>>602
大切な故郷という意味でのゲドゥルリーヒなら、その通りだね

ゲドゥルリーヒという概念は実に多義的な例えとして用いられる言葉だ
ときに故郷を指し、
ときに最愛の人を指すように

これは別に、お偉い言語学者や神学者がそのように用いるべしと定めたわけじゃない
神話に親しんだ人々が、自然とそのような例えに用いるようになったに過ぎない(自然言語だからね)

本来なら「最愛の人」という意味であるはずなのに、故郷/大切な土地といった意味でも使われるのは、
思いを寄せる大切な存在という意味で、通じる部分があるからだろう
そうした文脈であれば、自分にとって大切なもの全般(たとえば約束)をゲドゥルリーヒと呼んでも
何もおかしくはない


さて、フェルディナンドは、本当の故郷でもないエーレンフェストを、どうして大切な故郷と
思えるようになったんだろう(決して良い思い出ばかりではなかったはずだ)

それは敬愛する父親に引き取られてから共に暮らした思い出の場所であり、
父親亡き今、自分と父親を繋ぐよすがとなる約束の場所だからだろ?

エーレンフェストへの思いは、父親の存在が大前提なんだよ

これを憶測と呼ぶなら、確かにその通り
俺としては解釈と呼びたいところだけどね