夏目漱石 八十一夜
忍び込んだ泥棒の顔が寒月と瓜二つだと吾輩が言いながら/漱石が書きながら、その後の話で捕まった泥棒の顔についての指摘が肯定も否定も無い。 これはもはやどうしようもないのではあるが、他人による続編や語り直しの小説でここを解決した物って存在しないのかな。 奥泉光の「吾輩は猫である殺人事件」は、あのエピソードはじつはこんな裏側が隠れていたとかあの言動が後日に影響して本作ではこうなっているとかが満ち満ちているので、読んでいるうちに寒月‐泥棒の件にも期待したのだが無かった。 柳広司「漱石先生の事件簿」は途中まではナルホドだったが、これもきちんと結ばれていない感じ。 漱石の文学に低層労働者への慈しみがあったのは ディケンズを読んでいたからだろうな マルクスなんぞは関係ないだろう まあ三四郎では物乞いへの冷たい態度も正当化しているがね 『坑夫』の最後に出てくる「安さん」は、小森陽一に言わせるとアジアを収奪した大日本帝国の象徴らしい。 果たして漱石がそんな陳腐なメタファーに興じていたもんかね? 渡部直己とかもそういうのよくやってたけど 批評と言うより頭の体操みたいなもんだよな そういう如何にもサヨクの視点から論文書くとサヨクのセンセイにウケが良く、ODの就職活動にも持ってこいなんだよ しかもマルクス主義的社会学の一種の定型があるから、それに則っれば楽に論文も書けるし >>671 あれは新アラビアンナイトの尻ぎれトンボ感をあえて狙ってるからそれでいいんだ 出るような出ないよな >>672 なんか読んでてしんどいんだよな 兄貴が勝手に思い詰めてドツボにハマっていく感じが 俺に言わせれば、漱石の本音や本質的な考え方や感じ方や生き方が最もよく表れている作品は、 「行人」や「道草」や「草枕」であって、「猫」や「坊ちゃん」や「それから」などは、漱石にとって 遊びというか気分転換でしかなかったと思う。気が狂わないでいるための安全弁という感じ。 もちろん読者を楽しませるサービス精神もあっただろうね 漱石がイギリス留学中、親友の正岡子規が結核によりもう先が長くなくて苦しんでいたときに 漱石はなんとか子規を励ましてやろうと手紙でイギリスでの生活環境などをユーモアを交えて書いて送ってあげたんだよね(倫敦消息) 子規はそれを読んですごく喜んでいた そういったことも漱石の初期の作風に影響を与えたんだと思う 吾輩は猫である、については雑誌ホトトギスをやってた虚子からの依頼で ちょろっと1章だけ書いてあげたのが思いのほか好評で、もっと書いてくれと周りや読者から囃し立てられて 継ぎ足し継ぎ足し書いてあげてただけだね まあそれが結果、作家になる決断をするきっかけにはなったけど本腰は入れてなかったと思う 草枕で本格的に作家としてデビューした感じ 成功してるかどうかは別にして、作家としての出発点は虞美人草だろ。 それは朝日新聞入社してからの連載ってだけで、それ以前にすでに倫敦塔、カーライル博物館、幻影の盾、琴のそら音、一夜、草枕など色々書いて ホトトギス、中央公論、学鐙、新小説、などの各雑誌に載せてるし 「漾虚集」という短編集も大倉書店から出してるからすでに立派な作家だよ 草枕とか二百十日なんかはもう完全に小説としての読み物になってる >>687 内容ではなく、教員を辞めて作家として自立したということなんだよ。 それまでの作品はやはりアマチュアだから、そのままではクールな作品を書く大学の先生で終わっていただろう。 三四郎以下の長編によって文学史に残る作家となった。 そんなのは考え方の違いってだけ 書店から作物を出してればもう立派な作家だと自分は思う どこかと専属契約をしたら作家になるわけじゃない たとえば芥川なんかはどこにも所属していなかったけど当たり前に作家として認知されてる というか、ほとんどの作家は無所属だよ >>690 なんかのはずみで1冊だけ出した人も作家? >>691 所属とは関係ないよ。 作品だけで生活しているかどうかということ。 そんなの君の希望でしかない 芥川も金なくて教師の仕事してたし そんな謎の制限してたらほとんどが作家じゃなくなる 作家として大活躍する漱石を子規に見せてやりたかった。 「やはり、オレが思っていた通りだ」くらいの事は言ったかな? 