0116この名無しがすごい!
2018/07/24(火) 20:02:27.32ID:iGz2+jde>彼女の人生は、新人賞を若くして獲得、華々しいデビューを飾ったところまでは良かったのだが、
なぜ文章を切らない?
こう書け。
新人賞を取った所までは良かったんだよな。
「ちゃんと聴いてますか!」
ヒステリックな怒鳴り声が耳を劈いた。まさしく鼓膜を破りそうな勢いだ。
カリカリすると文章が書けるんだろうか。
結局この先生は一冊しか本を出していない。そのことはこの教室では禁句だ。
藁にも縋る思いでそんな先生のところで学ぶ私は、一体カネに換算してどの程度の価値があるのか。
文章なんて言うものはカネにはならない水物だ。売れたものに価値があり、一旦売れれば先生先生と、崇め奉ってもらえる。
一度そうなっただけでもとんでもないことなのだが。
そうなっていない私は、さしずめゴキブリのようなものだろう。人々に忌み嫌われる、頭の悪い夢想家。
私はまだ「人間」になれていないのだ。
やっと「人間」になれたこのおばさんが、いつの間にかゴキブリに戻っている。そんなイメージが頭に浮かんだ。
「すいません」
ゴキブリよりは人間の方が偉い。