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ワイが文章をちょっと詳しく評価する![83]

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0001ぷっぎゃあー!
垢版 |
2018/01/07(日) 20:22:20.77ID:elt3Z3qs
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点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

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ここまでの最高得点は75点!(`・ω・´)
0207この名無しがすごい!
垢版 |
2018/01/16(火) 18:42:50.93ID:uSzDDREu
 ――暗い場所。どこからともなく、疲れ切った男の声が響く。

『ウチはアットホームな会社だから。そこが売りなんだ!』
『ウチはやればやっただけ出すから! こんな会社ないで! ガンガン稼いでや!』
『ウチは若い社員の多い会社だよ! その分活気があるし、そう年も変わらないから気を遣う必要も少なくて楽だよ!』

 なるほど。中小企業でよく聞かされる謳い文句だ。就活生たちよ、気を付けたまえ。斯様な言葉に惑わされれば、君は日本社会の暗黒面に堕ちることになる。
 君たちは余りに社会を知らない。だから、まずは自分たちでも知っている大手企業に挑戦したことだろう。
 だが残念ながら、それらの会社から篩い落とされて、止む無く中小企業に就職活動をしている。そうして先の発言を聞かされるわけだ。
 聞こえの良い謳い文句に思われるかもしれない。でも、ちょっと待ってほしい。それは君を黒い底なし沼へと沈めんとする甘言なのだ。

 アットホームな会社。まあ、嘘ではあるまい。
 君が知っているかどうかは定かでないが、中小企業にはすこぶるオーナー企業が多い。そしてそれらの会社は往々にして身内びいきだ。
 社長にその妻や息子、親類筋が何人も勤める。また、彼らオーナー一族と親交のある者が採用されたりする。それらの人は、準身内といった所か。
 言うまでもないことだが、君のような入社前にオーナ一族と何ら縁故のなかった社員は最底辺におかれる。
 その上、オーナー一族は仕事(会社)とプライベートの垣根が曖昧だったりもする。
 君は、アットホームな会社の社員という名の、オーナー一族の体の良い召使になりかねない。
 うむ。なるほど、アットホームなことだ。大昔の名家の邸の中を見ているかのような気分にさせられる。

 やればやっただけ、ウチは(給料を)出すから! 
 ……君は期待に胸をふくらませるかもしれない。
 バリバリ働いて大活躍すれば、大手の社員にはなれなかったけれど、大手のエリートたちと変わらぬ高給を得るのも夢ではないかも、と。
 だが、キツイことを言えば、そんな夢想を抱けるのは君たち就活生や新社会人くらいのものだ。
 我々のような先達からすれば、何とも空虚な言葉に聞こえる。
 やればやっただけ、と言うが、では明確な基準はどこにある。営業部に配属されたとしよう。具体的に売上をいくら上げれば、いくらの報酬を得られるのか? 
 一度尋ねてみればよいだろう。きっと明確な答えは返ってこない。何せ、基準なんて何もないからだ。ようは社長の胸先三寸である。
 勿論、完全出来高制の会社であれば事情は異なる。まあ、それはそれで恐ろしい制度ではあるが。

 ウチは若い社員ばかりの活気ある会社なんだ!
 ほう、若い社員ばかり? 異なことを仰る。
 人は誰であれ年を取る。近年できたばかりのベンチャー企業ならいざ知らず、起業して十年二十年にもなるのに若い社員ばかり?
 先輩社員の勤続年数を聞いてみればいい。一年? 二年? 三年? 多分五年以上と答える人は少ない。まあ、軒並み短い年数が返ってくることだろう。
 翻ってベテランと呼ばれるような社員が少ない。少ないどころか、下手をすれば社長、専務、部長など、相当上役にしかベテランがいない恐れすらある。
 つまり人が居つかない会社。すぐに人が辞める(逃げていく)会社だということだ。
0208この名無しがすごい!
垢版 |
2018/01/16(火) 18:44:57.67ID:uSzDDREu
 では、どんな会社を選べばホワイトな中小企業に巡り合えるのか? 君は聞きたいことだろう。だが、私はそれに対する答えを持ち合わせてはいない。
 何故なら、中小の多くが濃淡の違いこそあれ、黒いか、あるいは、灰色をしているからだ。

 そうとも! 全く問題を抱えていない中小なぞあるものか! ……すまない少し取り乱した。
 それに、ないと断言するのは早計であった。どこかにはあるのだろう。しかしそれは絶滅危惧種か、天然記念物並にレアな会社だ。
 例えるなら、北海道でイリオモテヤマネコを見つけるくらい難しい。
 君が北海道でもイリオモテヤマネコを見つけられるというのなら、探してみるといい。おススメはしないが。

 では、どうすればよいのか? ……次善策しかあるまい。
 何処もかしこも、何かしら問題を抱えている。ならば、問題の多い会社を、問題の根深い会社を避ける。出来る限り、白に近い灰色の会社を探すのだ。
 それならばまあ、出会える可能性もあるだろう。
 例えるなら、夜の田舎道を車で走っていて、飛び出してきた鹿にぶつかってしまう。それくらいの確率はあるだろう。あるといいなあ。
 ……何? 君は奈良県民なのか? ならば、熊とぶつかると置き換えてくれたまえ。

 ん? あなたは巡り合えたのか? ……愚問だな。巡り合えたのなら、私は君の前で話しているさ。
 こうして、どこからともなく声だけで囁きかけるのは、私が光も飲み込む、黒い黒い闇の奥底に身を沈めているからだ。
 君は、こちらには来るなよ。どうか、光差す、世界、で、君が生き、ていくこと祈って……。

 ――暗がりからの囁きは途絶えた。
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