子規はそんな野暮なことは言わないよ 漱石に触発されて子規も小説を書いてみたりはしたかもね 随筆とか雑記でもその片鱗を見せていたし 小提灯の話とか独特の趣きがあって面白い 漱石・子規の書簡集読んでも子規の手紙ってほとんど残ってねーのな 性格が性格だからね、子規は 手紙をいちいち大事に保管しておくようなヤワな男じゃない 漱石は口では子規を小バカにしたような態度をしてたけど、子規から贈られた東菊の画なんかご丁寧に額縁に入れて大事に書斎に飾ってたし可愛いよね >>699 逆だ 漱石から正岡子規へ届いた手紙はたくさん残ってるけど 正岡子規から漱石へ届いた手紙はあんまり残ってない 漱石・子規書簡集を読んでも漱石書簡集を読んでる感じ もっとも正岡子規があんまり手紙を出さなかった可能性もあるが >>701 逆か 漱石も住居を転々としていたから紛失したのも多少あるだろうね いつか子規が漱石を大宮の料理屋だかに呼んだ時の手紙とかも残ってないみたいだし 大宮公園内にある万松庵だったか、大宮に用事があったときに探してみたけどそれらしい跡地とかも何もなかった その子規が漱石に出した手紙が残ってたら詳しい場所もわかったはずなのに残念 漱石の宅に山鳥を送ってきた何某の話が漱石の随筆だったか何かの作品内だったかにあったと思うんだけど、何だっけ 『文鳥』ぐらいしか思いつかん 鈴木三重吉がアレなやつ 随筆を探したら永日小品の中にあった この山鳥青年は虚子の「漱石氏と私」に出てくる渡辺だかと同一人物なのかしら 虚子にも山鳥を送ってて笑った 時期的に別人かな いきなり家に新聞で包まれた血まみれの山鳥なんかが送られてくるとかホラーだわ 漱石も虚子も迷わず美味しくいただいてるのが面白い >>701-702 漱石は数日ごとに、家に来た手紙や葉書を焚火にする癖(?)があったんだよ。 庭先でなんか燃やしてるって話はなんか聞いた記憶あるかも 鏡子夫人の本だっけな まあ漱石くらいになると日本を動かしてる要人とも繋がりがあったから残せない手紙もあっただろうね 鏡子夫人の奇行?に嫌気が差してしばらく離別しようとしてたときに それを聞いた夫人の父から長い手紙を貰って、どうか離れないよう説得させられた時の手紙は燃やしたってのも何かで読んだな 出典が出てこないのは残念だが、昔の手紙というのは現代のLINEみたいなものだから、読み返すようなもではないだろうな。 >>711 初めての子供が流産だか死産だかした女性がおかしくなるのは当然だよね。 奥さん本人がその頃の記憶を失っていても不思議じゃない。 その時代のことを含めて、後年弟子たちが贔屓の引き倒しで、夫人のことを悪し様に言っていたようだけど、鏡子さんだからこそ、漱石のDVに耐えられたんだろう。 リベラル側なのにDVという井上ひさしの大先達だからな ソースになるかどうかはわからんが https://dic.pixiv.net/a/%E6%AD%A3%E5%B2%A1%E5%AD%90%E8%A6%8F 漱石はものを処理するときは一括で、しかも紙類は燃やすの一択であったがために、その友人関係を詳しく知るための外部史料である漱石当人に宛てた手紙があまり残っていない。 >>713 まあ、どっちが悪いとかではないだろうね 漱石も漱石で様々な病気を抱えて神経が疲弊して余裕もなかっただろうし 約2ヶ月間は別居したけど結局戻ったし、お互いの精神の不安定さが重なったらどうしようもなかったはず でもそんな中でもちゃっかり5女、2男も作ってるからなぁ、どんだけ〜 >>717 漱石は当時の男としては非常に珍しいと思うが、女を買ったことがないようだ。 イギリスでも女を買わなかったから、変人、狂人扱いするお節介な留学生仲間すらいた。 実家が娼館を経営していて、兄たちが女遊びで早逝したから強い拒否感を持っていたのだろう。 ちなみに、三四郎だったかで列車に同乗した女性との性交渉を拒否したシーンは、それを象徴していると思う。 度胸の問題なのか? 人間としての品性の問題だろ 女を金で買う下品な真似はしたくなかったんだろ >>718 京都とかで芸者遊びはしてたね 10代の子を気に入ってよく指名してたと虚子が言ってる 漱石愛好家の評論家吉本隆明は、女性が接待する席に招かれたときに、席についた女性に人生を説いていたというね。 漱石がどうだったのかはしらないけど、女性を性行為の対象以外の目で見る男もたまにいる。 >>726 そりゃ最初から最後までいつもの仏頂面だろうな かみさん抱くのも子供作るときだけだろ 彼岸過ぎ迄についてという導入部は、当時の現時点での自分とその周囲への文学的色分けや執筆期間を元日から彼岸過ぎ迄と宣告してるのが目を引く。取り分け、時間の感覚についての明確な意識は中江兆民の「一年有半」や正岡子規の「「病床六尺」などの影響か、漱石が相当に自分の死を念頭に置いて執筆してたのだろう。彼岸過ぎまでに、自分は亡くなるのでは?と思っていた。 日本の作家の随筆の型を造ったのは子規だね 「墨汁一滴」「病牀六尺」などで完成された 漱石も随筆ではその型を利用したし 滅多に日本の作家とかを褒めない芥川でも子規のことはかなり高く評価してたね 芥川の「侏儒の言葉」の冒頭でも子規の歌を引用してるし 晩年の子規の随筆にも影響を受けた 子規の随筆を読んでいるうちに、自然と文語文も読めるようになった。 子規の末期、結核で背中とか穴開いて膿と血がだらだら流れてるのにうまいもんは食べ続けた食意地はたいしたもん 漱石は坊ちゃんが1番好きです。床屋さんで必ず坊ちゃん狩りにしてくださいと僕言います。 そんなことを血統などと迫害する必要もないし誤解もしようがないので弾圧できない。 傷つけたりとるなら幻覚食品買え採集しろよ。女性だけ。 ある意味で繁殖ない男の同性愛に反応しすぎないでね。 ボケたり阿保になったり取り返しがつかないほど 意識が変わっていくまま互いに通り過ぎる出会いを無限に繰り返す ことが哲学的文学的だなあ。 ありたいように意識はもはやあらず無意識に解離するのだから。 レズレス に 当てはまることだが、男女のセックス レス というのもある。 精神が サイキ 性的にも不能 という精神のリハビリ大事な意味。 精神病サイコ から精神障害へ。サイコで敵味方ダメージ。 女神転生とマザーがクロスオーヴァーすればいいね。 ドラクエとファイファンみたいなときとも違う。 回復の泉 クイーンマリー泉で共通するが 前明石市長は?進んでる計画。 マジック ポイント ハーヴ。 ある意味バグ繰り返しても信仰や繁殖に余剰があることだな。 まあでも野口英雄の千円札が皮肉にも幸運にもなるでしょう。万円は防止。あれはセクハラ。 漱石は嫌な部分全く見えないなあ。太宰治だけはなんとも言えない。三鷹市民としては。 『吾輩は猫である』 これは、歴史書 おれはココから入ったが、これは当時の空気が分からんと分からん 漱石文学に嵌ると、「鬱病」になるよ I so see you? You have one for? Need for you? 「草枕」は那美さんのサービスシーンだけ読んでる どのくらいまで見えたんだろう 「硝子戸の中」では犬に忘れられてすごく寂しがってる 書き方も猫よりずっと愛情がある 第36回後期ファンタジア大賞 入選作決定! https://www.fantasiataisho.com/contest/fantasia36th.php タイトル:シン・夏目漱石 あらすじ 二十世紀初頭、不安定な社会情勢を受け、作家たちは国家によりプロパガンダに利用され、逆らえば弾圧されていた。 そんな苦境の中で立ち上がった夏目漱石は、武装組織『幻影の盾』の司令官として国家に反逆するも、伊豆・修善寺の菊屋旅館にて政府により暗殺される。 だが死んだ漱石を軍医・森鴎外が救った。禁忌の医術により、かつての漱石の婚約者・樋口一葉の身体を得る形で漱石は蘇ったのだ。 政府から身を隠すべく女学校の教師として赴任することになる漱石だったが、その先でこの国の歪みと再び直面。 乙女となった漱石は女学校の改革へと乗り出すことになる。一方で現地協力者の野口英世もまた独自の思惑で動いており……。 こころを読んだんですが、次には何を読むべきでしょう >>766 こころ→道草→明暗 もしくは初期から順に読んでいく 初期は気軽に読みやすい作品が多いです 漱石も自由に楽しみながら執筆していた感があります 「それから」以降はテーマがだんだん深刻になっていきます ザ・漱石―全小説全一冊 (増補新版) 第三書館(1999/06発売) 全小説42篇340万字 《吾輩は猫である》《倫敦塔》《カーライル博物館》《幻影の盾》《琴のそら音》《一夜》《薤露行》《二 百十日》《野分》《坊っちゃん》《三四郎》《それから》《門》《彼岸過迄》《草枕》《虞美人草》《行 人》《こころ》《道草》《明暗》《文鳥》《夢十夜》《永日小品》《満韓ところどころ》《思ひ出す事な ど》《ケーベル先生》《硝子戸の中》《坑夫》《趣味の遺伝》《京に着ける夕》《倫敦消息》《自転車日 記》《長谷川君と余》《子規の画》《変な音》《手紙》《三山居士》《初秋の一日》《ケーベル先生の告 別》《戦争から来た行違ひ》《愚見数則》《人生》 343,248 文字 17,981 文字 7,544 文字 24,922 文字 23,214 文字 6,911 文字 22,930 文字 34,484 文字 105,373 文字 96,355 文字 189,113 文字 193,157 文字 154,230 文字 211,580 文字 95,794 文字 229,488 文字 251,362 文字 177,855 文字 166,232 文字 362,019 文字 11,937 文字 18,516 文字 55,891 文字 81,677 文字 62,507 文字 3,546 文字 58,203 文字 155,989 文字 41,912 文字 4,460 文字 20,548 文字 8,636 文字 4,912 文字 1,755 文字 4,116 文字 12,654 文字 1,948 文字 1,852 文字 1,617 文字 476 文字 作業中 3,976 文字 學魔_nonbot マニエリスムという人生作法 1): #高山宏 インタビュー『NIGHT LAND』 〈バベルの図書館〉Vol.20 / 2020.04 高山: 夏目漱石については、英文学と国文学で研究が棲み分けになってい るのがよくないね。漱石というのはプルーストやヘンリー・ジェイムズ級 の書き手だと思ったらいい。 2024年4月18日 しかいう 最近、逆にみんな、カント、ヘーゲル、プルースト、ジョイス、漱石、大 江を読みすぎなんじゃないかって気がしてきた。あれを読むと人生分かっ たつもりになってるアホな若年寄りの大学生みたいになる。逆にあの頃の 文学があの典型なだけだろ。 2024年4月25日 夏目漱石と森鴎外の用例検索には田野村忠温ウェブサイト内「日本語用例検索」ソフ トを利用した。本ソフ トは、青空文庫の文学作品のうち 3410 作品の横断検索が容易にできる。下の付表にま とめたように、青空文庫で電子化された漱石 102 作品中 79 作品がこのソフトに収めら れている。79 作品のテキストファイル(ルビあり)のサイズ(青空文庫の各作品ごと の書誌情報より)を単純に総計すると 3,485,039 バイト(約 3.5MB)となり、その中 に 77 例の「べきはずだ」が見いだされたので、1MBあたり約 22.1 例の使用頻度と なる。本文第1節の表1の各種データベース類と比べやすいように、1MBを 50 万字 として換算すると、漱石は 1000 万字あたり 441.8 例も用いていることになる。 松本 隆(2012)「近現代語データベース検索用例からみた『べきはずだ』の衰退過程」『日本研究センター 研究年報』1 pp.1-21 千円札の夏目漱石だと表情が「まあ、そのうち何とかなるっしょ」的な感があるよね。 実際に当時の世の中はバブル崩壊で景気が悪くなるも景気はいつか必ず良くなるから的な期待はあったしな。 結局は千円札の肖像だった間に景気は戻ることがなかったが。 んで後任はおカネでトラブル抱えまくりな野口英世。 景気は夏目漱石以上の時に酷い事になるわ虚無を見つめる様な眼差しは ◯◯離れを暗示していた感も否めないしな。 私は、夏目漱石の作品が好きです。彼の作品は、大きな事件や派手な展開があるわけではないのに、なぜか惹き込まれてしまいます。特に、「三四郎」や「こころ」などは、日常の些細な出来事を繊細な筆致で描写しており、人間の心理を深くえぐっています。 一方、「それから」の後半は、他の作品とは少し雰囲気が異なり、恋愛や結婚といったテーマを扱っています。この作品は、漱石自身の恋愛経験を反映していると言われているため、より個人的な感情が表れているように感じます。 漱石の作品と共通点がある作家としては、川端康成が挙げられると思います。川端康成の作品も、静謐な雰囲気の中で人間の心の奥底を描き出すという点で、漱石と似ていると感じます。 漱石の作品は、何度読んでも新しい発見があり、奥深い作品だと思います。 漱石はジェイン・オースティンを真似たのだと思うよ。 >>782 の最初のパラグラフはジェイン・オースティンを評した文章としても何ら違和感がない。 tenjuu99(天重誠二) 日本の近代絵画のケースについて考えているけど、そこでの近代化は制度的に芸術を受けいれることだった。それで美術大学と画 壇が形成された。その流れと独立に江戸絵画の流れがあり、これは職人的な前近代的世界だけど、はっきり自律性をもったもの で、完成度も高い。 漱石の内発的、外発的という話でいえば、制度的な芸術というのは外発的なものだけど、かといってではこの職人的絵画の世界に 「内発的」発展なるものがあったかというと、無いとおもう。師弟関係のなかで、それぞれ独立した優れた画家が生まれてきただ けだ。漱石の「内発的」発展こそが近代化なんだというのは、まさしくドグマであって、これは「まともに近代化していない」論 の原型をなしているとおもう。 2023/06/29 read.cgi ver 07.5.5 2024/06/08 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる