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司馬遼太郎は南北朝時代についてこんなことを書いている


歴史小説というものは、前時代の美を壊すか、あるいはそれに乗っかる、
その態度が最初に必要なのですが、そのための素材が何もない。
現実は果てもない利権争いの泥沼というだけのものが、水戸史学のフィルターにかけられ、
一見すばらしい風景に見えるんです。
だからうっかりそれに乗ってだまされてはいけない。
作家たちも、ずっとダマされてきたんです。観念史観にせよ、唯物史観にせよ、
史観というもののこわさがそこにあります。