安価・お題で短編小説を書こう!2
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安価お題で短編を書くスレです。
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投稿する際は、1行目に【】でタイトルを付けてください。決めていなければ【無題】でも可。
作品は2000文字以内で。レスが2つに別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
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■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/ >>1
乙です
早速ですが、書き上がったので投稿します
使用お題:『アイドル』『迷宮入り』『滅亡』
【メメントモリ】(1/2)
「岩さん? またその事件ですか?」
頬のこけた若い刑事が、未解決事件のファイルを眺める老刑事にそう声を掛けた。
岩さんと呼ばれた老刑事はジロリと視線だけで返事を返す。
若い刑事はやれやれとばかりに肩を竦める。
「岩さんは……ああ、すみません……」
「気にするな、第一、お前も同じだろう?」
「僕は望んで独り身ですけど、岩さんは……」
型遅れのラジオからは引っ切り無しにニュースが流れ、その音だけが、閑散とした捜査課の部屋に響く。老刑事は短く息を吐くと、もう一度そのファイルを眺め直した。
その事件は既に10年以上が経ち、捜査本部も解散している。岩さんと呼ばれた男は、唯一人、時間を作ってはその捜査をしていたのだ。
「……その事件も、迷宮入りですね」
若い刑事の言葉に老刑事が顔を顰める。
「分かってる」
落胆と言うよりも諦観の強い声でそう答えた。 【メメントモリ】(2/2)
古い事件だった。あるアイドルの卵が殺された。凶器が有り、目撃者も居た。ホンボシはそのアイドルのファンだと言う男で決まりだった。
ただ、その男は忽然と行方をくらませた。全ての状況はほぼ分かって居るにも拘らず、犯人だけが空白となった。
それ故に、その事件は宙ぶらりんのまま捜査が打ち切られたのだった。
老刑事……岩波は、その事件の犯人を追って居たのだ。悔しさがあった。悲しみも、やりきれなさも有った。
…………犯人が憎かった。
殺されたアイドルの卵は、彼の一人娘だった。
奥方の忘れ形見でもあった。
身内と言う事で管轄にも拘らず岩波は事件の捜査から外されていた。自分の娘の事にも拘らず、自分が加われない。
それがどれ程歯がゆかったか。
捜査が打ち切られ、どれ程悔しかったか……
だからこそ、彼は一人で、捜査を続けて来た。
しかし、それももう、終わりである。
「……しかし、どの局も同じ放送ばっかりですね……」
「仕方ないだろう?」
そう言いながら岩波は立ち上がり窓ガラスのブラインドの隙間から外を眺める。
窓の外には後、1時間もしない内に地球へと衝突する巨大彗星の姿がハッキリと見えていた。 おつ
なお今回のルール再掲
787 進行 ◆Ujy3nQuLmg [sage] 2017/11/23(木) 11:42:06.55 ID:p7FSJVm5
お題『もみじ』『台詞「愛してる」を入れる』『視点変更』『プレゼント』『アイドル』
『ご主人』『迷宮入り』『動物』『びしょうじょ』『滅亡』
から3個選択
・1行目に【】でタイトルを付けてください。決めてなければ【無題】でも可。
・作品は2000文字以内で。レスが2つに別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
・どのテーマを選んだのかも明記してください。
・なろうに投稿してリンクを貼るのも可。必ずタグに『お題スレ投稿作品』を入れ、【タイトル】とURLを書き込んでください。
締め切りは11月30日 22時です! >>1
乙!
>>2
記念すべき新スレ幕開けトップバッターは2氏! 刑事ドラマでお題:『アイドル』『迷宮入り』『滅亡』に挑戦!
さあ、この回のテーマはお題10個うち3個をチョイスして作品を仕上げる一週間の戦いだ〜難関は『びしょうじょ』か! どのお題を選ぶか、それをどう組み合わせるか作者のアイデアに注目だ〜
物語は未解決事件に関わる刑事、岩さんが訥々と娘への無念を語る〜滲んでいる、滲んでいるぞ、奥方の忘れ形見という殺しのワードに哀情がしっとり滲む!
悔恨の刑事がお題:『アイドル』『迷宮入り』を違和感なくクリアし、定年間際の岩さんがクライマックスで犯人を暴くのか、この相棒怪しいね、って、ん? 残るお題は『滅亡』??w
でたあw 巨大彗星ww 捜査が終わりなのは定年だからじゃなくて滅亡だからw 何で普通に仕事してんだw そんな読者のツッコミがオチだあ!
前スレで鍛え上げたか余裕が見えるぞ2氏! 短編らしい裏切りキラリ! 綺麗に仕上げた手腕に拍手だ! いつも感想有難うございます
お題一覧を眺めていて頭に浮かんだのが会話している刑事と、迫る巨大彗星と言う絵でしたw
そう言えば自分の書いた短編は落があるせいで、殆どが迷宮入りする話ばかりだったなぁと、気が付きましたorz 締め切りに余裕があるからか、かなりゆったりしたスタートですな
……書かなきゃ お題 『台詞「愛してる」を入れる』『ご主人』『動物』
【愛を込めて貴方にささやく】
わたしがご主人様の家でお世話になるようになったのは五年前のことだった。
この家には二人の大人がいる。
とても元気で優しいご主人様。
少し口数が少ないけれど、とても温かい手を持った奥様。
わたしは二人のことが大好きだ。
二人はわたしが何か失敗をしても、笑って許してくれてる。
ふと寂しい時は、ギュッと抱きしめてくれる。
たとえばこんなことがあった。
わたしがトイレの掃除をしていた時のことだ。
こう見えてもわたしはかなりのキレイ好き。
トイレをしっかりと掃除しようと手に力を込めすぎて……何でとは言わないが、逆に汚してしまった事がある。
どうしたものかとパニックになるわたしに、ご主人様は気にするなと笑ってくれた。
奥様は落ち込むわたしの頭をゆっくりと撫でてくれた。
驚くほどに二人は優しい。
わたしはそんな二人が大好きだ。
だけどわたしはその気持ちを伝えようとはしなかった。
生来、無口なタチだったからというのもあるが、それだけじゃない。
しょせんわたしは、自分勝手な奴なんだ。
ごくたまに口を開くときはいつも自分のため。誰かのために声をかけようという気にはならない。
それでいいと思ったし、それでわたしの人生は何も困らなかった。
ご主人様もそれをよしとしてくれたのか、特にそれで何か言ってくる事はなかった。
ある日、ご主人様は奥様と別れる日が来た。
死別だった。
もう奥様に会える事はない。奥様の温かい手に触れることもできない。
そう思うと、とても悲しい気持ちがこみあげてくるが、何よりもわたしが気になったのはご主人様だった。
今までに見たことのない、ご主人様の顔。
いつもニコニコとしていた、ご主人様の顔……
わたしは初めて自分のためじゃなく、ご主人様のために何か言わなければ、言ってやりたい、と思った。
ゆっくりとご主人様に近付いて、そっとご主人様の手の上にわたしの手を置く。
いつ以来だろう。声の出し方、ちゃんと覚えているかな。
「にゃぁ……」
か細いかもしれないけど、確かに声は出た。
これがわたしの精一杯。
大好きです、ご主人様。元気を出して。
わたしの気持ち、ご主人様に届くだろうか。
「……たま」
ご主人様が驚いた様子で、わたしの名前を呼んだ。
そしてわたしの体を持ち上げて、わたしの顔をじっと見た。
その目がゆっくりと涙でにじんでいくのがわかる。
「お前がそばにいてくれると、私を大好きだと、愛してると。そう言ってくれるんだね、たま……」
ありがとう、ありがとう、と。嗚咽まじりにご主人様の言葉はいつまでも続いた。
しょせんわたしは自分勝手なただの猫。
無口で可愛げのないただの猫。
だけど、そんなわたしの存在が、大好きなご主人様の気持ちを少しでも軽くできたなら。
いつまでも傍にいます。だから安心して、ご主人様。 猫の人生とか犬の人生って言葉たまに目にするしセーフかなって言い訳おいておきます >>9
心にグッと来る良い話だと思います
昔交流の有った野良猫の事を思い出しました >>8
続いてお題『台詞「愛してる」を入れる』『ご主人』『動物』に挑戦者あり!テーマは動物愛だ!
普段は自分勝手な主人公、落胆する主人を慰めるために声を出したあ〜ネコラブが伝わるイイ雰囲気だ、猫の恩返し〜そんな映画あったねー
なるほど、前半で語り手が何者かを隠そうととしたか8氏〜トイレで手を汚した事情を伏せる、敢えて人生という表現を使う! オチ構築の作業跡だ〜
しかーし、選択お題『動物』で手の内がバレバレだぞw 10個から3個を選ぶ今回のテーマ戦、作者の選択お題にまず目が行きやすく、読者に驚きを与えるにはお題開示にも耐えうる伏線構築が求められる〜さらなる誤誘導に挑んで欲しい!
それにしても、たまが名前とは……これは、ご主人は波平?そんなオチもあったはずだ!(ない 使用お題:『台詞「愛してる」を入れる』『プレゼント』『びしょうじょ』
【まだはじまらない物語】(1/3)
「貴方を愛しています」
わたしは恋人にハッキリとそう告げました。彼は私にキスをし抱きしめます…………
******
目覚めてすぐに深く溜息を吐きました。一応枕元に忍ばせていた夢辞典を取り出し夢の内容を調べてみます。
「恋人……貴女の気に成っている相手。告白をする……片思い。キスをする……愛情の欲求。正面から抱きしめられる……恋愛の進展……ですか……」
本を閉じると両手で顔を覆い、再び大きく溜息を吐きました。
「何と言う夢を見ているのでしょう。わたしは……」
確定的に成りました。あんな夢を見ていてなんですが、それでも何か別の解釈が存在するのでは? と言う希望的観測は無為に成った形です。
実際、わたしが浮かれ気味なのは事実でした。
以前から何となく惹かれる存在だったのは確かで、傍に居てくれんだけで安心する様な、落ち着かなくなる様な人ではありました。
その人をゲームに誘ったのです。
と、言っても直接ではありません。フルダイブ型のVRMMOにです。それだけでも、わたしには一大決心だったし、実際に誘う時はメール送信を押す指が震えたりもしました。
それもこれもあの人が悪いのです。
お父さんがあの人と同じ年齢の時には、もう、わたしが居たと言うのに。まるでわたしが育つのを待って居るかの様に独り身を貫くのだから。
期待……してしまうではないではないですか…… 【まだはじまらない物語】(2/3)
わたしはゲームを立ち上げて悩み込んでいました。今使っているキャラクターは実用本意でガチガチにビルドされた壁役で、現パーティーに合わせて作ったものだからです。
流石に初心者と一緒に遊ぶのは無茶だと言う事は私にもわかります。
「やはり、新しいキャラクターを作るしかありませんね」
あの人は、あまりやりたいゲームも無かったからと言う理由で殆どゲームをしていなかったそうです。
ですが、所謂大作ゲームと呼ばれる物は、当時の友人達との話合わせの為と言う事も有って、そこそこやっていたとか?
あの当時の大作ゲームと言う事は、主人公は勇者だったり、運命の導きだったりで剣も魔法もそこそこ使えて……と言った感じでしょうか?
「恐らくそうでしょうね、そう言った期待は裏切らない人ですし……」
つい、笑みが零れます。
いけません。どうもあの人の事を考えると心が浮き立ってしまいます。
ともかくあの人であれば、そのイメージでキャラクターを作るのでしょうから、わたしはそのサポートの出来る形にした方が良いのかもしれません。
「外観はどうしましょう?」
(アバターでしかないのですし、いっその事全く違った姿にしても……いえ、あまりにイメージと違う事をし過ぎてドン引きされたら立ち直れません……無難に今の姿を模した方が……)
そう思い、姿見に映った自分の体を眺めました。中学に入ってから急激に身長が伸び、あの人の覚えて居るであろう『おチビちゃん』ではなくなったわたし。 【まだはじまらない物語】(3/3)
……そうでした。そもそも、今の姿では私だと認識してもらえない可能性だってあるのでした。
身長ばかり伸びて、でも、あまり女性らしい身体つきでは無いのが実は少しコンプレックスです。クラスの男子に「デカ女」と呼ばれた事が、未だに心に引っ掛かって居ます。
お父さんとお母さんが長身な事も有り、それを正しく受け継いだからですが、お母さんの華奢な身体つきも見事に受け継いでしまいました。
「……美少女だったら良かったのですが、わたしでは微妙な少女で、微妙女ですね」
それでも、お父さんと同じ身長のあの人の方が、少し背が高いのが救いでしょうか? 男性を見上げられるってだけでこんなに嬉しくなるなんて、きっと、誰にも理解できないでしょう。
そんな事を考え、つい自虐的な笑みが漏れてしまいます。
わたしは立ち上がると、本棚から一冊の本を引っ張り出しました。
昔、彼が懐かしそうに「この話、僕の買ってた子供向け雑誌に載ってたのを読んでたなぁ」と言っていたので、わがままを言ってプレゼントしてもらった本。【長靴下のピッピ】……
少しでもあの人との共通の何かが欲しかったから、買って貰えた時は大喜びをしてしまいました。
「ピッピ。わたしに勇気を下さい!!」
世界で一番勇敢な女の子にわたしは祈りを捧げます。その時、ふと、アイデア思いつきました。
わたしは急いでその加工をする為の準備をしたのです。
******
ゲームの中で、わたしは自分の姿を再確認します。思い出の絵本を手にした子供のアバター。結局、怖すぎて、今のわたしの姿そのまま……と言う訳には行きませんでした。
待ち合わせ場所に近付く度に、様々な感情が飛来してきます。
あの人はわたしの事に気が付いてくれるでしょうか?
あ、今、目が…… >>13
お題『台詞「愛してる」を入れる』『プレゼント』『びしょうじょ』にチャレンジ〜VR恋愛!
今回の見所お題『びしょうじょ』をいかに料理するか〜って普通に美少女で変換しやがった、そこは何とか平仮名で消化する気概をさ〜って微妙女とか小ネタうるさいw
長靴下のピッピでワロタ、解説しよう! 前スレにてある恋愛物語が男性視点で描かれた〜今回作者13氏はそれを相手の少女視点から描いているのである〜
さらにその構造的仕掛けを当時のお題『長靴下のピッピ』をテコにして明かしているのだあ〜スレッドの内輪ネタではあるけどネタの遠回しな明かし方の発想が好き!
うん13氏、これ『びしょうじょ』じゃなく『視点変更』使用してラスト一行にネタばらしでピッピ持ってきても良かったんじゃ、そしたら感動してたw
他のお題は滑らかにクリア〜さあ幼いアバターを敢えてセレクトしたあざとい少女ちーちゃんの戦果はいかに〜気になる次の展開を待てい! >>11
猫ってたまに驚くくらい寄り添ってくるところが好きです
普段はわりと無視されます
>>12
動物はやっぱり直接的すぎましたか
お題入れ忘れ? からの逆転劇を狙ったのですが甘すぎましたね
今回は隠す意味もあまりなかったので、オチでネタ晴らししてスッキリするようなものをまた考えてみます
たまはまあ、猫の名前はと考えてパッと思いついたものを使っちゃいました
フネが亡くなる話なんてとても書けないっす! >>16
いつも感想有難うございます
短編として完結を目指したらこうなったと言うw
最初は『視点変更』の予定で書いていたのですが、文字数を削ったら何故かこうなりましたorz
続きは……お題に『VR』とか出てきたら書くと思います >>13
ピッピ出てきたと思って笑ったら前の短編の女の子側の話でしたか
敬語一人称は読んでて楽しいので好きです
続きをお待ちしております >>19
はい、実は別視点の話でした
この二人は気に入ってるキャラなので
楽しんで頂けたなら幸いです 使用お題:『もみじ』『視点変更』『迷宮入り』
【もみじさん】(1/3)
「ねぇ、もみじさんってしってる?」
「しってるしってる!」
「あ、わたしもきいたぁ!!」
******
「もみじさん?」
「はい、最近流行ってるそうですよ?」
瀧太の言葉に雪芽が首を傾げる。
「まぁ、赤マント系の都市伝説です」
「そう言うの定期的に流行るわよねぇ」
「ですね」
大学の研究室。その長テーブルで瀧太はお茶をすする。雪芽は資料のファイルを整理しながらその話を聞いていた。
「赤マント系って事は選択させられるのかしら?」
「はいはい、その通りです。青、黄、赤のもみじを選択させられるらしいです」
「ふぅ〜ん。で? 青を選択すると?」
「青ですか? えっと、確か……」
******
KEEP OUTと書かれたテープの中、殺されたと思しき被害者を見た刑事は、その奇妙さ加減に眉を顰めた。
「長さん、どうやったら、こんな事に成るんすかね?」
「……オレが知るかよ」
殺害されたのは身元不明の男性。おそらく殴殺されたと思われるのだが、しかし、その死体が奇妙だったのは、どうやら“叩き”殺されたらしいと言う事だったからだ。
「加害者は……相撲取り?」
「馬鹿言うな。こんなちっちゃな手の相撲取りが居るかよ」
「ですね、でも、何ですかね? こんな執拗に手形が付いてるって」
「よっぽど恨まれてたのか、それとも……」
その男の体には無数の手形が残っていた。それはうっ血し、青い痣となっていたのである。
「ま、何にしても、死んだらホトケさんだ、後は検死に任せるさ」
「ですね」 【もみじさん】(2/3)
******
「……青の定義が違わなくない?」
「それを僕に言われましても……所詮は都市伝説ですし……」
納得の行かなさそうな表情で雪芽が「何だかなぁ」と呟く。
「それで、黄色は?」
「確か黄色だと……」
******
「ホトケさんが居たのはこの路地か……」
「はい、発見された時には既に死亡して居たそうです」
「医者の所見は?」
「病死なのは間違いないだろうと」
それを聞き刑事が片眉を上げる。
「病死って……」
「黄疸が出てましたし、膵臓癌も見つかったそうで……」
「いや、病死で、こんな愉快な格好で死んでたってのか?」
そう言う刑事の視線の先には、その女の死んでいた時の格好が白線で残されていた。それは万歳をしている様な感じだったのだが、刑事が愉快と揶揄したのは、“足も”上に向いていたからだ。
それは屈伸とかでは無く、“大股開き”を無理やりやらせ行き過ぎた様な格好であり、それを病死だったと言われても納得など出来なかった。
「……強いて言えば遺体遺棄かも知れませんが……」
「まぁ、それを調べるのがオレ等の仕事か……取り敢えず、目撃者に当たるぞ?」
「はい」 【もみじさん】(3/3)
******
「この手の都市伝説の厄介な所は、答えの中に正解が無いって所なんですよ」
「そうなの?」
「ええ、問答をするって事が、既に了解の合図なんです。ですから、この手の怪異に遭った場合は、受け答えを一切せずに逃げないといけないんですよ」
「厄介なのね」
雪芽が溜息を吐く。と、何かを思い出した様に瀧太に聞いた。
「そういえば、赤いもみじって答えると、どうなるの?」
「ああ、それは……」
******
道に人が倒れていた。自殺なのか他殺なのか、とにかく血を流し真っ赤に濡れている。その血は奇妙な事に綺麗に五方向に伸び、上から見るとまるで“もみじ”の様に見えた。
彼が何を見たのかは分からない。だが、彼の目は驚愕で大きく見開かれ、その表情は恐怖に彩られていた。
彼は……
******
「ふ〜ん、しかし、瀧太くん詳しいわね? 研究室の私より、部外者の貴方の方が詳しいなんて、何だか皮肉だわ」
「そうですかね」
「そうよ、自信無くしちゃうわ」
肩を竦め、瀧太はお茶をすする。
「ところで雪芽さん」
「はい?」
「青いもみじ、黄色いもみじ、赤いもみじ……どれが好きですか?」 >>21
待ってましたとホラーが開幕! お題『もみじ』『視点変更』『迷宮入り』にチャレンジするは、懐かし系都市伝説〜
おお、今回ヤマとなるお題の一つ『視点変更』がチョイスされたぞ〜さあ21氏これをいかに切り捌くのか
展開はお約束だ〜『もみじ』三色の回答にちなんで被害者たちが殺されていく〜事件を捜査する刑事を媒介に『もみじ』『視点変更』『迷宮入り』をさらりとクリア!
ってか青もだけど黄色がこわすぎるw かの名作「くねくね」を想起させるファニーな恐怖が読者をえぐる!
ラストは21氏がちゃんとシメてくれた〜やっぱりホラーはこうじゃなくちゃの満足感! お題使いきり! もしかして瀧太さんは赤の被害者なのかと微量の謎を残して構成の美! 丁寧な仕事だ21氏〜 いつも感想有難うございます
オチは、もう少し強調できそうな気もしたのですが、結局、思いつかず、そのまま投稿しました
色々精進が足りてませんねorz 今日までですよー
うーむ、思ったより盛り上がらなかったかな…?
次の安価案があれば提案してね このスレ民はお題全盛りに掛ける情熱が……
時間あったら出したいけど、この時期は仕事が忙しい人も多いのかも? 間に合えばもう一話、投稿したい所です
物語がイメージしにくいと書き辛いと言うのは有りますね
組み合わせやすすぎても、これで良いのか? と言う気になるというか…… 5個だと出だしとオチさえ決めたらほぼ一本道で楽だもんね 使用お題:『視点変更』『ご主人』『動物』
【可愛い娘】(1/2)
僕がその娘に出会ったのは全くの偶然だった。
いつもの帰り、いつもの道。
尻尾をゆらりと揺らしながら彼女は目の前に居た。
(野良だよね? サバトラか、初めて見る娘だな……)
「ナ〜オ」
「ナ〜オ」
指を出すとペロリと舐める。僕が目を細め顎下をコリコリと掻いてやると、ゴロゴロと喉を鳴らした。顎下、顎横、そして耳。軽くひっかく様に撫でていると、気持ちよかったのか「ナ〜」と鳴いて手に顔を擦り付けて来た。
僕はクスリと微笑んだ。
******
「ご主人様と呼ばれたい……」
「んぁ?」
机に突っ伏した恭一が変な事を言う。ご主人様って……誰によ……
あたしが睨んでると、恭一も気が付いたのか、ふにゃりと笑みを浮かべる。
「おー、ヒカルぅ……さっき可愛い娘がいてさぁ」
は? 何? 可愛い娘? あたしに黙っていつの間に!! 何? 恭一? 浮気? 浮気なの?
「睨むなよぉ、ヒカル〜」
あたしはプイっと視線を逸らす。他の娘の事を考えてニヤニヤする恭一を見たくなかったからだ。恭一とあたしとの付き合いは、ほんのちっちゃい時から。
いっつも恭一はあっちへフラフラこっちへフラフラ。あたしだけを見てればいいのに!! 今もあたしのご機嫌を取ろうと猫なで声を出してるけど、知らないんだから!!
******
塀の上に彼女が居た。
「ナ〜オ」
「ナァ〜」
向こうも僕の事を覚えていたみたい。指を出すと顎をスッと上げる。撫でて欲しいって事だね? よしよし良い娘だ。
昨日と同じ様に一通り撫でた後、手を彼女の足元に出す。彼女も僕の意図に気が付いた様で腕を伝って肩まで来てくれた。
ああ、やっぱり、一目ぼれで両思いだったんだ。彼女が僕の頬に顔を擦り付け尻尾を絡めて来る。
「家に来る?」
目を細めてそう言うと、彼女は「ナァ〜」と嬉しそうに鳴いてくれた。 【可愛い娘】(2/2)
******
「昨日彼女を家に呼んだんだよ」
「あぁ?」
嬉しそうにそんな報告をしてくる恭一にイラッとする。あたしと言う者が有りながら、そんな無神経な事を言うこの男に怒りすら沸き上がった。
……確かに「好きだ」なんて伝えてないけど、態度で分かりそうなものだと思う。き、恭一が呼べって言うなら、ご主人様って呼んで上げたって構わないのに……
なのに!!
決めた!! コイツんちへ乗り込んでやる!!
******
恭一の家まで来てみた。んだけど……さすがに少し怖気ずく。
部屋まで乗り込んでみて、恭一がその子といちゃついてる所に出くわしたら、崩れ落ちる自信が有る。
でも……
それ以上に恭一が他の子の所へ行くなんて耐えられない!!
あたしは覚悟を決めて部屋に乗り込んだ!
******
「あれ? ヒカル、どうしたの?」
あたしはヘナヘナと崩れ落ちた。恭一が嬉しそうにサバトラを撫でまわしていたからだ。
正直、涙が出た。
でも……
「ね、猫なら猫って言いなさいよね!!」
「え? 何の事?」 〆
作品一覧
>>2【メメントモリ】
>>8【愛を込めて貴方にささやく】
>>13【まだはじまらない物語】
>>21【もみじさん】
>>32【可愛い娘】 お題『台風』『プロテイン』『登場人物が踊る』『ペシミスト』『水』
締め切りは12月3日 22時です! >>32
前回お題『視点変更』『ご主人』『動物』の組み合わせにチャレンジ! 拾われたサバトラ〜
さあ作者が『視点変更』を中心にストーリーを組んだ〜物語は恭一さんとヒカルさんの視点交代で進行だーどんだけ定番ラブコメかw
ラストはヘナヘナと崩れ落ちるヒカルさんー部屋に居るのがどこぞの女子でも猫でも同じ事! いずれにせよ彼女は崩れ落ちる運命だ〜お題は無理なく消化したぞ!
うん、これは読者に物語の楽屋裏が見えてる上にお約束な流れだね、一気に振り切ったオチが欲しかった〜たとえば最後は猫に『視点変更』して吾輩は猫である冒頭に直結させるとか(←無茶苦茶
しかしヒカルさん、本当に問題なのはきみが家に行ってもドギマギする様子すら見せない恭一さんとの距離だぞ、頑張れいw いつも感想有難うございます
ヒカルを幼馴染にするか飼い猫にするかで、ずいぶん悩みました 使用お題:『台風』『プロテイン』『登場人物が踊る』『ペシミスト』『水』
【Show time】(1/2)
「1、2、1、2、1、2、3、4!!」
ガラス張りのダンススタジオ。軽快な音楽と共にステップを踏む6人が、一回転して右手を天にかざすのと同時に音楽が終了する。
「良し! これで休憩だ!! 休んだ後、もう一回、通すぞ!!」
「体を動かした後だからな! ミネラルウォーターとプロテイン飲んどけよ!!」
「うっわぁ、凄い雨音だと思ったけど、えらい嵐に成ってるなぁ」
「ああ、台風が来てるらしいぜ?」
「マジ!?」
リーダーと思しき赤毛の男の号令で、皆が一斉に休みを取る。中にはそのまま倒れ込む少年もいる。
「KEN、寝転ぶのも良いが、身体は冷やすなよ?」
「……SHOWさん……」
KENと呼ばれた少年は体を起こすと、SHOWが差し出した水とタオルを受け取る。
「? どうした? KEN」
「オレ、このままチームに居て良いんですかね?」
「KEN?」
KENは立ち上がりSHOWと向き合う。
「オレ、足手まといじゃないですか? さっきもステップが遅れたし! 正直、付いて行くだけでいっぱいいっぱいだし!」
「KEN……」
「そんな事なんて無いなんて言わないでくださいよ? オレ、分かってるんです!! このままじゃ皆の足を引っ張るだけだって! でも!!」
何とかフォローを入れようとするSHOWを拒絶するかの様に頭を振るKEN。声を掛けようとしたSHOWに先んじて金髪の偉丈夫が拳を振り上げた。
「こぉの!! ばかちんがぁ!!」
「きんぱちっ!!」
「お、おいRYU!!」
「RYU……さん?」 【Show time】(2/2)
RYUに殴られ床に倒れ込んだKEN。そんなKENに構わずRYUが言葉を紡ぐ。
「未熟? 当たり前だ!! お前がチームに合流したのは1週間前だろうが!!」
「だ、だから!!」
RYUの肩をポンと叩いて、SHOWが一歩、KENに歩み寄る。
「だが、お前はついて来ている」
「SHOW……さん?」
「SHOWの言う通りだ」
「AKIRAさん……」
プロテインを呷りながら、黒髪の男が話に加わって来た。
「たった1週間で俺達と肩を並べられる……それが出来る様な奴をどう言うか分かるか?」
「天才……って言いたいんだろ? AKIRA」
「おいおい、俺の台詞を取るなよSIN」
「SINさん!!」
AKIRAをからかう様にオレンジ髪の男……SINが口を出す。AKIRAは苦笑しながらも「まぁそうだ」と肯定した。
「そうだ! 今お前はこの台風の中に居る様なものだ!!」
「茂三さん」
「だが、どんな嵐もやがては過ぎる!! 日はまたさすんだ!!」
「あ、うん、その例えはちょっと違うと思います」
「え?」
「ああ、言い忘れてた。茂三、お前、本番はボイパ係だから」
「SHOW!?」
「大会参加人数、5人までなんだわ。悪いな茂三」
「RYU!!」
「しょうがないよな、お前が一番下手なんだし」
「AKIRA!?」
「はい! おっつかっれさ〜ん!!」
「SIN〜!!」
そう言ってチームメンバーは最終調整に入って行く。一人残された茂三の叫びが、ただ空しく木霊した。
「プ、プリーズ! プリーズ、フォロー、ミー!!」
嵐の夜は更けてゆく。 >>45
今回はお題5! ルールは簡単、5個のお題から使用するものを選択して文脈に入れ込んで話を作る〜もちろん全部使ってもOK
さっそくの挑戦者45氏が描くはダンスユニット〜選択お題はフル使用だあ!
さあ「ダンススタジオ」でリーダーが「ミネラルウォーターとプロテイン飲んどけよ」の一言を放ち『登場人物が踊る』『水』『プロテイン』をクリア!
「ああ、台風が来てるらしいぜ?」が『台風』をクリア! 悩める新入りKENが『ペシミスト』をクリア〜だ! 勢いがあるぞ、違和感はなし! きんぱちってなんだ……金八先生かw
ラストは茂三さんがいじめられて終わる悲惨オチ! お題をただ消化するだけでなく前半でちらつかせた『台風』を茂三さんの決め台詞に入れ込んだことで話にオチをつくる、手練れ45氏の妙技、炸裂! きんぱちが気になるw 感想有難うございます
「この、ばかちんが」と言う金八先生の台詞に合わせてと言う事でもありすが
RYUの“金髪のパンチ”→“きんぱんち”→“きんぱち”と言う駄洒落でもあったりします 使用お題:『台風』『プロテイン』『登場人物が踊る』『ペシミスト』『水』
【罪と罰】(1/2)
シルバーウイークを利用して数年遅れの新婚旅行に行った姉夫婦の代わりに、姪っ子の夏鈴ちゃんや義兄さんの妹さんの見晴さんの世話をしに来た僕は、しかし近年最大と言う台風に邪魔され、遊びに行く事が出来なくなっていた。
一緒に遊園地に行く予定だったにも拘わらず、まともに外出すらままならない状態で、二人とも少し不貞腐れ気味だ。
「えっと、何かごめん」
「? 何で浩人さんが謝るんですか?」
僕は少し言い淀んだけど、素直に言う事にした。
「あ、うん、僕、実は雨男で、こう言った外に遊びに行くときって、高確率で嵐や台風に成ったりするんだよ……一応、天気予報見ながら予定を決めたんだけど……まさか、直撃するとは思わなかったよ……」
「え? 今回の台風は足が速くて、予想も出来難かったんですから、決して浩人さんのせいでは……」
「もう!! おじたん!! だめです!! めっです!!」
美晴さんはそう言ってくれたんだけど、夏鈴ちゃんはご立腹の様だ。
「わるいことをしたら、ごめんなさいをするんです!!」
「ちょっと、夏鈴! やめなさい!!」
「はい、御免なさい」
「浩人さん! 良いんですから!」
フンスと鼻息の荒い夏鈴ちゃんは、リビングの戸棚から何かを持ち出してくる。
「あ!!」
「え? 何?」
何かに気が付いた見晴さんが声を上げるが、それは直ぐに判明する。
「青汁と……プロテイン?」
「これをのんでください!」
「ちょ、夏鈴!! ごめんなさい、浩人さん!! この間テレビのバラエティーで使ってるのを見たから……」
ああ、成程、罰ゲームで使ってたのか、そう言えば僕も見た覚えがある。
「これ位で罪滅ぼしが出来るなら、いくらでも飲むよ」
「浩人さん!」
夏鈴ちゃんはご満悦なのか、嬉しそうに青汁とプロテインをコップに注いでいる。
「はい!」
「え?」 【罪と罰】(2/2)
それを見て、流石の僕も息を呑む。そのコップに注がれているのは粉末そのままだったからだ。
「あ、あの浩人さん、無理しなくても……」
「いや、美晴さん、僕はこれを飲まなくちゃいけないんだ!! 夏鈴ちゃんに許してもらう為にも……」
(いや、この位で許してもらう事なんて出来ないかもしれないけど……)
僕は意を決してそれを呷る。
「ぶふぉ!! げほ! ゲホゲホ!! ぶへ!!」
「浩人さん!! あ!! お、お水を!!」
むせる僕を見て美晴さんが慌てて水を汲んで来る。その間、夏鈴ちゃんは僕の事を見て大笑いをしていたけど……
******
「おいたんはだめですねぇ!」
「ちょっと、夏鈴!!」
やはりこの程度では夏鈴ちゃんは許してくれなかった。美晴さんが嗜めるけど、これは僕の罪、甘んじて受け入れないと……
「では、つぎはおどってください!」
「は?」
「おどってください!」
「ちょっと、夏鈴!! ああ、浩人さん、すみません!!」
「いや、良いんだ美晴さん、こんな事で夏鈴ちゃんが許してくれるなら僕は喜んで踊るよ」
「ええぇ……」
どうするか少し思案して、僕はゴーストなバスターズのメロディーを口ずさみながら、マイケルなジャクソンさんばりの動きで踊り狂う。
その動きに夏鈴ちゃんは目を輝かせ、美晴さんは口元を押さえて肩を震わせていた。
******
『浩人! あんた夏鈴に何おしえたの!?』
電話口で姉さんがそんな風に聞いて来た。何でも夏鈴ちゃんが月で歩く様な動きをしたり、やけに元気なゾンビの動きをする様に成ったんだとか。
その事を訊ねられた美晴さんは、思い出し笑いで話が出来ないとかで、僕に聞く事にしたんだとか……
……どうやら、僕の罪はまだ許されていないらしい。 お題『台風』『プロテイン』『登場人物が踊る』『ペシミスト』『水』〆
作品一覧
>>45【Show time】
>>49【罪と罰】 まったり行くのはどうかな
一週間お題5個で運用など 師走なので、作家先生は忙しいのやもしれませんね
そもそも日曜になると参加が減ると言う、不思議スレでもありますが ルールとかテンプレ的なものを入れてくれると助かる
初めて来たが、若干分かりにくかった ひとえに進行の力量不足です…すまぬ…
一週間でやってみよう
次のお題『>>58-62』 気楽にねw
途中でルールのアナウンスするのもアリだね お題『ロボット』
進行さんが提示した安価に上がったお題を使って短編小説を書くスレですね
投稿のルールは>>1を参照で
基本は
1 進行さんが安価を指定
→
2 住人がお題を書く
→
3 進行さんが、お題と使用数、締め切りを提示
→
4 住人が短編小説を投稿
→
5 住人がそれに対して感想を書いたりする
→
締め切り迄4-5を繰り返し
と、言うのが基本的な流です
今のところ、投稿ルールさえ守っていれば、一人で複数の投稿も有りです
但し、ここに投稿した短編小説をそのままよそにアップする事は認められていません
どうしてもアップしたい場合は、アップしてから投稿……と言う形になります
これは、成りすましで作品を使われない為の処置なので、仕方ないかと思いますね 鼻血
ここから出たまひるちゃんが長編連載に昇華してたね。なんかほっこりした
のんびり頑張りましょ〜 一人以上の登場人物が気絶する
すみません、連載させてもらってます
報告などした方がいいのかなと思いつつ、下手な宣伝になってしまうかもとひっそりやってました
このスレのおかげで書いてて楽しいキャラが生まれたのに黙ったままですみませんでした
名前があがったので、タイミングに乗らせていただいてお礼だけ失礼します
ありがとうございました お題『ロボット』『切り札』『冬』『鼻血』『一人以上の登場人物が気絶する』
締め切りは12月10日 22時です! ルールまとめありがとう…このあたりもテンプレに足したほうがいいね ところで昔に使ったお題を出すのはありですかね?
