源氏物語はあれだけ長大な物語でありながら、食事の場面は第26帖「常夏」の冒頭
くらいで、あとは殆どない。
「枕草子」でも食事の話の出てくる所は、第42段「あてなるもの…」、第313段
「工匠の物くふこそい…」くらい。

これは一般には、当時は貴族でも粗末な食べ物しか食べることができなかっ
たからだと言われている。
当時の貴族の女性は、男性に食事をとる所を見られるのははしたないという
こともあったみたい。

万葉集では食品を詠んだ歌が収録されている。第16巻の3825以降など。
しかし、勅撰和歌集の古今集以降は、食事のことを詠むのは風雅ではない
と、殆ど詠まれなくなった。