安価・お題で短編小説を書こう!2
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安価お題で短編を書くスレです。
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■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/ お題『ドンマイ』『良くある』『寝落ち』『頑張れ』『食いしんぼう』投票締め切り
>>672【ジョアンナの物語】一票 >>678【すくすくそだて】 に一票
久しぶりに来たけど楽しそうなのでまた参戦させてください。お題は任意消化でいいんだよね? >>694
ありがとう、でも全部お題を使っていくスタイル
使用したお題;『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
【宝探しと一番の宝物】
幼馴染からいきなり宝の地図を渡された。いくらなんでも突拍子がなさすぎるだろう、お前。高校生にもなってこんなことするなんて、バカかと。
「そんな寂しいこと言うなって。昔からの友達だろ? その地図のバッテンのついたところには秘宝が隠されてるんだ、ちゃんと見つけてくれたまえ」
何が秘宝だ、小学生じゃあるまいに。と最初はアホらしく思っていたのだけど、さすが付き合いが長いだけあった。僕の弱いところをよく知っている。
デジタルなゲームも好きだけど、こういうアナログな遊びもまた大好きなのだ。ましてや地図というのがなかなか巧妙で、山と海をカレーライスに見立てたり、圏央道を五線譜になぞらえて謎解きをさせたりと、なかなか遊び心をくすぐってくる。
最初は高校卒業間際の長年の友人からの気まぐれだからと嫌々宝探しに付き合ってやっていたが、気づいたら謎解きに夢中になっていた。途中から必死に頭を巡らして僕は宝の場所をなんとか探し当てることができた。一緒についてきた幼馴染に渾身のドヤ顔を見せつける。
ただ、ちょっとこの場所に違和感を覚えた。
なんで小学校なんだよ、僕らの。
「懐かしいじゃないかマイフレンズ。宝の場所も近いだろう。最後の謎は君に任せた。自力で解いてくれ」
そう言うと幼馴染は少し寂しそうな表情を浮かべて、夕暮れの中一人勝手に帰ってしまった。最後まで見届けないのか、と僕は何か拍子抜けの気持ちだった。
僕はもう帰ろうかとも思ったけれど、最後の謎というのが気になった。最後の謎まで解かないとアイツに馬鹿にされる気がしたし、それになぜか宝を見つけなきゃという義務感があった。
用務員さんにスコップを借り、宝の場所を掘り返してみる。するとそこには見覚えがある小汚い金属の箱があった。
これ……、タイムカプセルじゃん。うわ、懐かしい。
これは僕と幼馴染が埋めたタイムカプセルだった。こんなものがあったなんてすっかり忘れていた。僕は手が汚れるのも構わずにタイムカプセルを手に取った。妙にずっしりと重い。
少し気がとがめたけれど、ほんのちょっとだけ中身が気になった。自分が何を入れたか思い出したいし、アイツが何を入れたか勝手に見てやろうとも思ったのだ。人に謎掛けするだけしといて勝手に帰った罰だ。
開けると箱の中から……なぜか大量のトランプが出てきた。
うわ、なんだこれ? しかも全部赤? なんで全部赤のトランプばっかりなんだ?
箱の中にはトランプばかりがぎっしり入っていた。何セット分なのだろうか、その全部が赤色だった。
トランプの下に埋もれるように手紙が張り付けてあって「これが最後の謎だよ。君には意味がわかるかな?」と挑発的な文章が書いてあった。解けたら君のタイムカプセルの中身を返してやる、とも。
僕は大量のハートのトランプを見ながら、虚空に呟いた。
あのバカ女、一体何の意味があるっていうんだ、これ?
僕はしばらく考えて、考えて、考えて、ハッとして、ようやく答えを導き出すことができた。 遠回りな意思表示、果たして彼は自信を持って彼女に回答を言えたのか気になりますねw >>695
何やらノスタルジーを感じさせる新お題群にフルチャレンジ! タイムカプセルDearマイフレンド〜
さあ幼馴染から『秘宝』の地図を手渡された主人公が探索開始〜「懐かしいじゃないかマイ『フレンズ』」などと声を聴きながら、カレーライスに『楽譜』、何やら少年時代を思い出させるグッズの謎解きを経て、
『ずっしり』と重いタイムカプセルから得たものは赤のトランプ…幼馴染のメッセージは「これが最後の謎だよ。君には意味がわかるかな?」、あーうんうん、そういうこと、なるほどね…すまん全然分からん、どういうこと? って「バカ女」…女!? やられたw
幼馴染の言葉遣いを僕っ子形に加工して性別を隠蔽! トランプの赤が『ハート』なのも隠蔽! 全ては最後部の発覚ゾーンに向けた撹乱だァ!!
ゲーム巧者695氏がお題をノスタルジー感で一貫、ラストで読者へ投げ込んだノールックパス〜これを主人公がナイスキャッチしてENDォ!! 感想ありがとうございます。というか競馬実況風感想さん生きてたのかw
細かいところまで拾ってくれるところが相変わらずでありがてぇ、ありがてぇ・・・ 他に誰も投稿しないのかな。一人で2個目張っちゃうけどいいのかな……?
使用したお題;『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
祖父の遺品を漁っていたら、とんでもないお宝を見つけた。ズッシリとした箱がたくさんある倉庫の中、一つだけやたら丁寧に包装された箱があったのだ。
気になって中身を見てみたら驚いた。それは一枚の楽譜だった。
「この音楽を聞かせると、相手に惚れられる、惚れ薬ならぬ惚れ音楽の楽譜」
まさしく秘宝と言って過言ではない、とんでもない遺産だった。なんとこの音楽を聞かせるとホモ・サピエンスの情動を動かし、確実に相手から好かれるそうだ。祖父はこれを使って祖母と結ばれたそうな。
箱の表面に明記された惚れ音楽という単語と、その中に入っていた妙に緻密な取扱説明書をオレは一通り読んで……絶句した。
正直アホか、と。
優しかった祖父がこんなものを持っていたことに衝撃を受け、惚れ音楽というパワーワードに呆れ果て、一瞬本物だったらと妄想した自分のバカさ加減を自虐した。
そしてあまりのくだらなさに、あえて本当かどうか試してやろうと思った。
「で、私が呼ばれたわけか。君はいつも暇だなぁ」
この楽譜を見つけた直後のオレと同じような呆れ顔をして友人がため息をついた。オレは少しだけムッとしつつも言い訳をする。
「こんなアホらしい遊びに付き合ってくれるオレの女友達って言ったらお前くらいしかいなかったんだよ。いいだろ、お前も暇なんだし」
奴は「まあね」と軽く同意した。その後、パソコンの画面を覗き込む。
「にしても、こんな変わった音楽作成ソフトがあるんだね。知らなかったよ」
「大昔にあったイラストを描くゲームに、音楽作成するプログラムがおまけでくっついてたんだよ。それを本格的に使えるようにしたのがこれね。結構有名なもんだよ」
そう言って僕はシークエンサを起動する。赤い帽子を被った小さいおっさんが五線譜の上を走りだして、音符の上を飛び越すたびに音を奏でる。
惚れ音楽という名前に因んで少しでも効果をあげるべく、ハートの音符を多めにつけてみた。独特の音楽がパソコンの貧弱なスピーカーから流れる。
「どうだ、なんか変わったか?」
音楽が一巡りし、音楽が終わる。赤い親父がいなくなって停止した画面を背に、彼女に聞いてみた。
「変わるわけないよ。ただの音楽だし」
しかし奴は当たり前のような顔をして首を横に振った。まあそりゃそうだよなぁとオレは少し期待外れな気持ちをしつつ納得した。
女友達はもはや惚れ音楽に興味はないのか、パソコンの方を注視していた。操作したそうにマウスの方に手を伸ばしている。
「で、この後はどうするの? 終わり? 終わりだったらこの音楽作成ソフト使ってみていい? 遊んでみたい」
「いいよ。あ、その前に、ちょっと待って」
「なに?」
「どうせだし、これネットにアップしてみるよ。ネタ動画としては十分なネタになるでしょ。爺ちゃんの供養代わりにね」
「いいんじゃない? どうぞどうぞ」
そう言ってマウスを僕に渡してくれる。僕は世界的有名な動画サイトの自分のアカウントに今の音楽を再生した動画をアップした。
そしてシークエンサに乗っていた楽譜を上書き保存してからクリアして女友達に席ごと渡そうとする。奴はなぜか嫌らしく笑っていた。
「で、君はこの音楽を私に聞かせてどうしたかったのかな? もし私が君に惚れちゃったらどうするわけ?」
「いやいや、自意識過剰だろお前。こんなん効くわけないって思ってたし、お前もそう思ってたんだろう?」
「えー、でもわざわざ呼びつけて最初に聞かせるとか、なんか意図的なものを感じるなー。きゃー、ヘンターイ」
「うっせ、ほら、使うなら勝手に使えよ。俺は下でお茶入れてくるから!」
「はーい」
そうしてその日はオレの部屋で適当に遊び、夕方には解散した。僕は動画の再生数が、タイトルのインパクトの割にはあまり伸びなくって少しだけ残念に思った。
その後、オレはこの惚れ音楽のことをすぐに忘れた。
一か月後、大量の女の子がオレの下にやってくる大事件が起こるとは、この時のオレは予想だにしていなかった。 一人で複数投稿も大丈夫ですよ
登場人物は前回からの引続きなのでしょうか?
だとするとなんの進展も……
彼女の方に変化がなかった理由は押して知るべしですよねw 使用お題:『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
【エクスプローラズジャム】(1/3)
黄色い声援が飛び交い、舞台は熱狂に包まれている。
“オラクリア”
今では知らぬ者は居ない程のメジャーなロックバンドのコンサートである。
武道館の座席は超満員で、立ち見すら困難な状態だった。そのステージの上ではメインボーカルの野上 恭吾が、その透明感のある歌声で高らかに歌い上げながらも、その内心で思っていた。
(どうしてこうなった!!)
******
恭吾は目の前の石扉と手に持った楽譜とを交互に睨む。古代オラクリアの神殿、その地下通路に彼は立って居た。
ここに来るまでに幾つものトラップを解除し、時には罠に嵌り、隠し扉を見つけ漸く辿り着いたのが、この最奥の部屋の前なのである。
「……やはり、この楽譜が鍵か……」
ずっしりと重そうな石扉に刻まれているのは古代オラクリアの楽譜であり、彼が手に持っている物こそ、それを現代訳した物だった。
恭吾がクロッカス教授の遺したオラクリアの秘宝の在処を示したレポートを手に入れたのは2年前の事である。
それから彼は、あらゆる伝手を使い、ここまで来たのだが……
「……使用する楽器については何も書かれていないのか……クソッ」
扉の鍵と成っているのが、この楽譜の音楽である事は間違いないだろう。
しかし教授のレポートにも扉にも、使用する楽器についての記述は何一つ書かれていないのだ。音階がある以上、打楽器の類いではないのは確かだろうが、しかしそれが何なのかは、結局分からなかったのだ。
古代オラクリアでは音楽が神に奉げる神聖な物とされていた事もあり、楽器の類いも当然作られていた。
しかし、それらは既に失われて久しい。
おおよそ思い付くのはオカリナの様な石笛や、横笛の様な木管楽器。そしてハープやヴァイオリンの様な弦楽器であるが、確証がないため、試すまでには至っていなかった。
なぜなら、こういった仕掛けの場合、間違えれば何らかのトラップが作動する可能性が高いからだ。
「さて、何かヒントでもと思ったんたがな……」
「フッ。お困りのようだね、マイフレンド!!」
「お、お前はジョーン マクガルド!! また俺を付けて来たのか! この、ハイエナが!!」
「おっと、折角、君の為を思ってこれを持ってきたのに、それはツレないんじゃないかな?」
「……」 【エクスプローラズジャム】(2/3)
ゴッ!!
ジョーンの持っている物を見た恭吾は、無言で彼の頭を殴り下ろす。
事も有ろうに彼の持って来た楽器はエレキギター……古代オラクリアではまず間違いなく使われてなど居なかった楽器だったからだ。
「グオ! 悪かった! 君の怒りももっともだ!!」
「チッ、分かって居るなら……」
思いの他、素直に謝ったジョーンに恭吾は舌打ちをする。が、その後の台詞で思わず目を点にした。
「ギターだけじゃ足りないよな! 任せろ!! カモン! マイフレンズ!!」
「は?」
ジョーンの号令で人影が飛び出す。唐突な展開に恭吾は唖然とした。
「ベース、リヒャルト!!」
「Oh! Yeeee!!」
ギュィィィィ――――――ン!!
「ドラムス、牧田!!」
「………」
ドコドコドコドコドコドコドコシャーーン!!
「ギターはオレ!!」
キュラキュラキュラキュラキュラキュラキュラギャ―――ン!!
「そして! ボーカル恭吾!!」
「はあぁ!?」
「早くしろ!! 恭吾!! セッションは始まってるんだぞ!!」
「いや、ちょっと待て! そのドラムセットどっから持って……じゃ、ない!! いやホント待て!!」
気が付けば恭吾を除く三人は既に音楽を奏で始めていた。そして、間を置かず、遺跡が鳴動を始める。
「クソッ! トラップが作動し始めやがった!!」
「ハリー、ハリアップ、恭吾!! メインボーカルが歌わず、どうする!!」
「俺か!? 俺が悪いのか!?」
パラパラと小石が降る。今逃げたとしても、果たして脱出できるか分からなかった。
「ハリー! 恭吾!!」
「あー、クソッ!! それしか…………っ!! てか、この楽譜に歌詞なんか無いんじゃボケエェ!!」
「恭吾!! 音楽はソウルだ!! パッションだ!! ハートに浮かんだ思いをメロディーに乗せろ!!」
そう言っている間に壁にはヒビが入り、振動はさらに大きくなる。
「ぐああぁぁぁ!! やってやんよ!! こんチクショウ!!」 【エクスプローラズジャム】(3/3)
******
はぁはぁと荒い息を吐く。セッションが終わり、皆の周りには、やり切ったと言う達成感と連帯感が漂っている。
いつの間にか振動は止まり、辺りは彼らの呼吸音だけが響いていた。
「良かったぜ、恭吾」
「Nice!!」
「流石はジョーンが認めたヴォーカルだな」
「ああ、ありがとう…………じゃねぇ!! どうにか成ったから良かったが、おまっ、一歩間違えば全員生き埋めだったんだぞ!!」
果たしてそれがどういう作用だったのか、しかし、確かに4人のセッションで神殿のトラップは解除された様だった。
しかし、ジョーンにも確証がなかったであろう事は疑いようは無い。
「恭吾……」
その事で激昂する恭吾だったが、不意に真剣な顔に成ったジョーンに少し怯む。
「考えるな、感じろ!!」
「うるせええぇぇぇ――――――!!」
「Hey! look!!」
恭吾がジョーンに殴りかかろうとした、その瞬間、リヒャルトが指をさして叫んだ。
「と、扉が……」
「開いた」
******
「これは、スコアか?」
神殿の最奥の部屋、そこに収められていたのは粘土板に刻まれた大量の楽譜だった。
「!! そうか、そう言う事か!! 古代オラクリアで神に奉げられていたのは音楽だったな」
「アイシー、確かに、古代オラクリアでは秘宝と言う訳だな! そして、オレ達にとっても!!」
「ああ!」
うず高く積み上げられた粘土板。学術的にも民俗学的にも貴重なお宝を前に、恭吾とジョーン、ついでにリヒャルトと牧田が笑みを漏らした。
******
そして今、恭吾の姿は舞台の上にある。
あの後、古代オラクリアの魂を現代に継承するのは自分達しかいない等と3人によって言いくるめられた恭吾は、あの時見つかった楽譜を現代音楽へと編曲したアルバムをリリースする事となった。
それはたちまちヒットし、こうして全国ツアーをするまでに至ったのだが……
「何でだ、どうしてこうなった」
「恭吾……」
「……ジョーン……」
「考えるな! 感じろ!!」
「うるせえええぇぇぇぇ――――――!!!!」 >>702
ツッコミがボケに負けた話ですね。ボケ三人組、嫌いじゃないw
でもほらあれだ、最終的に仲の良いメンバーと音楽界での名誉っていう最高の宝を手に入れられたんだから、いいじゃないか(目をそらしながら) 感想有難うございます
きっと恭吾のツッコミレベルが足りなかったんだと思います
本職は考古学者ですからw >>700
お題五つにフルチャレンジ! ラブ・ミュジッーック!
さあ物語は『ずっしり』した祖父の遺品で開演〜出てきたのは、『秘宝』惚れ音楽の『楽譜』! 爺ちゃんの気まずい黒歴史だw
見覚えアリの喋り方をする女友達がさっそく試聴〜『フレンズ』は「女友達」で消化ってことか〜
『ハート』の音符で彩られた惚れ音楽の効き目やいかにって、うわ…効かねえし…爺ちゃん恥かき損かよと思ったら
最後の一行でやっぱり効いていた〜って変化のない女友達は!? なるほど、うわっ最初から効いているんだよとかそういうお洒落な感じ!? 女口説きの熟練者700氏が全お題をクリアしつつ華やかに決めたぞー
>>702
続いて全お題に挑戦だ、魂のシャウトIN洞窟〜
さあ主人公の恭吾さんが目にするは、『ずっしり』と重そうな目の前の石扉、手にする『楽譜』はクロッカス教授の遺したオラクリアの『秘宝』だ〜、それっぽい設定だなw
ジョーン マクガルド「カモン! マイ『フレンズ』!!」←うん、一応ジョーン マクガルドで検索したが何も出ねえw
ここで見逃せないのはキラーお題『フレンズ』の消化〜friendは「一人」、friendsは「複数」、自然に使うのが意外に困難! 出題した人はけもフレ的な発想だったと思うが…これに着目したらしき702氏が謎のバンドメンバーを召喚だ〜
『ハート』に浮かんだ想いを恭吾さんが歌い上げて懐かしい感じの崩壊トラップを回避〜あーインディジョーンズ思い出すねアハハって感じでお題をドタバタ・フルクリアだァ! 感想有難うございます
最初は地下遺跡の件だけのつもりだったのですが、気が付けばバンドを結成させていましたw
どうしてこうなったorz 競馬実況さんの感想が見たいから三つ目
使用したお題;『楽譜』『フレンズ』『ハート』
【問題、彼らは何で勝利したのでしょう?】
「いやー、勝ちましたね」
「勝てたねー」
「辛くも勝利ってとこですねー。ビックリしましたもの、間違いなく負けると思ってましたし」
「メンツが悪かったしねー」
「そうなんですよねー、王様。こっちはエースが1人なのに対して、相手はエースが3人もいやがる。対してこっちは10人並みな奴が1人紛れてましたしね」
「そんなこと言うなよ、仲間だろ。でもま、戦力差は歴然だったね」
「いや失礼。ホウ セイ マイフレーンズの精神ですね。それに今冷静に考えると、今回の勝利は彼のおかげでもありますしね。
でもうちらもかなり強いグループだったとはいえ、相手はそのさらに上の存在でしたしね。もう負け以外の何物も見えませんでしたよ」
「ま、そこは私の奥さんのおかげってところかね」
「まったくその通りですね。王妃様が最後に来てくれなかったら確実に終わってましたですね。王妃様仏様! って気持ちでいっぱいですよ。もう感謝の気持ちを込めて自作の歌でも作って演奏会開きたいくらいです」
「ドン引きされるよ、間違いなく」
「じゃあ楽譜を作って送るだけにしときましょう。じゃあ最後に勝利者インタビューをしちゃいましょう。では、今回の勝因はズバリなんでしたか?」
「みんなが揃ったおかげ、そして君のおかげだよ、ジャック君」
「へへ、ありがとうございます。キング」
追記
ヒント(というか言い訳):トランプゲームは基本的に、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの順に強いです。 使用お題:『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』
【フレンズ】
「愛弓、もう一回合わせよう」
「うん」
果奈ちゃんの言葉に、わたしは楽譜を最初までページを戻す。
部活に入った頃から使っている楽譜ファイルは、3年間でパンパンになり、持つとずっしりと重い。
でもそれが、わたしと果奈ちゃんとの時間の積み重ねだと思うと、それはそれで嬉しい。
マウスピースを唇に当て、トランペットを構える。
視線を交わし、タイミングをあわせ曲を奏で始めた。
******
譜面をめくる。
「っ……」
わたしはここの最初スタッカートでいつもつまずく。リズム感が悪いんだ。
でも、果奈ちゃんは「気にしないで」と、視線で促す。曲を最後まで通す事を最優先にしたいらしい。
わたしは頷くとそのまま通した。
******
「果奈ちゃん、ごめん」
「んー、他のスタッカートだと、それほど躓かないんだから、譜面をめくった直後で慌てちゃうんじゃないかな?」
そうなのだろうか? 果奈ちゃんは優しいから気を使ってくれてるのかも。
「譜面をめくるタイミングを前か後ろにずらしてみたら?」
「でも、見てないとわからないよ?」
「う〜ん……そこは、覚えるしか……私も覚えるまで付き合うから」
「うん、ありがとう、ごめん」
「親友でしょ? 気にしない気にしない」
その言葉に私の心がズキンと痛んだ。
親友……わたしと果奈ちゃんは親友だ。
でも……
「愛弓?」
「あ、うん、ごめん」
「へんな愛弓」そう言って果奈ちゃんは笑う。
わたしは曖昧に笑みを浮かべた。
気づかれちゃいけない。わたしはもう一度心に鍵をかける。気づかれたら“親友”では居られなくなる。
これは秘めた宝物。
わたしだけの秘密の宝物。
誰にも気づかれちゃいけない。彼女のと友達で居るために。
わたしは果奈ちゃんの透き通った横顔をチラリと見ながら、切なくていとおしいその思いをハートの奥にしまい込んだ。 >>709
解答は競馬実況さんにまわしますがw
カード達も勝った負けたで一喜一憂していると思うと楽しげですね
時折、夫婦が敵にまわったりと、色々なドラマが起こっているのかな? と、想像を掻き立てますねw お題『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』締め切り
参加作品一覧
>>695【宝探しと一番の宝物】
>>700【タイトルなし】
>>702【エクスプローラズジャム】
>>709【問題、彼らは何で勝利したのでしょう?】 お題安価〜お題安価〜取りますよー
>>714-718 四字熟語
>>710 の【フレンズ】がない、これに投票したいのに……。
理由? 尊いから ☆お題→『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』より一つ以上を選択
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割オーケー
☆締め切り→4/1の22時まで
☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切3/28の22時 先ほどの〆で一つ漏れたのは完全にミスです、ごめんなさい
☆投票リスト
>>695【宝探しと一番の宝物】
>>700【タイトルなし】
>>702【エクスプローラズジャム】
>>709【問題、彼らは何で勝利したのでしょう?】
>>710【フレンズ】 今回のお題なんか難しいので、早乗り全消化で挑戦します
使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【バカとバカとシリトリ】
「しりとりのの常識を壊そうかと思う」
「いきなりどうした。とち狂ったか?」
「いいから聞きなさい。聞けばわかる」
「本当か?」
「本当だ。試しにちょっとしりとりをしてみよう。最初はしりとりの『り』からで」
「じゃありんご」
「ゴリ……」
「ラッパ」
「はいストップ。私は『ゴリ……』で止めたのに、なんでラッパと言った?」
「いや、ゴリまできたらその後はラが来るしかないだろう。定番だしな」
「そう、それだ。その定番というのがおかしい。なぜかしりとりを始めると、みな判を押したようにシリトリンゴリラッパと続く。これが今回解明したい謎だ」
「なるほど、言われてみればラッパまでは一気に進むな。そしてそこからが本当の勝負になるイメージがこびりついている。これは確かに謎だ」
「そうだろう? そしてラッパまではテンプレートで行われるのに、『パ』の後から妙に変化するところも謎だ。パンダ、パラシュート、パンツ、パイナップル……。ラッパまでは一息で進むにも関わらず『パ』に関してはバリエーションが多い。理解できないだろう?」
「言われてみればその通りだ。もちろん、シリトリンゴリラッパまで進まなきゃいけない、というルールはない。しかし特に意識していなければ、勝手に途中から変化する勇気もない。意味が分からないな」
「そうだろう? そんな常識はないはずだ。だから壊させてもらおうと思う。どうだろう、協力してもらえないか?」
「わかった、いいだろう。ではまずはどうやって壊すんだ?」
「差しあたって、他のテンプレを作ればいいんじゃないかと思う。そっちが認知し、人々の間で浸透すれば、シリトリンゴリラッパの無間地獄から解放されるはずだ」
「なるほど、いい案だ」
「というわけで最初のしりとりの『り』から始めよう。何か案はないか?」
「では無難に、リスなんてどうだろう?」
「良いな、日本では滅多に見かけない生き物だが耳慣れてる単語でもある」
「ゴリラもそうそう見かけないけどな」
「そう言うな。では次『ス』か……スマホゲームなんてどうだろう?」
「現代人らしくて良いな。では『ム』か……麦わら帽子、とかは?」
「いや、麦わら帽子はないだろう。あまり一般的ではない」
「ラッパは一般的なのか?」
「そういうわけじゃないが、麦わら帽子なんてついぞ見かけないだろう。麦わら帽子を被った美少女なんて漫画の世界以外でお目見えした記憶がない。あまり良い選択ではない気がする」
「ふむ、まあ文字数も多いし、違う方が良いか……ではムシでいいんじゃないかな?」
「ムシか、短くていいな。ただどっちにしろ次は『シ』か……そうだな、ここらで四字熟語なんて洒落てるんじゃないだろうか。獅子奮迅とか」
「それ、最後が『ん』だぞ。ただアイディアは悪くない、それでいこう。最後が『ん』じゃなくてもっとメジャーな四字熟語……」
「四面楚歌、四苦八苦、試行錯誤、色即是空……」
「試行錯誤がいいんじゃないか? 一般的使用頻度も高い四字熟語だし、語呂もいい。それに今の我々の状況も表していて皮肉が効いている」
「じゃあ試行錯誤にしよう。よし、これで決定だ。しりとりの新テンプレはこれでいこう」
「シリトリスマホゲームシコウサクゴか……ん?」
「しりとりスマホゲーム試行錯誤……? なんだ、何か違和感が……」
「普通にアプリの名前みたくなっちゃったな。しかも、あまり面白くなさそうな類の」
「しりとりスマホゲーム試行錯誤……。これは、失敗だな」
「ああ、そうだな。これは控えめに言ってもダメだと思う」
「……我々はいったい何をしていたんだろうな。すごく無為な時間を過ごしてしまった気がする」
「……そうだな。ああ、空は青いな。今日も良い天気だ」
「ああ、全く良い天気だ。帰りにコンビニでも寄ってくか」
「そうだな、レーズンブレッドが食べたい」 使用したお題:『麦わら帽子』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【レーズンブレッド】(1/2)
抜けるような青空。ジリジリとセミの鳴き声が耳を通り抜けていく。
草木の真ん中に無理やりアスファルトを引いたような、そんな道路。
俺はバス停に添えられているベンチに座って、スマホゲームをしていた。
待ち続けているのだ。
画面にでかでかとサイケデリックな色調でGAMEOVERと表示される。
ゲームが一段落して、凝り固まった首をほぐしていると一人の少女と目が合った。
麦わら帽子に純白のワンピース。絵画からそのまま出てきてしまったような、ひまわり畑が似合うような少女だ。
アスファルトから立ちこめる熱気を背に、もしかしたら蜃気楼なのかもしれないと疑ってしまうほど、彼女は可愛らしかった。
「こんにちは。また会いましたね」
「ああどうも。これまた珍しいですね」
「そうですね。フフッ」
そう言って楽しそうに笑う。
俺がバスを待っているように見せかけて、実は彼女を待っていることに気づいているのだろうか。
胸が高鳴る。
気づいているにせよ、いないにせよ、どちらも俺にとっては悪くないことだった。
俺は暇つぶしにしていたスマホゲームのアプリを消す。
ここは田舎だ。万人の誰もが、と言ったら語弊がありそうだが、日本人なら認めてしまうような片田舎。
そんな土地に祖父の墓があった。
本当ならこんな辺鄙な場所、貴重なお盆休みの六連休を消費してまで長居するつもりはなかった。
だけども俺はこうして、普通なら見向きもしないようなアプリをダウンロードしてまで時間を浪費している。
ひとえに彼女に会いたいがためだ。
「それで、今日はどんな話をしてくれるのですか?」
「そうだな……口の悪い同僚の話なんてどう?」
「口が悪いのはいただけませんね」
彼女はいたずらっぽく笑う。
ありきたりな比喩だけど、ひまわりみたいな女の子だった。
「まあまあそう言わずに。コイツがまたいいやつなんだよ」
俺は彼女を楽しませることができるように、精一杯の身振り手振りを交えて話をする。
バスを待つ時間、バスに乗ってから俺が降りるまでの時間、こうして会話するのがここ数日の日課だった。
彼女はころころと表情が変わり、俺の話にいちいち反応してくれる無邪気な女の子だった。
バスの中でも、隣り合わせに座って会話する。
「それでソイツは言ったんだ。『俺は悪くない。全部、口が悪いんだ』って」
「うまいこと言ったつもりなのでしょうか? 責任転嫁も甚だしいですね……」
辛辣なコメントに俺は思わず苦笑した。
ちゃんと失敗をフォローした同僚の話の続きをしようとしたら、無情にもバスのアナウンスが鳴った。
もう降りなければいけない。
バスが停車して俺は立とうとしたら、なぜか彼女も席を立った。
「あれ、ここで降りるの?」
「はい。今日は特別なんですよ」
特別、という言葉に胸がまた高鳴る。
彼女との道すがら、話をする。もちろん同僚についてだ。 【レーズンブレッド】(2/2)
「――これでおしまい。どうだった?」
「むむむ……人の世は難解ですね……」
「あはは」
そんな他愛もないやり取りをしていたら、あっという間に家に着く。祖父が住んでいた家だ。
彼女は玄関先まで来てくれて、俺を見送ってくれる。
「それじゃあ、また明日」
「明日はどうでしょうか……。あ、ところでレーズンブレッドは好きですか?」
「レーズンブレッド?」
「ちなみに私は好きですよ。でも皆は『レーズンとブレッドを別々にしろ!』なんて言いますけどね」
「うーん」
「まあそういうことです」
彼女は俺の返答を聞かずに踵を返す。
「そういうことなんですよね」
何を意図した発言だったのか、俺にはわからなかった。
ただただ、彼女の後ろ姿を眺めるだけしかできなかった。
答えがわからないうちは、声をかけてはいけない気がして。
*
次の日は雨が降っていた。
明日はもう帰らなければならない。
そう思うと、一日さえ無駄にできないと傘を持ってバス停に向かった。
彼女は来なかった。
*
次の日は晴れだった。
しかし待てども待てども、彼女が来るような気配はなかった。
スマホゲームにも飽きた。
だからレーズンブレッド、引いては彼女について考えていた。
セミの鳴き声をBGMにして、抜けるような青空を仰ぎながら。
考え続けた。
やがてバスが来る。
プシューと溜息のような音を立てて停車。
運転手が降りて来た。花束を持っている。
「……それ、どうしたんですか?」
「これかい? 昔、ここで事故があったらしくてね。昨日の日付だったらしいけど、雨だったから。今日持って来たんだ」
「そうですか」
俺はベンチから立って、家に帰ろうとする。
「乗ってかないのかい?」
「はい。待っていても、来なさそうですから」
「?」
ジリジリと日の照る道路を歩く。
俺は独りごちた。
「レーズンブレッド、好きなんだけどなあ」
憎たらしいほどに空は晴れ渡っていた。 >>710【フレンズ】に投票します
百合っていいものですよね 722>>
しりとりの新常識を作ると言う試み
正直な所、しりとりの最初のやり取りに注目した事など無かったので、ハッとさせられました
些細な事にでも疑問を持ち、気付く事が出来るのは、尊敬できると思います
723>>
果たして彼女は何者だったのか?
真夏の幻か、現世に戻った何かなのか?
少し切なくなるお話ですね >>709
前回お題佳境〜『楽譜』『フレンズ』『ハート』にトライアル! 新基軸、クイズ短編だw
場面は王妃に『楽譜』をプレゼントするぜ、などと勝利の美酒に酔うキャラ達で開始〜会話の内容は、どう見てもポーカー擬人化だな〜唐突に挟み込まれる、ホウセイ・マイ『フレンズ』←なぜ山崎邦正(月亭方正)ネタw
さあ手役を推理するぞ〜相手の役はAのスリーカード(同じ数字3枚)もしくはそれを含んだフルハウス(同じ数字3枚&同じ数字2枚)!
キング達の役はエース、K(13)王妃(12)ジャック(11)10人並みな奴(10)ってことで、ストレート(連続した数字)もしくはロイヤルストレートフラッシュ(連続した数字&柄揃い)
むう組み合わせを絞り切れん、しかし最後に「揃った」と言ってるぜ〜なのでキング達の役は『ハート』のフラッシュ(柄揃い)から変化したロイヤルストレートフラッシュか?! 相手役はフラッシュだけでは勝てないフルハウス! これでどうよ709氏、そんなENDw
>>710
前回お題フル選択! 投票が集まる人気作を見よ、ダメッいけないフレンズ!!
さあ物語は『楽譜』をめくる、吹奏楽部らしき愛弓さんと果奈さんの練習風景でスタート〜
三年分の『ずっしり』とした楽譜ファイルがしめすのは、二人の記憶と積み重ねた交友の絆だ〜
『ハート』に押し隠す愛弓さんの想いは二人が『フレンズ』で居続けるための『秘宝』?、愛弓さんが特定箇所で間違ってしまうのは果奈さんの時間を奪うがための故意なのか、いや、人それを恋という〜(うまいこと言ったぜ!)
口には出せぬ心音を楽器に乗せて奏で続ける〜微妙に食い違った710氏の二重奏がお題をすっきりと消化し、スレ民の心をキャッチングして満足ENDォ!! >>727
相変わらず素晴らしい解析能力だぜ、さすが実況者!
しかし一つだけ足りない!! 問題のやつの一番の注目どころは「ハートという単語を使わずにハートのお題をクリアしたところ」だ! さすがにここまでは読み切れなかっただろう!? >>722
高難度お題が出たなw こりゃ修羅場だと見た722氏がフル選択で『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』に速攻着手、メタしりとりだあ!
「シリトリンゴリラッパまで進まなきゃいけない、というルールはない。しかし特に意識していなければ、勝手に途中から変化する勇気もない」←そんなこともないだろワロタ
笑える調子で進む二人の会話〜でもお題消化どこいったと思ってたら、
『スマホゲーム』→『麦わら帽子』→「試行錯誤」(『四字熟語』)と一挙に消化でウデを魅せる〜見事!
ラストは「そうだな、『レーズンブレッド』が食べたい」←こんな会話あるかよって感じで、『青』い空の下を行く爽やかな二人を描写したァ〜書き手の試行錯誤をもメタ的に感じさせる物語だったぜ722氏、高難度お題迅速クリアに敬礼!!
>>723
今回お題は軽々とはいかないな、723氏はお題『麦わら帽子』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』を選択したか〜蜃気楼の少女!!
抜けるような『青』空の下で、本当はどうでもいい『スマホゲーム』に興じる主人公の目の前に現れる、「もしかしたら蜃気楼なのかもしれないと疑ってしまう」少女〜
『麦わら帽子』に純白のワンピースをまとう彼女と、どこか心の温まる会話が描かれ、登場するは二人の別れを象徴する『レーズンブレッド』〜ここまででお題は消化済みィ!
さあどうなるのか、物語は過去の雨天とリンクして少女に花束を手向けてしまった〜うあちゃー(泣
分けられぬ、しかし分けるしか有り得ない二人の生存領域はあの世とこの世の『レーズンブレッド』! しかし、分かれるからこそ完成するものもある!
死者への追悼は、「レーズンブレッド、好きなんだけどなあ」なる言葉に宿り、描かれぬ主人公の涙の中で少女は眠るように名END! >>728
確かにぃ
そこを言ってあげるべきだったあw >>727
感想を有難うございます
お互いの依存度の高い友達関係って、女性の方が多いイメージがあります
もっとも、それ以上に反目もしあうようですが……(遠い目) 日中ずっとお題について考えてたけど、どうも思いつかない・・・
今回のお題、アクが強いのが3つもあって調理しづれぇ お題 『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【変わる物、変わらない物】
青空の広がる暑い夏、俺は久しぶりに故郷の田舎に帰省していた。
「くっそ、暑いなぁ……」
「帰ってきて早々、何言ってるの?」
「暑いもんは暑いんだ……。仕方ないだろ」
そこにいたのは故郷に残った幼馴染の立花葵である。俺の実家の隣の家に住んでおり、こうやって昔からお互いの家を行き来していた。
今ではお互いに年を取り俺は都会で仕事に追われ、彼女は結婚し子供もいる。
昔は彼女に恋をしていた事もある。麦わら帽子に白いワンピースの似合う清楚な女の子だったのだ。おそらく、彼女の方も俺の事を意識していたとは思う。だけど、俺は自分の目標の為に故郷を飛び出して行った。
そんな昔の事に感慨を覚えていると、背後から衝撃が襲う。とはいっても軽いものだが。
「あ、おっちゃん久しぶり!」
「おっちゃん言うな! お兄さんと呼べ!」
「もういい歳なんだからいい加減認めなさいよ」
「そうだぜ、おっちゃん!」
この俺をおっちゃん呼ばわりしてくる子供は葵の息子である立花健太だ。確かもう小学六年生くらいだったか?
「あ、おっちゃんちょっと待ってね!」
「ん? どうしたよ?」
「ちょっとねー!」
そう言って健太はスマホを取り出して、操作し始める。
「お、いっちょ前にスマホ持ってるのか。スマホゲームでもやってるのか?」
「そうだよ! みんなの中で流行ってるしね!」
「そういう時代なんだな。今の子供も大変そうだ」
「私たちの時代には無かったものね」
俺たちの時代といえば、麦わら帽子を被って自然の中で走り回っていたものだ。時代とともに変わっていく。こういうのを有為転変とでも言うのだろうか?
「母ちゃん、腹減った!」
「いきなりだな、健太」
育ち盛りというのもあるのだろう。それに今はおやつ時でもある。いきなりな発言ではあってもおかしな事を言ってる訳ではない。
「……そうね。確か頂き物のレーズンブレットがあったわね。それでいい?」
「いいよ!」
健太は食べれる物があると分かり、台所にすっ飛んでいく。レーズンブレットか……。
「そういえばレーズン、苦手だったよね?」
「あぁ、未だにあれは苦手だよ」
時代とともに変わっていくものもあれば、未来永劫変わらない物もある。俺がレーズンブレットを好きになる事もないだろう。
そして故郷の田舎ののんびりさもあまり変わりはしていない。
久しぶりの帰省も変わったもの、変わらない物を実感させてくれた。
暑い青空を見上げながら、そうしみじみと感じるのであった。 故郷とは、遠くにありて想うもの
ノスタルジーを感じさせるお話ですね
時間はゆっくりと、しかし、確実に過ぎていく……そんな事を感じました >>733
お題全選択に挑戦、チャレンジャーの激闘は実るかッ〜、って、ん? 【変わる物、変わらない物】←このタイトル前スレにもあったけどもしかして733氏か
『青』空の広がる暑い夏、隣の女性に『麦わら帽子』の幼馴染を思い出す〜あの少女は既婚となり、現実が時の経過を伝えるぞ〜ありえた選択も今や昔! 男なら正直喰っときゃよかったのかもと思うことだってある(下品
さあ、あの頃には存在しない『スマホゲーム』が映し出すのは、有為転変(『四字熟語』)のテクノロジ〜おお、テーマに沿った自然な消化だ733氏!!
とどめは!? 頂き物の『レーズンブレッド』できたかァ〜分かる分かるぞ、田舎だとさ、こういう時代から取り残されたお菓子類がさらっと出てくるよねw お題群を全てテーマの中で活かしきった〜見事ー
幼馴染も遊びの風景も、全ては流転! でもレーズンは好きになれない! 田舎の温度も変わらない! 変わるもの、変わらないもの、その狭間に己を見出す人生、その業だけは常に普遍!
733氏が魅せたひとときの語りは、暑い夏空の余情の中で、心の芯を打つ感慨ENDにおちたァ! 初投稿だから、前スレの人は別人ですね。
タイトル被りしてたとは、気を付けないと…… 使用お題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【釣り日和】(1/2)
川は穏やかに流れている。僕は釣糸を垂れるじーちゃんの横でスマホゲームをしていた。
お父さんに言われてじーちゃんの釣りに同行した事を僕は少し後悔し始めている。
……ぶっちゃけ飽きた。
釣竿は最初に投げ入れた時からピクリとも動いていない。じーちゃんも同じ様にピクリとも動かない。
麦わら帽子の下の日に焼けた顔は、何時もの様に目を細めてじっと釣糸を眺めている。
「っと」
僕はスマホを操作する。まだ微動だにしない現実の釣りとは違って、ゲームの方の釣りは既に6回目のヒットをした。
「あっ、レアゲット」
今、僕のハマっているスマホゲームが「ギガントフィッシング」って言う釣りゲーム。
だから、お父さんもじーちゃんに着いていけって言ったんだろうけど……
「……おもしぃか?」
「えっ」
突然じーちゃんに話しかけられて、僕はビクッと体を震わせる。
じーちゃんは不思議そうな顔でこっちを見てた。
「う、うん」
「ほぅけ」 【釣り日和】(2/2)
川は穏やかに流れている。僕は釣糸を垂れるじーちゃんの横でスマホゲームをしていた。
…………そう言ってまた釣竿の方を向くと、傍らにあったビニール袋の中からペットボトルと紙袋を取り出した。
「ほれ」
「あ、うん、ありがとう」
緑茶とレーズンパン。……フランスパンだからレーズンブレッドだろうか?
どうでも良いけど“フランスパン”は“パン”なのに、“レーズンブレッド”は“ブレッド”なのは何でなんだろ?
「? 嫌いじゃたか?」
じーちゃんがこっちを見ながらそう言った。
あ、え? ああ、レーズンの事かな? 僕は首を振る。
「ほぅけ」
僕は何となくスマホの電源を切ると、パンを食べ始めた。
緑茶を飲みながら空を見る。青空に白い雲が浮かんでいる。
うん、時間が止まってるみたいに雲も動かない。まさに浮かんでるって感じかな?
こう言うのって……
「天下泰平……って言ったっけ?」
「……春日遅々……かのう」
「え? 何それ」
じーちゃんは「かかか」って笑った。
「お?」
じーちゃんが竿を引く。と、途端に糸が激しく動き出す。
竿を立て、リールを回す。相変わらず目を細めて、でも口許は笑ってる。
「たもを……」
そう言われ、慌てて網を持つ。水面にバシャバシャと水しぶきが上がった。
僕はそれを網で掬う。驚くほどズッシリとした手応えでギョッとなった。
じーちゃんが一緒に持ってくれなかったら、落としたかも知れない。
そいつは黒々とした真鯉だった。
口をパクパクとさせながらビチビチと跳ねている。
僕が泥臭さと生臭さで顔をしかめると、じーちゃんは「かかか」と笑った。
******
結局、昼過ぎまで居て釣れたのは3匹だけだった。
じーちゃんが「またくるけ?」と聞いてきたけど、僕は首を振った。
じーちゃんは「かかか」って笑った。 ノスタルジックで素敵な小説が多かったから、多少無理やりにでも反逆してみる。反省はしているが後悔はしてない。
使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【血の理由】
「reason blood」というスマホゲームがある。
和名にすると「血の理由」という。実に重苦しい名称なのだが、裏腹に内容はよくある占いアプリであった。
血液型占いに似ている。生年月日や名前を入力すると、その日の運勢を占ってくれるというのだ。
動物占いというものが流行ったが、それに似ている。入力した個人情報に応じて、その人を何の血筋なのか最初に示してくれるのだ。
例えば「狩人の血」なら目標に向かってひたむきに努力する性格だ、とか。「商売人の血」なら駆け引きが上手で物事を客観視する力に優れているとか。
人間以外にも「飢狼の血」だと貪欲に物事に集中するなどといろいろな性格占いを最初に行ってくれるのだ。そしてその後は、普通の占いソフトよろしく日々の運やどの血筋の人と相性がいいか、なんて当たり障りのないことを占ってくれる。
しかしこの手の占いソフトにはよくありがちなことで、特別に的中するというわけでもなく、格別に面白いというわけでもなく、別格に人気というわけでもない。
どこにでもあるごく普通の占いアプリであり、何もおかしいところはない。そんなスマホゲームだった。
……ただ一点を除いて。
とある噂があった。この「reason blood」にごく稀に「青の血」という診断結果が出るそうだ。
この「青の血」選ばれた人は、ものすごい幸運に恵まれるらしい。仕事は好成績を毎日たたき出し、恋愛は最高の異性と巡り合って純愛ができ、健康は癌すら治るとのとんでもない話だった。
実際はどうだかわからない。しかしただのスマホゲームのアプリのくせに、この「青の血」に関しての的中率だけは100%であると噂ではそうされている。
ただし「青の血」に選ばれた人は、ある義務を負うこととなる。それは占い結果に全面的に従わなければならないということだった。
電車で席を譲りましょうと出たら必ず譲らなければならないのだ。ラッキーアイテムが麦わら帽子と出たら、会社へ満員電車で通勤中でも付けていかねばならない。
献血を今日中に3回行えと書かれていたら街中を巡って献血車両を探す必要が出てくる。
しかし、その全てが幸運になって帰ってくるというのだ。
席を譲った老婆が取引のある大会社の社長夫人であったり、日射病で苦しんでる女性に麦わら帽子を渡して交際へと発展したり、血をたくさん抜いたおかげで内臓腫瘍が早期発見できちゃったりするのだ。
だから強制される義務ではあるが、やる価値のある義務であった。
ただ、気を付けてほしい。この義務は必ず占い結果に従って毎日やらなければならないのだ。
電車で寝こけていたり、恥ずかしがって麦わら帽子をつけなかったり、献血車両が見つからなかった場合、その「青い血」の人は……。 フォークロア的テラー
これが”ノブレスオブリージュ“なのでしょうか(違う) >>738
僕の夏休みがPS4盤で新作が出たら、こんなシーンがありそうだなぁとなんとなく思った 使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【世界を救え!!】
とあるバカげた噂がある作業系のスマホゲームをダラダラ延々やっていたら、本当に噂通り謎の美少女が画面から飛び出してきた。
そして第一声も噂通りだった。曰く「異世界を救ってくれ」と。
麦わら帽子みたいな幅広の帽子を被った美少女が必至の面持ちで、オレにすがりつくように懇願する。
「お願いします。異世界を悪の手から救うためには、あなたの力が必要なんです! 協力してください!!」
美少女曰く、異世界に危機が迫っているらしい。オレの助けが必要だそうだ。
なのでその美少女は初対面のオレに向かって帽子を取って頭を下げた。曰く「異世界では帽子を脱いで頭を下げる行為は最大限の懇願の証」だそうだ。オレは彼女の必死なその態度にこっそりニヤけてしまった。
オレは上から目線になりそうな態度を頑張って抑えて、謙虚なフリをして頭を下げる美少女に言ってやる。
「わかった、オレが助けてあげ……」
「いたか! 日本全国が君の助けを必要としている! ぜひワシと一緒に来てくれ!」
ドバンといきなり部屋の扉が開いたと思ったら、変な老人が飛び込んできた。僕は驚いて背後に倒れ、パソコンにぶつかる。当たり所が悪かったのか、画面がバグってブルースクリーンになってしまった。
老人曰く、日本に危機が迫っているらしい。オレの助けが必要だそうだ。
なので老人は初対面のオレに向かって惜しげもなく土下座を慣行した。言わずと知れた「日本の最大限の懇願の証」である。
本来だったら年上である人間がオレに頭を下げているこの状況に戸惑いつつも優越感を覚えたところだったろうが、今は困惑しかなかった。
まさかの世界の危機のダブルパンチ。そしてその救世主の勧誘のバッティング。
戸惑うオレとさらに戸惑う美少女と老人。しかし混乱から立ち直るのは二人の方が早かった。
どっちに行くか決めるのはオレ次第ということだからだろう。かくしてオレの薄暗く狭い室内で、大学のサークル勧誘もかくやという激しい勧誘合戦が始まった。
「お願いします! 異世界の戦線は今にも崩壊してしまうかもしれないのです! あなたの助けがないと、私たちは、私たちは!! どうか、どうかっ!!」
美少女は鬼気迫る勢いでオレを異世界へと誘おうとする。帽子を外せば懇願になるとでも思ってるのか、何度も頭の上に帽子を載せては降ろしている。まるでくるみ割り人形のような動きだった。
「キミ! 日本に生きる国民ならば、みなで協力して国の危機に立ち向かうべきではないかね!? 活躍できれば君は一躍ヒーローになれるのだぞ! さあ、我々とともに偉大なる母国、日本を守ろう!!」
老人は一見爽やかに見える笑顔で日本の英雄になろうと言ってくる。馴れ馴れしく肩に手を置き、まるでその先に未来が待っていると言わんばかりに締め切ったカーテンへ手を伸ばしていた。
二人ともうるさいくらいの勢いでオレが必要だと訴えかけてくる。しかし混乱から立ち直ったオレはいろいろ疑問に思うことが出てきたので、まず老人にそれを聞いてみた。
「あの、日本の危機っておっしゃいますが、一体何が危機なんですか? 別に戦争が近いとかそんな話は聞かないですし……」
また、戦争があったとしても一般人のオレが役に立つとは正直思えない。老人はいきなり質問されて「うっ」と呻いた。
「いや、その、き、キミの力が必要なのは本当なんだよ。ちょっと、その……謎の反政府組織が最近行動が酷くて、その対処として一斉検挙をしたいのだけれども人員が足りなくてな……」
ものすごく答えづらそうに老人は答えた。どうやらヒーローだなんだと言っておいて、ただの裏方仕事を任せるつもりだったらしい。
オレの気持ちが異世界側へとグラリと傾いた。美少女は期待した眼差しでこちらを見ている。
しかし僕も美少女側にも疑問があったのだ。質問を直接ぶつけてみる。
「あの、異世界が危機っていうのはわかるんですけど、他にも日本人を誘ったのですか? なんかあなたの存在、結構ネットで有名なんですけど……」
それにネットに書かれているということは断られたということだ。僕が詰問すると美少女は「うっ」と呻いた。 感想有難うございます
この話は田舎を思い出しながら書いたので、僕の夏休みに有りそうなシチュエーションかも知れませんね 【世界を救え!!】2/2
「その、異世界は魔法やレベルのある世界なので、だいたいみんな戦えちゃうんです。
で、誰もが戦えちゃうからこそ、後方支援が不足気味で、前線が食料危機で飢えていたり、戦闘優先で戦地間の連絡が滞り気味だったりとピンチとなっていて……」
ものすごく答えづらそうに美少女は答えた。どうやら英雄だなんだと言っておいて、ただの裏方仕事を任せるつもりだったらしい。
つまり、どっちも頭数が欲しいだけでオレ個人はどうでもいいということだ。途端にオレはやる気がなくなった。
部屋から出て行ってくれ、そう言われて美少女と老人は慌てたらしく、言い訳をしはじめる。
「し、しかしだな。君みたいな家に籠ってばかりのニー……フリーターにできることなど少ないのだ。だがこの仕事を手伝ってもらえば君の評価は鰻登りになるぞ。社会復帰も簡単だ!」
「わ、私も異世界から人を招くので、これでも人を選んでるんですよ? ……どうせ有能な人はこんな怪しい勧誘についてこないですし。
一日中つまらない作業ゲーをやるほど暇なひ……集中力が長続きする方じゃないと後方支援なんてできないんです。お願いします、助けてください!!」
訂正、言い訳を言ってるつもりだが言い訳になっていない。完全にオレを馬鹿にしてやがる。
……異世界や正義のヒーローになれれば、こんなオレだって自分に自信が持てたはずなのに。クソ、クソ。
オレはもう完全にヤケになって、精一杯の強がりを言った。
「オレなんかを二人がかりで勧誘なんてしてないで、日本の不法滞在者を異世界に拉致ってけばいいんじゃないっすか?
そうすりゃ日本は平和になるし、異世界人も力で押さえつければオレなんかより良い奴隷が出来上がるっしょ。一石二鳥じゃん」
「……なるほど、なかなかの妙案じゃな」
「……そ、その考えはありませんでした」
先ほどまで唾まで飛ばしてオレに声をかけていた二人がピタリと止まった。
そして何も言わずに目を合わせて一つ頷くと、僕に「すみません、用事を思い出しました」と言ってソソクサと帰って行ってしまった。
その後、日本の政治が急に安定して経済が好調しだし、異世界から助けを呼ぶ美少女が現れなくなったと噂が流れ始めた。
オレはそんなニュースをテレビやネットで流し見しながら、レーズンブレッドを食べて自室に閉じこもっていた。 お題を消化するだけなら何とかなるけど、それをうまく落とし込むのがすげームズいわ……
他の人すげぇなぁ…… もう一本書けた。
全く違う切り口から行ってみました。
お題 『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【流行りのゲーム】
最近流行のスマホゲームがある。名は『スキャン・ダンジョンズ』
スマホ内蔵のカメラで普通に売っている商品のバーコードを読み取れば、それに準じたアイテムが手に入り、自身のキャラを強化してダンジョンを攻略していくという物である。
高い商品なら良いアイテムで手に入るとは限らず、安い商品でも良いアイテムは手に入る。ただし、同じ商品のバーコードでもある程度ランダム性があって、この商品なら必ず決まったアイテムが手に入るという訳でもない。
一度読み込んだバーコードは一定期間は再び読み込む事も出来ないが、その期間は製品の値段毎に変わってくる。
そして、このスマホゲームには課金アイテムが一切存在しない。噂では広告費を多く出している企業の商品のバーコードほどレアアイテムが出やすくなっているとかなんとか……?
全ての商品のバーコードを自力で集めていく事はほぼ不可能に近い。そんな事をすれば青天井になり、どれだけお金があっても足りないだろう。
実際にあらゆる物を大量に購入して読み込んだ人が、未購入でのバーコードの読み取りと間違われアカウント削除となり阿鼻叫喚な事になっていたりする。
大量購入や未購入でのバーコードの読み取りには非常に厳しいゲームなのだ。あくまでも日常の中で購入した商品で楽しもうというのがこのゲームのスタンスなのである。
学生である俺としても、そんな事に無駄に金を注ぎ込みまくる訳にもいかない。手持ちの物のバーコードは全て試した。いくつかレアアイテムも手に入れたけれど、次が欲しくなるのも人情というものだろう。
だから、毎日の日課として昼休みに昼飯用に買った物のバーコードを読み取る事にしていた。同じ教室にいる友人も同じことをしている。
昨日はメロンパン。一昨日はサンドイッチ。そして今日はレーズンブレッドだ。
「よし、激レア来い!」
そう願いを込めながらレーズンブレッドの包装のバーコードを読み取った。アイテムゲットの演出が始まる。青から金、金から虹へと変われば激レアゲットとなるのだが、画面は青いまま進んでいく。
「あー、外れか……」
手に入ったアイテムは『麦わら帽子』だった。見た目変更用のアイテムであり、特にレアでも何でもない。三日続けて外れだった。明日の昼は何を買おうか。
「よっしゃ! 激レアゲット!!」
がっかりしていたら友人が激レアを当てたらしい。友人が読み取っていたバーコードは俺と同じレーズンブレッドの物。
得意満面なその友人に少しイラッとしても仕方ないんじゃないだろうか。 744氏の作品の間に、感想返しが入り込んでしまっていました
744氏、申し訳ない >>744
人知れず日本を、さらには異世界も救ったニート!
かっこいい! >>744
断る為のアイデアが、結局状況打破の切欠になると言う皮肉w
ある意味最大功労者なのにも関わらず、断ったと言う事実の為、ヒーローに成り損ねる自業自得さにクスリとしました >>748
ほんのちょっとの運で明暗が別れる
良くある事ですが、だからと言って納得はできない
わかりますねw >>738
ほのぼのとした祖父と孫のやりとりですね。
孫はゲームではなく本物の釣りの楽しさに気付いたのでしょうか?
最後の首を振ったのが横になのか、縦になのかが気になりますね。
縦に振ってて、祖父と孫のこの関係が続けばいいと思いますね。
>>741
ちょっとお題は強引な気もしますが、興味深いアプリですね。
ホラーというよりは都市伝説型かな?
実際に青い血の診断受けた人も行動を見てみたかった気もします。
>>744
ほんと失礼な救援要請ですね。
ただ、無法者を誰でもそれなりに戦える世界に送り込んだら異世界はもっと大変なことになりそうですねー
失礼な異世界のことは知った事ではないかな?
日本のお偉いさんは確実に得してるんでしょうねw 感想、有難うございます
デジタルの安易さに慣れた現代っ子は、現実のリアリティーをどう捉えたのでしょうね
こう言った事も、後々思い出となりますので 実はここで書いた奴をオムニバス短編集としてなろうで連載してるんだけど、気づいたら21部3万文字に達していたよ
何遊びに本気出してんだと思わなくもない。だがやめる気はサラサラない >>738
高難度お題全選択が続くぞ〜、お! これは>>733氏への返歌になってるな、目線を親世代から子世代へ移動だー老人と海、ならぬ老人と川だ!
さあ物語は春日遅々(『四字熟語』)の『青』空のもと、『麦わら帽子』の爺ちゃんと『スマホゲーム』に耽る少年を描写していくぞ〜
『レーズンブレッド』に介される思いは暇をつぶすようにあれやこれやととめどなく〜平常のリズムを抜け出して、静止した空気に置かれた少年のどうすればいいかが分からない感、ナイス描写〜
釣り上げられた真鯉に少年は思う、ナニコレ無駄にナマ臭いじゃん、こんなに臭い必要ある?w あるんだよ、本来生きることは予想の外に満ちているんだぜ、少年〜、スマホの釣りは内容を忘れても、爺ちゃんとの釣りの面倒くささは忘れまいて!
思い出せ、その面倒くささこそ生の動き、アンリアルを超えた躍動だア〜お題はしっかり消化〜738氏の描き出した現代型少年の返歌は、大切なものを脳裏へ焼き付かせてEND!!
>>741
のっけから素晴らしい離れ業ww 都市伝説アプリ、その名も『レーズンブレッド』w こんな消化ありえねえ!
占い『スマホゲーム』アプリ「reason blood」は血筋から人の運命を表示する〜
「青い血」が表示されれば、満員電車(『四字熟語』)でも『麦わら帽子』を付けなきゃならないし、さらには日射病で苦しんでる女性に『麦わら帽子』を渡して交際に発展するw その生き方素敵すぎんだろ
アクロバティックな動きで全お題消化だ! 741氏、これは皮肉の効いた一品だな! 幸福の青い鳥しかり、古来より青は幸運の象徴〜幸運を得た者は、幸福ゆえ幸福に縛られる!
「reason blood」を手にして「青い血」を引き当てたとして、欲に駆られてアプリに規定された人生は果たして幸福なのだろうか〜与えられた価値と義務を問い直すENDが決まったァ! >>744
高難度お題フル選択を連発だ! 引っ張りだこ物語〜
いわくつき作業系『スマホゲーム』をダラダラやってる主人公の部屋に現れたのは、『麦わら帽子』みたいなのを被った美少女と、正体不明の、えー、特徴のない老人!
ブルー(『青』)スクリーンとなったPCを背景に、主人公の勧誘合戦が開始ィ! 「帽子を外せば懇願になるとでも思ってるのか、何度も頭の上に帽子を載せては降ろしている」←めちゃ笑った
抜け目のない主人公がほんとは裏方仕事(『四字熟語』)をやらせるつもりだろと看破し、困り果てた二人に妙案を呈する〜不法滞在者を利用せよ、建設的なアイデアw
全く先の読めない物語は、思い出したように『レーズンブレッド』を消化〜本当は消化にケチ付けるところだけど、なんかそれ自体がオチみたいになってる感で笑えちまったぜ、天晴エンド!
>>748
短編スレ民は難しいお題ほど白熱する! さあ全選択だ、スキャン・ダンジョンズの怪! これは>>738氏>>741氏への返歌として読めるな〜
日常で購入した商品を楽しむ『スマホゲーム』ことスキャン・ダンジョンズ、ポイントは『青』天井と垢BANの阿鼻叫喚(『四字熟語』)を避けてやり過ぎず消費と攻略を楽しむこと〜
うわ、なんか普通に面白そう…主人公が『レーズンブレッド』から引き当てた『麦わら帽子』はアバターを変更するだけの一般アイテムってことであっさりEND〜高難度お題を丁寧に消化しつつ、オチは弱めかとも思ったが、メタ的に見るとまた違った様相を表す〜
ここまで投稿はスマホゲームと現実を引き比べる作品がちょいちょいありーの今回、ゲームに呑み込まれた主人公の姿! それはいかにも現代への皮肉に映るぜーあたかも他の投稿と連作となったかと思わせる流れがオチとなり、短編スレの妙極まれりメタEND!! おお!、盛況で嬉しい
今からゆっくり読んでみよう
スレが落ちるルールが実はよくわかってないのだけど、512KB上限だとしたら単純計算であと三万字くらいなのかな?気がついたら落ちてる事態が怖いな…… >>758
スレの特性上仕方ないし、850くらいで次スレ作成、900から皆で協力してksk埋めとかしちゃうべきかもね
>>757
いつも感想ありがとうございます。このハイテンション感想を見るのが楽しみでならない
というか最近ふと思ったけど、お題を全消化するよりこの感想を書く方がよほど努力が必要なんじゃないかなぁと…… >>756
感想有難うございます
子供と老人とでは体感時間に大きくズレがあるなぁと、最近昔を思い出しながら考えますね もうさすがに思いつかねぇ・・・次のお題まで全裸で待機しておこう 全お題で三本目、書けました。
流石に三本目は無理かと思ったら書けちゃった。
お題 『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【夏の暑い日に】1/2
暑い夏の日、エアコンを全開で効かせて涼んでいた。こんな凶悪な暑さの中で青空の下に出る気なんてしないのだ。熱中症で真っ青になって倒れるなんてのはごめんだね。エアコン万歳!
ピンポーン
そんな時に来客を知らせるチャイムが鳴る。
こんな暑い日に出歩いてご苦労な事だ。って、今日は他に誰も居ないじゃんか!? ……居留守で良いかな?
ピンポンピンポンピンポン
居留守を決め込もうとしていたら、連打し始めやがった!? こんな事する心当たりは一人しかいない。だけど、大人しく出ていくというのも負けた気もする……。よし、居留守継続!
カチリ、ガチャ
ドアの鍵が開けられ、ドアが開く音がした。おい、なんで鍵を持っている!?
流石に慌てて部屋を飛び出していく。二階にある自室から階段を駆け下り、玄関へと急いでいく。
「あ、やっぱりいたね。居留守するとか酷いじゃない!」
「……やっぱり恭子かよ。なんでお前、家の鍵を持ってんの?」
「あーおばさんが鍵を渡してくれてねー」
「……従姉弟だからってなにやってんの、母さん」
勝手に鍵を開け我が家の玄関に立っていたのは従姉弟である恭子だ。手には何やら紙袋を持っている。従姉弟とはいっても同い年で家も近所である。ただ俺より恭子の方が一ヶ月ほど誕生日が早いだけだ。
「ねぇ、この格好どうかな?」
「……わざわざそれ見せに来た訳?」
「それだけじゃないけど、それも目的の一つかもねー?」
「あーそうかい、似合ってる、似合ってる」
恭子の格好は麦わら帽子に淡い青色のワンピースといったものだ。普段のボーイッシュな格好とはまるで違っていて正直ドキッとしたけれど、そんな事は本人には悟らせない。適当に答えておくまでだ。 【夏の暑い日に】 2/2
「あー雑な感想だなー? まぁいいや、はいこれ」
「ん? これ何? あーレーズンブレッドか」
手に持っていた紙袋を俺に渡してくる。その中身を見ただけで恭子の大体の目的が分かった。割とよく一緒にいるのだ。大体の理由は見当は付く。
「それ、貰い物なんだけど、うちはみんなレーズン苦手でさ」
「うん、知ってる。それで俺に押し付けに来た訳だ?」
「あはは、そうなるねー」
「よし、断る! 持って帰れ!」
レーズンブレッドの入った紙袋を恭子の方に即座に返す。
流石に怒ってもいいんじゃないかと思うんだ。貰い物が苦手で食べれないし、かといって食べずに捨てるのが勿体無いとはいえ、押し付けるのはどうかと思う。
正直、俺も食べれない訳ではけれどレーズンブレッドはあまり好きではない。好物なら喜んで受け取るけれど、そうでもないものはいらん。
「えー良いじゃん。引き受けてくれたらスマホゲームのやり過ぎでスマホ没収されたのを返してあげるよ?」
「……なんでそれを知ってる?」
「没収されたスマホは我が家にあったからだね! うちの両親も了解済みだよ?」
「……家中探しても見つからない訳だよ、チクショウ!」
前に没収された時に家探しして取り戻したのが不味かったのか。そんな対策を取られていたとは、これが因果応報ってやつか……。
「……わかったよ。食べればいいんだろ、食べれば! それでスマホは!?」
「もーそう焦らないの。はい、これ」
「よっしゃ! って、おい!」
紙袋の中から取り出された俺のスマホを恭子が手に取り、渡してきたのを受け取ろうとしたら手を避けられた。恭子の顔を見れば何か企み事を思いついた時の顔をしている。……いかん、これは何かからかわれる気がする。
「この格好、ちゃんと感想くれたら返してあげるよ?」
「!? またそういうことを!?」
「ほら、早くー」
恭子はそう言って急かしてくる。こうなった時に逃げられた覚えがない。あーもうヤケクソだ!
「あーもう! めっちゃ似合ってるよ! 正直ドキッとしたわ! えぇい、これで満足か!」
「……え、あ、うん。そっか、ありがとね。これ、スマホね。それじゃ!」
「なんだよ、自分で言わせたんじゃねぇか……」
ヤケクソな俺の本心を告げたら、なんだか恭子は戸惑いながらスマホとレーズンブレッドの入った紙袋を置いて、逃げる様に家を飛び出ていった。その時の表情が真っ赤だったのは暑さのせいだろうか? それともーー お題『楽譜』『フレンズ』『ずっしり』『秘宝』『ハート』投票締め切り
>>710【フレンズ】2票 3作あげて0票だった悲しい
でも百合に負けたのなら仕方ないだって尊いんだもの みつを >>762
淡くも爽やかな恋心ですね
特別に見られたいけど何時もの関係も壊したくないと言う二反律
素敵なお話だと思いました
765>>
自分は当事者なので投票は控えているのですが、やはり、〆切前にアナウンスがないと、頭からスッポリ抜けている事もあると思いますよ?
特に今回、間で大量投稿が有りましたし >>762
創造の神に愛された762氏がノリにノッて三作目を脱稿だ〜お題は全選択だぜ! ボーイッシュ・ラブリー・ワンピース〜
さあ、主人公のもとにやって来たのは、『麦わら帽子』と淡い『青』色ワンピースに身を包んで、清楚感を全面に押し出した恭子さんだ〜うん、あざといw
『レーズンブレッド』を押し付ける用事を作って現れた恭子さんが、『スマホゲーム』やり過ぎで没収されたスマホをタテに服装の感想をおねだり〜
もはや因果応報(『四字熟語』)と決意を決めた主人公が、「正直ドキッとしたわ!」、うお、ぶっちゃけたァ〜恭子さん、慣れない褒め言葉を受けて脱兎のごとく逃走〜乙女おつw
お題群を使いきった762氏がラストをラブリーに演出! 家近し〜距離近付けども、距離遠し〜はい一句できましたって感じで、ええい、見てる方も恥ずかしいわEND!! 一番簡単そうなお題が盛り込めなかった。でも短く纏められたからこのままで^^
使用したお題『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』
【国家炎上】
我が国は危機に瀕していた。
悪魔の軍団が我が国に攻め込もうとしていた。その攻勢は苛烈にして無慈悲。黒い集団が我が王国を蹂躙し、国民ごと国を燃やしつくす日は近いと思われた。
我が国を作ったとされる麦わら帽子を被った神は、まさかの悪神へと落ちた。太った悪の女神に我々の国を売り飛ばしたのだ。
崇めるべき主神を失った我々は、抗う気力を失い、すぐにでも全滅すると思われた。
しかし、神が悪に落ちた不運が我々を苦しめたが、その悪神から正義が生まれることもあった。
飛ばない鳥の子孫にあたる勇者が、その中の力を開放して我々に加勢しにきてくれた。命を育むと言われる白き水を従えて、我が国の防備を固めてくれたのだ。
その加勢に勢いを得た我々は、3種類の部族が集結し、国力を高め、黒き悪の使いたちに抵抗しようとし始めたのだ!!
そう……我々、薄力粉、強力粉、ベーキングパウダーの連合国家「小麦連合」は、卵黄と牛乳の力を得てその硬さを高め、悪の侵奪者「レーズン」とその背後に待つ最終兵器「オーブン」を倒すために対抗戦争を今、起こそうとしていた!!
レーズンブレッドなんかにされてたまるか! 我々は正義のために今、反旗を翻す!!
「……っていうスマホゲームの企画なんですけど、いけそうですかね?」
「……いや、なんか全体的につまらないし。それに勝つより負けた方が美味しそうだ、いろいろな意味で」
「そうっすかー」 >>770
『パンが無いならお菓子を食べれば良いのよ』
ある女王の言葉 >>768
アナウンスかぁ……
次回は適宜挟んでみますね >>770
今回激戦だな〜770氏の選択お題は『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』だ〜! 白の軍旅〜!
さあ重厚な語り口で戦乱の火ぶたが切られる〜『麦わら帽子』の創造主に裏切られた部族が、悪神の暴虐に歯噛みして…ゴクリ、かっけえ、短編スレで大河ドラマが見られるとはな…
って小麦粉の話か、なんだよw 『レーズンブレッド』なんかにされてたまるか! (農家のおっちゃんから主婦に売り飛ばされた?)白の麦軍団が、黒のレーズン軍団と、奥に控える最終兵器(『四字熟語』)オーブンを睨む〜
ってそういう『スマホゲーム』なのかよw ゲームの楽しみ方がイマイチ分からない、大河感だいなしオチw
770氏が、バラバラお題を素材にして段重ねミルフィーユ構造のストーリーを練り上げ、「ま、頑張れば更にトッピングできそうっスけど、こんなもんで」とばかり余裕綽綽(『四字熟語』)、クッキングENDォ! 4本目行きます!
お題 『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【勇者と魔王】1/2
カン、カンと剣戟が鳴り響く。
ここは魔王城、謁見の間。勇者と魔王の最後の一騎打ちが行われている。それまでの激闘に次ぐ激闘で魔王の部下も、勇者の仲間も既に命はない。
カァン!
勇者の一撃が、魔王の兜を弾き飛ばす。人間と魔族の争いが始まって五年、その間に一切素顔を見せなかった魔王の顔が露わになる。魔族特有の頭部の角と銀色の長い髪が乱れながら姿を表す。
そして体勢を崩した魔王の大きな隙に、しかし勇者は追撃できないでいた。その姿に見覚えがあったからだ。
「……サ……ラ…………? え? なんでお前が……?」
「……こうするしかなかったからよ!」
激高するように、魔王サラは勇者へと斬りかかる。あまりにも衝撃的過ぎたその魔王の正体に咄嗟に防御をするものの、その隙を狙われた。魔王サラは強引に間合いを詰め、剣を胸に突き刺した。
ーー勇者の剣を己の胸へと。
魔族の証とも言える青い血が勇者の剣を伝って地面へと落ちていく。その傷の深さは確実に致命傷である。
「サラ!? お前、なんてことを!?」
「……今更遅いのよ。人間と魔族の争いを終わらせるにはこれしかないの! あなたには死んでほしくないのよ……」
「俺だって、お前だって分ってたら……!」
「……だからもう遅いのよ。でももうこれでお終い……」
徐々に身体の力が抜けていくサラの身体を支えながら、勇者は後悔をした。その脳裏に浮かぶのは、かつて幼い頃に出会ったサラとの思い出。
行商人であった両親と共に立ち寄った村で出会った少女。いつも麦わら帽子を被っていて、いつかパン屋になって大好物であるレーズンブレッドを看板商品にするんだと得意満面に話していた少女。そして、勇者の初恋の女の子。
行商人の仕事を終え、両親とすぐに旅立った勇者にはその後何があったのかは分からない。改めて考えればあの麦わら帽子は魔族の角を隠すためだったのだろう。
「……ごめんね、こんな事になって。あなたとはもっと別の形で再会したかった……」
「サラァァァアアーーーー!!」
その言葉を最後に魔王サラの命は尽きた。その場に残った命は勇者のものだけ。多くの魔族を殺し、仲間も失い、そして初恋の少女もその手にかけた。
勇者は力無く立ち尽くす。なぜこうなった? 大事な者を助けるために立ち上がった筈が、なぜその身で大事な人を殺している……? 【勇者と魔王】2/2
「ほっほっほ、良くやった勇者よ。よく邪悪なる魔王を倒したものよ」
「……邪悪? 邪悪だと!? お前がサラの何を知っている!」
どこからともなく現れた勇者を勇者として選んだ神のその言葉に、勇者は激高する。
「そやつを手にかけたのはお主自身ではないか? 魔王の人となりを無視して争ってきたくせに何を言う?」
「ぐっ……」
「そいつの口車に乗せられたら駄目だよ」
「!? なぜ貴様がそこにいる!?」
神と同様に突然現れた謎の少女を見た神が、大きく動揺していた。
「それは教えられないね。勇者、君が本物の勇者であると言うならばチャンスをあげよう」
「……チャンス?」
「これから君を過去に飛ばす。君が本物ならば、この結末を変えてみせろ!」
「……結末を変える……?」
その謎の少女に勇者は戸惑いを見せる。だが、後悔をやり直すチャンスをくれるというのなら、サラを、仲間を、そしてろくに知らなかった魔族と争う事すら変えられると言うならば……
「……やってやる! こんな結末は絶対認めない!」
「よく言った。それでこそ勇者だ!」
「貴様ら、そんな事をワシが許すとでも思っているのか!」
「……黙っててよ。偽神、僕は怒ってるんだ。これ以上好き勝手はさせない」
神と謎の少女の間で凄まじい力が荒れ狂っているのを感じる。
「こいつは僕が引き受ける。勇者、後は任せるよ?」
「あぁ、俺の心に誓って必ず変えてやる!」
そうして勇者は過去へと飛ばされて行った。勇者が変える過去はどのようなものになるのか!?
ー to be continued ー
「だぁ!? 無料ってここまでかよ!? すっげぇ続き気になるじゃねぇか!?」
俺はスマホゲーム『赤と青の混じり合う時に』をプレイしていた。分作であり三部構成として作られたこのゲームは第一部は無料公開されており、今まさに一部のエンディングを迎えたところである。まさか魔王の正体が序盤の序盤に出てきた少女だったとは思わなかった。
タイトルの赤と青が何を指し示していたのか分からなかったけれど、これはもしかして人間と魔族の事だろうか? 非常に続きが気になる。よし、決めた!
俺は財布を握りしめ、家を飛び出した。目的はもちろん続きを有料となる二部をやる為にプリペイドカードをコンビニに買いに行くためだ。
携帯での決済使うと親が怒るんだよな。こんな事なら先に用意しとけばよかったよ! 上手い話の構成に思わず引き込まれました
面白かったです >>776
感想ありがとうございます。
そう言ってもらえると嬉しいですね。
他の感想のお礼もし忘れていましたが、皆様感想ありがとうございます。
最近、実況感想を貰うのがなんかクセになってきたw 使用お題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
【オタクとオレの珍道中】(1/3)
「こんチクショウ!! なぜだあぁぁ!!」
「坊やだからでござるな」
レーズンブレッドをもっしゃもっしゃと頬張る横巨漢に、オレは厳しい目を向ける。
横巨漢こと細井 颯太はもっしゃもっしゃと食べる手を止めることなく視線を游がせた。
ゲーム世界に転生転移。もしくはゲームにイン。ファミコンが普及した後、色んなジャンルの物語で語られて来たそれが、登校途中だったオレ、桔梗屋 巧の身に起こった事だ。
「オレはガン〇ラファイト派だっちゅぅの!!」
スマホゲーム『ルナティック インサニティ』は、タイトル通り、狂った世界観がウリのスマートフォンゲームだ。
オレは吐き気を催す骨色の風景を前に、両手をついて項垂れていた。
「なぜだ! 普通こう言う時は美少女の幼馴染と一緒ってのがお約束だろうが!!」
「そっちでござるか」
もっしゃもっしゃとレーズンブレッドを食べながら颯太がツッコミを入れてくる。
って、レーズンブレッド?
「お前、それ、どっから持ってきた?」
「うふん? 知りたいでござるか? 知りたいでござるかぁ?」
ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべる颯太に、オレは無言でストマッククローをかける。
「ギヤアァ! 止めるでござる! 止めるでござるよ!!」
「…………(ギリギリギリギリ)」
「貰った! 貰ったのでござるううぅぅ!!」
「はぁ?」
コイツとオレは同時にこの世界に来た。だからこそオレ達が誰とも接触していないのだとハッキリと言える。
「のおおぉぉ!! 何で話したのに再開するでござるかぁ!?」
「ぁあ?」
「おっふ、言うでござる! ゲロるでござるからぁ!!」
******
颯太の言う所に依ると、コイツはこの世界の女神に出会い、助けを求められたらしい。
それでその時、あるチート能力を貰ったのだそうだ。
【神器創造】……精神力が許す限りで、生き物以外のあらゆる物品を“神器”として創り出す能力……らしい。
「何だそれ! マジチートじゃねえか!!」
「と、言う訳で創ったのがこの“無限パン袋”なのでござる!」
ダーナの大釜かよ! でもまぁ、飢えないってだけでも御の字か。ん? あれ?……
「オレは会ってないんだが?」
「そりゃ、会ったのは今朝の夢でござるゆえ……あっ」
「…………(ギリギリギリギリ)」
「のおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」 【オタクとオレの珍道中】(2/3)
******
コイツはこの世界に渡るにあたり、女神に条件をつけたらしい。
それが、チート能力は当然として、同行者を一人付ける事だった。
そして、同行者として狙ったのが、オレ……の幼馴染の桐生 鏡花だったのだ。
今朝、オレと鏡花はいつもの様に一緒に登校していた。
つまりオレは間違って巻き込まれた訳だ。
ギリギリギリギリギリギリギリギリ……
「のおおおぉぉぉぉぉ!!! らめぇ、れちゃう! お腹の中身れちゃうでござるからぁ!!!」
******
「考えようによっては、巻き込まれたのが鏡花じゃなかった事は不幸中の幸いだったな」
「本当は拙者だって、学校一の美少女と一緒が良かったでござるよ!!」
「…………(ギリギリギリギリ)」
「おふぅ! らめええぇぇぇ!!」
青黒い顔色に成った颯太をオレは投げ捨てると、満身創痍でゼーゼー言っている、その腹を踏みつける。
「で、どうなったら、この世界は救われるんだ?」
「……さぁ? さっぱりでござるな」
「テメェは知っとけやああぁぁぁ!!!」
「のおおぉぉぉ!! いやいや、女神タン『颯太きゅんの好きなように過ごしていいんだよ!』て、言ってたのでござるからぁ!!」
「きしょい」
「おぶっ、理不尽!!」
青黒を通り越し、土気色に成ってピクピクと蠢く肉塊を一瞥し、オレはどうしたもんだかと頭を悩ませる。
「……ここで悩んでてもしょうがないか、とりあえず移動するぞ」
「おおう、拙者をフルボッコにしといて謝罪も無いとは極悪非道でござる」
「ぁあ?」
「マジすまんかったでござるうぅ!」 【オタクとオレの珍道中】(3/3)
******
「おや? 第一村人発見でござるよ、YhooooooooooW!!」
「は? いやまて!!」
散々歩き回った所に人影が見えた事で、颯太は、ハイテンションでソレに駆け寄って行く。
「おぜうさん!! 拙者、選ばれた勇し……ぐえ!!」
オレが颯太の襟首を捕まえる。
「何を……うぎゃあ!!」
颯太の目の前で大きな顎がバクリと閉じた。
人型だったそれは、奇妙に捻じれながら頭部からメキメキと裂け、そこからサメの様な刃を覗かせる。
オレはこうなる事を知っていた。それは予知能力とかそんな話じゃない。
オレは……
このゲームのプレーヤーだったからだ。
そう、単純にこのスマホゲームをやった事が有るからこそ、目の前の相手がエネミーだと知っていた。
だからこそわかる。素手でどうにかなる相手じゃない。
「あわわ、どうすればよいでござるか!!」
少女からホオジロザメに似たクリーチャーへと変貌を遂げたエネミーを目にし、腰を抜かして動けなくなった颯太にオレが叫ぶ。
「お前!! 何の為の【神器創造】だ!!」
「おおう! そうでござった!! 拙者、チート能力者でござった!! な、何か、この状況を打開できる何か……よし! 【神器創造】っでござるうぅぅぅ!!」
一瞬の閃光。
「おい……」
そこにあったのは麦わら帽子と赤いベスト、デニム地の膝丈のズボンとサンダルだった。
「あっれえぇ? 海賊王が出て来る筈でござるのに、あっれえぇ?」
サメ型クリーチャーを見て、海賊を思い付いたのか!! だけど! こいつは!!
「生物は創れねぇって言われたんだろうがああぁぁぁぁ!!」
「へぶうううぅぅぅぅ!!!!」
オレが颯太を再びモザイク状の肉塊に変え終わった時、エネミーもドン引きしたのか、そそくさと逃げていた。
「……どうするよ、本当に……」
「ふふ、拙者、こう言うのも、ちょっと悪くないかもと思い始め……」
「………(ギリギリギリギリ)」
「おふぅ!!」 >>778
なんというかこれは主人公に同情したくなってきますね……。
とんでもないチート能力なのに、使い手が酷いとこうなるのか……。
頑張れ、主人公! 感想、有難うございます
豚に真珠を地で行くキャラクターなので、主人公の負担は増え続ける一方です
ただし、そのストレス発散も颯太で行いますがw >>774
ミスター・クリエイティブこと774氏が四作目を執筆だ〜、お題は全選択! 人魔交差のデュエル・サーガ!
さあ、物語は斬り結ぶ勇者と魔王で幕を開ける〜弾き飛ばした魔王の兜の下には、角を隠すために『麦わら帽子』をかぶり、『レーズンブレッド』を看板商品(『四字熟語』)にと語った、あの日のサラが!
パ、パン屋さんになろうとしていたサラが魔王に…どう就活したらこうなる!? 『青』い血滴る剣を手に、悲嘆で暮れる勇者の前に、ラスボスらしき神が現れ「ほっほっほ」!←この笑い方やめろw
敵は結末をつかさどる運命の神か〜勇者よ、人魔の和平と、あとサラの就業の自由を取り戻せ! 物語は運命の転回を宣告して、いいとこで第一部完〜
774氏が全お題を無理なく消化しながら、実は『スマホゲーム』だった脱力オチを描写だ〜、最後はまんまとコンビニに走り出すプレイヤーを見守る課金ENDで落としてくれた!
>>778
骨と血の世界…転移世界は狂気の巨漢が舞う地獄…地獄を超えた地獄! ルナティック・ピッグ(豚)!
さあ主人公の転移先は狂気がウリの『スマホゲーム』、ルナティックインサニティ〜、『レーズンブレッド』をもっしゃもっしゃと頬張るイタい相棒・颯太に、怒りのストマック・クローをお見舞いだァ!
クローの連続で顔色は『青』黒く、満身創痍(『四字熟語』)となった颯太、それでも、ござる口調は奴の生きざま〜、精神の強さが腹立つw
寄生獣っぽいクリーチャーに襲われた颯太がチート能力・神器創造を発動! 出てきたのは『麦わら帽子』と赤いベスト、デニム地の膝丈のズボン、サンダル……ルフ〇の装着品だと…
クソっなんて無意味なんだ…圧倒されたクリーチャー、逃亡w 778氏が前途多難の旅を描写して、異世界の旅路、颯太とだけは御免被るって感じで溜息ENDだァ! おおっと失礼
778氏はお題全選択→きっちり全消化でしたー >>783
感想ありがとうございます
二人の異世界道中は、実は続きも思い浮かんでいるのですが、お題としては丸被りになるので、一人でひっそり自己満足をしてようと思いますw >>783
呼ばれ方がどんどん大げさになっていってるw
いつも感想ありがとうございます。
第二部は過去改変編、第三部は改変後現代編といったところでしょうか。
今適当に考えただけですがw
第三部では正ヒロインとしてサラが勇者と共に並び立っていることでしょう。 >>785
さっき、ドバイで飛行機に乗ると言ってましたから
こちらに着くのは明日の夜ですかねぇ そういやこれ、自分が書いたやつってなろうで投稿しても良いのかな?
こっちに書き込んだ後からだとまずいかな? 前の進行さんは「『お題スレ投稿作品』タグをつけてなろうに投稿後、リンクをこちらに」って方針だったね。
そういえば俺に代わってからちゃんとガイドライン出したこと無かった。
どうしても5ch上から著作者以外がパクっていくリスクはあるので、出来ればなろうに先行して投稿してほしい。投稿時刻で確認できるので、その際はURLを貼らずにこちらに直接小説投稿しても良いよ。
ただ、今までの分を上げたい人もいると思うのね。……うーん、どうしようか。仮にそれを無制限に良しとすると、このスレすべての作品がコピペされるリスクを伴うことになる……なろう投稿を否定したくはないから、悩む……。 そこらへんあんま考えずになろうでオムニバス連載で出しちゃってるわ・・・
もちろん自分の分だけしかあげてないけど、途中からなろうと同時にあげだしたからパクりだと思われそうや
消した方が無難かな、やっぱり 消すまではすることないのでは?
あらためて徹底って事で。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています