五話
「はい。レオンさん、精霊の加護は非常に強力なものです。他人を殺す事も容易いでしょう。きっとレオンさんは優れた魔術師になれます。
ですが、レオンさんの力は私を守るために、力のない人間や微精霊を守るために使って下さい……」
「それは分かっているよ。俺は誰よりも弱かった。微精霊の加護を持つ人達に守られて生きてきたんだ。
今度は俺が他人を守ろうと思う。もう守られているだけの暮らしは嫌なんだ。もし俺が加護を正しく使っていなかったと思ったら、俺との契約を破棄してくれても構わないからね」

七話
 俺はグリムに右手を向けると、氷の塊を作り上げた。幼い頃からさんざん馬鹿にされてきた。何度も魔法を見せつけられ、罵声を浴びせられた。そんな生活も遂に終わるのだ。

 遂にグリムに攻撃を当てられた。最高の気分だ。俺を馬鹿にするのが生き甲斐の様な忌々しい隣人を倒したのだ。


契約を破棄するんだよ。あくしろよ