>>767

前書き部分は飛ばしまして(この前文は削ってもいいのでは?)、出だしから少し。
出だしですから、作中のキャラ、状況は全く分からずに読み始めます(←割と大事なこと)。

01> 「いやな、夢だった」
02>  松は、平日の午前6時を少し過ぎた時間に起きた。
03> いや、起きてしまったのだ。
04>  「くそ、もう少し寝れるはずなのに…」
05> と嘆きの言葉を口にし、トイレに行くために布団から起き上がった。

細かい表現では、例えば02での「午前6時」に「平日の」という限定があるのは戸惑います。しかし、以下ではそのレベルの話は措いておきます。

02でいったん客観的に述べておいて、03で逆説的につないでいますね。おそらく、普段とは異なると示したいのでしょうか。
でも、キャラの設定をした後で書き始める作者と違い、読者は書かれたことからキャラを知りはじめるわけです。
普段との違いを前提に話をされても戸惑うだけです。02と03を一文にして、

> 松は、平日の午前6時を少し過ぎた時間に起きてしまった。

とでもしておくべきでしょう。

04は03の「起きてしまった」の感じを引き継いだ台詞で、自然につながっています。
しかし、直後の05がくどい。台詞の言い回しから嘆いていることは、すんなり分かります。
もちろん、「松」が喋ったということも、問題なく分かります。書かずとも分かることを書くのはいい印象がしません。

さらに、01で「起きた」と描写し、05でも「起き上がった」と表現しています。二度起き上がったような印象になりかねません。
そんなことはあり得ないので、01の「起きた」は目が覚めたの意だと思いなおすことになります。
大したことではないとお思いかもしれませんが、イメージのやり直しは苦痛ですし、以降を読み進むのをためらう原因にもなります。

05の「トイレに行くため」は、後で使っていません。起きる理由をトイレ限定にする必要はないですし、理由を述べる必然性も感じられません。
そういうものが、上記だけではなく、全体を通じて散見されます。読者を引かせる要因となりますので損です。

即興の例えばですが、以下のように書く手もあると思います。

> 「いやな、夢だった」
> 松は平日とはいえ、午前6時過ぎに目が覚めてしまった。
> 「くそ、もう少し寝れるはずだったのに……」
> 布団から這い出た。

松視点という点を強調する場合では、午前6時の扱いなどを少し変えてもいいと思います。

> 「いやな、夢だった」
> 松は目が覚めてしまった。時計を見ると、平日とはいえ、まだ午前6時過ぎ。
> 「くそ、もう少し寝れるはずだったのに……」
> 仕方なく布団から這い出た。

文章技術的には、地の文は字下げしないのに、台詞だけ字下げしている点が気になります。ラノベなどでは地の文だけ字下げか、どちらも字下げしません。
文の途中で改行を入れている箇所も気になります。横幅を気にされたのだと思いますが、読みにくくしているだけです。
作者側で1行の文字数を改行でコントロールしようとすると、作者と違う環境で読んでいる人には不便になります。

内容はくどくどと倦怠感を表しているだけで、残念ながら全くツカミがありません。興味の起こしようがありません。
この短さでも、半分も読んでもらえないかと思います。冒頭では、目を引くイベントを起こさないのは損です。
大事なことなので繰り返し。冒頭は読者が未知の話を読み進めるか否かを決める、重要な部分です。目を引くイベントを入れるべきです。