ゴリラの話また見たい 同じお題がまた出るのは好ましくないけど…
じゃあ年末に11、12月度のお題から選りすぐりのを使う総集編みたいなのをやってみる? 進行さん的に微妙だったらなしでいいですよー
一回やったものだと書く人いないかもだし! サイコパスと入れ替わりの異世界転移も連載しないかな >>49
前回お題5つフルチャレンジだー題目は罰プレイ!
もはや当然かのようにお題全使用するスレ住人w 好きだね〜
舞台は親戚宅〜演ずるは、えーと、姪と義兄さんの妹さんの見晴さんと世話をしに来た僕、って長いわw
さあお題クリア状況はどうか、状況説明で『台風』消化〜人物説明で『ペシミスト』消化〜罰ゲームで『プロテイン』『登場人物が踊る』『水』消化〜おお、見事な使い分けで違和感ない
見ものなのは粉末をイッキしても満足しない夏鈴ちゃんですよ、「おいたんはだめですねぇ!」←なんだこのガ…子供w
オチはほのぼの! 罪の意識に苛まれるペシミストによる天丼フィニッシュがガッチリ決まった〜 見事49氏、しかしこの主人公はあれだね悲観論者というよりMの人だねw いつも感想有難うございます
夏鈴ちゃんは、大体4、5才位の想定ですが、この位の女の子はやたらと母親の真似をしたがるので、この子のやっている事は、普段、彼の姉が義兄に対してやっている事の真似です
まあ、主人公がMな事は否定できませんがw >>69
取り敢えず書き貯めています
ご期待に添える出来になれば良いですが
アップするときはアナウンスすると思いますので、お題スレ投稿作品のタグから探していただけると幸いです >>72
がんばー
楽しいからここ発祥の連載が増えると嬉しい >>63
お題って、それ全部使うのですか?
3個だけチョイスとかでもOKですか? >>74
一個から可です
全部盛りたがる変人がこのスレには多いだけです(ほめてる) 【物理的アップグレード】(1/2)
使用お題『ロボット』『切り札』『冬』『鼻血』『一人以上の登場人物が気絶する』
午前4時。ロボットの朝は早い。
ルームメイトの海子がぐっすり寝ているのを確認すると、型番U-01はそっとベッドから抜け出して洗面所へ静かに入る。
電気を点け、一息ついて鏡を見つめた。見た目は人間の女の子となんら変わりない。手で触っても人工的な素材で組成されたものだとはまず分からない。
「肌の質感よし、髪のコーティング異常なし。バッテリー残量は……ちょっと怪しいな」
指さし確認による点検を行いつつ、背中の外装の一部を開けてパジャマの下からプラグを伸ばし、壁のコンセントに差し込む。時折こうして充電をしなければ、彼女は稼働を続けることができない。
海子には知られたくない。ロボットだなんてバレたらきっと今の関係が壊れてしまう。
だから彼女は本来ロボットには不要な睡眠をきっかり6時間、スリープモードで過ごしているし、毎朝早くにメンテナンスを行っていた。
「あれー、こんな時間にどうしたの、ゆいちゃん」
「う、海子……!?」
いきなりの思いがけない呼びかけにすっとんきょうな声をあげてしまった。見ると、寝ていたはずの海子が洗面所の入り口に立っていた。
今、型番U-01の背中からはプラグが伸びている。海子の位置からは見えないが、非常にまずい。
「ううっ、寒い寒い……ゆいちゃんも早く布団に戻ろう?」
海子はまだ眠そうな顔で、しきりに身体を震わせながら近付いてきた。
寒い……そうか、今は冬だから寒いのか。
感覚器官が人間より劣っている型番U-01には、季節や気温の変化を忘れてしまうことがあった。
手の届く距離まで寄った彼女に、優しく声をかける。
「ごめん、起こしちゃった? 私は……もう目が冴えちゃったからさ、海子一人で戻っててよ」
間近で見ると、目は半分寝ているものの海子の顔は可愛らしく整っているのがよく分かる。
そして何よりスタイルが良い。惚れない男はいないであろうメリハリのある身体は、見ていてとても羨ましい。
まるで子供みたいな体型に意匠をした自分のデザイナーがちょっと恨めしくもある。 【物理的アップグレード】(2/2)
「んー、そう? じゃあもう一眠りしようかな」
やはり寒さには勝てないのか、深く追及はせず引き返そうとして彼女は背を向ける。
今がチャンスだと後ろ手にプラグを引き抜いた直後、海子が足をマットに引っ掛けて盛大に転倒した。
床に強打したのか、ううっと呻きをあげて顔を押さえた手からは鮮血がこぼれる。
「だ、大丈夫っ!? 鼻血が……!」
知識には知っていたが、初めて血液を見た型番U-01は動揺が隠せないでいた。
倒れた海子の側にかがみ、彼女を腕に抱える。
一体どうしたらいいのか、蓄積されたデータベースをひっくり返して対処法を検索していると、突如、海子がハグをするかのようにしがみついてきたのだった。
服の内側に潜り込ませてきた彼女の手が型番U-01の肉体をまさぐり、ついには触れられてはならない秘部に到達した。
「なっ……! 何を──」
強烈な刺激を背中のプラグ口に受け、型番U-01はまともな思考を構築する暇もなく機能を停止させた。
死んでしまったわけではない。絶縁素材で作られた皮膚の内側から電流を受けたのではひとたまりもなく、緊急停止装置が働いたのだ。
対ロボット用の切り札とでも言える、超高圧スタンガンを放り投げた海子は袖口でごしごしと顔の血を拭い、見開いたままの型番U-01のまぶたをそっと閉ざしてあげる。
「ごめんね、ゆいちゃん。でも安心して、クラウドを通して記憶の同期は完了してるから。これからはもっと人間らしく──寒さを肌で感じて、時には血を流して……もう隠れて充電なんてしなくてもよくなるんだよ。
もうすぐ海子としての人格データは上書き消去される。ゆいちゃんは海子の存在を忘れちゃうけど……これからは私のこのボディで、新しいゆいちゃんとして生きるんだよ」
動かなくなった型番U-01の身体を抱き、海子──後継機U-35は嬉しそうに、だがどこか悲しさを含んだ顔で微笑んだ。 >>76
試作実験中なのでしょうか?
