>>594
[最強チートのヒトバシラ]感想(>>635の続き)

(第4話 「平穏にサヨナラ」)
(救出される:2回目)ゴバンが主人公を、どうやってチンピラから救出したかについて。
→前節ラストで主人公が気絶したので、この節の冒頭は気が付いたら背負われていたと、時間的に経過させていますね。
→ゴバンがどう活躍したかは、省いて正解だったと思います。主人公の印象を深めることはできず、ゴバンが無駄に目立つことになりそうですから。
→ただ、今の記述だと、事情が説明しただけの感じです。主人公がゴバンにどう感謝するかを入れておくと、リアリティが出そうです。
→設定次第ですが、もしゴバンがチンピラと戦って退散させたのなら、ゴバンの顔にあざがあったとして、格闘の様子を暗示するなどの手がありそうです。
(→削除されたプロローグとの関連では、主人公と好意的な関係になりそうだった女性のエピソードと対比ができるかも。)

(迎えた船員の態度)船に帰り着いた二人を迎える船長らの描写が簡潔に過ぎるかも。
→修理代の金より主人公を心配したことを、もう少し詳しく記述すれば、船長らの性格、主人公に対する心情が出そうに思います。

(書籍による情報提示)当面の敵と思しきバウ国について、情報量が一気に多すぎるようです。2つの要因があります。
→単純に多いことがまず一点。設定をあれこれ考えた作者と違い、読者はいきなり情報に接し、覚えるわけですが、これだけあるとちょっと辛い。
→それでも、バウに興味が湧いていれば読む気になりますが、作中のキャラと違い、読者はまだ興味を掻き立てられていません。
→しかし、この時点である程度は分かったほうがよさそうではあるので、悩ましいところです(以下、後述)。

(この次の話から波乱がありそうで、いよいよ面白くなりそうなのですが、とりあえずここまでで。)

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(ここまでの全体的な印象、感想)
・文章は(先述の形式的な難点はあるものの)、一文ごとの描写もよく分かるし、緩急含めてかなりテンポがよく、割とすらすら読み進められます。
→初めて執筆されたようですが、今までの読書で身についたものでしょうか。それなら、まだまだ筆力は上がりそうですね。

・一方、構成や情報提示の取捨選択は不慣れな面があるように感じます。取捨選択、省略と強調に気を付けるだけでも、さらに面白くできるはずです。
→例えば、いったんばっさり削って頂いたのですが、プロローグの溺れた子の救助は、ツカミのイベントとして使えそうです。
→衣服を浮き代わりにするなど、緊急時のサバイバルの知識が活かされたシーンでしたし、努力が報われないことを象徴するように描けるものでした。
→死後、自分の命に代えてすら救えなかったという、作者さんが狙っておられる重さも出るイベントですね。

→ですので、救助シーンをもっとスリリングに、主人公の必死さをもっと訴える描写にすれば、効果的になると思います。
→そして、死後に救助失敗を知り、生前のあれこれも思い出して、いったんは鬱展開と重くする。
→しかし、邪神が仕組んだと知って激高し、テンションを上げると落差の効果が出せそうです(ツカミに対するフォローで、ツカミ直す)。
→以上、あくまでも一例、ご参考までに。生前に好意的な関係になりそうだった女性も、工夫次第だと思います。

→異世界で赤ん坊となった主人公が海賊船(実は流民船)に拾われるシーンも、例えばバウ国を絡ませる手もありそうと思いました。
→バウ艦隊に追われている海賊船が、漂流していた主人公に気が付いて拾い上げる、とかですね。
→書きよう次第ですが、バウ国が恐るべき敵であること、海賊船の船長・船員が実は気のいい奴らであること等をイベントで語れます。
→現状だと、単に主人公が異世界で暮らし始める段取りでしかなく、もったいないと思いました。

→こんな感じで、使えそうなネタ、仕込みがいろいろあるのに、単なる描写、情報として放置されてしまっているように思います。非常にもったいないです。
→例えば、いったんプロットまで戻って、訴求できそうなイベント、単なる情報提示イベント等に分類しなおしてみてはどうでしょうか。
→必ず、もっと面白くできる手法が見つかると思います。