年集英社愛蔵版世界文学全集に収めるにあたって、私が、父、久一郎の翻訳のスタイルをそのまま保つよう努めた上、 現代の若い読者にも容易に理解できるよう、字句や表面の面で大幅に手を加えたのであったが、今回、さらに加筆したところが少なくない。 父はすでに故人となったため、訳文の責任はすべてわたしが負うものであり、責任の所在を明らかにする上であえて共訳としたものである。 なお、本書の翻訳にあたっては、生誕百年記念九十巻全集(一九二八―五八)の第九―一二巻をテキストとして使用した。 トルストイ 『戦争と平和』 原卓也訳 中央公論社 世界の文学新集 昭和43年5月23日初版発行 c1968 p570 この翻訳のテキストには、生誕百年を記念して刊行されたソビエト国立芸術文学出版所刊の九十巻全集第九―一二巻(一九三〇―一九三三)を用いた。 挿画は、ソビエト国立芸術文学出版所刊(一九六〇年刊行)の豪華本によった。画家はB・セローフである。 原卓也訳の方が先で 原卓也が父・原久一郎の翻訳に手を加えたのは後だった… 原卓也の読みたいけどあまりに古すぎて かわりにカラマーゾフ読んでみよ 亀山のでうんざりしてそれから読んでないので カラ兄も原卓也訳で読んだ 亀山は決定的なシーンで訳がよくなかったので あまり自分はおすすめしない 何年か前ブームになってた時 期待して読んだけど その前に何度か米川ので読んだのと違って やたらテンポがまどろっこしく感じられ 全巻買ってたので最後まで読んだけど苦痛で嫌になった 米川訳は古いけど人物の個性はうまく表現してるように思う なぜ今まで原卓也個人訳注目されて来なかったんだ トルストイスレの過去ログでも言及ないし ネットにもほぼないぞ 中公は文庫化するべきだ 新潮の原卓カラマーゾフは版を重ねてるんだし もったいない wikipediaも追加されたの6月19日だし ここのスレ住民だろうけど 情報って拡散されないとほんと広がらない 第1部第1篇第18章 「これはあなたの被保護人のしわざです。 あの小間使いにするのもいやな、 あなたの好きなドルベッカーヤ夫人です、 あの卑劣な、むしずの走るような女です。」 第1部第1篇第18章 【米川訳】 「これはあなたの被保護人のしわざです。 あの小間使いにするのもいやな、 あなたの好きなドルベッカーヤ夫人です、 あの卑劣な、むしずの走るような女です。」 第1編第21章 【北御門訳】 「それはあなたの被保護者(ごひいき)の陰謀です。 あなたのあの親愛なるドルベッカーヤ公爵夫人、 アンナ・ミハイロウナの、 私だったら小間使いにもしたくないあの胸くその悪い、 低劣な女の陰謀ですわ」 【藤沼訳】 「これはあなたが目をかけている、 あなたのお気に入りのドルベッコイ公爵夫人です。 あたしだったら女中にもしたくありませんけれどね、 あんな低級な、いやらしい女」 【北御門訳】 貴族の令嬢が「胸くその悪い」なんて下品な言葉を発することはないだろうね。 田舎者の翻訳者の会話文は感心しないものが多い。 講談社文庫の【工藤訳】『嵐が丘』もそうだ。 翻訳者は青森県出身だそうだ。 第3編第18章 【北御門訳】 彼の前方をクトゥゾフの調馬師が、馬衣を着せた何頭 かの馬を曳いて歩いていた。調馬師の後に輜重車が続き、 その後から兵隊帽に半外套を着た、足の曲がった老僕が 歩いていた。 「ティート、おいティート!」と調馬師が言った。 「何だね?」と老人は放心したような声で言った。 「ティート、麦打ちに行けよ」 「ええい、この馬鹿っ!」と老人は腹立たしげに唾を 吐きながら言った。そしてしばらく沈黙の行進が続いた 後、またしても同じ駄洒落が繰り返された。 ちょっと前に出ていたな。ということで、 第3編第12章 【北御門訳】 ……多分馭者らしい一人の声が、 ティートと呼ばれる、アンドレイ公爵もよく知っている クトゥゾフ付きの老コックを揶揄っていた。《ティート、 おいティート!》 「何だ」と老人が答えた。 「ティート、麦打ちに行けよ!」と剽軽男が言った。 「ちえっ、ふざけるなっ!」という声が聞こえたが、 やがてその声も従卒や下僕たちの哄笑にかき消されてし まった。 ざっとスレを読んだけど中村白葉訳ってそんなに酷いのか。 河出のトルストイ全集は中村白葉と中村融の親子訳(?)だよね。 で、何が「駄洒落」か解らない。 【英訳】はたぶん意訳。「訳注」はない。 そこで、 【藤沼訳】 第1部第3篇第13章「割注 」 チートという怠け者が少しも働かずに、飯を作ることだけに熱心だったとい う古くからの笑い話をもとにして、同名で料理人のチートをからかったもの 複数の翻訳を読み比べないとなんともいえない。 『イワンの馬鹿』(岩波文庫)は悪くはなかった。 【北御門訳】は「アマチュアの翻訳」のような気がしてきた。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.4 2024/05/19 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる