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安価・お題で短編小説を書こう!
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0001この名無しがすごい!
垢版 |
2017/10/17(火) 23:10:17.06ID:EzRoOH8P
ここは安価、又はお題で短編を書くスレです。
0675この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/14(火) 10:28:23.33ID:qPWODBR8
そもそも思い浮かんだのが“野生のちくわ大明神”なので、そこに引っ掛かってくれたなら本望です
文字数ギリギリに成ってしまったので、ちくわ大明神=カーバンクルとか
サイモン&カーバンクルからの黄金の○ンドル、錬金合体グレートセンセー等のネタが仕込めなかったのが心残りではありました
0676この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/14(火) 10:32:35.61ID:qPWODBR8
>>670
上手くお題をまとめて、感動できる物語を紡ぎ出す力量に脱帽です
文字数に引っ掛かったのは惜しいですが、面白く読ませていただきました
0677この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/14(火) 20:34:27.54ID:qPWODBR8
使用お題:『人力車』『御令嬢』『嘘』

【たわむれごと】(1/2)


「海が見たいわ」

 人力車のシートでそう呟いたお嬢様の言葉に貞吉は渋い表情をした。
 こんな風に突飛な言動をするときは、決まって小説の影響を受けた時だからだ。
 事実、貞吉はその事で幾度となくお嬢様に振り回されて来ていた為、探るように訊ねる。

「……今度は、どんな小説をお読みに成ったんです?」
「ふふっ」

 可憐な笑みを浮かべるお嬢様に、通行人の若い男達の視線が釘付けになった。
 この時ばかりは自分の視線が彼女の方を向いていない事に貞吉は感謝する。

「素敵なお話よ? 令嬢と車引きの身分違いの恋。最後は手に手を取り合って海へと飛び込むの!!」
「……冗談でしょう?」
「ええ、勿論嘘よ」

 からかわれただけと分かり、貞吉が渋面を作る。

「勘弁して下さいよ、お嬢」
「でも、そう言う恋って、素敵じゃない?」
「……冗談でしょう?」
「貴方はどちらが良いかしら?」

 そのお嬢様の言葉に貞吉の表情は更に険しくなるも、お嬢様の方はと言えば、そんな彼の心情を分かってかわからずか、コロコロと鈴を鳴らすような声で笑っていたのだった。
0678この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/14(火) 20:36:21.82ID:qPWODBR8
【たわむれごと】(2/2)


 その日のお嬢様は物憂げな表情で、ぼうっとしていた。
 例え主が、どの様な状態だろうと彼の仕事は変わらない。ただ、彼女を目的の所まで送り届けるだけである。

 と、不意に彼女が口を開く。

「私、結婚するの」
「……今度は、何の小説のですか?」
「……そう……ね。全ての現は夢。夢こそ現……そんな物語よ」
「…………」
「ねえ貞吉、海が見たいわ」

 そう言った彼女の表情は貞吉には伺い知れない。
 だからこそ、彼は答える。

「……冗談……でしょう?」
「……ええ、嘘……よ」

 そう言って彼女は嗤った。全ての感情を此所に置き去りにする様に。
 何時までも……

 何時までも……
0679この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/14(火) 20:58:36.95ID:j8rv4wCE
使用お題『人力車』『御令嬢』『嘘』

【お嬢様と自動車】

「お嬢様、新しいお車を用意しました」
「何よドクター。もう奴隷が動かす車は見たくないと言ったでしょう。非人道的よ」
「いえいえ、今回新しい車を開発しまして。その名も自動車」
「自動車? 何なのそれは」

「モーターと呼ばれる仕組みが中に入っておりまして。その力で自動で走行するのです。お嬢様でも簡単に使えますよ」
「自動ってホントに? 中に人が入っているのではなくて?」

「いえいえ、動力はこの、賢者の石を使っています」
「何それ? 赤くて綺麗な石……」
「私が実験中、偶然発見した宝石です。莫大なエネルギーを秘めているんですよ」

「へえー、すごいわね。ドクター、その自動車の使い方を教えてくれる?」
「はい、従者が教えますので、隣の部屋へどうぞ」
「ありがと、ドクター。行ってくるわ」

 ◇◆◇

「さて……と。材料の奴隷の数を増やさねばならんな」
0680この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/14(火) 22:54:50.17ID:vP2ujJMT
>>677
お題フルチャレンジ連発!二番手は禁断の恋〜小説というメタファーでしかコミュニケーションが成り立たぬ身分違いの二人ー
テーマ選択時点で既に『人力車』『御令嬢』は消化済み、焦点は嘘の描き方でどこまで魅せるかに絞られた〜作者の筆は十分に温まっている〜さあ勝負!
互いの恋情を暗黙のうちに伝える二人〜しかし車輪の如く流転する運命〜定番だが鉄板で沸かせる展開だぞー
最後まで本音を口に出来ない自らの不甲斐なさをあざ笑うお嬢!そこで伏線の海へと引っ張るのが男の役目〜しかし人力車しか持ってねえ貞吉さんには何も言えねえw
これぞ身分格差の美醜だあ〜歪んだ笑顔で心は涙、言葉と態度はいつもウラハラ!相手の未来を思うが故の嘘!677氏がお題『嘘』で一つの美の極致を描ききった〜
うーん味わい深い、これは前半と後半の間にあるエピソードを増やして繋げて、もっと浸りたい感じがします、きっと外伝が書かれますね(期待の眼差し)

>>679
お題フルチャレンジが続くぞ!三番手は自動車開発ー【ネタバレ注意】
しかし、スレ民、マジでお題全部使いたがるなあ、この調子じゃ全部お嬢が出てくるだろw
ともかく、さあいぶかしむ令嬢が乗るは謎の自動車、オチは謎の動力〜
うまい、何とかの錬金術師ネタできたかーなるほど、確かにこれは『人力車』だな、とニヤリ!
ダークな発想がぎらりと黒い閃光を放った〜短編らしい知的な斬れ味!
スマートに決めた679氏〜だが、分からない人もいたりするのかこのオチはw
0681この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 07:20:06.04ID:jU04pWWB
>>674人力車転生
お嬢が人力車ラブな人だからすぐに信じられる的なつもりだったのですが、ちょっと甘かったですね。
どうせ文字数オーバーだから、そのあたりのフォローもしっかりやればよかった(ダメ)

>>676
楽しんでいただけなら何よりです。書いたかいがありました。


>>677
切ない雰囲気がいいですね。好きです。
言葉少なにいろんな心情を伝える書き方はやはり見習いたいですね
自分は必要以上に書きすぎて文字数が増えるので…

でも続きも気になる良作でした
0682この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 07:25:08.30ID:db9l+B4N
>>679
そう言えば、実写映画化しましたね
フルメタルな錬金術師が
心優しいお嬢様の為に用意された人力ではない車は、別の意味で人が必要と言う皮肉
濃い目のブラックがガツンと効きますね


>>680
いつも感想有難うございます
お題を見た時点で頭の中にあったのは“大正桜に浪漫の嵐”と言うフレーズでした
0683この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 07:47:11.80ID:db9l+B4N
>>681
感想有難うございます
実の事を言えば、二人で海の向こうへEND
財閥御曹司との結婚報告END
書生と駆け落ちEND
と悩んだあげくの霧の中です
自分の本来の書き方は、説明助長と言われるので、必死に削りまくっていますw
0686この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 21:52:37.28ID:OeE6+1O/
短編2千字くらいなら1時間もあればだいたい書けるのに長編になると5百字くらいしか進まない不思議
0687この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 23:18:49.13ID:db9l+B4N
使用お題:『人力車』『御令嬢』『嘘』

【Rickshaw−do】(1/3)


 カラカラカラカラカラカラカラ……

 ファルマリア・フォン・リヒテンバーグが王都を走り始めたのは、朝靄も未だ濃い早朝の事だった。
 仮にも伯爵家御令嬢が外出するのだから、その場には護衛の従者が二人程伴っている。

「しっかし、良く続きますねぇ……毎日毎日、飽きないんですか?」
「愚問でしてよ? コーネリアス。これは既に私の生活の一部なのです」

 ファルマリアの答えにコーネリアスが「そんなもんですかね」と呟く。
 つい1年ほど前まで、不摂生の為に死にそうな顔でコルセットを絞めていたとは思えない、今の健康的なプロポーションの彼女を見ながら、コーネリアスは(変われば変われものだ)と、感心していた。

 実の事を言えば、こうして生活が変化した貴族子弟は、ファルマリアだけではなかった。
 薄くなった朝靄に目を凝らしてみれば、王都の彼方此方で走っている貴族令嬢に気が付くだろう。

「あら?」
「ああ、ファル。御機嫌よう」
「ええ、ネフィこそ、御機嫌よう」

 バッタリと会い、にこやかに挨拶を交わす二人は、そのまま一緒に走り出す。

 カラカラカラカラカラカラカラ……

「今日もコースを一通りかい?」
「ええ、そのつもりですわ」
「なら、わたしもご一緒して構わないかな?」
「ええ、構いませんわ。第一、私達チームメイトではありませんか」
「違いない」
0688この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 23:23:08.33ID:db9l+B4N
【Rickshaw−do】(2/3)


 「うふふ」と、笑みを交わす二人と同じく、その後ろでは四人に増えた護衛か軽く挨拶を交わしていた。
 ネフィことネフェルティ・オーベインは、侯爵令嬢であり、ファルマリアとは同じチームに所属するチームメイトでもある。
 チームを作っていると言う事は、そのチームで挑むべき何かが有ると言う事であり、それこそが、この王都にいる貴族令嬢達の生活が変化した理由だった。

 カラカラカラカラカラカラカラ……

「あら? リヒテンバーグ様、御機嫌よう。奇遇ですわね?」
「ロインタール様、御機嫌よう、そうですわね」

 もう一人、何処かの御令嬢とおぼしき少女と鉢合わせる。だが、こちらの少女はネフィの時とは違い、二人共に酷薄な笑みを浮かべている。

「前回は良く健闘なさった様ですが、もう、限界だと投げ出してもよろしくてよ?」
「あら? あれが限界に見えましたの? むしろ今回からはハンディキャップも考慮した方がよろしいかしら?」

 バチバチと火花を散らす視線に待ったをかけたのはネフェルティであった。

「その位にしておきなよ、ファル。挨拶よろしいですか? ロインタール様」
「あら、オーベイン様、よろしくてよ?」

 ネフェルティは押し棒を下に置くと優雅に貴族の礼を取って見せる。ロインタールも、それに礼を返した。

「前回はこちらが勝利をもぎ取りましたが、あの勝負、どちらに勝利の天秤が傾いても可笑しくはない好勝負だったと存じます」
「あら、オーベイン様は分かってらっしゃる」
「ええ、ですが、我々も勝利者の椅子に安穏としている訳ではありません」
「ふふ、その様ですわね? ですが、今回の勝利はわたくし達“薔薇園の姉妹”がいただきますわ!」
「いえいえ、我々“白鷺の雛”、今回もその勝利を勇者様に捧げさせていただきます」
0689この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/15(水) 23:27:16.02ID:db9l+B4N
【Rickshaw−do】(3/3)


 にこやかに笑みを浮かべながらおのおのが所属するチームの勝利を謳い上げる令嬢達。彼女達がチームを組んで行っている事、それが勇者の故郷に伝わっていると言う競技……

 ────リクショー────

 であった。
 リクショーは人力車を引き、王都の旧所名跡を解説しながら、各チェックポイントを決められた時間で回ると言う競技であり。
 人力車を引く体力、王都を走り回る持久力、旧所名跡の歴史に対する知識、そして各チェックポイントの規定時間を計算する計算力が試される競技である。
 それも、魔王を倒した勇者の故郷の競技であると言う事も有って、今では“淑女の嗜み”と言われる程に広まっていた。
 もっとも、そこに勇者に対する下心が無いとは言い切れないのではあるが……
 何はともあれ、このリクショーが広まった事によって、貴族令嬢達の生活は劇的に改善されたのであった。



 しかしここに、この令嬢達の練習風景を複雑な気持ちで眺める者が1人いた。
 何を隠そう勇者本人である。
 溜息を吐きながら、ある貴族の親御さんに相談された時の事を思い出す。

『どうにかして、娘の運動不足を解消できないでしょうか?』

 その時、故郷のアニメを思い出し冗談交じりに語ったのがリクショーであり、故郷の競技などと言うのは真っ赤な嘘であった。

「まさか、今さら嘘でした……とか言えないよなぁ」

 異世界より呼び出され、魔王すら倒した勇者であったが、しかし、ほんの気軽に吐いた嘘で、今、頭を抱える羽目に成ったのは皮肉と言う以外あり得なかった。
0690この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/16(木) 10:30:46.06ID:7v5kdhlX
アナザーバージョンです

使用お題:『人力車』『御令嬢』『嘘』

【戯れ言】(1/2)


「海が見たいわ」

 人力車のシートでそう呟いたお嬢様の言葉に貞吉は渋い表情をした。
 こんな風に突飛な言動をするときは、決まって小説の影響を受けた時だからだ。
 事実、貞吉はその事で幾度となくお嬢様に振り回されて来ていた為、探るように訊ねる。

「……今度は、どんな小説をお読みに成ったんです?」
「ふふっ」

 可憐な笑みを浮かべるお嬢様に、通行人の若い男達の視線が釘付けになった。
 この時ばかりは自分の視線が彼女の方を向いていない事に貞吉は感謝する。

「素敵なお話よ? 令嬢と車引きの身分違いの恋。最後は手に手を取り合って海へと飛び込むの!!」
「……冗談でしょう?」
「ええ、勿論嘘よ」

 からかわれただけと分かり、貞吉が渋面を作る。

「勘弁して下さいよ、お嬢」
「でも、そう言う恋って、素敵じゃない?」
「……自分はごめんですね」
「あら? つまらない人」

 そのお嬢様の言葉に貞吉の表情は更に険しくなるも、お嬢様の方はと言えば、そんな彼の心情を分かってかわからずか、コロコロと鈴を鳴らすような声で笑っていたのだった。
0691この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/16(木) 10:37:34.32ID:7v5kdhlX
【戯れ言】(2/2)


 その日のお嬢様は物憂げな表情で、ぼうっとしていた。
 例え主が、どの様な状態だろうと彼の仕事は変わらない。ただ、彼女を目的の所まで送り届けるだけである。

 と、不意に彼女が口を開く。

「私、結婚するの」
「……今度は、何の小説のですか?」
「……そう……ね。全ての現は夢。夢こそ現……そんな物語よ」
「…………」
「ねえ貞吉、海が見たいわ」

 震える声でそう言った彼女の表情は貞吉には伺い知れない。
 だからこそ、彼は答える。

「……冗談ですか?」
「……貴方はどう思いまして?」
「地に足の着かない生き方は御免ですね」
「……そう」

 お嬢様は呟く様に声を出す。しかし次の瞬間、その伏せられた睫毛は大きく見開かれた。

「だから薫子さん、覚悟はおありですか?」
「貞吉……さん?」

 小首をかしげた薫子に、貞吉が視線を送る。

「覚悟があるなら、付いてこいよ……薫子」
「……嘘」

 果たしてその瞳を流れる涙の色は何色であったのか。


 夜霧に紛れる様に出港した大陸行のフェリーの上、顔を隠す様に寄り添う男女がいた。
 それは、上海が、未だ“魔都”と呼ばれた時代の事だった。
0694この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/16(木) 20:43:18.96ID:MBZGLLak
>>687
お題フルチャレンジは四番手〜リクショー!?って何だと思って調べたらこの名称実際にあるんだw
冒頭から作者の腕前が見せる〜カラカラってたぶん人力車だと思うけど状況どうなってんだ?と興味を引いて読み込ませ、押し棒あたりからちゃんと解説がくる〜この塩梅は上手い!
前半は華麗なる令嬢たちの社交場ー後半はネタバレw
令嬢たちが競い合ってアレをするという異様な情景!そこに隠された下劣な欲求の対比〜令嬢の外面的な高貴さと卑しい内面の皮肉が効いた〜お題の消化もスムーズ!うん687氏いいね、諷刺の視点を滲ませた一品を丁寧に仕上げた!

>>689
お題フルチャレンジ五番手!ああ待ってたよ貞吉さんのアナザーバージョン登場w
きたきたあ、「地に足の着かない生き方は御免ですね」からの「だから覚悟はおありですか?」〜決まった〜これぞ男の本領発揮、アナザーストーリーの真価だあw
てか貞吉さん地に足を着けるって大陸に行くってことなのかよ、外国語とか絶対話せないだろww
世間知らずのお嬢を連れて大丈夫なのかよ、しかも行先は魔都上海!なんでそこにしたw
急にハードボイルドになって考えもおかしくなった貞吉さん、引きを作ってまだまだやる気か〜俺たちの冒険はこれからだエンド!期待に応えた外伝サンクス〜
0696進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/16(木) 21:38:07.18ID:fTO+zAlC
今夜の安価は久しぶりに安価1個でやってみたいな
0697この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/16(木) 21:42:38.74ID:LcZNNa1z
単語じゃなくてタイトル安価にしてタイトル固定でやってもいいかも
自由度下がるかな
0698進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/16(木) 21:44:31.97ID:fTO+zAlC
自由度は下がるけど、(安価)が(安価)を(安価)した みたいな取り方も試してみたいかも
0700進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/16(木) 21:59:59.64ID:fTO+zAlC
お題『人力車』『御令嬢』『嘘』〆

作品一覧
>>670【人力車に転生した俺がお嬢を救う】
>>677【たわむれごと】
>>679【お嬢様と自動車】
>>687【Rickshaw−do】
>>690【戯れ言】
0706進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/16(木) 22:12:39.88ID:fTO+zAlC
お題『君が僕を魔法少女にした』
・1行目に【】でタイトルを付けてください。決めてなければ【無題】でも可。
・作品は2000文字以内で。レスが2つに別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
・どのテーマを選んだのかも明記してください。
・なろうに投稿してリンクを貼るのも可。必ずタグに『お題スレ投稿作品』を入れ、【タイトル】とURLを書き込んでください。

締め切りは11月19日 22時です!
0708この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/16(木) 22:30:33.38ID:7v5kdhlX
>>694
いつも感想有難うございます
687は、まあ
人力車道、それは乙女の嗜み……と言うフレーズからの着想ですね
これに関しては多くは語れません

アナザーバージョンの上海は、日本のヤクザ者何かが、あちらには結構渡っていたらしく、それなりに日本人コミュニティーが有ったとか
人力車は、元篭屋……つまりは荒くれ者やヤクザ上がりが多かったそうなので、その伝で行けそうかなぁと……
0709この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/17(金) 10:24:09.77ID:JpIjRB0f
使用お題:『君が僕を魔法少女にした』

【この頃流行りの魔法少女】(1/2)


「今年も魔法少女流行ってるね」
「そ〜だね〜」

 僕の言葉に、美希ちゃんが視線を逸らしながら返事をする。部屋に籠りがちだった僕を心配した彼女が半ば強引にこうして僕を外に連れ出した。

 美希ちゃんの今の格好は白のセーターにパーカーとホットパンツ。それにニーソックスとスニーカーって、ラフな格好。

 それに対する僕はダッフルコートにマスクとサングラス、それにニット帽って言う不審者丸出しの姿だ。
 多分、さっきから落ち着きなく周囲を伺っているのも、それに輪をかけている自覚はある。

 でも、仕方がない。僕だって本当は外になんて出たくはなくったんだ。
 ひっきりなしに僕の耳には人の声が聴こえて来る。
 その度に僕は、その衝動を押さえるのに必死だった。

 でも、もう限界かもしれない。

「…………」

 ふと気が付けば、僕達の目の前に顔を隠したトレンチコートの男がフラフラと近付いて来ていた。

(この人……)

 一目見た瞬間、僕には感じる物があった。
 男は熱に浮かされた様に歩いてくる。

「キャアアアァァァァ!!!!」

 悲鳴が耳に響いた瞬間。僕は無意識に動き出していた。
0710この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/17(金) 10:25:54.74ID:JpIjRB0f
【この頃流行りの魔法少女】(2/2)


「大丈夫だったかい?」

 トラックに轢かれそうになった少女と子犬を抱え、にこやかに声をかけるのは、フリルをふんだんに使った衣装の……男。
 さっきのトレンチコートの人だ。

「ぶはははははは! 可愛いよ、よ〜太! よ〜太可愛い!!」

 おおよそ女の子のらしくない笑い声を出したのは美希ちゃん。
 先に笑ったのは僕だから、仕返しかもしれない。

 僕の今の格好は、男の人に輪をかけてフリルとリボンがあしらわれたビビットカラーのワンピース。
 女顔だと良く言われる僕が着ていると、どう見ても男の娘です。すみません。

 今年の魔法少女は“マックスハート型”ケモミミと尻尾の生える“アラモード型”よりマシだけど、大人に成るだけの“ミンキー型”の方が良かったよ。

 今年も魔法少女が流行ってる。

 老若男女がフリルコスで、あっちこっちで人助け。
 魔法少女にかかってしまったら、人助けの本能に逆らえなくなるのが困ったものだよ。
 思わずコートを脱いじゃった。

 僕は今も大笑いしてる美希ちゃんに厳しい目を向ける。

「もう! 君が僕に魔法少女をうつしたんだから、そんなに笑わないでよね!!」
0711この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 00:01:10.44ID:W14Gh5Vz
>>709
お題『君が僕を魔法少女にした』にチャレンジャーが登場!いや何だよ、このお題w
うーん、これは普通に考えれば主人公を男の娘にするかボクっ娘女子にするか〜あんまり選択肢がねえ〜チャレンジャーは前者を選択!うわ病的な選択だー
物語はコートを脱いだ変質者の群れが跋扈する最悪の映像を描画していく〜あ、これミンキー型ってミンキーモモの事だねwって変なギミック仕込むなw
最後でお題を思い出したな作者、流行なのか美希からの伝染なのか、主人公が魔法少女になった動機がラストで何だかよく分からなくなったー
読者に二人の過去を想像させるぶん投げエンド、強引w 今回の変則お題でオチを作るのは難度が高いかー
0712この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 00:16:20.12ID:YTjpVC08
魔法少女は真面目に練り出すとなろうで連載が狙えそうだから短編お題でサクサク書いていいものかと躊躇する
0713この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 08:44:44.70ID:O3PEYcd1
>>711
魔法少女=インフルエンザ位の認識です
その辺に帯する説明が足りていませんでしたね
力量不足でした
0716この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 11:06:15.08ID:VwPPL+4V
>>715
どちらかというと魔法少女ネタを考えていくと楽しくなってきて連載を始めてしまいそうで困る、という意味合いが強いかな
長編は今やってる分でいっぱいいっぱいなので

ここは思いついた一発ネタをサッと書いて、発想力と瞬発力を鍛える場所という認識にしてるので


>>709
インフルエンザ風魔法少女という発想は面白いですね
本文だけでは少し意味が取りづらかった残念ですが

〜〜型は単純に流行なのかなと受け取ってしまいました(ファッション的な意味合い)
世界観的にはインフル魔法少女エンザ(超テキトー)とか名前ですぐ分かるようにしても大丈夫だったかもしれませんね
上からの物言い失礼しました
0717この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 15:42:20.98ID:O3PEYcd1
そう言う意見こそが為に成るので、どんどん言っていただきたいです

連載がしたくなると言うのは分かります
上手く書けると特にそう思ってしまうのは趣味とは言え、物を書く人間のサガでしょうかね
0718進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/18(土) 18:38:01.84ID:i1ZugO9L
ううむ、やっぱりお題が限定的すぎるかな
0720進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/18(土) 18:46:18.17ID:i1ZugO9L
みなさん5個消化も平然とやってのけるからなぁ
5個とも使えそうだけど3個までしか使っちゃだめです!って制限はいかがなものかと思ったりもする…悩ましいね
0721この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 19:00:24.88ID:+7rDudLT
それはそれでそういう縛りとして楽しめたりもするけれど

お題5個のうち4個使ったらスッキリまとまるプロットができたけど、お題は3個まで
じゃあ何を削って代わりにどうするかを考えるみたいな

まあそれで作品が集まるかはわからんし、結局のところは進行さんの好きなやり方で構わないと思いますけど!
0722この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 19:27:08.31ID:O3PEYcd1
お題が面白すぎると普通に小説を書きたくなると言う
難しいものですね

自分は、よほど時間がない限りは、1日1小説を目指しているのですが
今宵もアップして構わないかなでしょうか?
0724この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 19:48:14.74ID:3QJX9npA
>>722
見たい
0725この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 20:25:42.95ID:O3PEYcd1
ではアップしますね

使用お題:『君が僕を魔法少女にした』

【マホウのチカラ】(1/2)


 ぽたりぽたりと頬を流れる何かが伝う。今はもう何も言わない君を抱き寄せ、獣じみた咆哮が僕の口から発せられた。

『愛と勇気と希望が決まりなんだよ!』

 かつての君の言葉を思い出す。
 浅はかでチープだと思っていた言葉。その言葉がなければ、きっと僕は狂っていただろう。
 繋ぎ止める大切な楔。

 敵は巨大で、強力で、悪意に満ちていて、そんなモノに立ち向かう事がカッコ良いんだって勘違いをしていた。
 格好良くなんて無くったって構わなかった。必死であれば構わなかった。大切な物を失わない方が良かった。

「どうした? 魔法少女よ? それで終わりか?」

 そんなテンプレートな台詞なんて無かった。ただ、蹂躙されただけだった。少しばっかり力のある人間なんて何の役にも立たなかった。
 でも……

「セイちゃんはやらせない!!」

 一番力の無い君だけが立ち向かった。きっと君は知っていたんだ。力が無いからこそ、力の在る僕なんかよりその怖さを……

 力に振り回されて酔っていた僕なんかより、ずっと前にずっと深く……

 君を失うまで気が付かなかった僕なんかより、ずっと、ずっと……
0726この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/18(土) 20:28:07.94ID:O3PEYcd1
【マホウのチカラ】(2/2)


 “悪意”は“セカイ”を蝕み、悪意に憑かれた人々が世界を壊す。そしてセカイを壊された人々が悪意を生み出して、悪意は成長を果たす。
 だから悪意は倒さなければいけない……でも、僕は正義の……力の使い方を間違ってしまったんだ。

 敵は……幹部はソレを利用して居ただけだった。壊された人々……自分と同じ存在を作りたいだけの“コワレタヒトビト”
 悪意を崇め、祭っていただけのヒトビト……

 物言わぬ“悪意”は、ただそこに存在しているだけで、でも、正義に酔っていた僕が無謀にそこに突っ込んだ。
 代償を払うのは僕の筈だった。でも、僕は君に支払わせてしまった。君を支払ってしまう破目になった。

 魔法は“力”だ。でも、ただの“力”じゃない。力を奮う事で悦に浸っていた僕は、魔法の使い方なんて考えてもみなかった。
 君はずっと言ってくれていたのに。

『愛と勇気と希望が決まりなんだよ!』

 魔法は“愛”で“勇気”で“希望”だ!!

 “悪意”はソレを失った事で増える“チカラ”だ!! 魔法こそが悪意と対抗できる“チカラ”だったんだ!!

「僕が“愛”と“勇気”と“希望”の“魔法少女”だ!!」

 君が僕を真の魔法少女にしてくれた!
 だから僕は決して捨てない!! 魔法の力を!!
 君が残してくれた本当の魔法少女の力を!!
0727この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 09:00:48.20ID:Ld44Ub0b
>>725
さあ合作お題『君が僕を魔法少女にした』に相次ぎ挑戦〜テーマは復活の魔法少女!
内容は、半ばポエムチックな心情描写オンリ〜調子に乗った主人公が犠牲を要して真の力に覚醒ー
うーん本作で特筆すべきはどこかに居そうな犠牲者のキャラクター、これを台詞一つだけで「あのキャラね」と思い浮かばせた725氏の短縮化技術だー見事〜
しかーし取っ掛かりになる風景、人物、固有名詞、無しw 映像が頭に生み出せねえーコワレタヒトビトで進むポエム化w
ラスト、僕はだから君によって魔法少女になった〜熱い描写でお題クリア!ここ好き!前段が見たくなる話だね
しかし今回お題は難度高い!「君」とはどんなキャラなのか、なぜ一人称は「僕」なのか、なぜ「僕」が魔法少女になるのか、「君」はいかな影響を及ぼしたのか〜それらを説明しながら物語にするという高度な短縮技術が求められるw
0728この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 12:49:32.31ID:mjJo5RdB
感想有難うございます
具体的な描写ですか
確かに場面が想像出来ないとキツいですね
自分でもポエムチックに成ったなぁとは思いましたw
0729この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 21:20:48.79ID:mjJo5RdB
正直、連続で投稿するのもどうかと思いましたが、一応書き上がったのでアップしてみます

使用お題:『君が僕を魔法少女にした』

【君が僕を魔法少女にした】(1/3)


「君、僕を魔法少女にしましたね?」
「はぁ?」

 ショートカットでメガネをかけた生真面目そうな少女が、オレ、藤堂 公彦にそう言って来た。
 見ず知らずの女の子に声を掛けられる謂れも無ければ、こんな荒唐無稽な文句を言われる理由も無い。当然だ、何をどうすれば“魔法少女にする”なんて単語が日常生活で出てくるんだか。
 でも、目の前の少女は至極真面目にそんな事を言っている様に感じられる。

 正直、意味が分からない。

「白状してください。私を魔法少女にしましたね?」
「歌漣ちゃ〜ん!! ダメだよぅ いきなりそんな事いっちゃぁ」

 カレンと言うのがこの女の子の名前なのかな? 随分と可愛らしい名前だ。正直もっと堅物そうなイメージだったよ。
 そのカレンちゃんを止めているのは彼女の友達なんだろうな。必死で彼女を止めながらも、視線でオレに謝って来る。
 いつもこの子に振り回されてるんだろうなぁ……

 ……逃げちゃって、構わないのかな?

「待ちなさい!! 逃げるのですか!! 僕をこんなにしておいて!! 何の責任も取らないつもりですか!!」

 カレンちゃんが声を張り上げる。お友達、半泣きに成ってるよ? 街中って事も有って野次馬がちらほらと出てる……
 拙いなぁSNSにでもアップされたら当然タイトルは『日中、少女と痴話喧嘩!』って所だろう。
 勝手に人の事を撮るのもどうかと思う。肖像権の侵害って言葉はどこ行ったんだろう? って思うよ。

「何とか言ってはどうですか!?」
「歌漣ちゃ〜ん!!」

 あ、現実逃避している場合じゃ無かった……とにかく場所を移動しなくちゃ……
0730この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 21:23:37.52ID:mjJo5RdB
【君が僕を魔法少女にした】(2/3)


 ******

 「話を聞くから」と宥めすかして、何とか二人をファミレスまで引っ張り込んだ。少女二人を言葉巧みに引っ張り込むって、外聞が悪いけど、緊急避難的な何かだと思っておこう。うん。

「汀 歌漣です」
「河野 夕映です」
「えっと、藤堂 公彦です……よろしく……で良いのかな?」

 オレの名前を聞いた歌漣ちゃんが「公彦さん……か」と、呟きながら、口元を綻ばせる。え? 何? この反応……憤っているとばかり思っていたから、正直想定外の反応なんですけど。

「あ、あの! 済みませんでした!! トードーさん!! 歌漣ちゃん、ちょっと強引で!!」
「な! 何を言ってるんだ夕映! これは当然の権利だ!!」

 ……何が当然なのか分からない。6、7才も年が離れてると何を考えているか全く読めないなぁ。

「えっと、歌漣ちゃん? なんでオレが君を魔法少女にしたと思ったの?」
「……最初は何が起こってるのか分かりませんでした」

 少し俯きながら歌漣ちゃんがそう言う。君が分からないとなるとオレにも分からないんだけどなぁ……

「なぜか目が離せなくなって、何かこう、ぶわぁって世界が変わった様な気がしたんです!」
「?」

 あ、あれ? 何か想定していた事と違う事を言われている様な気がする。

「だから僕は、公彦さんが僕に“魔法”を掛けたんだって思ったんです!!」
「…………」

 話が飛躍したな……

「でも違った」
「うん?」
「魔法を掛けられただけなら、僕はもっとどうにかなっているはずなんです!」
0731この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 21:26:25.36ID:mjJo5RdB
【君が僕を魔法少女にした】(3/3)


 正直、話のつながり方が分からない。隣で聞いてる夕映ちゃんも首を傾げている。付き合いの長いであろう彼女が分からないのならオレに分かろうはずもないよね。

「今、僕は、無敵なんです」

 また、話が飛躍した。

「力が溢れてるみたいな感じになって、何でもできそうな気がするんです!! これって、“魔法を掛けられた”からじゃなくて“魔法少女に成った”からですよね?」

 ごめん、意味が分からない。困ったオレは思わず夕映ちゃんに視線を送ったんだけど、彼女の方は何か“分かった”様な感じで、目を見開くと口許を手で押さえていたんだ。

「その! すみません!! 歌漣ちゃ〜ん!! それ! お話の中の事だから!! ウソっこだからぁ!!」
「? だが夕映、君だって『愛の力で無敵に成れるのは本当だ』と、言っていたじゃないか!?」
「それは、その本当だけどぉ……」

 チラリとオレの方を見ながら夕映ちゃんがそんな事を言う。
 ……あー、成程、彼女達の見ていたアニメで“愛の力でパワーアップ”的なシーンが有ったのか。それで愛の力で無敵……な気分に成れるのは本当だと夕映ちゃんが言ったのを鵜呑みにしたって事なのかな?
 って事は、夕映ちゃんの方はそんな気分に成った経験もあるって事か……ませてるなぁ……
 オレが同じくらいの時は……いや、止そう、暗黒の記憶しか出て来ない。

 いや、でも、それって……

「公彦さんが僕を魔法少女にしたんだから、その責任は取ってください!!」

 ……ホント、どうしよう……
0732進行 ◆Ujy3nQuLmg
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2017/11/19(日) 22:00:00.96ID:8DHVem/4
お題『君が僕を魔法少女にした』〆

作品一覧
>>709【この頃流行りの魔法少女】
>>725【マホウのチカラ】
>>729【君が僕を魔法少女にした】
0734この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 22:00:49.62ID:ql+Cr+4Q
まにあわ、ない!?

【君が僕を魔法少女にした】



「わあ、凄いきれいでふわふわ!」
 そんな褒め言葉を聞いたのは、その初めての時だけかもしれない。


 その日は、共働きの両親がともに遅く、僕は妹と一緒に留守番をしていた。
 誰でもやがてはお腹が空く。その日、両親は互いに互いが早く帰って子供の世話をしてくれていると思っていたのだろう。普通の小学校低学年の子供が寝る時間になっても、連絡一つ寄越さずに二人とも帰ってこなかった。
 冷蔵庫には食材があるけれど、僕らの食べられる物は入ってなかった。

 いつも両親の帰りが遅い日には、カップ麺が用意してある。
 ポットからお湯を注いで、三分待てば食べられる。カップ麺というのは昔の人の偉大な発明だ。僕みたいな子供まで、普通に作れるのだから。
 だから当然、両親はそれだけで充分だと思っていた。いや、本当にそれだけ準備しておけば充分だった。
 
 そう、それだけ準備しておけば。
 
 今日のカップ麺の用意を怠ったのはどちらだったのだろうか。ともかく、食卓にはカップ麺は用意しておらず、備蓄もない。
 そして、僕ら兄妹に料理の心得はなかった。当然だ、小学校低学年の子供である。火を使わせてもらうことも出来ないし、包丁を握らせてもらうことも出来ない。いつも僕らは、台所に立つ両親の後ろ姿を見ていただけだった。

だが、その日は違った。僕も妹もお腹が空いて耐えられなかった。
幼稚園児の妹に料理をさせるわけにはいかない。今思えば、生で食べられる物で誤魔化すか、飲み物でお腹を満たしておけば良かったのに。子供にそこまで思いつけというのも酷な話か。

帰ってこない両親に、治まらない空腹。
鳴り響く時計の音、深夜の難しいニュース速報。

悩んだ末、僕はキッチンに立った。


そして、僕は記憶を頼りに作り上げた。
卵焼き。だし巻き玉子のように巻きもせず、オムレツのように丸めることもない。スクランブルエッグのまとまったもの、そんな感じの卵焼きが、僕の初めての料理だった。

焦がさずに作れたのが功を奏したのだろう。空腹も手伝った。
その黄色い固まりにケチャップを掛けると、妹は笑顔で言ったのだ。
「お兄ちゃんすごい! お兄ちゃんは、まるでテレビの魔法少女みたいだね!!」
「僕は男だから、魔法少女にはなれないよ」
 そうは言ったが、料理を褒められて嬉しくて、僕の笑顔は崩れなかった。
 牛乳と玉子を混ぜて焼いただけの、簡単な料理。とにかく、それが僕の人生を決めるなんて、その時まだ何も知らなかった。


それから僕は、中学に行って、高校に入って、何となくバイトを始めた。
それが定食屋の皿洗いだったのは、楽そうだったからだ。
でもそれから料理を楽しむようになり、やがて調理も始めて、そしてそれが本職になった。


料理の楽しみ。それを教えてくれた妹には感謝しかない。

今日、僕の店が出来た。
新しいキッチンに、ぴかぴかの調理道具。これで、みんなに美味しいものを食べてもらう、それが僕の楽しみだ。
妹はきっと喜んでいるだろう。
今の僕は彼女より大分年上になってしまったけれど、いまでも年の近い妹がいる気がする。

白い服をきた僕を、妹は見ていてくれているだろうか。
キミの言葉が、僕を魔法少女にしたんだ。
0735この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/19(日) 22:07:20.27ID:jUBU6lc/
次は複数のお題と思ってたけどまたこの形式でやるんだ
「みそラーメン」
0738進行 ◆Ujy3nQuLmg
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2017/11/19(日) 22:18:52.33ID:8DHVem/4
お題『みそラーメンが特産品な地獄』
・1行目に【】でタイトルを付けてください。決めてなければ【無題】でも可。
・作品は2000文字以内で。レスが2つに別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
・なろうに投稿してリンクを貼るのも可。必ずタグに『お題スレ投稿作品』を入れ、【タイトル】とURLを書き込んでください。

締め切りは11月22日 22時です!
0739この名無しがすごい!
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2017/11/19(日) 22:19:14.20ID:Pgtnn/F3
>>734
これは良い発想
まさかこのお題で恋愛もの(しかもファンタジーなし)な作品が来るとは思わなかった
0740進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/19(日) 22:19:33.63ID:8DHVem/4
次回は、安価を10個取る形式でやってみよう
0741この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/19(日) 22:29:39.06ID:mjJo5RdB
>>734
少し切ない目のお話しですね
話の文脈から、おそらくそう言う事なんでしようと、思いますが……
たった一言がその後の人生を決めてしまう事、有ると思います
0743この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/19(日) 22:45:19.49ID:xo/1M9iv
スレイヤーズ風コメディーしか思いつかないw
どんな作品が出るか期待
0744この名無しがすごい!
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2017/11/20(月) 02:27:15.79ID:/NTQwb/e
 お題→味噌ラーメンが名物の地獄

【おかえりなさい】1/2


「ただいま」
「おう」

 短い言葉の応酬、父との挨拶はそれで終わる。
 私が重たい荷物を玄関に置いて居間を覗き込めば、父は背中を丸めて足の爪を切っていた。
 背中越しに掛けた挨拶に、背中越しで返される。それは私が物心ついたときからずっとそうだった。


 いつものことだ。
 小学生の私は、玄関の戸を開ける。
 車輪が壊れた重たい扉を開けば、そこは繁盛しているラーメン屋だった。

「おかえり、ちえちゃん」
「はーい、ただいまー」
 常連客からの挨拶に応えながら、客席を抜けて奥へと向かう。脱サラした父がラーメン屋を開くとき、住居と店舗を一緒にしてしまったせいで、私が家に帰るには客の中を通り抜けていかなければならないのだ。

 客への挨拶は嫌いだった。何が悲しくて、他人の家の爺や婆に『おかえり』などと言われなければならないのか。ただいま、などと返さなければならないのか。
 挨拶もだが、一見の客が店を通り抜ける私をチラリと見るのが、堪らなく嫌だった。

 そんな思春期の心を知らずに、父は麺を茹でながら、スープをかき混ぜながら『おう』とだけ言う。
 たまに『皿洗い手伝え』とつくこともあるが、いつも大体そんなものだ。

 私は、この家が嫌いだった。
 聞こえてくる客の笑い声、麺を啜る音。帰る度に、べたついた床で靴が鳴る。
 休日には小麦粉が届いて、父は『研究だ』といって店舗に引きこもる。

 そんな環境で、好きになれという方が難しいだろう。
 味噌ラーメンが評判のこの店も、私にとってはただの地獄だ。
 さながら父は、その地獄の獄卒とでもいえばいいだろうか。
0745この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 02:29:12.50ID:/NTQwb/e
 お題→味噌ラーメンが名物の地獄

【おかえりなさい】2/2

 高校を卒業した私は、すぐに家を飛び出した。
 そして結婚、すぐに気楽な専業主婦となる。
 子供も生まれ、そろそろマイホームでも欲しいな、なんてささやかな幸せな日々。
 なんてものも、そんなに長続きはしなかった。

 ローンで家を買った直後。不況で夫の職場が潰れ、給料は激減。私も働きに出るようになった。
 保育園は頼れず、出勤がてら子供を幼稚園に送り出し、仕事帰りに子供を迎えに通う日々。
 そんなことを続け、ようやく長男も小学校に上げられた。

 これで多少の余裕が出来る。学童保育も使えるし、長男に鍵を預けておけば、弟や妹の幼稚園の送り出しも任せることが出来るだろう。
 時間に余裕が出来れば、きっと心にも余裕が出来る。最近増えた夫との口喧嘩もきっと少なくなる。
 そう、思っていた。

 元々限界だったのだろう。喧嘩は減らず、むしろ激しくなっていく日々。
 顔を合せても、口を利かない日もあった。


 そんなある日。たまの午後休の日。家に帰ると、中は真っ暗だった。
 別におかしいことではない。誰もいないのだ、電気をつけなくても当然だろう。
 その居間で、我が子が一人で座っていたりしなければ。

 長男は、誰かが入ってきたことに気がついたのだろう。
 びくりと肩を振るわせ、恐る恐るといったふうに私の方を振り返った。

 そして幽霊でも現れたかのように、我が子が驚く。その姿に、何故か少し悲しくなった。
 電気をつけない理由を聞いても、『僕一人だから、電気なんかいらない』。そんな風に言う我が子の姿を見て、無意識に拳を握り締めていた。

 知らなかったのだ。我が子が家で私達を待つ姿を。
 『僕一人』。その言葉は、言葉通り以上の意味を持っているのだろう。だってほら、この子は帰ってきても誰もいない。暗い家で、一人で待っていたのだ。誰かが帰ってくるのを。

 そういえば、と私は思い出す。
 長男の、『ただいま』という声を聞いたことがあっただろうか。


 それから、私はまた家を飛び出した。
 あの地獄から逃げ出したはずの私。今は私が、地獄を作っていたのだ。
 やり直そう。もう少し慎ましやかな生活でいい。母親の本能などと大それたことを言う気は無い。けれども、子供をこんな環境においてはいけない。そう感じた私の中の、何かが弾けた。

 生まれ育った家の扉を開く。呼び鈴はあるけれど、使わずに家の中に入っていく。
 二年前、麺を上手く茹でられなくなったことをきっかけに、父は店を畳んでいた。それから気ままな年金暮らしだ。


「ただいま」
「おう」
 応えてくれたその背中は、働いていたときと比べて大分小さくなっていた。

 挨拶が返ってくる。それはきっと当然のことだ。けれども、その当然のことを子供にしていなかった私は何だろうか。あの冷たい部屋の原因は、きっと私にある。

 たまにしか帰らなかった大嫌いなこの家。その温かさを感じられるのは、まだきっと先のことだろう。
 だけども、きっと私の家庭も温かいものにしてみせる。待ってて、話がつくまで。私が帰ってくる子供たちに『おかえり』って言えるようになるまで。

 その間しばらく、地獄の獄卒には子鬼の世話をしてもらう。
 大丈夫、今味噌ラーメン屋の獄卒は、子鬼に囲まれて仏様のような顔をしているから。

 子鬼たちよ、あの冷たい家の獄卒は頑張るから、少しだけ、少しだけここで待ってて。
 ここへ帰れば、迎えてくれる人はいるからね!
0746この名無しがすごい!
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2017/11/20(月) 02:33:19.60ID:/NTQwb/e
>>739
ありがとうございます。
「料理人はみんな魔法使い」という言葉が浮かんだので、+して幼稚園児のよくわからない誉め言葉として使ってみました
しかし、その辺りの説明を本文に追加したくてたまらない……描写不足をありありと感じる……

>>741
ありがとうございます。
幼少期に親とか兄弟に言われたことってけっこう覚えてる人はきっと多いと思います
大抵、言った本人は忘れてるんですけど。
0747この名無しがすごい!
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2017/11/20(月) 02:35:29.15ID:/NTQwb/e
(特産品と名物を混同していたなんて今更言えない……ごめんなさい……)
0748この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 03:45:53.85ID:BEgV+wVx
>>729
連続で前回お題『君が僕を魔法少女にした』に喰らいつく作者!誤認識系女子の登場だあ!
物語は三人芝居ーだが混同は感じないぞ〜「オレ」と「僕」で人物を区別!口調とキャラで明確に色分け!729氏が得意の類型キャラクター短縮技術をいかんなく発揮〜って歌漣さん最初の「僕」が「私」になってるがw
さあ難題に斬りこむぞ!要素「魔法少女」を勘違いにズラし込んで話を構成〜なるほどこうすれば魔法少女の設定部分は短縮可能〜作者が知的発想で飛ぶようにお題をクリア!
説明が沢山必要な高難度お題にあの手この手で研ぎ澄ますが如くにじり寄る!ワザの練磨を感じさせるぞ729氏、オチは一目ぼれ発覚の綺麗なヒネリで着地を魅せたあ!
うん、あえて言うなら歌漣さん最後まで勘違いしてて萌えと共に怖さもあるw 最後に「実は魔法少女云々はきっかけ作りのイチャモンでした」って感じで安堵させてオトす手もあったw

>>734
刻限を49秒オーバーして突撃!前回お題『君が僕を魔法少女にした』に挑戦、ノスタルジー!
ネグレクト気味の家庭〜二人だけの兄妹の絆〜はじめて作った料理が兄の未来を決める〜キッカケは狙ったかのように放たれた「まるでテレビの魔法少女みたいだね!!」
734氏が難題『君が僕を魔法少女にした』を順当にクリア!でもちょっと妹の台詞が人工的でお涙頂戴感ありですねーとか思ってたら
なにい!?これは物語の伏線に過ぎない〜!?オチは現況!すべて回想!定型的だった妹の台詞はノスタルジー感を呼ぶ伏線に過ぎない!
妹と年齢が離れてしまったという婉曲な言い回しで読者に何事かと考えさせ、涙腺ゆるむ切なさを提示〜やるな業師734氏、これぞ文学の妙味だ〜ラスト、「魔法少女」をコックの服装に成り代わったみずからで再回収でばっちり決めた!
見よこの逸品、秀麗としか言えねえぞ734氏!緩急織り交ぜたピッチングが高難度お題を消化ならぬ昇華させ、スレ民もグッときてエンド!!
0749この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 03:57:57.18ID:BEgV+wVx
>>744
新お題「みそラーメンが特産品な地獄」に早々の挑戦!ひどいお題だw
物語は嫌いな自宅兼ラーメン屋の回想〜後半は実子を救え的なドラマで構成〜
しかし744氏は家に取り残される子供への深い思い入れがありそうだー後半のリアルな描写、学童保育なんて身に覚えがないと出てこないー前作といい鍵っ子に対する並々ならぬ親目線を感じさせるー
ラストは共働きの妻がラーメン屋の父親に子どものお守を押しつけるという高齢化社会に向けた提案エンドw
もうね、最後のほう小鬼と獄卒の比喩使いすぎて文字ヅラがひどいよ、しかも特産ではないのでオチ未消化と言わざるを得ねえw
でも手早い挑戦だし何でもありでしょ、大人には暴走したい時があるんだしそもそも面白がって変てこなお題を出すスレ民に責任があるよねw そんな乙!
0750この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 06:13:18.55ID:yUh2zaOi
>>748
729です
感想いつも有難うございます
『私』はナチュラルに気付いていませんでしたorz
歌漣は生真面目過ぎて融通の効かない系の女の子と言うつもりで書いてます
おそらく付き合って振り返った後に気が付いて悶絶すると思います

>>744
嫌だった実家が、今の自分よりマシだったと気が付く流れが切ないですね
各家庭故の問題で、実は現代では良く有る風景と言うのが……
0751この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 08:03:22.37ID:l4PYgkw6
>>744
まさかこんなお題でこんな話ができるとは
すごく良かったです.

獄卒と小鬼は特にお題ではないし無くてもよさそー
特産品はまあうん。いいでしょ
0752この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 22:21:57.59ID:yUh2zaOi
使用お題:『みそラーメンが特産品の地獄』

【あの世のラーメン】(1/3)


 世に見栄っ張りな人物と言うのは良く居るもので、この日も集まった面々の中に一際見栄っ張りな熊公と言う男が居りました。
 さて、この日に話題に上がったのはあの世の話。
 やれ、天国だ地獄だと言う事を一通り話した後、その内の一人、弥吉が自分の体験を話始めた。

「そうそう、あたしはこの間、臨死体験ってヤツをしましてね」
「この間ってえと、あの、トラックにはねられた時かい?」
「ええ、ええ、その時でござんすよ。気が付くとあたしは、トンネルを歩いてましてね」
「ほうトンネルを」
「へえ、そこを抜けると、まぁ、見事な花畑がござんした」
「ほほう! 花畑!」
「ええ、そこから更にあたしが進みますってえと、今度は海かと見間違う河が!」
「おいおい、ソイツは三途の川ってえやつじゃねえのか?」
「でしょうねえ……そこを渡ろうかってえ時にまぁ、カカァの声が聞こえたんですよ」
「はあー、そりゃ危ない所だったな」
「へぇ、全くで」

 その話を聞いていたの熊公が鼻を鳴らす。

「ふん! 聞いてりゃ、三途の川だのなんだのと!」
「それが何か?」
「寸前で引き返した? 結局は意気地が無くて進めなかったって事だろうが、なぁ?」

 言われた弥吉は苦々しげな顔で言う。

「いや、渡っちまったらお陀仏でしょうが……」
0753この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 22:24:42.91ID:yUh2zaOi
【あの世のラーメン】(2/3)


 そう言った弥吉の顔を見て熊公、更にフンッと鼻を鳴らす。

「俺ぁな、渡っちまったのよ」
「へぇ!? な、何をだよおめぇさん」
「決まってんだろ? 三途の川さぁ」

 それを聞いて顔を真っ青にする。当たり前だろう三途の川を渡ったと言うのであれば、臨死体験なんてもんじゃない。本当の死だ。

「ひえ! じゃぁ、おめぇさん、化けて出なすったのかい?」
「馬鹿なこと言うねぇ! こうして足もついてらぁな!」

 そう言って足を叩く。

「なら、アンタ、どうやって戻って来たんだい?」

 考えてなかったのか熊公が答えに詰まった。しかし、その時部屋の外からチャルメラの音が聞こえる。

「そ、そりゃあ、あれだ! ラーメンだ!」
「ラーメン? あの世でラーメンかい?」
「そ、そうよ、おめぇ、地獄ラーメンって聞くだろうが!? あの世じゃラーメンが流行ってるのよ!」

 それを聞いて弥吉は訝しげな顔に成る。

「どうも怪しいねぇ、で? どうやって、そのラーメンで帰って来たんだい?」
「あ、う、うむ、なんだ、地獄ラーメンって位だ、俺ぁ地獄に行ってきたんだが……」
「まぁ、アンタは悪どい事ばっかやって来たからねぇ、地獄行きは妥当だろうねぇ」

 それを聞き熊公は不機嫌そうな声に成るも、そのまま話を続ける。

「はっ、極楽浄土なんざ、退屈過ぎるから、こっちから断ったんだよ!!」
「そりゃ豪儀な事だねぇ」
「おうよ! そしたら地獄の鬼共もこいつぁ大した男だって事で飯を奢ってやろうって話に成ったのさ!」

 その話を聞いた弥吉の目が驚きで見開かれた。

「地獄の鬼にかい? そいつぁ驚きだぁ」

 その言葉で気を良くしたのか熊公の口が回り始める。

「さっきも言ったが、今あの世じゃぁラーメンが流行ってる。特に地獄じゃ地獄ラーメンてぇ位だ、もちろん特産品よ!」
「ほう! 地獄の特産品はラーメンなのかい? そりゃ驚きだ!! で? 味はどうだったんだい?」
0754この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/20(月) 22:27:30.90ID:yUh2zaOi
【あの世のラーメン】(3/3)


「は? 味?」

 自分で言っておきながら、地獄のラーメンの味など想像もつかない。冷や汗を流す熊公に弥吉が言う。

「そりゃそうだろ、ラーメンたってぇ、色んな味があるだろう。醤油に塩、豚骨に鳥ガラ……」
「そ、そりゃぁ……」
「そりゃあ?」

 そう言いつつ、熊公、自分の知っている調味料を思い浮かべる。

(さ……砂糖じゃ拙いな、し……塩は、さっき言われたか。す……ってこたぁねぇだろうし、せ……醤油もいわれちまってる。そ……)
「そ、そそ……味噌だ」
「ほうほう! 地獄のラーメンは味噌味なのかい!?」
「そうよ、地獄のラーメンは味噌味だ!」

 どうやら弥吉も納得した様子で、熊公がホッと胸を撫で下ろす。

「で?」
「で……?」
「いや、おめぇさん、ラーメンで地獄から帰って来たってぇ話だっただろ?」
「あ……」

 すっかり忘れていた熊公、再び冷や汗をかいた。

「で? どうやって帰って来たんだい?」
「そりゃあ……」
「そりゃあ?」

 熊公、はっと思い付き、ポンと膝を叩く。

「味噌味だけに、地獄行きにミソが付いちまったんだよ」
0755この名無しがすごい!
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2017/11/20(月) 23:23:40.28ID:8sbuLYpJ
>>752
スレ民のお茶目によって生まれ出でた地獄の妖魔、お題『みそラーメンが特産品の地獄』に挑戦するは752氏!味噌ラーメンinヘルw
いやいや、今回のお題の肝はこの支離滅裂さですよ!そもそも味噌ラーメン自体が特産品ではないんだから、この厳然たる矛盾をどう処理するっていうのさ〜
さあ物語は熊公の言い逃れで紡がれる〜どうやって地獄から戻って来たと普通に聞く弥吉さん! どんだけ無垢w ビシビシと詰められながらもチャルメラの音を利用して危機を脱出する熊公〜
あ〜いるね、こういう人w しかしこの作品考えたな、『みそラーメンが特産品の地獄』にまったく違和感がねえw 
無邪気な弥吉さんの詰問がギリギリと熊公への圧力を強めるーオチは!?落ちは!? ミソだあww オチにまさかの味噌w おミソれしましたw
無茶振りのようなお題を噺家のような転回力でオチにまで仕上げきったインスピレーションの申し子752氏が、ホレお手本とばかりにサバいて見せた!こいつあミソがつけられねえ嘆美の一作よ〜
0756この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/21(火) 12:01:35.65ID:S9BchEie
感想有難うございます
短編小説スレで小噺はどうかと半日位悩みましたが、しっくり来るのがこの書き方だったので、そのまま通してしまいました
それでも面白がって貰えたなら幸いです
0757この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/21(火) 14:12:20.22ID:Ctfgamyb
お題無視の拙作にまで感想いただきありがとうございます……!
>>749
ネグレクト家庭って、不幸な家庭の筆頭かなと個人的に思っています。子供には親しかいないのに。
>>750
まさに、人の振り見て我が振り直せ……。虐待の連鎖はどこかで断ち切らないと……
まあ、この話にそんな重いテーマは考えてなかったんですけど……
>>751
いや、本当すいません。お題無視して本当申し訳ないです……

>>752
噺家が高座で演じるのを見てみたいような楽しい噺でした。
落語を作るって難しそう……。
0758この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/21(火) 19:13:02.35ID:/h6OLrxr
楽しんで頂けたなら幸いです
落語は韻を踏む落ちが多いイメージだったので、とにかく色んな慣用句を調べまくりましたw
感想有難うございました
0759この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/21(火) 22:17:02.90ID:/h6OLrxr
使用お題:『みそラーメンが特産品の地獄』

【とある俺様ストーリー】(1/3)


「ふあ〜」

 大あくびをしながらぽてぽてと学校への道を歩く。自宅警備員を目指し頑張ってたんだけど、3ケ月目にして親に放り出された。
 これから、見事に家を守って行こうと言う俺の決意を無にするとは何て親だ。
 こう言う理解の無い親の所為で、若者のやる気が無くなって行くんだっつーの。
 てか、別れた親父に泣きつくとか恥を知らねえのか、あのババア。

「おい! 危ないぞ!!」
「キャー!!」

 しっかしだるい。あれだな、朝までネトゲをしてたからまるっきし睡眠時間が足りてねぇ。睡眠不足は脳の老化を早めるっつうのに、せめて昼間では寝て……

 キキーーッ!! ドンッ!!!!

 あ、空が青い。

 …………!! は!! ヤバイヤバイ、歩きながら寝てたわ。

「あれ?」

 キョロキョロと周りを見渡す。森? 森の中? 住宅街に居た筈だけど、俺……
 てか、あれか? 異世界転生系?

「俺、始まったな!」

 主役ですか? 主役ですか? 主役しかね〜だろ!!

「あれ? そう言えば美幼女神のチュートリアルは?」

 マジか! 何だよ! 手抜きかよ!! やり直しを要求する!! ラッキースケベ込みで!!

「おーい!! 美幼女神! 出てこいやぁ!!」
0760この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/21(火) 22:20:26.94ID:/h6OLrxr
【とある俺様ストーリー】(2/3)


 …………無視か。マジか。何だよ……あ! チートは? 流石にチート無しって事はねーだろ。

「ファイヤーボール!!」

 ………………マジか。何も出ねぇ……いや、あれだ、MPがすげぇとかそっち系だ。

「やっぱ才能アリ系だろ、俺なら」

 まあいい、とにかく出会いだ、襲われてる美少女とかだ。どっち行ったらいいか分かんねぇけど、あれだ、歩いてりゃ出会うだろ? 主役だし。

「襲われてる令嬢、出てこいやぁ〜!!」

 ******

「ん〜? おめぇさ、どっから来なすった?」

 …………んだよ、普通に人里に出ちまったじゃねえか。てか、第一発見が農家のおっさんとか、やる気出無さすぎだろ……
 やり直しを要求する〜!! 美幼女神出て来〜い!! お詫びにラッキースケベさせろ〜!!

 グー……

「なんだ? おめ、迷子け?」

 チッ。美幼女神からの返事は来ねぇのに、腹の虫が返事しやがった。そういや、朝飯も食ってねぇじゃねーか。

「ほれ、これでも食え?」
「あん?」

 親父が渡して来たのは今畑でもいだ、野菜……か? 何か半円の白い実だ。
0761この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/21(火) 22:22:53.31ID:/h6OLrxr
【とある俺様ストーリー】(3/3)


「何だこれ?」
「あ? みそらーめん……知らんのか?」
「は? 味噌ラーメン? これが?」
「そだぁ、ここら辺の特産品だぁ」

 マジか……異世界っぱねぇな……いや、どうやって食うんだよ? 齧り付くのか?

「どうやって食うんだよ」
「あ? そうじゃったなぁ。知らんのじゃったなぁ」

 そう言って半円の上の所の平らになってる部分を捻るおっさん。パキッって音がして割れると茶色いスープが見えた。
 マジかホントに味噌ラーメンか……異世界っぱねえな! てか、蔓ん所、箸に成ってるんか。マジかぁ……
 ま、いいや、腹減ってるし……旨!! 何だこれ? っぱねえ! マジか!!
 味噌ラーメンが特産品か。異世界始まったな。

「ふい〜。食った食った……あ、おっさん、俺、金なんてねえぞ?」
「あ? 気にすんないやぁ」

 おお! これが主人公補正ってやつか? こっから俺TUEEEEレジェンド始まるか?

「あ、そう言や、おっさん。ここってなんて国なんだ?」
「あ? あー、迷子だっけか? そんじゃ、知らんくても仕方あんめぇな」

 あれだな、手っ取り早く国王の所行って、姫を婚約者にしたりとかしねえとな。何せ俺、主人公だし!!

「ここは……地獄だぁよぉ」

 …………マジか。
0762この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 08:12:31.95ID:gU10li/O
>>759
さあ尋常に勝負!無茶振りお題『みそラーメンが特産品の地獄』に宣戦布告!ニート転生!
主人公はトラックに轢かれて異世界に転生〜が、何もそれっぽいのが出てこず困惑〜
人里から農家のおっさん登場〜って、の、農家?
さっそく畑でもいだ野菜がラーメンになったー無理があるだろw 主人公「蔓ん所、箸に成ってる!っぱねえ!」じゃねえよw 怪しめw
作者759氏、こいつは生みの苦しみだ〜アイデアの極限値を試すかのような特産品がミソラーメンとかいうお題のハチャメチャ大冒険ぶりに書き手の頭をヒネッた跡が見える〜同情すんぞ!
オチはまあ大体分かっていた「地獄だぁよぉ〜」 何で農家のおっさん最後ドラえもんみたいになったw むしろサービス旺盛で一ミリも地獄ぽく無いがなw
0763この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 12:54:12.07ID:NlIMNRGq
いつも感想有難うございます
今回は、特産品として味噌ラーメンを育てている地獄があると言う事を前提として構成しました
木の実から料理は、ドラ○もんの秘密道具の中にもあるもので、それをパク……インスパイアさせて貰いましたw
まぁ、主人公は、地獄に落ちても良いだろうと思う人物を設定した結果、こうなったと言う
0764この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 20:44:04.29ID:gU10li/O
植物改造エキスでドラえもん口調だったか、言われてみれば映画にそんなんあったね
元ネタの存在は疑ったんだよな
だから「ラーメン 白い実」とか「ラーメン 果実」で検索したけど見つけられなかったw
悔しい
0765この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 20:48:54.91ID:gU10li/O
あと進行氏、スレの容量制限512KBが近づいてるぞ
テンプレとか作るの?
0766進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/22(水) 22:00:02.82ID:w6rl7DNB
お題『みそラーメンが特産品の地獄』〆

作品一覧
>>744【おかえりなさい】
>>752【あの世のラーメン】
>>759【とある俺様ストーリー】
0767進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/22(水) 22:01:16.12ID:w6rl7DNB
そうかぁもう次スレの時期か
テンプレは毎回貼ってるし、強いて>>1に書くようなこともない気がするけど…
0768この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 22:12:27.26ID:gU10li/O
早いね
テンプレは初見向けにあっていい気がするが
入れるとすると前スレとこの共通項目かなあ

・1行目に【】でタイトルを付けてください。決めてなければ【無題】でも可。
・作品は2000文字以内で。レスが2つに別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
・なろうに投稿してリンクを貼るのも可。必ずタグに『お題スレ投稿作品』を入れ、【タイトル】とURLを書き込んでください。

まあお任せw

あとは容量オーバーで突如書き込めなくなったらどうするか予め指針がほしい
0769進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/22(水) 22:13:30.23ID:w6rl7DNB
それで、次のお題は10安価からきっかり3つだけ選ぶ形式にしたいんだけど、組み合わせのバリエーションが多いから期間もいつもより長めに取ったほうがいいかな?
0770この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 22:20:26.89ID:NlIMNRGq
妥当なところで一週間チャレンジですかね?
順位とか有ると大会ぽいとは思いますが、進行さんの負担にならない方向で
0771この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 22:22:41.97ID:gU10li/O
そうだね一週間ぐらいでいいんじゃない
大会みたいにしたいね

てか進行氏3日おきキッチリやってくれてるけど大変じゃない?
一度そこを聞いておきたいんだけどw
0772進行 ◆Ujy3nQuLmg
垢版 |
2017/11/22(水) 22:41:49.01ID:Xt2UUT/x
容量のdat落ちとか考えたことなかったから、やっぱりテンプレは1に書いたほうがいいね。毎回書くのは容量食うし
次スレは乱立防止に進行が建てたほうがいいだろうけど、たぶんおうちwifiに繋がってるときじゃないと規制くらっちゃう

正直、たまに〆日をすっかり忘れてて直前で思い出してヒヤリとしたときもあります!!
0773この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 22:57:22.13ID:gU10li/O
だよねー絶対に大変だと思う
自分の都合に合わせて期間調整したっていいと思うよ、権限でw

新スレは先に立てとけばいいと思うぜ
俺が立ててもいいけどやはり進行氏のキッチリした仕切りあってこそ高まるものがあるw

とりあえず簡易テンプレ案つくたよ↓

安価お題で短編を書くスレです。

■投稿方法
投稿する際は、1行目に【】でタイトルを付けてください。決めてなければ【無題】でも可。
作品は2000文字以内で。レスが2つに別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
なろうに投稿してリンクを貼るのも可。必ずタグに『お題スレ投稿作品』を入れ、【タイトル】とURLを書き込んでください。

■前スレ
0774この名無しがすごい!
垢版 |
2017/11/22(水) 23:11:14.32ID:I06iuJwL
とりあえず安価しませんかー? 
や、あと容量がどのくらいで終わるのとかわからんからのんきなんだけど

期間は一週間でいいと思う!
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