>>416
ラノベじゃないんだけど、短いのにプロットがしっかりしていて、短いセンテンスで起承転結を繰り返し、更に大きな起承転結を構成するフラクタル構造の妙味を知りたければ、山本一力の『蒼龍』をお勧めする。
安い文庫版を買って、自分なりに起・承・転・結と分解してみると、その構成の巧みさに舌を巻くだろう……処女作の受賞から、僅か三年で直木賞を手にするのも納得がいくというもの。

簡単に説明すると、江戸時代に連帯保証人として多額の借金を背負った主人公が、茶碗の絵付けコンテストに挑戦して、一度は挫折するも二度目の挑戦で獲得する(ハッキリとは書かれてないが)物語。
実は山本一力その人が、会社の破綻で何億という借金を背負っていた当時の作品で、この蒼龍を皮切りに作家として成功する、ジルベスター・スターロンと『ロッキー』みたいな背景があったりする。