中村光夫
日本文学に関しては小林秀雄より上
小林は文芸評論は実はあまりやってないし業績もない。ゴッホとか絵画とか宣長ベルグソンの人だし
最後まで日本文学を論じ続けたのは中村
しかも実作もしたのが偉い。評論だけして小説書かない人も多い中、逃げも隠れもせずに
あれだけ既存の文学を風俗小説だの描写の技術だけが世界トップクラスと日本小説の欠陥を説き続けたんだからプレッシャーもあっただろう 中村光夫の小説を持っている人は少ないだろうな
『ある愛』『平和の死』『ある女』
もちろん『風俗小説論』と『二葉亭四迷伝』は重要だけど 蓮實重彦は中村光夫の弟子に当たるわけで、
彼も評論だけでなく、小説も書いている フローベールとモーパッサンで私小説批判
だけど同時代の西洋はジョイス、プルースト、セリーヌとか自伝的小説が花盛り すが秀実が書いていたが、中村光夫は評論で私小説や風俗小説を批判したが、彼が書いた小説は私小説、風俗小説であったという
これをどう解釈するかが文学的営為である 小林秀雄もそうだが私小説自体を批判したんじゃない
まあそこが小難しいんで理解はできてないが 中村光夫は翻訳もしている
自分はフローベール『ボヴァリー夫人』と
カミュ『異邦人』の中村訳を持っている 残りの小説を挙げておくか
わが性の白書、虚実、グロテスク、贋の偶像、時の壁 30年以上前、絓秀実が中村光夫の小説をあまりに褒めるものだから、
神保町や早稲田の古本屋街で探したが、3冊しか手に入らなかった
残りは諦めたものだが、今やネットで全て安値で買える
のだから、便利になったものだなあ 最近ビルマの竪琴読んだら、中村光夫が解説で、風俗小説とは違う中村の求めるような小説として褒められてたな
これが童話で出たのは日本文学の今後の運命を察してる感じでもあった
つまりは大衆文学のほうが私小説から離れて自由で、戦後隆盛した漫画なんかも作者から離れてる
日本の大衆芸術は常にそうだったが、能にしても歌舞伎にしても題材は作者と関係がない
中村光夫が生きてたら漫画のほうが今は優れているといいそう 60年代漫画が文学を目指すというと何やるかと言うと私小説ならぬ私漫画w
今でも本物の文学は私小説という奇妙な信仰が文学の外ではあったりして 明治時代のある文学者を題材にした小説『贋の偶像』(1967年)
は野間文芸賞受賞作で、三島由紀夫が帯で絶賛している
文庫になったことはないから、読んだ人は少ないだろう
中村光夫に興味があるなら、読んだ方がいい なるほどね、花袋の蒲団に破れた側の文学者の生涯か
風俗小説論でも、藤村の破戒が失敗作であるにも関わらず光のある方向を示したのに藤村自身も捨てて自然主義全盛になったことを批判してたな
中村にとって、戦後の三島や大岡や大江といった小説家の登場は、嬉しかったんだろうか?
中村が特に評価してた小説家って誰だ? 中村光夫は二葉亭四迷にぞっこんだったな
漱石も二葉亭には感心していた
漱石の悩める知識人と恋愛の小説は二葉亭の跡を継いだものだ 漱石が金色夜叉に夢中だったのは有名wwwwwwww
男女の三角関係は紅葉文学の影響とも言えるwwwwww 花袋の蒲団に必要以上に嫌悪を感じた文学者の系譜の精神分析が必要だ