ブーメラン氏の考えた『火を噴く翼竜もどき』について大真面目に考察してみよう。

まずこの『火を噴く翼竜もどき』は、空を飛ぶ関係上、体重を軽くする必要があり、
骨密度が非常に低く、また密度の関係上重くなりがちな筋肉も必要最低限しか備えていない。

また翼の形状から羽ばたいて飛ぶことは難しく、
飛行の形態は上昇気流に乗って滑空するという形をとることが予想される。

ここまではまあ、普通の翼竜だな。
かつて地球上に存在したし、鳥類になるがワシやトビ、アホウドリも似たような感じだ。

が、ブーメラン氏の考えたこの『火を噴く翼竜もどき』は、なんと石油を飲むらしい(笑)
石油を飲んで、火炎放射用の燃料として体内に保持するというのだ。

まずここで、石油の毒性に関する問題が持ち上がる。

石油に多分に含まれているガソリンやケロシンには発がん性が在る他、
気化したものを吸い込み続ければ肺を侵し、神経を侵し、肝臓や腎臓などを侵し、破壊する。

これに耐えられるよう進化したのだと言ってしまえばそれだけの話なのだが、
こんなものに耐えられるよう進化するくらいなら火炎放射なんて効率の悪いことには使わず、
むしろ普通に代謝してエネルギー源にできるよう進化するだろう。

まあ、ここではそんなクソみたいな進化を遂げた生物が存在するという方向で話を進めよう。
次に持ち上がるのは重量の問題だ。

原油の比重は、水に対して0.8〜0.98。水よりちょっと軽いってくらいで、そこまでの差はない。
つまりどういうことかというと、普通に重いということだ。
空を飛ぶために骨を軽量化し、筋肉を減らしてと涙ぐましい努力をしてきたのに、全部水の泡である。

じゃあ飛べるようになるまで減らせばいいじゃんと思うかもしれないが、
翼竜も鳥も、空を飛ぶために骨密度や筋肉量を限界まで削っている事から解る通り、
燃料タンクなんていう余計なものをくっつける余裕はほとんどない。

なので、保持できる燃料はその身体の大きさに対して非常に小さなものになる。