>再びゴブレットを合わせて乾杯をすると、店には雰囲気の悪い連中が入ってきた。
>冒険者だろうか、黒い防具で身を包んだ三人の男達は、店主の胸ぐらを掴むと、店のお酒を勝手に飲み始めた。
>腰には短剣を差しており、身長は俺よりも高い。冒険者にしては随分物騒な雰囲気だな……。


>「あなた達、どうか店内で暴れるのはやめて下さい」
>「暴れる? 俺達はこの店主から金を巻き上げているだけだぞ? おい、小娘。俺達暗殺者ギルド・ブラッドソードに喧嘩を売るとは、いい根性だな」
>「暗殺者ギルド?」
>「この装備が見えないのか? 暗殺者の魔装。攻撃速度を大幅に上昇させる魔法道具だ。魔装すら知らないとは、世間知らずなガキだな」
>「おい、こいつよく見たら上玉じゃねぇか。俺の女にしてやるよ。勿論、飽きたら殺すがな」


堂々と店に乗り込み無銭飲食
世間知らずでもなければ誰が見ても暗殺者のものとわかる魔装を着用
話かければ開口一番にギルドの名前を語って脅し始める暗殺者ギルド、ブラッドソード


>フリートさんは紅茶を一口飲み、深刻そうな表情で杖を見つめると、静かに語り始めた。

>「実は……私は三年前に妹をブラッドソードの暗殺者に殺害されたのです。それから私はブラッドソードの暗殺者を探し続けました。
>夜の町を歩き、この三年間で四度、ブラッドソードの暗殺者を見つけ出す事が出来ました。
>しかし、私の力では暗殺者を退けるだけで、傷一つ負わせる事が出来ませんでした」

その暗殺者ギルドのメンバーを見つけることは極めて難しく、巧妙に隠れながら活動しているという設定

>冒険者達は衛兵を呼んでくれ、フローラと店主は一部始終を衛兵に話すと、衛兵は俺に暗殺者ギルドの悪行を教えてくれた。
>暗殺者ギルド・ブラッドソードのメンバーは、辺境の村や町などを襲撃して金品を強奪したり、アイゼンシュタインの飲食店を回り、店主を脅して金品を巻き上げているらしい。

>「ヘンリエッテさん。商人ギルドの方達もブラッドソードから襲撃された事があると言っていましたが、狙われた人に共通点とかはありますか?」
>「そうね……共通点は馬車に商品を積んでいた事かしら。町を出て森に入った所で襲われたという人が多いわね」
>「町中で商人が襲われた事はありますか?」
>「露店を営んでいる商人が襲われたという話をよく聞くけど、
>商人ギルドに所属している行商人が町中で襲われたという話は聞いた事が無いわ。きっと外で襲った方が、衛兵や冒険者が居ないから安全なのでしょう」

>という事は、行商人の風貌で馬車に乗り、ブラッドソードから襲われるまで、
>アイゼンシュタインの周辺を走り続ければ、暗殺者を誘き出す事も出来るかもしれないな。
>既に俺は面が割れているから、フードで顔を隠して馬車を走らせれば、運良くブラッドソードの暗殺者に襲われるかもしれない。

>ブラッドソードがアイゼンシュタインから離れた村や町を襲撃する際には、住人を殺める事が多いが、町の周辺では基本的に殺人を犯さない。

暗殺者の活動内容