類似点を探そうとすると相違点が見つかる

■ゲーム性
ドバロ
 このゲームに主人公が痛覚を感じる機能は存在しない。そもそも戦争に自ら赴くゲームじゃないのだからそんな機能不必要だ。
アルキマイラ
 ヘリアンが訊いたのは、最初期の話……ヘリアンが三体の魔物を引き連れてこの世界に降り立ち、右も左も分からない世界を歩いて探索していた頃の話だ。たった三体の魔物を率いて未知の世界を探索していた頃の記憶は、今も色鮮やかに覚えている。

■情報
ドバロ
 たった一人、誰よりも早く誰も気付いていない問題をクエストで知ることの出来るカロンの目に映し出されている内容は、長い間プレイしてきても経験したことがなかった。
 表示されるクエストはあまりにも多く、その全ての頭に緊急の二文字が書かれている。
アルキマイラ
 このゲームでは、ステータスウィンドウを含む各種ウィンドウには知っている情報しか可視化されない。『ウィンドウを開けばいつでもどこでも瞬時に最新の情報が参照可能!』とはいかないのである。
 なので、いくら現状把握がしたくとも、配下がある程度の情報収集を終えるまで待つしかない。

■反乱
ドバロ
 しかし、いつ気付くのだろうか。
 国家レベルを最高にすることでもらえる黒の王衣のスキル効果、反乱、下克上と言った国家内問題の発生率を100%抑制し、代わりに外的要因での問題発生率を50%引き上げる効果があることを。
 ゲームと酷似しているが、ゲームと同じではない。しかしゲームとは違うが、ゲームが適用されていないとは限らないのだから。
アルキマイラ
 ただの人間でしかない彼の頭部はスイカのように弾け飛び、粉砕された頭蓋の中身が汚いケチャップと共に地面にぶち撒けられる。
 ――こうして、最弱の王であるヘリアンは。
   自らが統治する国の民に反逆され、死亡した。