アップグレードの度に一体ずつ犠牲に成るとすると、悲しいですね
中には反抗してゆいを壊そうとする個体も居るかもしれませんね
それはそれで物語になりそうですが >>76
色んな背景を匂わせるこれは、もしかして続くのでは?
それにしても全盛りチャレンジャーの多いスレだw >>76
待っていたぞ進行氏、お題フル使用に挑む、隠密型AIの登場だ!
さあお題消化はどうか、登場人物で『ロボット』、季節で『冬』、どんでん返しで『切り札』『鼻血』『一人以上の登場人物が気絶する』を消化、おお違和感はないぞ
ロボットゆえの思惑、感覚、動揺、しっかり心理劇も描いている〜百合エロまで盛り込むサービス心w いいぞいいぞ高品質だ進行氏!
ラストはあっと驚く型番オチで決めたあ! 型番U-01ゆい、U-35海子は語呂合わせ〜物語の本筋はゆいのドラマではなく高知能AIを欺くためのアップグレードか〜ド直球のタイトルも予想外だ
型式の相違を突いた切なさ滲む格差オチ! 張り巡らされた伏線はクソ巧妙! 策士・進行氏が高いテクニックを魅せたあ〜スレ民がさっそく次の話を要望だ〜海子の次世代機はオサムだろうがなw 感想ありがとう〜百合エロは進行の趣味ですw
海子の身体を羨む描写を強引に入れてみたけど、いい伏線になったね 使用お題:『ロボット』『切り札』『冬』『鼻血』『一人以上の登場人物が気絶する』
【雪の決戦】(1/3)
山間にあるこの学校では、冬に成れば一面の銀世界となる。毎年の事ではあるが、それでも子供達は定番とも言える遊びを飽きもせず今年も行うのであった。
「くふっ、くふふふふ! 勇也!! 今日こそあんたとの雌雄を決する時よ!!」
「ハカセェ、危ないから降りなよぉ」
「小凪、無駄」
三つ編みデコ眼鏡。級友からは“ハカセ”と言う愛称で呼ばれる宮内 博子が、雪で作られた防壁とも言える場所に立ち、その対面に同じ様に作られた防壁から顔を出している一人の男子に指を突き付ける。
その後ろでは友人の大川 小凪がオロオロとしながらも博子を心配し、同じく友人の笹川 美亜が達観した様に呟く。
「……オレは男で、お前は女。雌雄は端から決してるだろ?」
「ちゃうわい!! 慣用句位理解しなさいよね!! 兎も角、雪合戦で勝負よ!!」
そもそも雪合戦をすると言う事で呼び出されたのだ。ここまで来ておいて、今さら嫌だ等と言うはずも無い。大森 勇也は“しょうがねえなぁ”と言う表情で「分かってるよ」と言った。
その勇也の隣では、加賀 清が文庫本を黙々と読んでいる。
「ルールは玉に当たったらアウト。だけど、叩き落とした場合その限りではない! 良いわね?」
「良いぜ〜」
「ふ、その余裕、何時まで続くかしら?」
博子の眼鏡がキラリと光る。
「この日の為に私が作った! 雪合戦決戦ロボット! “すのうまん1号”!! おいでませ!!」
『イエス、マイ、マスター』
「ちょ、おま!!」 【雪の決戦】(2/3)
博子の陣地から出て来たのは雪だるまを模したフォルムのロボット。勇也が文句を付ける前に、博子は「スタート」と、開始の合図をする。
と、すのうまん1号が猛然と雪玉を投げ始めた。
「ねぇ、ハカセェ、やっぱりこれって卑怯なんじゃぁ……」
「何を言うかな小凪くん! 『勝てばよかろう』なのだよ!!」
1秒間に36発もの雪玉を投げられ、優也達は陣地から顔も出せない。
「ちっ、ハカセのヤツ無茶しやがる」
「ほう、のっけから切り札を使ってきましたね、まぁ、想定の範囲内です」
「なら、こっちも容赦しなくていいな?」
「ええ」
清が本をパタンと閉じ、後方に控えていた大西 勉に合図を出す。勉は、鼻息を荒くしながら、一抱えもあるそれを「ぬむんりゃぁ!!」と、ハカセ達の方へ放り投げた。
「な!!」
勇也達の陣地から投げられたそれを見て、博子は一瞬言葉を失う。
それは、あまりにも大きすぎた。何より雪玉と言うには大雑把で武骨だった。それは、ただの雪の塊にしか思えなかった。
「す、すのうまん1号!! 迎撃!!」
『イエス、マイ、マスター』
すのうまんが手数を増やす。だがそれも、雪塊に対してはあまりにも無力だった。自らの陣地に落ちて来る雪塊を女子三人は辛うじて避ける。いや正確には小凪だけは美亜に引っ張られ、何とか無事なだけだった。
「ちょ、アンタ達! 汚いわよ!!」
「お前が言うか!!」
「だ、ダメだよぉ! ハカセェ、そんな所に足を掛けたら危ないよぉ」
博子は余程、憤慨したのか防壁に足を掛け、飛びかからんとするかの様に身を乗り出す。小凪は抱きついて必死でそれを止める。 【雪の決戦】(3/3)
「……毛糸か」
「……毛糸ですね」
「あ? 毛糸? ……!!」
男子二人が呟いた言葉の意味を理解した博子が慌てて自らのスカートを押さえる。
「こぉの!! やれぇ!!すのうまん!!」
『イエス、マイ、マスター』
真っ赤になった博子の命令で、先程より更に激しく雪玉が投げられる。
「うお! さらに激しくなった!!」
「ですが、向こうの攻撃では我々の攻撃を無効化できない事は実証済み……勉君! やってください!!」
「…………」
「勉君?」
反応の無い勉に何事かと視線を遣ると、彼は鼻血を出して倒れていた。彼にとっては毛糸のパンツですら十分に刺激的だったらしい。
「勉ぅ!!」
「勉君〜!!」
その慌てた様子は、博子の陣地にも十分伝わっていた。
「好機!! 行け!! すのうまん!!」
『イエス、マイ、マスター』
更に回転数が増すすのうまん1号。その横で高笑いする博子を尻目に、小凪の袖を引いた美亜がその場から離れて行く。
「ど、どうしたのぉ? 美亜ちゃ〜ん」
「ん、ハカセの発明だから、そろそろいつもの時間」
「え?」
「くふっ、くふふふふ!! 圧倒的では無いか! わが軍は!!」
カッ!!
「え? ……うにゃあああああぁぁぁぁぁ!!」
「どわあああああああぁぁぁぁぁ!!」
「想定外ですよこんなのぉぉ!!」
******
女子二人が覗き込んだ直系10mのクレーターの中では、男女4人が仲良く白目をむいていた。
「……南無」
「生きてるから!! 気を失ってるだけだからぁ!!」 >>85
連続でお題全使用だ! バトルステージは山間の学校、男子と女子(+ロボ)に分かれて決する雌雄〜大雪をも溶かす熱きスノウバトルの幕が切って落とされた〜
作者85氏が前半でお題『ロボット』『切り札』『冬』を撃ち倒し、ハカセが高笑いでストーリーを主導w
「それは、あまりにも大きすぎた。何より雪玉と言うには大雑把で武骨だった。それは、ただの雪の塊にしか思えなかった」←ベ〇セルクじゃねえかワロタ
純朴系の大西君が『鼻血』をクリア、ラストはやっぱりこうなる手作り工作爆発オチw 『一人以上の登場人物が気絶する』でいいのに四人が気絶〜ハイこれは防御姿勢の取れなかった大西君の安否が懸念されます
要所に使われるお題、爆発によるオチ醸成、バランス感覚が冴える85氏! てかこのチームの愛おしい雰囲気は何なのか、一人ひとりのキャラが熱き友情の模様を織り成して寒さをバックにそれが映える〜彼らの思春期青春ドラマが観たいぞ!85氏ヨロシク >>85
パロディ満点のどこか懐かしい子供の雪合戦!
爆発オチなんてry >>88
いつも感想有難うございます
大西くんは、脳筋系バグキャラなので、きっと平気ですw
色々ツッコミどころ満載な子供達ですが、書いてる側も楽しんでやってました
>>89
全てのネタが20年近く前と言う
それでも通用するのが恐ろしいですね うーむやっぱり一週間は長すぎる気がしてきた
一週間を3日4日で分けて〆る曜日を固定させてもいいかも? 土日ふむ方を3日にしたいねー
月〜木/金〜日または火〜金/土〜月 むしろ土、日で分ければ……いや、このスレ土日は人がなぜか消えるもんなぁ
なぜかっていうか、俺が参加するときは通学時間に一時間ちょっとで書かせてもらうことが殆どだし、似たような人も多いんだろうけども 使用お題:『ロボット』『切り札』『冬』『鼻血』『一人以上の登場人物が気絶する』
【機動戦記ガルデオン】(1/3)
「ちいぃ!!」
「簡単にはやられんよ!!」
高速機動をする2機のロボットが、お互いの頭を押さえようと、激しいドッグファイトを繰り広げていた。
青をベースとしたトリコロールの機体は、風間 未来の駆る連合政府の最新鋭機ガルデオン。対する赤と黒のカラーの機体は、メデュン・アッサーの駆るユニオンの最新鋭機クシュ・ベーデ。
両陣営のエースの戦いは、機体性能でガルデオンが勝る物の、パイロットの実力差によって力は均衡し、そうそう決着はつかない。
彼らの周りでは汎用量産機同士が同じ様に戦いを繰り広げている。
『未来、奴等の戦艦の行動がおかしい。何とか離脱して、そちらを押さえられないか?』
「無茶を言う!! それが出来る相手なら、最初から手古摺りませんって!!」
現在両軍は、太平洋にあるメタンハイドレード採掘プラントの攻防を行っていた。かつては死の海域と恐れられたこの場所は、次世代燃料であるメタンハイドレードが相当量埋蔵されており、ここを手に入れる事でエネルギー事情が一気に解決される。
『メデュン!! 大変だ!!』
「……どうした? 私もそれ程余裕はないのでな、簡潔に頼む」
『“老人”共が核を使用した!!』
その報告を聞き、メデュンが舌打ちをする。
エース同士の対決は互角と言っても良かった。だが、趨勢で見ればユニオンは押されている。その為、老人……ユニオンの上層部は、この海域のメタンハイドレードを連合政府に利用させない為に、核によって焼き尽くすつもりらしい。
「老害共が、核の冬を起こすつもりか!」
メタンハイドレードの眠っている海域は広い。それを全て焼き尽くそうと言うのであれば、1発2発の核弾頭ではとても足りないだろう。
確実を期すのであれば、相当数の弾数が必要となる。
メデュンは不自然に海域から離脱している自軍の戦艦に気付いた。
「兵士を見捨てるつもりか? なら、ミサイルは発射された後と言う事か……」 【機動戦記ガルデオン】(2/3)
メデュンは逡巡も無くオープンチャンネルを開くと、全ての兵士達、そして未来に呼びかける。
「聞こえるか? 少年、戦闘停止を申し込みたい」
「? メデュン!? 何を企んでる!」
「少しばかり手違いでね、核が使用された」
「な……に?」
メデュンの言葉に未来が言葉を無くす。
「私としてもこの星を汚染するのは本意では無い。ここは一つ、ミサイルを無力化する為に協力し合わないか?」
『その提案、受け入れよう』
「艦長!?」
敵との共闘とも言える提案を受ける艦長の判断に未来が驚く。しかし、ある意味納得もした。核が使用され、一部のユニオン戦艦以外が未だ残されている事を考えれば、兵士達は見捨てられたと言う事だろうからだ。
「核ミサイルと思われる飛行物を47機レーダーで捉えた。爆発させない為には、全ての信管を撃ち抜かなければならない……やれるか? 少年」
「無茶を言う! だけど、やらなけりゃ、皆、死んでしまうって言うのなら、やりますよ!! 艦長! Mシステム使いますよ!」 【機動戦記ガルデオン】(3/3)
未来のオーダーに艦長が眉を顰める。
『あれは、切り札として隠しておきたかったのだが……仕方ない。許可する』
「ほう? その機体、まだ力を隠していたのか」
「これだって完全じゃない! 出来るだけ数を減らしてくださいよ! 貴方なら出来るでしよ!!」
「フッ、了解した」
両軍の量産汎用機では精密射撃が出来ない為、殆どの兵士は距離を取る。しかし、それでも腕っこきのパイロット達は果敢に迎撃を始めた。
そんな中、未来はガルデオンに搭載されたMシステムを起動する。Mシステムは、平行励起された並列世界の中から最も最適な結果を選択させるシステムであり、完全であれば、必ず成功する結末を選択する事すら可能なのだ。
だが、不完全な今は、パイロット自身がその選択をしなくては成らない。
その為、今、未来の頭にはあらゆる可能性が雪崩れ込み、オーバーフローを起こしていた。
脳の負荷の為、未来の鼻から血が滴る。
「たかがミサイルくらいで!!」
ガルデオンの照準を一瞬で合わせた未来は、そのままトリガーを引いた。
ライフル、バルカン、ガトリング、キャノン砲と言った全ての武装が発射され、それは最適解を得て、次々にミサイルを無力化してゆく。
「これが、その機体の真の力と言う事か!」
爆発もせず、次々に海中へと落ちて行くミサイルを見ながらメデュンは背に冷たい物を感じる。と、未来の様子がおかしい事に気が付いた。
「少年?」
パイロットが気を失った為、機体が出力を失いグラリと傾いたガルデオンをメデュンは咄嗟に支えてしまう。
「私は何を……いや、そうか……」
宿敵を葬る絶好のチャンスを棒に振ったメデュンだったが、その心は不思議と穏やかな物だった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています