安価・お題で短編小説を書こう!4
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>>377
やつらとの不思議な出会いがやってきた〜、377氏の選択お題は『9』および『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』! 歌え、たまねぎランドの歌〜
お題長えw さあ、寝相の悪いたまねぎくんが起床した〜、何もせずとも効果音をネギネギと発し、動作するとタマネッギーと音が鳴るw
おもむろに明かされたのは、あのスーパーマ○オの音楽が、たまねぎくんのテーマソングだったという衝撃の事実〜、
ネギネギ、ネギネギ言いながら、たまねぎくんが『乳酸菌くんの出会い』をへて、クイズを開始だ〜! 何も知らないホワミルくんに、自分たちの仕事は何か、『9』人のたまねぎくんが何をするかと問いつめるが、回答はヤル気なしの「わかんない」!
でかたまねぎくんが寝入った彼らを撫で回し(いつから居た!?)『衝撃的な結末』だァ〜、百戦錬磨のスレ民もコメントに困る衝撃によってお題を消化〜、たまねぎくんがニッコリ笑い、オニオンづくし・ワンダー・フィニッシュ!
>>381
まさかの連投w 377氏が選択お題『9』で、あいつらを再召還!! 続・たまねぎランドの歌〜
さあ、さっきのクイズの続き、的な遊びなのか、ナレーターが『9』人のたまねぎくんのたまねぎ度をなぞなぞしているようだ〜
9体のたまねぎくんの持つパワー、それは〜、かなり高い! …ではなく〜、無限大! …でもなく〜、答え、たまねぎ! 分かるわけねえw
凄い凄いと褒め称えるデカたまねぎくんが現れて、場はにぎわいを見せる〜、でかいやつが最後に出てくるのはEND感を出すためかw 宣言お題『9』をクリアした377氏がスレをたまねぎ色に炒めきったァ! >>363
使用お題:『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃の結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』
【些事日記】
「あなたがそんなに甘やかすから……私は知りませんからね!!」
腰まである黒髪をひとまとめにして、妻がブツブツと言いながらキッチンへと消えて行く。
俺はそんな後姿を横目に見ながら溜息を一つ吐いた。
今日、息子にねだられるままに、おもちゃを一つ買い与えたのだ……妻の機嫌が悪いのはその所為だ。
申し訳ないとは思ったが、それにも少し訳がある。
買ってやった玩具の名前は“妖怪ハウス”と言う物。良く有るキャラクター玩具の一つではあるが、実の事を言えば、自分が子供の頃、買ってもらう事の出来なかったおもちゃの一つだ。
リベンジ……と言う訳では無いが、どうにも懐かしくなったのも確かではある。
「おー、ぬるぬるー」
「スライムかぁ、こんな物も付いて来るんだな」
新しい妖怪ハウスにはスライムが付属していた。これも懐かしいおもちゃだ。昔と同じ様なポリバケツ型の容器に入った緑色の粘体。
昔の妖怪ハウスは、家本体と、ソフトビニール製の指人形が9体程ついて来たと思ったのだが、今は指人形が4体と、このスライムが付いて来ていた。
もっとも指人形自体は、別売りのセットも有るし食玩でも手に入る。
少子化の所為もあって大型の玩具の売り上げが下がっている為、大型玩具の本体価格を下げ、それと連動する食玩でプレイバリューを上げてるらしいのだが、なんとも逞しい商売魂だ。
スライムを本体にセットしたり、人形を絡ませて遊んだりする。
ソフビ製の人形だから、あまりべたべたとくっつかないと言うのも有るのだろう「敵の攻撃だ〜」等と言いながらスライムを人形の上から落として遊んでいる息子に笑みが浮かぶ。
******
『ぼく、たまねぎくん! 君は?』
『……乳酸菌くん』
『出会うはずの無い二人が出会った!! 衝撃のラストはCMの後すぐ!!』
「そういえば、今度、映画が公開するんですって」
黒髪ロングをドライヤーで乾かしながら、息子を風呂に入れた妻がそんな事を言って来た。
チラリと時計を見れば午後9時、15分前。
まぁ番宣か、映画に成ると言う衝撃の告知をするラストって訳だ。
……事前に知ってしまったが。
風呂に入る前に片付けた妖怪ハウスを再び出そうとする息子を妻が叱りつける。
これから寝ようって時間だ、それも仕方が無い。
だが、それだけ買って貰った事を嬉しがっているのだと思えば、それはそれで頬が緩む思いだ。
「やー!! いっしょに寝るのぉ!!」
「あなた! あなたからも言ってやってください!!」
「うん?」
「この子ったら、スライムを布団に入れようとするんですよ!」
……あ、うん、それは確かに止めないと…… >>375
ファンタジー世界のペット事情w
こんなにハッキリとした意志疎通が可能なペットだと、色々な楽そうですね
>>377>>381
不思議な乳酸菌くんワールドに、今度はたまねぎくんが!
とっても玉葱な世界でしたw >>385
今回は超難題を含むお題5がそびえ立った! 受けて立とうと385氏が全選択で執筆だ〜、オトナの事情とコドモの夢と!
さあ、私は知りませんからねと、腰まである『黒髪ロング』の妻が辛らつ意見を速射〜! それを横目に、妖怪ハウスなる玩具にハマった我が子を見守る父親が、いや訳があるんだと、自分の買って貰えなかった遊び道具に思いを馳せる〜、
時代の趨勢に合わせバージョンアップした妖怪ハウスは、指人形と『スライム』で構成される『ぬるぬる』仕様で、かつての少年だった父親も、いまや商魂たくましと売り手側の目線を解する大人に成りさがるw
さて時刻は夜の『9』時前だ! 子供番組が『たまねぎくんと乳酸菌くんの出会いおよび衝撃のラスト』のアオリを入れるも、父は映画の予告と見破って〜、ここで超難度お題をクリアw
販売戦略を弄する大人側の事情を察しつつも、子供のワクワク守らねば〜、父が幼少の自分を息子に映し、幼年時代をオーバーラップさせ、かつての少年が玩具を代理購入して次の少年に夢を引き継ぐ二重時間END、385氏が全選択で高山超えをきめたw >>387
感想有難うございます
たまの休日に、子供と遊びに出掛けた日曜日の父親……と言うイメージで書いてみましたw >>363 某動画を参考にしながら書きました。参照元の詳細っている?
使用お題:『9』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』
【10個の質問をするゲームのお話】(1/2)
さて、今日はなかなか珍しい勝負をしかけてきたな。
どこぞの動画でやってたのを見て、やりたくなったらしい。まったく、単純な奴だ。曰くイエスノーゲームだとかなんとか。
ルールはこうだ。
テーマに沿ったお題を出す。お題に対して「イエス」と「ノー」で答えられる質問が10回できる。お題を出した方はその質問に対して、正直に答える。9回は。
出題者は1回だけ嘘をつくことができる、らしい。また、予想した答えをリストにして、一括に聞くことも可能らしい。ただし、一回だけ。
うん、一回ルールを聞いただけじゃ完璧にはわからないね。
とにかく一回やってみよう、と言う話になった。お題は「オレが死んでも食べたくない食べ物」。
「あんたの苦手な食べ物なんてだいたい想像つくわよ。ヤマ勘で当ててもいい?」
「そういうのはなしなし! つまんないじゃんか、っていうか速効で当てられそうだからダメ。どうせならちゃんとゲーム形式に則ってやろうぜ?」
我儘な。まあそんな幼馴染の自分勝手な提案に真面目に付き合ってやってる私もたいがいヒマ人だが。
最終的に、答えがわかったら肉まんをおごるという線で決着がついた。本気でゲームに取り組み出す。幼馴染はノートを開いて、シャーペンの芯をかちゃかちゃと出した。
肩辺りまで伸びた黒髪をくるくる弄りだすのは、考え出したときの私の癖だ。
さて、食べ物なんて言われても範囲が広い。まずは答えを大雑把に予想しつつ、その範囲を絞るところからやろう。嘘を見破るのは簡単だ、二重の意味で。
「じゃあ質問一つ目。それは和食ですか?」
「イエス」
だろうな、とは大体予測通りの答えに満足しつつ状況を把握する。次の質問を考える。
しょっぱなミスリードでウソをついてる可能性を考慮して、次の質問はすぐに決まった。
「二つ目、それは調理されていない和食ですか?」
「イエス」
これで和食であることは確定した。このゲームのウソの見破り方の定石は2回聞けばいいのだ。それくらいバカでもすぐに察することができる。
あとついでに幼馴染の鼻を見る。鼻の穴が若干膨れたら嘘をついたり誤魔化したりしてる証拠だ。こちらは正当な方法ではないので、あまり多用したくない。勝ちが確定してしまう。
あまり奴のアホ面は見ないで行く。
和食であることは確定。ただ、調理済みか調理済みじゃないかはまだ未確定。ちょっと不安になる。
幼馴染の出したお題は食べ物だ。調理済みの料理か未調理の現物かで少し事情が変わってくる。後の事を考えると、ここは確定させておきたい。
ちょっともったいないけれど、同じ質問をする。
「もっかい聞くよ? 調理されていない和食ですか?」
「イエス」
正直、悔しい。でも確実な情報が3つも手に入れられたから十分だ。
一つ、和食。一つ、調理されていないもの。一つ、まだ嘘はついていない。
警戒を緩めず次の質問を考える。今度はちょっと時間がかかった。
「……4つ目の質問、それは発酵食品ですか?」
「イエス」
これは思いのほか大きいヒントだった。勝ちを確信する。
日本の料理は大雑把に分けて4つ。発酵食品、生鮮食品、干物食品、そして発酵食品ではない浅漬けのような漬物だ。
3つ目の質問と同じ方法でどれか一つに限定することができれば、それだけでかなり勝率は高まるな、とは思っていたが、まさか一発目で当たりを引き当てるとは思わなかった。
5つ目の質問にまた迷う。私が迷ってる間に、幼馴染が急いでノートに今までの質問とその答えをメモっていた。
こういう細かいところに気がつくのはすごいと素直に称賛する。まあ、単にこのゲームがやりたくて全力を出した結果なのだろうけれども。
もう一度確認したいが、いちいち確認していたら質問数が足りなくなる。なので対策を考える。
ここで一つ気づく。そうか、同じ質問を二回繰り返す必要はないんだ、と。なので次の質問はこうする。
「それは浅漬けですか?」
「ノー」 具体的な食品名を出す。これで「未調理の発酵食品の和食」で「浅漬けではない」ことが確定した。我ながら自分の賢さに感激する。
浅漬けに対してノーと答えたが、これは確実に嘘ではない。なぜなら浅漬けで嘘をついていたとしたら答えは「浅漬け」になる。しかしその場合、一つ前の質問である「発酵食品である」という情報が嘘となってしまうため、嘘が二つになってしまう。
なるほど、本気で考えると結構面白い。私も楽しくなってきたので、次はリストで聞いてみる。
残りの質問回数は5回。そろそろ答えを本格的に当てていかないとまずい。
しかし残念なことに、もうここで何が答えなのかだいたい予想できてしまった。
昔から知ってる相手だとこういうところで困る。というか出題者が幼馴染相手なのを想定してないことが悪い。
「6つ目の質問、あなたの苦手なものは、納豆、味噌、塩辛のうちに入っていますか?」
「ノー」
ノートにルールと今までの質問を書きとめながら、幼馴染がそう答えた。私はその答えに怪訝な表情を浮かべつつ、ノートを参考にさせてもらって少々考える。
こいつの食生活については結構詳しく知っているつもりだったが、冷静に考えると断定できないことに気づいた。
納豆が嫌いなのは知ってる。味噌汁もあまり好きではないと愚痴っていた。塩辛は父親に食べさせられて吐き出しかけたと怒っていたことがある。つまり、このどれかだと思っていた。
しかし「ノー」ときた。つまりこれ以外、ということなのだろうか?
これ以外だった場合は、すぐには想像できない。質問数がまだ残ってるから何とかなるだろうが、かなり当てずっぽうになるうえ、幼馴染知識に頼ってゲーム攻略せねばならなくなる。何となく負けた気分がするから、それはできればしたくない。
この3つの内に答えがあれば楽だったのに……とここまで考えてようやく気付いた。この答えが嘘の可能性に。
嘘かどうかを確認するのは容易だ。そして、たぶん嘘だろう。だから私はもう一度同じ質問をした。
「7つ目ね。もう一度聞きます。あなたの苦手なものは、納豆、味噌、塩辛のうちに入っていますか?」
「はい、ダメ」
まさかイエスノー以外の言葉が返ってくるとは思わなかった。私は眉間に寄った皺をさらに深くして奴の顔を見る。
奴は、まるで罠にかかったと言いたげなドヤ顔で、ノートの一か所を指で叩いている。そこを見ると、今回のゲームのルールが書いてあった。
イエスノーで10回質問ができる。出題者は一回だけ嘘をつける。そしてリスト聞きができるのは一回だけ……!!
「うわ、一回しかリスト形式で質問ができないんだっけ!?」
「その通り、はは、やっぱり引っかかったー」
嬉しそうに囃し立てる幼馴染。悔しくて「ぐぬぬ」と呻く私。
挑発されて非常に悔しいけれど、奴の心底楽しそうな笑顔にちょっと動揺してしまう。こんな表情久しぶりに見た気がする。状況も忘れて少し見とれた。
【10個の質問をするゲームのお話】(2/3)
私はすぐに頭を振る。いや、今は勝負の最中。本気で戦ってる最中なんだから浮かれちゃダメ。よし、平常心。
一回しかリストで聞けない。だから嘘かどうかの確認はできない。でも、うん、そうだな。対応策はある。
前の質問で嘘をつきましたか、こう聞けばイエスかノーで判断できる。なんだ、とても簡単じゃないか。
そう思って7つ目の質問を再度口にしようとして、私の中の何かが警笛を鳴らした。あれ、ホントにそれでいいのか? 【10個の質問をするゲームのお話】(3/3)
ダメだ、と私は状況を再度考慮する。6つ目の質問が嘘だった場合は問題ない。7つ目がイエスになるだけだ。
しかし、6つ目の質問が本当だった場合が問題だ。その時私が出題者だったら、7つ目の答えにイエスと答える。だってそうすれば、結局6つ目の質問が嘘だったか本当だったかわからなくなるからだ。7つ目の質問にも嘘かどうかの確認の質問がいる。
つまり残り5回の質問権のうち、3回をリスト聞きの確認に使わねばならないのだ。
そして最後に残り2回でリスト内か、リスト外かの物を断定せねばならない。困った。
リスト内のものだったら確認が取れるが、リスト外だった場合はどうしたものか。
2回で決定打までもっていけるか? いや無理だ。単純にモノが思いつかない。
ここで長考に入った。悩んで、悩んで、悩んで、考えて、悩んで、悩んで、幼馴染の「まだ?」という催促に「待ちなさいよ」と半キレで返して、悩んで、悩んで、ふと思いついて、考えを決めた。
私は質問をした。
「7つ目の質問ね。前の質問で嘘をつきましたか?」
「イエス」
これは想定通り。そして私はもう一度同じことを聞いた。
「8つ目の質問、前の質問で嘘をつきましたか?」
「ノー、ってもうこれで答えは確定させられちゃうかな」
幼馴染が憮然とした顔をした。その通りだ。答えは納豆、味噌、塩辛のうちどれかに決定したのだから。
一番の手がかりになるはずのリスト聞きのとき、嘘をついて「ノー」と答えたが、結局二回の確認で嘘がバレてしまったので、もうあとは詰将棋を詰める状態になった。安堵のため息を吐く。
ぶっちゃけ負けてもいいやと思ったのが逆に功を奏したようだった。勝ったら奴と一緒に肉まんが食べれる、負けたら負けたで、奴の嫌いな食べ物がわかる。それならどっちでもいいやと思ったのだ。
それに、勝敗関係なくおまけもあるし……。
9つ目の質問で「納豆かどうか」を質問し、答えは「イエス」。嘘はもうつけないので、10個の質問を使い切る前に答えがわかってしまった。
私はスライムのように机にべったりへばりついて項垂れている幼馴染の頬をツンツン突く。
「ていうか、まーだ納豆食べれないの? ほんとに日本人なのかなー、うりうり」
「やめろよな。それに納豆は臭いしヌルヌルしてるし嫌いで何が悪い。あー、もう。肉まん奢るよ。遊んでくれてありがとな。でも結構楽しかったろ?」
「まあね、結構頭使ったしね。でも、どうせなら嫌いな食べ物より最近気に入った食べ物、とかの方がいいと思うよ。だいたい目星ついちゃったし」
「あーそっかー。そこまで考えてなかったわ。くそー、今度やるときは難しいのにするからなー」
私は負け惜しみを言う幼馴染の口調にフフと笑い、その後真剣な表情を作った。そして楽しかったと浮かれている奴の耳を引っ張ってこちらを向かせる。
「いてて、なんだよいきなり」
「あのさ、まだゲーム終わってないよ。10個目の質問がまだ残ってるんだけど」
「ん? 何言ってんの。納豆って答えわかっちゃったし、もう終わりでいいんじゃ……」
「アナタこそゲームのルール忘れてるんじゃない? 1回の嘘を除いて9回は正直に質問に答えるって。そういうルールでしょ? 私の聞きたいことは、それは……」
愛しい彼から正直に聞きたいことなんて、たった一つしか思いつかなかった。 3列も投稿するの初めてだから細かくミスった……。雰囲気で察して;; お題『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』締切
【参加作品一覧】
>>375【どこにでもある、ごく普通の、ありふれた日常】
>>377【たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い】
>>380【たまねぎくんのたまねぎ度】
>>381【たまねぎくんのたまねぎ度(訂正版)】
>>385【些事日記】
>>389【10個の質問をするゲームのお話】 さて……
あまりむちゃなお題は考えものだけど、ルールで縛るのもなんだかなぁと思うので、その辺は安価の方に任せます。作品数だけで言えばいつもより盛り上がってましたし……。
ということで、いつも通り行きましょう
>>395-399 伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方) ☆お題→『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→9/30の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>393より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 さて、今回もお題4つで頑張るか。スケルトン兄弟がちょっと面倒だね。 ストレートに考えればそれですが、彼ら以外に兄弟のスケルトンがいないとも限りませんから(震え声) >>389
微笑ましい二人のやり取り
昔馴染み故に直接聞きたい言葉……と言うところでしょうか? >>389
前回お題、最終語り手となった389氏が、『9』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』を選択し、会話劇を演じるぞ〜、10の質問!
さあ主人公は、幼馴染とゲームに興じる『黒髪ロング』女子〜、やってみよう10の質問で答えを絞り込んでいくゲーム、ただし回答者は嘘を一回、混ぜることができる〜
幼馴染からのクイズは「オレが死んでも食べたくない食べ物」だ〜、どうなる、って、大づかみに和食で範囲を限定した主人公が、またたく間に三品まで絞込み〜、知り合いは反則w
最初から精度の高い推測が、嘘の偽装も質問連打で見破って、質問『9』つはや終了! 納豆は『ぬるぬる』してるし嫌いだと、『スライム』のごとく敗北ふやける幼馴染、彼が耳をひっぱられた先に待つのは、え、主人公の、マジ顔!?
ゲームはまだまだ終わらない〜、ルール上、もう正答しか手がない回答者から、最後のこたえを聞き出すまでは〜、趣旨が中途半端な関係どうなっちゃうんだゲームに変わり、389氏が盛り上げるだけ盛り上げて、ラストは隠蔽〜、続編予告おつENDだァw やりようによればスケルトン兄弟なんてどうとでも処理できる。1個思い付いたけどオチが弱くてまだ形にならない・・・
>>400
>>385【些事日記】 に一票。よくこんな難しいお題を処理できたなぁと感心したから たっまっねっぎっが、たーまねっぎ、たまねぎったっまっねーぎー♪
「が」はいらなかった
たっまっねっぎっ、たーまねっぎ、たまねぎったっまっねーぎー♪
こうだったわ >>400 ちょっと強引だったかも。面白いと思え(命令
使用したお題:『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』
【ヤバイ人たち】(1/2)
うちの妹はおかしい。
「では、そろそろ始めましょうか」
そう言って妹は手に持った十字架を掲げた。天に祈るように小さな十字架を握りしめ、目を閉じる。
我が妹ながら見た目はなかなか可愛いらしいし、静かに祈る彼女の姿はまるで敬虔なシスターのようだ。ただ、やってることはおかしかった。
妹は目を瞑ったまま、オレに指示をしてきた。
「お兄ちゃんは何もしないでいいから。ただ、見てて」
オーケーと返事をする。まあ、正直何をすればいいのかわからないし、これ以上は何かやりたいとは思ってない。
だから可愛い妹に見ててと言われたら、願ったりかなったりだ。後ろからぼんやり見るだけにする。
妹は、いわゆる厨二病に目覚めたのだ。男のそれはよく耳にするし、自分もなったことがあるけど、我が妹がそうなるとは思わなかった。ビックリしたものだ。
妹は天使の生まれ変わりの春を超え、右手に封じられし獣の夏を超え、今は悪/魔教の秋だった。
黒いローブと黒いマニュキュアとスケルトンの兄弟のアクセサリーが痛々しいけど妙に似合っている。
妹の自称・悪魔召喚の祈りは続いていた。だんご状の生贄を乗せた台を前に、まんまるの月に向かって、悪魔に何か言葉を送っている。
ただ……妹よ、それは「お月見」と呼ばれるイベントじゃなかろうか?
後の黒歴史確定だろう。だが、オレは妹のその行為を否定しなかった。
妹が「お兄ちゃんに頼みたいことがあるの」と言われて、今日がんばってその準備を手伝ったからだ。
おそらく反抗期だから素直に誘うわけにもいかず、でもオレと一緒に月を眺めたかったからこんな回りくどいことをしたのだろう。
いつまでもお兄ちゃんっ子だなぁとオレはほっこりしながら、天に何かを祈る妹と一緒にお月様を眺めていた。
…………
うちの兄はおかしい。
「お兄ちゃんも他に何かしようか?」
開始の合図をした私に向かって、兄がそう聞いてきた。私はビクリとしつつ、何もしないでいいと返事をした。
兄が後ろから私を見ていることを意識しつつ、私は天に祈りをささげた。
兄は、何かおかしい。昔から私の面倒を見てくれて、いつも私の味方になってくれて、すごく優しい兄だけど最近その行動がおかしいところがある。ビックリしたものだ。
兄は私の願いを叶えるためならどんな不法も犯してしまう。春に私が天使のようなアイドルになりたいなぁと言ったら嗤った同級生の顔を何十回も殴った。
人をそんなに殴らないで、とお願いしたら夏の暑さを物ともせず右手を包帯でぐるぐる巻きにして封印してしまった。そして今回もちょっとしたお願いをしたら、これだ。酷すぎる。
神への贖罪へと思って手に血がにじむほど十字架を握りしめ、喪に付すという意味で黒い布を頭からかぶり、お気に入りの骨の人形を手に祈りを捧げる。
私は兄の蛮行の謝罪を天に祈る。だんご状になった生贄を用意したのは兄だが、用意させた原因は私の不用意な一言だ。だから、お月様に向かって真摯に謝罪をする。
傍から見ればお月見にも見えなくないが、そんなことはどうでもいい。
お兄ちゃんが変なことをしないように見張ろうと思い、余計なことをしでかさないように「おだんごを用意して」とお願いし、そうしたらまさかこんなことになってしまった。
お兄ちゃんは本当に困った人だ、そう思いながら私はお月様に「兄が普通になりますように」とお願いしていた。 【ヤバイ人たち】(2/2)
うちの子たちはおかしい。
何のやり取りをしているのかわからない。でもおかしい、おかしすぎる。前々から気付いていたけど、今回は酷すぎる。
後ろから隠れて見守る分には、仲のいい兄妹だ。一緒にお月見なんてして、可愛いもんだ。
普通この年代だと反抗期で喧嘩ばかりと聞くけど、この子たちはいつも一緒にいて本当に仲が良い。それは良い。だけど、それ以外が問題だ。
春は妹がバカにされたって言って同級生を半/殺しにした。夏には自らの手の筋を斬った、何かを封印するためだとか言っていた。
そして今回は、これだ。大量の猫の首がお月見のお団子のように積み重なっている。
おかしいのは兄だけではない、妹もそうだ。同級生が半殺しにされたのに彼女たちの心配はせず、兄の手ばかり心配していた。兄のギブスのついた腕を見てニコニコ笑っていた。
今は大量の猫の生/首に見つめられながら祈りを捧げている。おかしい、絶対におかしい。
いくら母親とはいえ、ここまでおかしいとわかったら見逃すわけにはいかない。警察、はさすがに可哀想だけれど、その手の病院に連れて行くべきだろう。
内科ならいいところを知っているけれど、精神/科なんて聞いたこともない。いったい私はどうしたら……。
私はお月見なんてする心の余裕なんてなく、電話帳を探しながらオロオロしていた。
…………
この人間はおかしい。
大量の動物の首と血を贄に捧げ、満月に祈りを捧げる。珍しく正しい悪/魔/召喚をしている者を見つけたからその様子を確認してみれば、どう考えてもおかしい。
召喚主の心の中を読んでみると「兄が普通になりますように」という願いが占めていた。別にそれは構わないのだが、この兄は妹に依存しているようだった。
悪/魔への願いの対価は契約者の魂である。妹が死んだらこの兄は普通に発/狂すると思うのだが、それはいいのだろうか? よくわからない。
……まあ、いいか。儀式は正しいものだし、願いを聞き入れるのは私の役目だし、願いを叶えた後の結果は私の知るところではない。望みを叶えてやろう。
ああ、それにしても良い月だ。あの供え物も美味しく食べられるだろう。仕事はさっさと終わらせるか。 3行で読むのめんどくさくなっちゃった
やっぱ俺って小説向いてないわ、なんだかごめんね >>408
我々は皆、どこかおかしい━━イタリアの慣用句
と、言う言葉を思い出しましたw >>408
短編スレの月見は続く〜、408氏のお題選択は『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』、黒歴史エスカレーション!
さあ、厨二きわまり『スケルトン兄弟』のアクセサリーが痛々しい妹の、『では、そろそろ始めましょうか』なる号令で、兄と二人の悪魔召喚がおこなわれている〜、
天使転生、封印の右手、悪魔教と遍歴して季節は『秋』、だんごを捧げて月に祈り、悪魔と契約って、やってることは二人で『お月見』じゃないかフフ、と兄のろけw
だが妹主眼の視点では、妹守らんとする兄の殴打事件が明かされて、彼女の願いは兄の正気に向けられる〜、ところが母親視点では、二人の自傷や猫虐待のリアルが露見し、どっちとかねえw
ラスト! 召喚された悪魔が求める対価は命、厨二じゃ済まないところまで状況悪化だァ〜、視点シャッフリングで408氏がお題四つを踊らせて、黒歴史のステップ刻み、猫の恨みをはらしてみせたッ! 変なお題があるから投稿しづらいのかな。自分ばっかあげることになりそうで少々心苦しい…… >>413
それも力量の内なので、どんどん上げちゃって下さいw 自分で出したお題の「ではそろそろ始めましょうか」が地味にムズイ。
これを生かすと他の題が邪魔になり、逆に他の題を埋めようとすると台詞が入らなくなる・・・ >>400 正直、微妙かも……なんかオチが上手くできなかった。
使用したお題:『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』
【ある兄弟のお月見】
冬に僕たち兄弟は死んだ。
兄とは何度も喧嘩したけれど、仲良し兄弟だった僕たちは冬の山で遊んでいたらクマに襲われて殴り殺された。冬眠失敗して飢えていたそのクマは、できたばかりの死体を食べた。
体の肉をほとんど失って、僕はしゃれこうべになった。
春に僕の死体は腐った。
草木が萌ゆる季節になって、虫たちが活発に動き出した。ほんのわずかに骨にこびりついていた肉が彼らの良い餌になった。
肉片がなくなって骨が綺麗になった。ちょっとだけ嬉しい。
夏に僕の骸骨は乾いた。
暑い日が続いた。雨に打たれ泥まみれになっていた僕の骨は、強い日射しで熱を持ち、泥が剥がれ落ちた。前より綺麗になった。
何かの動物がいたずらで僕の腕を地面に突き立てていった。両手をあげてるみたいで少し恥ずかしい。
秋に僕の髑髏はお月見をした。
お団子の代わりが僕の頭、すすきの代わりが僕の両手になるけれど、お月見と同じになった。虚ろな洞となった僕の目玉にお月様の光が差し込んでいる。
兄さんも見てくれているかな?
「ああ、見ていますよ」
そうなんだ、よかった。
「うん。では、そろそろ始めましょうか」
うん、一緒にお月見をしようね。
僕は髑髏の上に兄さんの足が乗ってるのを感じながら、空高く上るお月様を眺めていた。 >>417
417氏が冥界から兄弟を召還! お題『スケルトン兄弟』『秋』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』を選択、スケルトン草子絵巻〜
さあ、書き出しで僕たちは死んだ、などと地縛霊化した語り手が、風情豊かに語っていく四季のおりおり〜、
冬にはクマに襲われて、春には腐敗で虫にたかられ、夏には泥浴びの憂き目にあう〜、なんと悲惨なるシーズンの味わい、こいつは言わば、枕草子アンデッドw
で、『秋』には『お月見』ということで〜、野生動物のいたずらにより、バンザイ状態になった腕骨すすきに見立てては、兄の言葉『では、そろそろ始めましょうか』って、おったのかそこにw
月夜に照らされ団子のごときしゃれこうべ、骨になっても団欒変わらず、足の骨を頭蓋に載せた(?)『スケルトン兄弟』の定点観測は、417氏のお題消化を経て、スプラッターフィニッシュをきめた!! 察しの良い競馬実況さんにも読めなかったのなら、おいらの書き方が悪かったな。忍びねぇ・・・
弟は「仲が良い兄弟」「二人とも死んだ」と思いこんでるけど、実際は「兄だけ生きてる」「殺したいほど弟が憎い」だった、っていうオチのつもりだったんだけど。言葉足らずに表現足らずだったわ、失敬しますたm(_ _)m なんのなんの
兄だけ生声っぽいし、もしかしたらとは思ったよ
断言できんなと思って(?)にした
甘かったw いや、断言できなかったのなら書き手の書き方が悪かったんだと思うわ。
深い解釈を盛り込む著名作家とかならともかく、わかりやすさも短編には必須事項だと思ってるから・・・スマンネアリガトネ 一つ思いついて書き始めたら妙に筆が乗ってしまい、6000文字オーバーしたった。
普通の短編としてなろうに投稿しようかな・・・ >>400
使用お題:『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』
【映月下ノ故郷】(1/2)
(ひふみよいむなやここのたり)
ガシャリ……と、鎧が音を立てた。
芒に似た草の生える草原に映える満月。
日本で言えば中秋の名月とも言えるその月を肴に杯を傾ける。
「世界が違うと言うのに、月の美しさは変わらず……か」
そこに胡坐をかいていた壮年の男は、鎧の音に頓着を見せず、朱色の盃をグイっと呷る。
薄い琥珀色の酒は彼の望む清酒では無いが、しかし喉の焼けつく様な強い酒精は、彼の好む物だった。
「満月は人心を乱し、狂気を呼ぶと言う。ならば、既に狂気に囚われた者には、どう影響するのか……」
(ひふみよいつなやここのたり)
『グ……ウゥ……』
壮年の男が酒盃になみなみと酒を注ぐ。月が映り込んだそれに、男は自らの血を一滴たらした。
鎧の男の方を向くと、それを突き出す。
「月下甘露です。お飲みなさい」
『ウ……ウゥ』
鎧の男は、ブルブルと震える手でそれを受け取るとぎこちない動きで酒を口にした。
『ウ……う……ああぁぁ……』
「……先ずは、初めましてと言う事かな? ご同郷……私は中村 勘寧と言う者だ」
『ウ……あぁ……オレ……おれ……俺は……ショウ……た……佐藤……翔太』
そう語り始めた鎧の男の顔には一切の皮も肉も残ってはいなかった。そう、その男はスケルトンだった。
そもそも勘寧がこの平原へと足を運んだのは一つの噂話を聞いたからだ。
ヘルア平原の死霊戦士……この世界では珍しくも無いアンデットの噂だったが、そもそもこの死霊戦士はフラフラと現れる割に、人を襲ったと言う話は無く、しかし、近付けば、その種族特性により、ライフドレイン……生命力吸収は掛けられてしまうのだと言う。
ならばと討伐しようと言う事に成っても、スケルトンの戦士の割に腕が立つ為、返り討ちに成る冒険者が後を絶たなかったのだ。
積極的に人間を襲わない事も有り、その懸賞金は安く、その内、誰もその討伐依頼を受けなくなったのである。
だが、勘寧が気に成ったのは、その死霊戦士が現れる時に呟いていると言う言葉だった。
そのいくつかの単語に、勘寧は聞き覚えがあったのだ。
勘寧は転移者だった。いや、彼の知識内の言葉を使えば神隠しと成るだろうか?
ともあれ、勘寧は唐突に異世界へと転移していた。
彼は元々陰陽師であった事も有り、この不思議な現象にも柔軟に対応する事が出来たのだ。
故郷に……日本に帰る為、勘寧は冒険者をする傍ら、情報を集めていたのだが、そんな折に、“ヘルア平原の死霊戦士”の噂を聞きつけたのである。 【映月下ノ故郷】(2/2)
******
『弟は昆虫が好きでさ、せがまれて良く、昆虫館にも行ってたんだ……知ってるかい?』
「……伊丹市……でしたか?」
『そう、そこにある蜂の模型が特にお気に入りでさ……』
スケルトンは手に持った小さなシャレコウベを愛おしそうに撫でながらそう言った。
スケルトン……佐藤 翔太もまた、勘寧と同じ転移者だったらしい。
彼は年の離れた弟と共にこの世界に転移して来たのだと言う。
翔太もまた、勘寧と同じ様に冒険者をして日々の生活を繋ぎながら日本に帰る術を探していたのだった。
しかし彼が不幸だったのは、盗賊に襲われ弟を攫われた事。そして彼が弟と再会できたのは、彼の弟が奴隷として売られ、病気で捨てられた後だった事だろう。
幼い彼の弟はその病気が元で命を失い。翔太自身もまた、心の支えで有った弟を亡くした事で、失意の内に、このヘルア平原で無念を抱えたまま死んでしまったのである。
スケルトンとなった翔太の話を勘寧は時に相槌を打ちながら、ただ聞いていた。
そして、言葉が途切れ、翔太だったスケルトンがポツリ、と口にした。
『……帰りたい』
(ひふみよいむなやここのたり)
「では、そろそろ始めましょうか」
『え?』
甘寧は盃になみなみと酒を注ぐと、それに、自らの血を一滴たらす。
「古来から、月は別世界の……死の世界への入口とされてきました」
『何を……?』
そして、自分の横に置いてあった月見団子を彼の前に置き直した。
「十五夜の月見団子は、十五個の団子を金字塔の形に置きます。空に向かって数の減るこの形は、月へと向かう道標であり、またこれも死者の国への入口とされています」
『え?』
「異世界の入口へと向かう死者の国への道標です……帰り……たいのでしょう?」
そう言って勘寧は、盃を翔太の方からだと月見団子の登頂にある様に見える角度に置いた。その盃の酒には満月が映っていた。
『かえ……れる……』
「帰れます」
『かえ……れ……る?』
「はい」
スケルトンが額ずく様に盃を覗き込む。本来であれば、骸骨のそのおぞましい顔の映る筈の盃には、しかし、煌々と輝る月が映っていた。
(ひふみよいむなやここのたり)
「さあ、弟さんも待っています……お逝きなさい……」
『あ、ああ……あああぁぁぁ……』
甘寧が優しくスケルトンの頭を押す。
ちゃぽん……
盃の月が水紋で揺らめいた。
******
静かに月が照らす平原で、勘寧は朱盃に酒を注ぐと、一人それを飲み干したのだった。 >>417
不思議な読後感のお話ですね
死して崩れて行く様は九相図の様ですが、一人称の為か、悲壮感や無常感が無いと言うw お題『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』締切
【参加作品一覧】
>>408【ヤバイ人たち】
>>417【ある兄弟のお月見】
>>423【映月下ノ故郷】 お題『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』投票締切
【得票数一覧】
>>385【些事日記】一票 みなさん台風はいかがですか。何ともないと良いですが……。
お題安価>>429-433 『同じセリフを3回』
埼玉は風と雨がちょっとうるさいだけで被害ゼロ〜 ☆お題→『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/7の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>426より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 >>423
秋の難問お題5、423氏が散らばる題の収斂こころみ、果敢、全選択を宣言だ! ゲートは月下に開かれる!
さあ、ひふみよと、死者蘇生の言霊ひびく物語のなかで、満月が『秋』の草原に映え、男とスケルトンが酒宴に座している〜
弟は『伊丹市昆虫館の蜂』の模型が好きだったと語るしみじみ型スケルトンw その正体は、異世界冒険者のアンデッド〜、小さなドクロと化した弟とともに、彷徨える魂となっている〜
帰りたい、そう悲痛に漏らしたスケルトンの言葉を聞いて、『では、そろそろ始めましょうか』と語る男が、塔形をなす『月見』団子に呪力を宿し、盃にゲートを招来していく〜、
非業の死をとげた『スケルトン兄弟』を、月のゲートが送り出す〜、バックに流れる祓詞は、魂清めるクリアランスソングとなって、うん読後感きよらか! 解決職人423氏、怨念となった難題五つを昇天させて、明鏡止水のきわみEND! さて、今回のお題どうしよう。・・・どうしよ(・ω・;) >>434 意外とさくっと思いついた。
使用したお題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
【あなたの望みはなんですか?】
あなたの望みは何ですか?
「え? うーん、あ、おもちゃがほしい、です! あたらしくてカッコイイやつ!」
〜〜〜
あなたの望みは何ですか?
「えっと、今度のテストで100点取りたいです。最近おもちゃ買ってくれないけど、100点取ったら何でも買ってくれるって……」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「あー、いつもの人かー。えっとさー、オレバカだから今スポーツマジ頑張っててさー。ほら、あれだ。オレの右手の封印を解いて、ホームラン打ち放題になるようにしてくんね?
水平線にまでかっ飛ばせるくらい。頼むよー」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「あ、おひさしー。体力ないから代打打者扱いだけどさ、オレのおかげで甲子園優勝して、今ちょーモテモテなんだよね。で、さ。ちょっと面倒な奴がいてさ。
いや、一回生でヤっただけなのに彼女面してるメンヘラがいてさ……あいつを、ちょっと、な? 上手い事やっといてくれよ。頼むぜ?」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「あ、金! かねかねかねかね寄越せ金だ金金金!! もう女はコリゴリだし、頭もわりーし体動かすのもダメだからバイトも無理!
クソ親にも見捨てられたし、海苔とコンビーフしか食うものがねぇ……でも金は嘘つかねー! 金さえあれば人類みな幸せだ! ほら、いつもみたいにオレに大量の金をくれ! 早く!!」
〜〜〜
あなたの望みはなんですか?
「……ようやっと気づいたよ、お前が悪魔だってことに……。お前、オレの願いを叶えるたびに、オレから何かを奪っていきやがったな?
冷静に過去を思い返すと、何か願うたびにどんどん失っていってる……。今のオレは……なんにもねぇよ。お前のせいだ。お前が悪い。そうだ、全部、全部お前が悪いんだ! 死ね! 死んでオレに謝れ!!
早く消え……いや、やめろ! 願いを叶えるな!! お前がもし消えたら、次はオレが消され なんか似たようなものを前にも見た気がする
ただの気のせいかもしれないけど マジか、引き出しの少なさを露呈した気分。
私のボキャブラリーはリカちゃんハウスの本棚レベルだ >>435
感想有難うございます
最初はギャグにしようと捏ねくり回して居たのですが、出来上がると真逆な物にw
>>437
人の欲望は底知れず……と、言った所でしょうか?
疑問も持たず、安易に欲望を叶えた代償は自滅と言う、有る意味、因果応報ですね >>437
さっそくお題制覇に乗り出した437氏が提出だ、>>408外伝か? 地獄の釜のフタの封をとくのは貴方!
さあ、『あなたの望みは何ですか?』とこだまする天の声に、無邪気な子供がおもちゃを願う〜! さらに繰り返される天の声、
おもちゃを買ってもらえなくなった少年が、テストで100点のご要望〜、次のターンでは、少年が声に対して封印の右手の解放求める『厨二』を見せるw 勉強は苦手だけども『野球』では、『水平線』までかっ飛ばせるくらいのバッターになりたい!
『同じセリフ3回』クリア〜、さらに成長し青年となった彼が言う、メンヘラ彼女を始末してくれ、『コンビーフ』と海苔しかないから金をくれw
ラスト! 天の声は悪魔の囁き〜、おもちゃ・智力・体力と、目先の欲望を叶えるごとに、問題解決能力を喪失していく負のトラップ、天に任せる人生など無きも同じよと、437氏がついでに語り手ごと消し去って、転げる地獄坂ENDでお題制覇だァ! 競馬実況さんの何がすごいって、作品に差が出ないように文字数計算してるところよな。
いつもお世話になっとりますm(_ _)m そんな大したもんではないw
こちらこそどうぞよろしく m(_ _ )m >>434
使用お題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
>>52の続編
【夕焼けに染まる砂浜】
誰もいない小さな島に私と幼馴染の庄司の二人きりで取り残されてしまっていた。
とはいっても満潮の関係で今は歩いて移動が出来ないだけで、泊まっていた貸し別荘は海を挟んで歩いていける距離にある島にある。……どうしてこうなった。
もう1人の幼馴染の達也と庄司のお姉さんの4人で一緒に泊まりの旅行へ出発したのが昨日の話。
そして達也とお姉さんの急用で庄司と2人になって海開き行ったのが先週の事。その時には熱中症で倒れてしまい、思ったように遊ぶ事は出来なかった。
それを不憫に思ったのか、お姉さんの伝手でこの小さな島の貸し別荘を借りてきてくれたのが今回の事の始まりである。
正直なところ、お姉さんに庄司への恋心を打ち明けたのは失敗だったと思う。
「ふぁーはっはっは! この地は既に我が手中にある!」
「何をバカな事やってるの……?」
「見るがいい。あの赤く燃える海を! 我が前世よりのパートナーよ!」
「……うるさいわよ!」
「あ、痛!? ちょ!? もうやらないから勘弁!? 紗佳、ストップ! 悪かったって!?」
太陽の沈んでいく水平線に向かって手を伸ばし、厨二病全開のバカな発言をしている幼馴染の庄司に向かって砂浜に流れ着いていた野球のボールを投げつける。ついでに砂もぶつけてしまえ!
中学生の頃は厨二病が酷かったけど、高校生になって落ち着いたと思ったんだけどね。まぁ凄い綺麗な夕焼けだけどさ。
……それに、その……パートナーとかはね、もっと他の機会に言って欲しいというか……。
しばらくそういったやり取りが続いた後、砂浜に座り込んだ庄司の隣に私も腰を下ろす。……お姉さん、ついでに達也、2人きりにしてくれるのは嬉しいんだけど、毎回露骨過ぎる!
絶対あの2人、もうすぐ満潮で渡れなくなるのをわかってて、この小島に連れてきたよね。……いつの間にか居ないんだもん。
「誰もいねぇ……」
「……そうだね。2人きりね」
「早く戻りてぇ……」
「……うるさいわよ!」
「あ、痛!? え、今のはなんで!?」
「……うるさいわよ」
「わ、悪い……」
二人きりなのを少し喜んでる私の気持ちも考えて欲しいものだ。ここぞとばかりに庄司の肩に体重を預ければ、庄司も静かになった。うん、こういう時間もいいとは思う。
少し顔が熱くなってる気がするのはきっと気のせいだよね。……この前はカップルと呼ばれて、庄司は否定していなかったけど私の事どう思ってるんだろう?
「あーなんか腹減った」
「……そういえば私も。ご飯食べる前だったもんね」
ぼんやりと砂浜で2人並んで座り、夕暮れの景色を眺めていく。お姉さんと達也の故意の行動だろうから、このまま潮が引いて歩けるようになるまで放置という事はないと思う。多分、迎えに来てくれるはず。
そう考えていたら、何やら島の反対側の方からガチャガチャと音が聞こえてきた。
「ん? なんか物音しなかったか?」
「うん、確かに聞こえたね」
「……見に行ってみるか」
「……うん」
小島の反対側へ見に行って見れば、そこには何やらコンビーフやシーチキン、トマト、コーン、ミカンやモモ等など多種多様な缶詰が置いてあり、多少の調理が出来るように鍋と卓上コンロ、そしてテントがあった。……え? もしかしてこっちで2人で泊まれって事!?
ちょっと、そこのボートに乗って離れていくあからさまに荷物を置いていった達也、待ちなさい! 流石にその覚悟はまだ出来てないから!?
「……とりあえず飯作るか?」
「……うん、そうだね」
緊張で心臓が爆発しそうになりながら料理をしたけど味なんて分からなかった。……まぁ食べ終わった頃を見計らってお姉さんが達也を叱りながら迎えにきたけどね。うん、今回はこれで良かったって事にしておこう。 >>444
あれやこれやの計略でふたりが露骨に引っ付けられていくイチャシリーズ続編! 444氏がお題全選択で描く、キューピッド・シーズン4の登場だァ〜
今回の舞台は満潮の島! 庄司くんと紗佳さんが孤立し(させられ)二人きり! さあ、おもむろに、『水平線』に向かって手を伸ばし、この地は既に我が手中にあると、イタい発言をする『厨二』の庄司くん〜、
ハイハイうるさいと、紗佳さんが『野球』ボールや砂などを投げつけ、イチャコラ空間を作り上げている〜
早く戻りてえと感想を漏らす庄司くんに、紗佳さんがうるさい×2を投げつけ『同じセリフ』カウント3! ラスト、二人を島に置き去りにした悪友が、『コンビーフ』やシーチキンを輸送し逃げていく〜w
周囲がだんだん業を煮やし始めたか、進展せぬならさせてしまえと、なりふり構わなくなってきたシリーズは、なかば嫌がらせの域に近づきつつも、次の計略に望みをたくすw 444氏、お題フルクリア! >>445
いつも感想ありがとうございます。
確かにもう嫌がらせに域に近いですね。
でもどう見てもカップルに見えるのに付き合ってないところに、業を煮やした周囲ですw >>444
周囲から祝福され過ぎるカップルw
全力で成立させられようとする二人ですが、庄司くんが、その幸福に気が付く日は来るのでしょうか? >>447
感想ありがとうございます。
この2人がどうなるかは正直分かりませんw
何か思いつくお題の組み合わせがあれば、また続きがあるかも。 一つ思いついたけど野球に詳しくなかったから書けなかったツライ
次のお題をまつべ。 >>434
使用お題:『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
【終末の俺伝説】(1/2)
少し小高い山の間、遠くに見えるのは海だろうか? 内陸にも近い場所なのにも拘らず水平線が見えるのは余程の奇跡が積み重なった結果だろう。
「山に来たにも拘らず、母なる海を見届ける事が出来るとはな……フッ……かの海すらも、この俺の成長を見守ってくれている……と言う訳か……」
誰に聞かせる訳でも無いのに、そんな気障な言葉が口を突く。
だが、そんな事をしている場合ではないと思い直し、改めて登山用の大きなバックパックを担ぎ直して俺は山道を進む。
「“刻”は近い……」
急がねばならない。
道と言うには心許ない藪の合間。獣道と言って良い道なき道を俺は進む。
より、本当の冒険に近いと言える。だからこそ、自分の鍛錬には持ってこいとも言えた。
「この辺で良いかな?」
早朝から動いたおかげで、まだまだ時間は早い。山頂に近いなだらかな斜面に草の生い茂る空地を見つけると、俺はそこで準備を始める。
バックパックを下ろし腰元に手を遣ると、腰から特殊警棒を抜き放つ。
一振りされたそれが本来の長さを取り戻し、手に心地良い重さを感じさせた。
踏み込み、横に薙ぐ。返す刀で振り上げ、そのまま振り下ろす。
「……技と技の合間に隙が多いか……フッ、俺もまだまだだな」
呟き、俺は自嘲した。腰まである草が足元を不安定にさせていると言う事も有るだろうが、“敵”が襲ってくる場所が、常に安定した場所であるとは限らない。
「つまり、より実践的……と言う事でもある」
草を踏みしめながら警棒を振り回す。片手で、両手で、そしてまた片手で……
つぅっと俺の頬に汗が流れる。気が付けば、日が中天に届きそうな位置にあった。
「……動きっぱなしと言うのも、効率が悪いしな……それに、冒険者たるもの休める時には休んでおかねば……」
多少空腹を覚え始めた腹をさすりながら、そう呟く。火を熾しても平気な様に、十得ナイフで2m四方程度の草を刈ると、林の中に取って返って木の枝を拾い集める。
だが、思ったよりも時間が掛かった。 【終末の俺伝説】(2/2)
俺は急いで火を熾す。この鍛錬を始めた当初は、木の板と枝をこすり合わせて火を付けようとしていたが、今はそんな事に時間を消費しているのも馬鹿らしいと思い直し、虫眼鏡を使って火を着けている。
マッチやライター等は、マッチそのものやガスが尽きてしまえばそれまでだが、虫眼鏡で有ればいくらでも使えるからだ。
フッ、これで異次元に召喚されたとしても野営で苦労する事は無いだろう。
だがそんな事はどうでも良い。今は現実の問題だ。
「“刻”は近い……」
太陽を眺めながら俺はそう呟く。
ともあれ、今は昼飯を作らねば。
俺はミックスベジタブルの缶詰とコンビーフの缶詰、そして道々で採取した食べられる野草を飯ごうに入れ、火にかける。
ミックスベジタブルは水煮に成っている事も有って、余計な飲み水を用意しなくて良いから助かる。それに、缶詰ならば日持ちもする為、その“刻”が来た時にも重宝するだろう。
だが缶詰だけではビタミンが足りなくなるかもしれない為、気を付けないといけない。
だからこそ、俺は食べられる野草の事をネットで調べておいたのだ。
沸騰し、良い匂いが立ち始めたそれをお椀に移す。
……うーん、ミックスベジタブルとコンビーフは良い出汁も出ていて美味しいと思うのだが、野草から青臭さと苦みが出ている。食べられなくはないのだが……俺は少し眉を顰めた。
だが、来るべき“刻”には、生鮮野菜など手に入らないだろう。なら、この味にも慣れておかねばならない……
「……鍛錬を再開するか……」
昼食を終え、少し休憩した俺は、飯ごうやお椀を片付けると立ち上がった。
そして再び、俺は警棒を振り回す。全ては“約束の刻”の為に……
******
「オーライ! オーライ!」
「……野球場か?」
日も傾いた事も有り、鍛錬を中止し山を下りた俺が出て来たのは、山城公園にある野球場だった。
藪を掻き分け、林の中から出て来た俺の事を野球をしていた男達は、奇妙な物に出くわしたかの様な顔で見て来た。
まぁ、仕方が無いだろう。安寧にどっぷり漬かり、平和と言う毒で目の曇った者達には、“刻”の到来を予見する術など無いのだから。
だが、その平穏な日々が破られる時は、すぐそこまで迫っている。そう思うと、今、この日常を謳歌するのも大切なのかもしれない。
「“刻”は近い……」
何も知らぬ一般人に多少の憐れみを感じながら、俺は呟き、拠点でもある現世の家へと歩みを進めたのだった。 >>450
来るべき“刻”に我も参戦だ、と乗り込んできた450氏がお題全選択で続くぜ、俺の黙示文学!
さあ、山に来たにも拘らず、母なる海に見守られることになるとは〜と、大時代的なもの言いで『水平線』に臨む俺くんが、山頂付近に到着だ〜
「“刻”は近い」と一人ごち、腰から抜くは特殊警棒、一人で警棒ヨコに振っては、タテに振り下ろす単純な練習〜、『厨二』の重い症状だ〜
警棒ふって疲れた俺くん火おこし始め、文明の産物、虫眼鏡と缶詰に頼り始める〜、これはいけない、中途半端! 中途半端サバイバル! 「“刻”は近い」と言いつつも、野草と『コンビーフ』に顔を歪めラスト、
『野球』場でギョッとされ、悔し紛れに「“刻”は近い」と『セリフ3回』をこなした俺くんは、傷ついた身体を休めに、帰路についたのだったァ! うん、おつかれw 450氏がお題フルクリアで笑わせてくれた! >>452
感想有難うございます
おそらく数年後には黒歴史確定だと思いますw お題『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』締切
【参加作品一覧】
>>437【あなたの望みはなんですか?】
>>444【夕焼けに染まる砂浜】
>>450【終末の俺伝説】 将棋か囲碁 ただし「将棋」「囲碁」という言葉だけではなく、その戦略や勝負についての何か具体的な知識
(格言や、序盤はこういう風に指す、または打つ、あるいはタイトル戦の真剣勝負の時はこの棋士は○○を食べる、など。
あるいは、囲碁や将棋の戦略を会社の経営に応用する、また逆に孫子の兵法が将棋や囲碁に通用する、などと語ってもよい。
とにかくゲームの内容について言及すること。)
将棋と囲碁は好きな方、あるいは可能なら両方 なんでお題って聞くと自分の知識をひけらかしたい感じのが混ざるんだろ・・・
そんな複雑なお題笑点で見たことあるのかっていう。 将棋って基本的なルールしか知らないし、囲碁に至ってはルールすら知らないんだけど、縛りきつ過ぎ……。
色々調べてからじゃないとどうしようもならん。
調べたからって思いつくとも限らんし……。 こういう難題は無視でいいんじゃないか
お前らも無理に全消化しようとしなくていいんだよ ☆お題→『影法師』『囲碁か将棋』(『』『』『』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/14の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>454より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 ☆お題→『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/14の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>454より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 朝から寝ぼけて書き込みボタンうっかり押しちゃったよ
正しくは>>468でお願いします。 >>468
使用お題:『影法師』『将棋か囲碁』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
これで『将棋か囲碁』のお題クリアになってるかは自信はないですが……。
【影法師と文学少女】
図書室の一角にある机で一人の文学少女が本を読み耽っていた。いつもの日課で本であれば何でも読むという彼女が今読んでいるのは『将棋入門』という本である。彼女は将棋の事はろくに知りはしないからだ。
そんな彼女の前に人影が現れる。……影だけが。
「やぁ、また本を読んでいるんだね」
「……またあなた? ……なんでいつも影だけなの?」
「いやいや、つれないねぇ。何度も言うけど、僕の事は影法師とでも呼んでおくれ」
図書室の壁に影だけで現れるから影法師なのだろう。それはどう見ても影だけで動く謎の存在だ。そろそろ日が暮れ始め、昼と夜が混ざる時間帯になってきた。
そんな時にその影法師はいつも現れる。ただただ彼女と雑談をする為だけに。
「いつもは小説とかを読んでいるのに今日に限ってなんで将棋なんだい?」
「……あなたに教える気は無いよ」
「あれま、これは嫌われたものだね。……僕はそれなりに将棋には詳しいつもりなんだけどね」
「……ほんと?」
影法師はいつも彼女が興味を持つように、その時に読んでいる本に関わる知識を混ぜるようにして雑談を持ちかけてくる。影法師はどんな本に対しても同じ様に沢山の知識を持っている。それはそれは不気味な程に。
「どうしてもというのなら、将棋の事を教えてあげるけど?」
「……あなたに教わるのは何か嫌」
「あらま、つれないねぇ。例えるなら今の君は『ヘボ将棋王より飛車を可愛がり』かな?」
「……それはどういう意味なの?」
「将棋の格言さ。将棋において一番大事なのものは『王』なんだ。でも、それを忘れて必要以上に『飛車』を大事にしてしまっている状態の事だよ。今の君にとっての『王』と『飛車』はなんだい?」
「……私にとっての『王』と『飛車』? 今の私の一番大事なもの……」
彼女にとっての『飛車』とはこの影法師から教えを拒む事。そして一番大事な『王』は『将棋入門』の本を読んでいた理由。……大好きな祖父が入院してしまい、今は退屈を持て余している。だからこそ彼女は祖父の大好きな将棋を覚えようとした。
祖父は強がってはいるが、彼女と彼女の両親は医者からもう祖父は長くはないと聞かされている。その前に祖父との思い出を作りたかったのである。そう、祖父の大好きな将棋で。
 「……分かった。影法師、将棋を教えて」
「そうこなくっちゃね。あぁ、でもごめん。僕は将棋盤には触れないから、駒を置くのは君に任せるよ」
「……それくらいは問題ないよ」
彼女は安物ではあるけども持ち運びのできる簡単な将棋盤を持っていた。それを使って、影法師から将棋を教わっていく。
不気味な影法師ではあるけども、そこに悪意はなくただ純粋に将棋を教えてくれたのであった。
しばらくの後、彼女の祖父は息を引き取った。しかし、その最期の間際には孫と大好きな将棋を打って、最後の楽しい思い出に満足した笑みを浮かべる老人の姿があったそうだ。
そしてそれ以来、彼女が図書室で影法師を見る事はなくなった。 >>470
影法師は、さしずめ図書室の妖精といったところでしょうか?
心温まるお話で面白かったです >>471
感想ありがとうございます。
影法師は祖父と孫の関係を影で支えた何かですね。
その正体は妖精かもしれません。
どこかでまた誰かを影から支えているのでしょう。 >>470
進行氏も寝ぼけまなこな秋の夜長に470氏がおくる、和みの全選択作品〜、黄昏の一手!
さあ、昼夜が『混ざる』逢魔がときの図書室で、さし込む夕陽に形どられ、なにやら教則本を読み耽る、ひっそりとした姿の『文学少女』〜、目前に登場するは、『影法師』!?
彼女と『雑談』するために現れた、歩く図書館、知識の妖精、鶴は千年亀は万年、謎の影があらわれて、なんで『将棋』の教本なんかをと、少女に真意を問いただす〜
想いを秘める少女の様子に、ヘボ将棋・王より飛車を可愛がりと、何もかも見透かしているよな影法師が格言弄して実技指導w ラスト〜、将棋を覚えし文学少女とコミュニケーションした祖父の大往生だ〜
心と心をつないで見せた、テレパスのごとき影法師は470氏の現し身か〜、さっそく全お題をすり抜けた身のこなし、見事! バチッと駒音ひびかせて、即詰みENDだ! >>473
いつも感想ありがとうございます。
見透かしている影法師は、どこかでまた誰かを影から支えていくでしょう。
今回は格言を調べて使えそうなのから逆算して書いたけど、元々自分の中にない知識を題材に使うのはキツいですねぇ……。 >>468 うーん、恋愛物は上手く書けん。
使用したお題:『影法師』『将棋か囲碁』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
【裏側にあるモノ】
「将棋の駒って、どうして裏返しになると強くなるのかしら?」
私はふとそう呟いた。たまたま目を落としていた文庫本に将棋のシーンが出ていたからだ。
同じ部屋で一緒に本を読んでいた彼もまた、本から目を離さずに答えた。
「単純に強くなる表現の一環だろ。敵陣深く食い込んだ兵隊って、敵からすれば相当厄介だろうし。
だからと言って新しく駒を用意するわけにはいかないから、裏返しで強くなる表現をしたかっただけなんじゃないかな」
「確かにゲームの手法という観点から見ればそうだけど、裏返しというのがすごく意味深に思えない? その駒には裏の顔があって、敵の王の近くにいると本性を現す、みたいな」
私の言い分に「ふむ」と相槌が返ってきた。チラリと顔を下に向けたまま目線だけを彼に向けると、彼は本を見ながら眉間に皺を寄せて少し考えていた。
「言われればそう思えなくもないけど……でもそれだと変じゃないか? 一般的に裏側というものは弱いとされている。
ジキルとハイド然り、影法師然り、古今和歌集然り。だいたい裏側扱いされてる者は負ける定めじゃないか。強いとは思えないよ」
「そんな古典文学や純文学の裏の意味と、戦争疑似体験ゲームの将棋の裏返しをごちゃまぜにしなくても……」
私は呆れつつクスリと笑った。思考のベースが小説である彼は、何かと考えがズレている。だけど、それが嫌じゃない。
彼はまた「ふむ」と一息おいて、本から顔をあげて私の方を見た。私は逆に急いで本に視線を戻す。目が合わなかっただろうか、こっそり見ていたことがバレなかっただろうかとドキドキする。
だが彼は一切気づかなかったらしい。冷静に自分の考えを述べる。
「確かに。でもやはり納得はいかない。裏側というものは悪しきもので消え去るもの、消し去るものという認識が日本古来のものだ。
大昔に発明された将棋にその考えが生きていないという考えは納得できない。やはりそこまで深い意味はなく、単純に駒を有効利用しようとした結果なんじゃないかと思うけど……」
「まあ無難に考えたらそうよね。深く考えるほどのことじゃないのかもしれないわ。でもね」
ここで一呼吸。本題はここからだ。本から目をあげて、初めて彼の顔を真っすぐに見つめた。
私はせめて事前に考えていた台詞を噛まないように神に祈った。
「人の一番強い思いみたいなのは、その人の裏側に隠されてる、って考えることもできるんじゃない?」
「ふむ……」
彼は再び熟考する。私は彼がまた思考の渦に潜っていった様子を見て、安堵したような落胆したような複雑な気持ちになった。
小説が好きで、文学的な物言いが好きで、洒落た表現が好きなくせに、私の台詞の真の意味をいつも理解してくれない彼の真剣な表情を困ったように見た。
私の裏側にある気持ちはいつ彼に伝わるのだろうか、そんなことを思いながら、何かを考えてる彼を少しだけ赤らんだ顔で見つめていた。 >>475
475氏が恋愛物は上手く書けんといいながら複雑模様を書いてきた、駆け引き上手は恋上手!
さあ、物語は『文学少女』と小説オタの男女が二人、本読みながら『雑談』交わすシーンよりはじまった〜
文学少女が主張する、『将棋』の駒が成駒になって強くなるのは、駒に裏の顔があり敵陣深くで本性を現すからだと〜、対する小説オタの反論は、
成駒は単に盤の都合で、一般に裏側というものは弱くて負ける定めであるからして裏が強いという法則はない、そう、すなわちジキルとハイド然り、『影法師』然りw 例え強引だw
文学少女、このひと小説と将棋をごちゃ『混ぜ』にしてるとややウケで、でもやっぱり裏には何かがあるんだよと頬赤らめて自説をゴリ押しィ! なんてことない言葉の裏には触れなば落ちんのラブトーク、475氏がお題貫徹! リバーシブルENDをじりじりきめたッ >>475
「言わなくとも分かってほしい」そう言う想いがある……と言う事ですね
果たして理屈屋の彼が、その情動に気がつく日は来るのでしょうか? >>468
使用お題:『影法師』『囲碁か将棋』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
【ホーカゴ・コーシャ】(1/2)
橋立 結は、大きな溜息を吐きながら文学部の部室に向かっていた。彼女の半歩斜め後ろには同じ部活の春日野 圭章が苦笑しながら着いて来ている。
本日の部長会の予算決めでは、活動実績に応じた予算が決められたのだが、その会に於いて、文学部の来年度予算は実に200円と言うものだったのだ。
実際、文学部の活動は部室に寄り集まって、各々で本を読んだり雑談をしたりしているだけなのだから予算自体は無くても構わない。
だが……
「まぁ、正論だよね」
「私の所為じゃないもん」
部員では有っても、部長や、まして副部長でも無い結は、部長連の先輩方にこれでもかと嫌味と注意と説教を受けて来たのだ。
これもそれも、全ては現部長と副部長の所為である。部連会長、小湊 宮子のお言葉によれば「予算決めの様な重要な話し合いに、部の長たる部長が来ない等、あり得ないでしょう?」との、事である。
その意見には、結も全く同意の為、反対意見など口にする気にもなれなかったのだ。
結は何度目かの大きな溜息を吐くと、文学部の部室の扉に手を掛けた。
******
「ん? んん?」
「えっと、これで矢倉の完成かな? なぁ、合ってるか? これで合ってるか?」
「…………」
扉を開けた結は、そのまま床に崩れ落ちた。眼前では、全ての元凶たる先輩である所の部長、竹橋 実乃里と副部長の新井 大志が、一つの盤上で将棋と囲碁をチャンポンにしてゲームを行っていた。
おそらく、何某かの本の影響を受けたのだろう。
この二人は物語に感化されると、とりあえず真似をしたがるのだ。
ベースは将棋盤なのだろうが、そこには態々マジックで囲碁盤の線が引いてあると言う、無駄な力の入れようだった。
「外す事の出来ない用事が有る為」と、結を部長会に送り出した二人が、こうして部室で遊んでいるのを見れば、結ならずとも崩れ落ちるのも致し方ないだろう。
実乃里は囲碁のルールがそもそも分かって居ないのか、石で囲い“地”も作らず、盤上にひたすら碁石の塊を作り続け、大志の方はと言えば、定跡のページと睨めっこをしながら、兎も角、将棋の守りの戦法である“矢倉囲い”を作っていた。
「何を……」
「ん?」
「ああ、橋立、御苦労」
「何をしているんですか! あなた方は!!」
声を荒立てる結に対し二人は……
「囲碁?」
「将棋だ」
と、当たり前の様に返したのだった。 【ホーカゴ・コーシャ】(2/2)
******
「先輩たちのせいで物凄く怒られたんですよ!?」
「へー……」
「それもまた経験だぞ? 橋立」
確かに最終的に部長会に出る事を決めたのは結だが、しかし、部室に着いた途端に「外す事の出来ない用事が有るから、部長会ヨロ〜」と走り去り、問答無用で彼女が行かなくてはいけない状況を作ったのは、この二人である。
そんな部長たちに、ここまで他人事の様な態度を取られた結は、怒りのあまり絶句し、口をパクパクとさせる事しか出来なかった。
「まぁ、落ち着きなよ結ちゃん。部長たちがこんなんだって事は、最初から分かってたでしょ?」
「で、でも! 圭章くん!!」
半ば涙目になる結に、圭章は穏やかな笑みを浮かべながら「でも確かに」と呟く。
「今回の事は、流石に無責任すぎですよ? 部長連の小湊さんも随分おかんむりでした」
「うえ、宮子怒ってたか……」
そこは既に3年もの付き合いがあると言う事だろう。般若と化した宮子の顔を思い出し表情を歪める実乃里。
大志のほうは、それでも我関せずと言った様子で「振り飛車とゴキゲン中飛車ってのは何が違うんだ?」と、定跡の本を見ながら首を傾げている。
因みに“ゴキゲン中飛車”とは、飛車を王、又は玉の前に置き、角筋が開いた状態で戦う“振り飛車”の一種であり、まったく別の指し筋を表す名前では無い。
「まぁ、来年の部長は結ちゃんなんだから、ここは一つ予行練習だったって事で……」
「そう言う問題児では無くて!! …………はい?」
「ねぇ、圭章、囲碁ってこんなんだったけ?」
「ちょ、ちょっと部長!?」
「……囲碁は囲った交点が自分の領土なるんですから、それだと全くの打ち損ですよ?」
「マジか……」
「マジです」
「ちょ、部長! 話を聞いて下さい!!」
圭章に指摘され項垂れる実乃里。しかし結の頭の中は、先程の実乃里の言葉でパニックに成っていた。
「なぁ、圭章、これってどうやったら俺の勝ちに成るんだ?」
すでにカオス状態の盤上だが、良く分かって居ない大志は、それでもこのゲームが成立するのだと思っているらしく、真顔で圭章にそんな事を聞いて来る。
圭章は若干の呆れを含ませた溜息を飲み込んで、彼の質問に答える。
「…………リバーシが混ざって来るのを防げば勝ちじゃないですか?」
「ん? そうなのか? なら、リバーシも買ってこなくてはいけなかったのでは無いか!?」
「あ、あたし、チェスの方が良い」
「ちょ、部長ォ〜!!」
放課後の部室。夕映えの日の入るその場所に伸びる影法師は、いささかの不協和音を奏でながらも、しかし、楽しそうに重なっていたのだった。 お題『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』締切
【参加作品一覧】
>>470【影法師と文学少女】
>>475【裏側にあるモノ】
>>479【ホーカゴ・コーシャ】 遅れて申し訳ない。
ではお題安価>>483-487 >>479
一周年だと……戦慄とともに確認したら、パート1は2017年10月17日に立っていたァ、線路は続くよどこまでも、野を越え山越え谷越えて、それでもお題はやってくるゆえ〜、479氏の全選択! ミックスマックス文芸部!
さあ、文学部所属、『文学少女』の結さんが、部長会で勝ち取った予算200円とともに涙の凱旋〜、『雑談』と読書しかすることのない部室では、
『囲碁と将棋』をチャンポンにしたゲームが行われているw 床に崩れ落ちる結さんの前で、将棋と囲碁が入念なルール説明とともに火花を散らす〜、見事なる『囲碁と将棋』のクリアー!
しかし、どうなれば勝ちなのか見えない戦い、観戦者の部員くんが、リバーシ『混ざ』ってくるのを阻止すれば勝ちだとよく分からないことを言い、ラスト!
ハチャメチャ部室に夕日が伸び入り、踊って重なる『影法師』、ライトな展開は影法師のビジュアルにより遠きに感じる懐かしさへと変転し、479氏のお題全制覇は思ひでになった的ENDだ! ☆お題→『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→10/21の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>481より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 一応確認ですが、全年齢向け作品でお願いします。
もうすぐ一周年か……来週は一周年版でお題特殊なのにしよう >>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
死神とサブミッション母のコラボ続編です。
【臨時の仕事】
「……今年もこの季節がやってきましたか。やれやれ、なぜ日本でこのような事態に……」
ここ数年で急激に広まったハロウィンの季節がやってきました。そしてそのどさくさに紛れてこの世ならざる異世界からの来訪者が現れるようになってしまったのです。……なぜ他の文化圏の祭りを混ぜてしまったのでしょうか。
おかげであの世という異世界へ続く扉の設計を組み直す事になってしまっているではないですか。本来は先祖が一時的にこの世へ帰ってくるための仕組みだったのですが悪用されてしまっては困るんですよ。
まだ設計の組み直しも途中なので数年はこの状況が続くため、こうして本来の仕事以外にも駆り出される始末。……おや、あそこの母娘に話しかけている少年のような者は……。
「トリックオアトリート?」
「……あんた、この世の者じゃないね?」
「お母さん、一体何と話してるの?」
「彩花は気にしなくていいの。……ほら、あっち行きなさい」
「ふふっ、イタズラだね?」
やれやれ、早くも異世界の者が出ましたか。少年のような身体ですが、その頭部はカボチャをくり抜いた空洞で、暖色の灯りが灯っています。
この手のイタズラ好きの者が多く紛れているので対処が大変です。本来、このような仕事は死神の私のものではないんですけどね……。
それにしても、この中年の女性は只者ではありませんね。娘と思われる方も中々の霊力をお持ちのようで。
「……失礼。これの対処は私の方で請け負いますよ」
「……何者だい? 人間じゃないね?」
「あっさりと見破りますか。まぁご心配には及びません。ただの死神ですので」
「へぇ、あんた死神なのかい。初めて見たよ」
「え、お母さん!? この人って死神なの!?」
「……嘘じゃみたいだね。私じゃどうやったって敵いそうもないさ」
まぁ、死の予定にない者には何もしませんけどね。私の基本的な仕事はただ死者の案内をするだけですし。……今日の仕事は例外ですが。
ですが、そちらの娘さんの背後霊は少し無視は出来ませんね。悪霊化の兆しは欠片もありませんが、どうしたものでしょうか。
「あー、これはウチの旦那だよ。……万が一の時は私が成仏させるから見逃しちゃ貰えないかね?」
「……あなた程の力があれば問題なさそうですね。悪霊化の兆しもありませんし、守護霊へとなりかけているので見なかった事にしておきますよ」
「そうかい。ありがとね」
そのような簡単なやり取りをして、カボチャ頭の異世界の者を引き剥がして行きます。……地味に面倒なんですよね、これ。
「あんた、何邪魔してくれてんだよ!? 折角、イタズラを仕掛けようと思ってたのに!」
「……異世界から来て、勝手な事をされまくっても困るのですよ。……ちなみにお聞きしますが、どのようなイタズラをするつもりだったのですか?」
「あの若い娘の方にあれこれやって、アヘ顔ダブルピースでもさせようかなと……痛い!?」
「即座にあなたは送り返します! 公衆の面前で何をやらかす気ですか!?」
「えー別に良いだろー!」
「良い訳ないでしょう! 即座に帰ってもらいますよ!」
「あー!? 今回まだ何も出来てないのに!?」
設定し直した異世界への扉を開き、カボチャ頭を送り返します。……こんな変態的なイタズラなどされてたまりますか!
それから何人もの異世界の者を捕まえては送り返しましたが、今年の者達は変態ばかりでした。……去年より遥かに疲れてしまいましたよ……。何なんですか、今年の連中は! >>488
感想有難をいつもうございます
本格的な将棋のさし方やら囲碁の打ち方なんかを書こうと思うと、短編ではまるで文字数が足りないと判明し、こんな形にorz うわぁ
下げそびれました
>>491
死者の活動日は、死神の活動日出もあるんですねw
某、高校生死神の様に娘さんの職業に死神が追加されなくて良かったw >>493
感想ありがとうございます。
近年急に起こるようになった事態に苦労している死神さんです。
娘の方に死神の職業追加は全然考えてなかったですねw >>491
あれから〜♪ ぼくたちは、何かを信じてこれたかなあ〜♪ って夜空の向こうに映し出された一年前のスレパート1初お題はハロウィン! なお出題者は俺w 491氏が全選択だ、サブミッション・グリムリーパー、ハロウィンズ!
さあ、他文化を貪欲に取り込みすぎたジャパンにて、開放されし『異世界』の扉を『設計』しなおさんとする死神が、頭を抱えて登場だ〜
目前の中年女性が、トリックオアトリートを仕掛ける少年を、あんたこの世の者じゃないねと喝破している〜、霊体にサブミッションをかける霊能母が再登場、守護霊の旦那といっしょに身構えるぞ〜
よくよく見れば少年は、頭部は『カボチャ』で空洞の、『暖色』ともした異界の住人! 何をする気だと聞かれれば、女子に『アヘ顔ダブルピース』をさせるのだと答える最低なやつ、死神がすみやかに強制送還だw
今年は変態ばかりと呟く死神〜、ってかちょうど一年前の投稿にも死神ネタあったけど…いやまさか、って感じで491氏、抜く手も見せぬ題即斬! ノルマ瞬殺END〜w >>495
いつも感想ありがとうございます。
季節毎に何かしらのトラブルがあって大変な死神ですw
お題がお題だったので、余計に大変な事になりました。
1スレ目の時にはまだ来てなかったから別人かと。 >>489 このお題で全年齢向けを書くとか……余裕さ!
使用したお題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【転生方法改善会議、資料】
・表題「地球の人間を異世界に招致する際の手順と、それに際する問題点およびその改善策」
・概要
……異世界における深刻な人材不足、および社会の文化・技術・経済の停滞を解消するために文明レベルの高い地球の人間を転生させることにより解消をしようとしました。
しかし、その際の転生方法の設計に難があったため、様々なアプローチでその問題点を改善しようとしました。以下のレポートはそのまとめになります。
・実際試行した転生方法、およびその問題点
A、トラックに轢かれた人を転生させる。
採用理由・最も単純で試行が容易であったこと。また事故があった場合、高度な社会維持に重要な交通事情および運送業務を著しく害する可能性があったため、事故そのものをなくしてしまうという地球側への配慮を主目的とする。
問題点・転生対象者が多すぎた(具体数:1日に約200人〜500人)
・トラックとその他の車種の区別がつかなかった(異世界には自動車が存在しないため、大きな乗り物と小さな乗り物という区別しかできない)
・転生対象者の種類が不安定で使い物にならない場合が多々あった(最年少0歳、最高齢97歳)
B、地球の高度情報処理端末「インターネット」を利用した転生法
採用理由・上記の問題点の解消のため。インターネットを最も使用しているのが転生において希望する年代に近かったことと、ある程度こちらからの取捨選択ができることが可能であったため。
問題点・インターネットの利用自体に時間を要した(高度な文明の最先端技術なんて使えるわけがない)
・ある種の詐欺サイトであると疑われ、刑事告訴された
・個人間での情報共有がなされ、「アクセスすると消されるサイト」と都市伝説扱いされて誰もクリックしなくなった。
C、異世界転生専門教育機関の設置
採用理由・上記の問題点の解消のため。社会福祉法人の一つとして地球側に正式に登録し、異世界へ転移をする旨を事前に告知、転生希望のため加入してきた人の教育、試験、選別を行う。
問題点・転生方法に疑義が持たれたらしく、やはり刑事告訴された。
・組織自体が怪しがられたようで、加入者はごく少数であり(昨年24人、今年47人)、しかも適格者がいなかった(元無職、犯罪者など)。
・ある種の悪質な宗教団体と認識され、転生者1名の親族に訴訟された。
「あー、うん。なるほどね。こんな問題だらけだったのか……」
「はい、地球から転生してもらうにしても、人選が必要だったためなかなか進展が難しく……。また地球自体高度な情報共有システムがなされており、なかなかうまく馴染めないのです……」
「そうか、考案したときは名案だと思ったが、異世界人である地球人を連れてくるのは難しそうだな。ちなみに今はどういう手法を取っているんだ? Cの次のDがないようだが」
「はい、今はむやみに転生してきてもらうわけにはいかず、しかし上からの命令で誰も転生できない状況にするわけにはいかず、やむなくこちらの方法を設定しております」
「ん、なんで資料を別にしているんだ? まあいいか、どれどれ……なんだこれは、『ワインレッドのドレスを着てアヘ顔ダブルピースをしながらカボチャを齧りつつ「スイカうめー!」と叫ぶ』って?」
「はい、次の良作が浮かぶまでは誰一人転生させたくないので、これで状況を凌いでおります。これなら誰一人転生してこないでしょう?」
「……万が一転生してきた者が一人でもいたら最悪だぞ。私は嫌だぞ、こんな勇者候補……」 インターネットは端末ではないな。
スマホとかパソコンとかが端末。 >>497
確かにこの条件で転生してくる奴は嫌ですねw
これ、異世界人が地球側にもやってきてるのかな? >>497
雨にも負けずエロにも負けず、497氏の挑戦は誘惑に負けぬストイックなるお題・全選択となるか〜、勇者はうまく引き抜けない!
さあ、作品は会議の資料形式! 『異世界』の人材不足に対応するべく、転生方法の『設計』を試みるスタッフのレポートを追っていくこととしよう〜
まずはトラックで轢き殺された人を転移させる案、車種が特定できず没! 次はネット案、闇サイト扱いで刑事告訴! 最後の法人案〜、新興宗教扱いで刑事告訴! って感じで失敗続き、
代案が出るまでの時間稼ぎにと考え出された転生条件、ワインレッド(『暖色』)のドレスで『アヘ顔ダブルピース』をしながら『カボチャ』を齧りつつ「スイカうめー!」と叫ぶ人w
おい万が一を考えろよヤバイだろ…と、会議出席者がアヘ顔ダブルピースなまだ見ぬ勇者に恐れをなしてオチが決まるw 497氏、笑いの全制覇、軽やかEND! ここでいろいろ短編書いてたらなんか連載書いてみようって気になってきたわ・・・
これも競馬実況さんや進行さんや感想くれた人のおかげやで。ありがとな・・・ >>497
異世界転生させる側にも色々苦労が有るのですねw
元々、勇者の適性ある人だと、早々死なない気がしますし…… ここでいろいろ短編書いてたらなんか連載書いてみようって気になってきたわ・・・
これも競馬実況さんや進行さんや感想くれた人のおかげやで。ありがとな・・・ >>489 なんか短編もう一つアップしようとしたら前のレス連投してしまった。クソ恥ずかしい///
使用したお題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【森の中の崖の木】(1/2)
はい、これは僕の経験した実体験です。
僕は建設会社に勤めていまして、入社直後は色々なところに派遣されていました。使いっパシリってやつです。
本当は設計や企画の方をやりたかったのですが、入社直後のペーペーにそういう責任のある仕事なんて当然やらせてもらえませんでした。本当に最初のうちは挨拶回りとか、荷物持ちとかそういうのばっかりだったです。
その仕事も僕が最初やらされていた仕事でした。燃料の給油です。
鉱山を崩すために設置されていた重機がありまして、その重機に定期的に燃料を供給する仕事でした。3日に一度、ポリタンク10杯のガソリンを軽トラで運んで給油していました。
山に登るまでの間は森でした。グネグネ曲がった狭い道で、他に車は一台も通らないようなところでした。
昼に行っても薄暗いほど、鬱蒼と樹が茂った森でした。右手が森で、左手が崖。今考えても結構怖い道だったと思います。雨の日とかは滑って落ちないように十分注意していました。
ただ、その道不思議でして。左手の崖の方に一本だけ、やたら突っ張った木があったんです。
その木は他の木より一回り細いくせに、妙に背丈が高くて一本だけ目立っていました。途中からぐねりと曲がっていて、夏でも葉が少なくて枯れかけていた木でした。
おかしいというのは車のハンドルでして、その木の近くを通るとき、妙に左側に引っ張られるんです。
右手が山に面していて、左手が崖になっていたら、普通の人なら右側に車を寄らせると思うんです。うっかり落ちたら最悪ですからね。
もちろん僕もそうしていました。なのにその妙な木の近くに来ると、まるで磁石に引かれるかのように左側に車が寄っていくんです。崖が近くなるのがすごく怖かったですよ。
しかも一回や二回じゃないんです。毎回、行きと帰り、その木の近くを通ろうとするとやっぱり木の方に車体が寄っていくんです。
まあハンドルを少し多めに傾ければ簡単に元の路線に戻れるんですが、ずっと気になっていたんですよ。妙に引っ張られるなぁって。
職場の人にそのことを聞いてもまともに答えてくれる人がいないので、ちょっとその山の地主の方に話をする機会があったときに聞いてみたんです。
妙に引っ張ってくる木があるんだって。そこだけ道路がゆがんでるのかなぁ、って笑いながら。
地主のお婆さんは「そうか、やはりか……」とだけ答えてくれました。
「そうか」はなんとなくわかったのですが、「やはりか」の一言が引っかかりました。当然ですよね、意味深な言い方ですもの。
でも地主のお婆さんはそれ以上何も答えてくれなかったので、地道に近所で聞いてみました。別に急いでなかったのでゆっくり調べたので、聞き込みだけで半年近くもかかってしまいましたけど。
結論を言いますと、その木の下で首つり自殺をした女性がいたらしいです。
まあ、薄々感づいていたので「怖い!」というより「やっぱりかぁ」という感想でした。地主のお婆さんと同じ反応ですね。
それ以来その木の下を通るときちょっと怖いなぁって思うようになりましたが、基本的に霊感なんてない僕なので、気にせず3日おきに燃料給油を続けていました。
給油の仕事を始めて1年ほど、もう慣れて例の木のことも気にならなくなり始めたころ、あるイタズラを仕掛けました。
彼女の友達に自称霊感少女がいるらしいのです。なので、僕と彼女はその女の子のことを騙して例の木の真横を通り抜けようとしました。
本当に霊感があるなら首つり自殺の女性が見えるだろう、嘘だったら何も見えないでただドライブを楽しむだけだろうというイタズラを。
「まるで違う世界に来たみたいね……」
予想外なことに、その霊感少女は気づいた様子でした。山に登る直前に急に震えてそう言いました。
どうせ霊感なんて嘘だろう、と思っていた僕と彼女は結構驚きました。本当にわかるんだ、と僕と彼女は驚いてその霊感少女のことを褒めました。
「いや、わざと連れてきたのこんなところに? 結構ヤバイところじゃない? ねぇ、早く引き返しましょうよ!」 【森の中の崖の木】(2/2)
僕たちが褒める言葉なんて全く無視して、早く帰ろうと促す霊感少女。後ろの席から僕の運転席をぐらぐら揺らす。危ないのでやめてほしい。
隣で座る彼女が霊感少女をおし宥めるけれど、霊感少女は全く聞きはしない。その鬼気迫る表情に、僕は割と本気でヤバイのかもしれないと思い始めた。
しかしここは狭い一本道、もうちょっと先の車体交差用の脇道があるところまでいかないと引き返すことも難しい。
それに霊感少女が怖がっているとはいえ、いつも通っていて特に何も問題なかった道だ。今更無理に戻らなくても……。
「ひぃっ、やっぱりここ幽霊の出るところじゃん! く、首つりの女の人が何か言いながらこっちを手招きしてたわよ!?」
あらぬ虚空を指さし悲鳴をあげる霊感少女。イタズラを仕掛けようとしていたのだ、当然幽霊の話なんてしていない。
そのことを見抜いた霊感少女に僕の彼女は「よくわかったわね、本当に霊感あるのね」と素直に称賛する。僕も称賛しようとしてふと違和感に気づいてしまい、少し戸惑った。
霊感少女は、右側の木を指さしていた。
しかもよくよく考えてみると、まだ例の木は見えていない。まだ少し距離がある。だというのに首つり女性の霊がもう見えたという。なんで、どうして?
もう1年近く通った道だ、ただの山道でも今自分がどこら辺にいるのかわかる。霊感少女が騒いでほんの10秒ほど運転したあと、例の引っ張ってくる木の見える場所まで来た。僕はハンドルをいつものように少し右に曲げる。
直後、悲鳴が上がった。
僕は運転していたので何が起こったのかわからなかった。ただ、霊感少女が何かとんでもない悲鳴をあげた、と思ったらその後急に静かになった。
僕の彼女が涙目になりながら必死に気絶しているらしき彼女を揺さぶっていることと、鼻をつんざく異臭がすることだけがわかった。
そして、その時の僕は実を言うとそれどころではなかった。いつもより左側に引っ張ってくる力が強い。ハンドルをほぼ右に全力で回しているのだが、それでも車体が崖の方へ寄っていくのだ。何が何だか全く分からない。
ガードレールと例の曲がった木がフロントガラスに近づいてくる。
危ない!
……しかし幸運なことに、僕たちは崖から落ちずに済んだ。すんでのところでハンドルから妙な力が消えて、車体は普通に真っすぐ走るようになったのだ。
その後、山の頂上にある広場になっているところで車を止めて、ようやく後部座席の惨状がわかった。
霊感少女が気絶していて、ほら、エロ本とかでたまにあるような見事な白目を見せて気絶していた。あのダブルピースをしているようなあれだ。
白目をむいて泡を吹いている女性というのは、エロさより気持ち悪さの方が先だった。
それに彼女は盛大に嘔吐していた。お昼に食べたカボチャパイの綺麗なオレンジ色が床に広がっている。いったい何が彼女にそうさせたのか、よくわからなかった。
パニックに陥りつつも、吐しゃ物が喉に詰まらないように懸命に吐き出させていた僕の彼女の冷静な医療行為に尊敬した。
僕はこのことがあって、あの道はマズイということにようやく気付いて、職場に配置換えを要求した。そうしたら上司が「よく1年ももったな」と結構多額のボーナスと好きな部署への転属を約束してくれた。
やっぱり前例があるほどにヤバイところだったらしい。いくら何でも酷いと思ったので、転職先が見つけてからすぐにやめた。
また、後に霊感少女に会うことがあって、彼女と話をしてみた。彼女は良いことを教えてくれた。
道中にいた首つり女性の霊が手招きしながらブツブツ呟いていたそうだが、それが「そっちへ行っては危ない、戻りなさい」という内容だったそうだ。なんというか、そういうことなら先に教えてくれと思わなくもない。
イタズラを仕掛けた僕が言うのもなんだけど。 >>506
本当に遇った怖い話ですね
イタズラを仕掛けて、取り返しのつかない事に成ることもあるそうですから、気を付けないといけませんね >>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【くっころさんが通る】 途中でアップしてしまいましたorz
>>489
使用お題:『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【くっころさんが通る】
「クッ! 殺せ!!」
テンプレートな台詞を吐きながら、豪奢な鎧を着こんだライトブラウンの長髪に鳶色の瞳の美女騎士さんがこちらを睨みつけてくる。
僕は溜め息を1つ飲み込んで、どうしたものかと思考を巡らした。
(誤解が解ければ1番なんだけどなぁ……)
誤解……そう、全ては誤解なんだ。
まずは僕の事を話しておきたい。
僕の名前は室戸 康。何処にでもいる高校生……だった、んだけど、つい三ヶ月ほど前にいわゆる“異世界召喚”で、剣と魔法の世界、『ホーラス』に召喚されてしまったんだ……勇者として。
そしてこれまたテンプレートなお約束として、魔王を倒せば元の世界に帰れるって事らしくて、唐突に呼び出されてしまった僕としては、それを信じて魔王を討伐するしかなかった。
確かにこの世界の人達、魔物や魔族の襲撃の被害に遭っているみたいだったしね。
さて、これまでの事は置いておいて、今の自分がどんな状況かと言えば……これがまた、再び召喚されてしまったのだ……魔族の魔導士に、召喚獣として……いや、悪魔召喚に近いのかな? 送還術とセットみたいだし。
で、カボチャ頭の悪霊、ジャック・ザ・ランタンと一緒に召喚されてしまった直後は少し混乱したけど、女騎士さんの鎧に刻まれた紋章。
それが僕を召喚した国の友好国のものだったし、命令して来た術師はあからさまに魔族だったから、僕がソイツごとランタン達を倒す事に全く躊躇は無かった。
だけど、彼女達からしたら、召喚された使い魔が唐突に主や仲間といさかいを起こし始めた様にしか見えなかっただろう。
当然の事だけど「敵を裏切ったんだから味方だ!」なんてお花畑な思考はしていなかったらしく、女騎士さん達12名は、僕を倒そうと攻撃を仕掛けて来た。
僕の人生設計にこんな所で死ぬなんて……と言うか、初めに召喚された事からこっち、僕の人生設計には無かった事ばっかりだけどさ。
地方公務員に成って、安定した生活を送る筈だったのに、どうしてこうなったんだろ? ともかく死にたくは無かったから、返り討ちにして全員縛り上げたまでは良いんだけど……
「魔族の……その召喚獣に辱めを受ける位なら、いっその事殺せ!」
「いや、僕は、魔族でも召喚獣でも無いんだけど……」
「クッ! なんて嫌らしい目だ! そうやって視姦しながら、私をどう凌辱するか考えているのだな? クッ殺せ!!」
この女騎士さん、全く話を聞いてくれない。
確かに女騎士さんも、その部下さんも結構な美人さんが揃ってるから、ある程度自意識過剰になるのも分からなくはない。
だけど、全く話を聞いてくれないってのは酷く面倒に成る。
(もう、このまま放置して帰ろうかなぁ……)
そんな事、実際には出来ないけどさ。
でも、僕が召喚されてしまった理由も調べないといけないから、こんな所で時間を取られてる場合じゃ無いんだよなぁ。
「クッ! 縛るのか? 私の事を荒縄で亀甲縛りにしたり、M字開脚で吊るすんだな!! クッ殺せ!!」
「いや、しないよ? しないからね?」
「これでも、誇り高きゼールフィァア家の娘! アヘ顔タブルピースなぞ、絶対にせんぞぉ!! クッ殺せ!! いっその事殺すが良い!!」
いや、本当、何言ってんの? てか、あるのか? 異世界に『アヘ顔ダブルピース』! お題『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』締切
【参加作品一覧】
>>491【臨時の仕事】
>>497【転生方法改善会議、資料】
>>506【森の中の崖の木】
>>510【くっころさんが通る】 一年も続けられたのは、前進行氏と皆さんのお陰です。ありがとうございます&これからもよろしくお願いします!
ということで……一周年ということで変わったお題を試してみたいね
今回は進行からのお題として『一年』を必ず入れるとしたいんだけど、他におもしろいお題が思い付かなかった……どうしようか とはいえ他に案が無いと言えば無いので……やる?よく考えたら前進行氏の時にお題にはなったね、主人公指定は無かったけども ではお題「一年」と「進行が主人公」ということで一周年スペシャルやってみましょう……一番胸に沁みた作品を選びますということで…… ☆お題→『一年』『進行が主人公』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→11/28の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>511より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 よし、進行さんをいじり倒すか。
起承転結がまだだけど、すでに4つほどネタが浮かんだ。 >>506
前回お題全選択のリレーゲームと化した短編スレにて、506氏も全チョイス! 亡魂のゴーストロード〜
さあ、職場でほんとは『設計』や企画をやりたかった主人公が、使い走りで駆け抜ける、鬱蒼とした山道を〜、その道には崖下へと手招く恐怖の木が生えるという〜、
聞けば首を吊った女性がいるといういわくつき! 何も言わずに騙してつれた、霊感少女が道すがら、「まるで違う世界に来たみたいね」と話し、山道が『異世界』の様相を呈していく〜
で、キター! 霊感少女がついに指差す〜、ってくだんの木とは逆方向!? 場の霊圧で限界超えたか、少女は『アヘ顔ダブルピース』状態で、オレンジ色(『暖色』)の『カボチャ』を吐き散らすw きたねえw
ラスト〜、逆サイにいた幽霊の手招きは、崖が危ないよと教えるためのものだったオチw 崖に引き寄せられたのは幽霊への無意識の恐れかw お題を全攻略した506氏が、寒空の下で人の世話焼く、幽霊ほんのり描き出し、ぬくぬくENDがきまったァ!
>>510
続く前回お題の全選択リレー、繋いで繋いでオオトリの、510氏がタスキを受け継ぎキラーお題『アヘ顔ダブルピース』から組み立てる、クッコロ☆戦記!
さあ、召喚により、剣と魔法の『異世界』に飛ばされてきた室戸くん〜、二重の召喚によって『カボチャ』頭の悪霊、ジャック・ザ・ランタン側に立つも、
即座に裏切り、ライトブラウン髪(『暖色』)の美しき女騎士を救う〜、が事態のみ込めぬ女騎士がモンスター側と思い込んで襲い掛かり、そんな死に方は人生『設計』にないと縛り上げる室戸くん!
ところがこの騎士、クッ殺せと言いながらエロ妄想を口走る〜、くっころ女騎士w 亀甲縛りにされたり、M字開脚で吊るされるのを明らかに夢見ていながら否定するw
めんどくさw 『アヘ顔ダブルピース』なぞ、絶対にせんぞぉと、する気マンマンの女騎士を見て、「いや全年齢向けなんで」と室戸くん! ってか、アヘ顔とかいう言葉があるんだな異世界、そんなオチ構築で510氏が全選択リレーをゴールインだァ! >>519 まずは1いじり……
使用したお題:『1年』『進行が主人公』
【シンコウさんの物語】(1/2)
僕の妹は精神の病を患っている。
詳しい病名は忘れた。ただ「妹の精神年齢は通常の人の3分の1か4分の1くらいの速度でしか成長しない」というお医者様の言葉だけは幼いながらも良く覚えている。
その時の妹の無邪気な顔と、両親の青ざめた顔も。
妹は普通ならそろそろ高校受験を考える年齢だというのに、その精神年齢は5歳児並みなのである。
「ねぇ、お兄ちゃん。お話聞かせて?」
妹の行動範囲は狭い。肉体は大人の女性で、精神が子供のままの妹の独り歩きは危険極まりないからだ。
だから妹は家と障害者用の学校と病院以外には連れて行ってもらえず、だから妹は僕の話を聞きたがる。僕のありきたりな日常の話を。
最初のうちはそれでも喜んでくれた。放課後の友達とのやりとりを一緒になって楽しんだり、学校のムカツク先生の話で一緒に怒ったり、猫が車に轢かれた可哀そうな姿を想像して二人で涙した。
学校から帰るとすぐに妹は僕にしがみつき、いつも今日は何があったのかと話をねだった。背丈はそれほど変わらないのに中身は子供の頃のままで少し複雑な気分がした。でも妹の求めるがままに何でも話した。
「……ねぇ、他にないの?」
しばらくして、妹は僕の話に飽きた。当たり前の話であった。
精神年齢は5歳児並みだけど、記憶力は普通の女の子と変わらない。だから僕が昔した話を覚えている。
「それ前に聞いた」「そこの話面白くない」「ねぇ、違うお話を聞かせて?」と注文が増えるようになった。とはいえ、一般の男子校生の話なんてそんな飛躍した物語を作れるはずがない。
なので、僕は小説を読むことにした。
漫画は止められていた。妹には刺激が強すぎるとのこと。また、自分の異常性に気付いてしまう可能性があったからだ。
なので僕は小説を読んで、そのあらすじを妹に聞かせるようにした。僕の友人がこんな奴で、こんなことをしていたんだよーって。
妹はそれを大層楽しんだ。
小説には人生が詰まっていると言ったのは誰だったか。よくわからないがその通りだと思った。
妹はその作り話の主人公たちの一喜一憂に心を動かし、僕の話ではなく僕の架空の友人の話を求めるようになった。
ただ、これには問題があった。僕が小説を読むのが苦行だったことだ。
文章を読むこと自体は苦痛ではない。でも、僕だって健康な一男児なのだ。友達とも遊びたいし、家でのんびりしたい。ゲームだってしたい。勉強はしたくないけどしなきゃいけない。
そんな中で小説を読んで、そのあらすじを考えて、妹に害がないように内容にフィルターをかける作業は困難を極めた。僕はしばらく悪戦苦闘の毎日だった。
……そんな中、あるサイトを見つけた。『安価・お題で短編小説を書こう』というネットのスレッドだった。
ここは5つくらいのお題をアンカーで募集し、そのお題に即した短編小説を書くというサイトだった。
正直盛り上がりにかけるし、そこまで名作ぞろいというわけでもなかった。でも、短編と言うのがすごくよかった。僕はそのサイトに書かれていた物語を読んだ。
妹からは好評だった。
精神年齢が低いから物語の深浅は考慮されない。そして短編小説だから起承転結が短くて妹にも理解しやすい。
何より話し手である僕がすぐ理解して読み聞かせやすいというメリットがあった。僕はそのスレッドに常駐しはじめた。
「お兄ちゃん、今日もシンコウさんのお話ある?」
シンコウさんというのは僕が作った架空の人物だ。スレッドに投稿された短編は僕が書いたものではないので、勝手に自分や友達の名前を当てるのは気が引けた。だけど、人物名がないと妹に話しづらかった。
だからその時のスレッドのまとめ役である進行さんから名前をとって、シンコウさんの物語と名付けた。妹はシンコウさんのいろんな角度からの物語を楽しんでくれた。
……ただ、ここで困った事が起こった。初代進行役の人が進行役を辞任したのだ。これではこの短編を書こうスレが機能しなくなる。妹に聞かせる話がなくなってしまう。
だから……僕は2代目の進行役を買って出た。全ては妹のために。そして僕自身のために。 【シンコウさんの物語】(2/2)
……あれから一年、いろいろなことがあった。
短編スレは相変わらず低空飛行だし、書かれる短編も少なくなってきた。だから僕も彼らの努力を真似て、ちょっとした短編を考えてそれを妹に聞かせることも多くなった。
……僕が作った短編だと妹に妙に不評なのは気に食わないが。
ただ、ちょっと嬉しいこともあった。妹があるとき手紙を書いてきて僕に渡したのだ。
妹は真っ赤になってこう言った。
「お兄ちゃんは絶対見ちゃダメだよ。これもしシンコウさんに会ったら渡して? でもお兄ちゃんは中身を絶対見ないでね、絶対だよ!」
もちろん見るに決まっていた。だってシンコウさんは架空の人物にすぎず、2代目の進行役は僕自身なのだ。見ないわけがなかった。
全力でバレないように細心の注意を払ったのは言うまでもない。そして誰も見ていないところで手紙の中味を読み、その中身を見て僕は嬉しくなり、丁寧に仕舞い直してからある事を決めた。
僕が初めて短編スレに書く短編は、妹の手紙の内容にしよう、と。
…………
525この名無しがすごい!2018/10/21(日) 23:58:14.18
>>519
使用したお題:『一年』『進行が主人公』
【妹の手紙より】
シンコウさん、いつもおもしろいおはなしありがとうです。だいすきです。 >>523
二代目進行さん秘話と言ったところでしょうか?
しかし、進行さんへの激励に見せかけてスレ民皆への激励と言うw
ですが、有り難い事ですね
>>522
ギリギリまで、タカシの冒険シリーズにしようか迷いましたが、そう言えば前衛は既に飽和状態だったなとw >>523
ハッピバースデー、トウユー、ハッピバースデー、トウユー♪ なんだかんだで短編スレも満一歳! 今回お題は進行氏へのありがとうを乗せた感謝祭〜、523氏がお手紙を投函だッ
さあ、主人公が語り出すのは、体は大人・心は子供、精神年齢じつに五歳、無邪気で愛しき妹さんとの物語〜、学校と病院以外に現実を知らぬ、狭き世界の彼女を楽しませる使命を帯びて、
主人公はものがたる! 友達との会話、先生の愚痴からはじまり、轢かれた猫の悲しき話、はては小説と、読み聞かせのネタが広がり、ついにここ、短編スレへと辿り着く〜!
スレの司会役を承継し、二代目となった主人公こと『進行』氏、投下作品を妹さんに読んで聞かせて、あれから『一年』、彼女から届いた手紙を作品に書き直して投稿だァ〜、妹さんから進行氏とスレ民あてに届いた手紙、なんてなんて?
おいおい、だいすきです、だってよ! おいこれどうする、まいったまいったw 浮かれ喜ぶ短編スレ民、書くひとあれば読むひとあり! ひそかに読むひとだって感謝を伝えたいと、熱きラブのお手紙が、進行氏と皆にサンクスギビングだ! >>519 そして2いじり目。そういえば競馬実況さんはいじらなくていいのか?
使用したお題:『1年』『進行が主人公』
【情報過多】
人間と動物の違いってなんだかわかるかい?
二足歩行? 火を使う? 道具を作ることができる? どれも違うね。全部一辺にできるのは人間だけかもしれないけれど、できる動物はたくさんいる。
人間は情報を食うことができるんだ。
食う、という言葉が気に入らないのなら、こう言い換えてもいい。情報に飢え、情報を求め、情報を得ることができ、情報を加工し、情報を生かすことができる。古い情報を捨てることもできる。
これは人間にしかできないことだ。動物は肉や草を食べることはできるが、情報は食わない。
ん? 情報を食うと何が起こるのかだって?
そんなの日常に実例がいくらでも転がってるじゃないか。傘を持っていくかどうかの判断のために朝のニュースを見るだろう?
話題のラーメン屋のラーメンが自分の好みにあわなくても、つい美味しいと言ってしまうだろう?
ツイッターを見るのはなぜだい? 他人の情報が知りたいからだろう?
そして……これ以上生きるのが辛いと感じたら首を吊るだろう? どれも動物はやらない行動だ。人間にしかできないことなんだよ、情報を食うことは。
もし私の言っていることを否定したかったら、目や耳を塞いだ状態で1日過ごしてみてくれ。
目隠しをして、耳栓をして、鼻を塞いで、両手両足を縛って、その状態で24時間耐えることができたら私の意見を否定していいよ。素晴らしい忍耐力だ。
私だったら10時間はなんとか耐えれても、20時間は無理だね。発狂する。
閑話休題、人間は情報を食べることができる。では食べ過ぎたらどうなってしまうか、知っているかい?
肉を食べすぎると太る。砂糖を取りすぎると糖尿病になる。水を飲みすぎると過水症になって死ぬ。
何事も過ぎたるはなお及ばざるは如し。足りないのもよくないが取りすぎるのもよくない。では、人間が生きるために必要とする情報を取りすぎると、その人間はどうなるか。
情報を食べすぎた人間は、その人自体が情報になってしまう。
言ってる意味がわからないって? まあ普通の人はわからないだろう。情報過多となったその存在はまとめて情報となってしまうのだ。うん、わかりづらいかな?
そうだな、都市伝説や幽霊と言ったらわかりやすいだろうか。情報を取り過ぎた人は、生きたまま幽霊になってしまう。
誰もが知る、だが誰もが実態が見たことなく、そしてその生態が意味不明で、そんな存在になり下がってしまうのだ。口裂け女やデイダラボッチ、八尺様なんてのも元は普通の人間だったのかもしれない。
情報を集めすぎると、その集めすぎた情報を基に個人の人格が分離され、新しい人格として独り歩きしてしまうのだ。逆に言えば、世間を騒がせたかったら情報を大量に集めれば良い。
もっとも効率よく情報を集める方法は物語だ。物語は情報の宝庫である。たくさんの物語を簡易に集めることができるシステムを生み出せば、誰より早く幽霊になれる。
……これで私のやっていることの意味はわかったかね? 伊達に1年もつまらない進行役なんてやっていないよ。
これはつまり現代版の百物語だ。怪談話を一つするたびにろうそくを消していき、その数が100に達すると幽霊がやってくる。
では、一般で周知されている物語の場合は、どうなる?
……そろそろ1年だ。物語の数は……百物語の倍ほどか。ならば十分かもしれない。
フフフ、一体何が起こるだろうか。楽しみだ、ああ楽しみだ……。 >>519
使用したお題:『1年』『進行氏が主人公』
【スマイル】(1/2)
男は両のこめかみを親指で押さえながら、チェアの背もたれに寄りかかった。
ディスプレイの光が照らす眉間には悩ましげな皺が刻まれている。
――どうしてこうなった……なんで――
一週間前。
某掲示板上に存在する掌編小説の投稿スレッド、通称・短編スレで、進行役を務める彼は次のお題を募集していた。
その冷静ながらも大らかな司会、かつクレバーな差配は参加者の信頼を集めており、
開幕から無事に一周年を向かえたスレッドでは、労をねぎらい、男を主人公とした短編を投稿しようと、誰ともなしに話は盛り上がっていた。
「進行氏を主人公にする縛りw」「ムズすぎるだろww」「一番胸に沁みた作品を進行さんに最後きめてもらおう」
画面の向こうで楽しそうに騒ぐ住民達を見て、男は照れくさくも好意に気圧される形で「仕方ないね、いいよ」と承知したのだった。
しかしいざ作品の募集を開始してみると、投稿は一切なく、あれほど騒いでいたスレ民らは死んだようにおとなしくなった。
男の心に懸念がよぎる。
――な、なあに、期限は一週間ある。構想を練っているんだろう。愛いのう、愛いのう――
だが、期限まで二日を残して金曜を迎えるにいたっても、スレッドにはまったく動きがなかった。
こうなると鷹揚に構えていた男にもふつふつと焦りが生じ始める。
キーボードを叩き、「投稿まだかな」「ワクテカ」などと書き込むが、住民達は石像にでもなったかのようにビクともしない。
――えっ何で?? あんなに盛り上がってたのに、何で誰も投稿しないの……俺が主役ってそんなにやりにくいか? いやいや……どうすればいいんだこれじゃ一周年が、俺が微妙なために失敗みたいだ――
土曜。
何も動きがないスレッドの画面を虚ろな目でじっと見ている自分に気づき、男は慌てて顔を洗った。
日曜。時刻は二十時。
タイムリミットが二十二時なので残り時間は二時間だが、投稿はない。 【スマイル】(2/2)
差し迫った刻限を前にして、男は逃げ場のない窮地に追い込まれていた。
寝起きのままの髪の合間に血走った目を光らせて、うろうろと室内を歩く。
投稿はない。更新ボタンを連打するが投稿はない。何も変わらない画面が歪んでいく。
――……俺のせいじゃない、俺のせいじゃない、俺のせいじゃない――
スレッドに書き込みが一件あり、飛びついてみてみるが情報商材の釣り広告だった。投げつけた携帯がベッドの上を跳ねて、床に落ちた。
男は鼻息を荒くしてPCでタイプをはじめる。最後の手段に出るのだ。
自分のおもしろ話を自分で創作するという暴挙。
自分が笑い、自分が泣く、自分が苦しみみ、叫ぶ、その悲喜こもごも、カタルシスを自分で書いて、投稿ゼロを防ぐ。凶行である。
男を主人公とした短編をお題にしようと話が出たとき、「そんなのムズムズするわww」と恥じらってみせたのだった。
住民に気圧される形で苦笑しながら「仕方ないね、僕をいじりなよ」と承知したのだった。エンターキーに指を叩きつける。
ずいぶん遠いところまできてしまった。
――ちきしょう、よ、よし、これでいく、ちきしょう――
正気を失いかけた男の目に、書き込み新着のアラームが飛び込んだ。
――!?――
525 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:28:14.18
【妹の手紙より】
シンコウさん、いつもおもしろいおはなしありがとうです。だいすきです。
男は言葉を失った。目の前の稚拙な文体には何の飾り気もなく、それどころかお題を遵守しようとしようという気概が感じられなかった。
子供がメッセージとして打ち込んだとしか思えない無邪気な文章である。
おそらくはどこかの幼い読み手が、男に感謝の念を伝えたくて、暴発するように書き込んだものと思われた。
数分間、彼の頭は真っ白になったあと、頬にはひとすじの涙が伝い、「ありがとう、ありがとう」と声が出ていた。
――もはや、これだけでいい。いや、これだけが、いい――
涙は止まらず、震える手で、途中まで作った自分の泣き笑い冒険譚を消していく。
喉を震わせて、しゃくりあげていると感動のフィナーレこと刻限が数分後に近づいてくる。
――!?!?――
すると、書き込み新着のアラームが続く。
529 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:55:29.77
【あの進行さんがアヘ顔ダブルピース!?】
……
530 この名無しがすごい!2018/10/28(日) 21:58:12.33
【いけ、アヘ顔ダブルピースだ、進行氏】
……
二個、三個、四個、五個……。投稿されるシモネタの重複、重複、恐ろしいことにすべてネタが重複している。
住民らは前回のお題、アヘ顔ダブルピースと男を何とか組み合わせよう、それを間に合わせようと、我を忘れて四苦八苦していたのだった。
「…………」
いま、進行と呼ばれる男は画面の前で硬直している。
涙はシモネタによってすっかり乾燥し、住民らの意味不明な情熱を前に口の端が引きつっている。
それは笑顔である。進行役をこなす、彼にしかできない唯一無二の笑顔である。
ネタがシンクロした奇跡、純粋な感動がシモネタに汚されたショック、虚脱した責任感の入り混じった複雑な、しかし笑顔なのであった。 >>527
ノンノン、進行氏に花束の回だぜ527氏? で、一夜毎に一作とは、すばらしい回転能力だなw ってことで二作目に挑戦だ〜、人外なりゆく人間の、人間による、人間を超えるためのスレ活用〜!
さあ、短編スレ一周年、物事を振り返るいい機会だ、ここはひとつ人間の人間たるとは何か皆で考えてみよう〜、火を使う? いやいやそんな鳥がいるって聞いたことあるし、道具を使う? サルがいるし〜
うーん、答えは? 情報を使う! なるほど、ラーメン屋の評価に合わせて自分の意見を修正したり、SNSを漁ったり、追い込まれれば自死すら選択できる情報嗜好者、それが人間だと〜確かに〜
じゃあ情報を食べ過ぎるとどうなるか〜、たとえば物語が集積される短編スレで、『一年』ほど投稿される作品を喰らい続けたら、人は人外になれるのでは、
ってそうニヤリと語るのが、何を隠そう、語り手となった『進行』氏だァ! 楽しみだ、ああ楽しみだと人間の範疇を超えゆく進行氏に527氏がエールを送ってお題をクリアw 人類超越ENDで二発目をキメた!!
>>528
自作!
進行氏、いじりすぎてたらすまんw 相変わらず自作には謙虚な競馬実況さんに草
というか、そうか。あえて書かない方が進行さんイジリとしては上級だったのか。そこまで考えつかなかったは うん、あえてシリアスにして動揺させる、という手もあるかもw 競馬実況氏の目論見通り、読んでてイロイロ動揺しまくってるw
日曜にまとめて全部感想書きますが、なんかこう、恥ずかしいけどどれも凄く嬉しいね……不甲斐ない進行ですがこれからも頑張ります! お題:『一年』『進行が主人公』
【進行さんの悩み】
一年前、ある掲示板にとあるスレが誕生した。ただし、ただ誕生しただけでは成立はしない。そこはお題を元に短編小説を書くというスレだからである。
このスレで必要となるのは、進行役を勤めてお題を纏める進行さん、アンカーでお題を出す人、それを元に小説を書く人だ。名物でもある競馬実況さんも忘れてはいけないだろう。
今の進行さんは二代目であり、お題を出す人も、短編小説を書く人も常に一定というわけではない。どの人もスレにとって重要なのは間違いないが、常に一人である進行さんの役割は大きいであろう。
そんな進行さんにも当然ながら悩みがある。
まず第一に、選択性のお題なのに全選択の作者が多い事だ。……無茶なお題であっても書いてしまえる人がいるというのも凄いとは思ってはいるが、もう少し絞ってみても良いのではと思っていたりする。
単純にハードルが上がり過ぎているのを危惧している事もあるだろう。決して多いとは言えない作者数。もう少し難易度が下がらないものかと思っていたりもするのである。
第二に、たまにある無茶苦茶なお題である。
『アヘ顔ダブルピース』なんて物の時は全年齢向けでと注意書きをしなければならなかった。もう少しお題にも自重して欲しいと常々思っているようだ。
それでも書いてしまう人が居るのにも驚いていた。よくあれで書けるものだと関心もする進行さんである。
第三に、投票がまるで機能してくれていない事だろう。作者と読者が重なっているからこそ、投票しにくいという側面はありそうだけども、どうにか上手く機能してくれないかと時々考えている。
だけども、進行さんは悩みを抱えながらも進行の役目を請け負う。他の人とは違う一人だけの役目を持って。次の一年も続けていける様にと心に決めながら。 >>535
続く一周年ラッシュ、535氏はここ『一年』の進行氏の心境ヒアリングいじりに入った〜、こちら短編スレお悩み相談室、ききとり係、派出所!
さあ、『進行』氏がスレ民の詰所であるところの悩み相談室に駆け込んできた〜、彼がどんな悩みを持っているのかレポートを見ていくぞ!
進行氏いわく、お題は選択制なのに全選択の作者が多いんです〜、うん、確かに皆それしか考えてない! 進行氏が言う、あと『アヘ顔ダブルピース』とかお題にあげていやらしい目で見てくるんです〜、そういう変態はいけないね!
進行氏が訴える、なんか気を遣って投票とかしないんです〜、そういや世界に一つだけの花って歌があったね!
短編スレ風林火山〜、全選択に着手すること風の如く、投票せぬこと林の如く、変態お題でニヤニヤ火の如く、参加者マイペース山の如し! 問題山積、解決する気があるのかないのか、のんびりと、スレは進行氏と二人三脚だ、535氏がお題クリアw 今回お題が緩めだからネタはすぐ思いつくんだが、上手く起承転結の形にならない。
進行さんを弄り倒したいのに・・・ぐぬぬ >>519 3いじり目。
使用したお題:『1年』『進行が主人公』
【拝啓、宇宙人様へ】(1/2)
世界は危機に瀕していた。
全ての始まりはアメリカのワシントン州であった。
1947年6月24日、自家用機で飛行していたケネス・アーノルド氏がカスケード山脈にあるレーニア山付近の上空で奇妙な物体を発見した。9つの飛行する物体がまるで連結するかのように繋がっており、エンジン音を響かせることなく超高速で南から北へと飛んでいったのだという。
俗に言う「ケネス・アーノルド事件」である。分かりやすく言うと、世界初のUFO発見事例であった。
世間はUFO発見というニュースに沸いた。その謎めいた神秘性と、不思議な飛行機体、そして何より宇宙人の可能性を期待して人々はUFOを探し求めた。
テレビでは何度も特番が組まれ、一般市民の中には謎の集団がUFO召喚の儀式を行い、懸賞金がつけられるまでになった。まさにUFOブームである。
しかし、UFOブームはすぐに廃れた。その頃はまだ一般的ではなかったが、インターネットの走りである通信プロコトルの流通によって情報の共有化が飛躍的に進み、よほど情勢に疎い人間以外UFOを信じなくなってしまったのである。
視聴率を稼ごうと躍起になったテレビ番組が、誤報や誤謬を招く報道、つまりやヤラセ番組を多く行ってしまったが故にブームはまさしくUFOのように去ってしまったのである。
ただ、ここで疑念が残る。UFOブームは去った、これはいい。じゃあ、一番最初にケネス・アーノルド氏が見たUFOはなんだったのか?
結論から言おう、UFOは実在するのだ。ブームが去ったからといって本物のUFOがいなくなるというわけではない。
未だにUFOは存在し、宇宙人が地球にやってきている。この現状は1964年から全く変わっていない。
じゃあなぜUFOの目撃証言が減ったのか。これも至極簡単である。インターネットのせいだ。
宇宙人の目的から逆算すれば、理由は自ずとわかるだろう。宇宙人は地球に最も多く生存する知的生命体である地球人に興味を示し、その存在は一体どういうものか調査したかったのだ。
その調査の結果何をするのかまではわからない。宇宙人に直接聞くしか知る由はないからだ。しかし、地球人に興味がある宇宙人がその情報を集めようとしたら、最も適格で最も安全で、最も効率的な方法なんて一つしかないだろう。それがインターネットである。
インターネットにより地球上どこの情報も入手が容易になり、宇宙人はUFOに乗り出して直接現地を確認する必要性がぐっと減ったわけだ。UFOブーム去就の原因となったインターネットが、奇しくもUFOが見かけなくなる原因にもなっていたわけである。
さて、宇宙人は地球上の情報を入手している。そしてインターネットの発達により、その情報の精度と規模は日々拡大し続けている。
ただ、地球上全ての情報を集め終わった宇宙人が何をするのか、それはまだわからない。そう、わからないのだ。
憶測だけならば、それこそたくさんある。インターネットで囁かれる噂話だけでなく、映画や小説の題材にもなっている。
単なる観光なのか、人類が平和的種族なのかどうかを見極めるためなのか、それとも地球を侵略するためなのか。
だけどそのどれもが本当に宇宙人の目的と合致しているかどうかは、前述した通り誰にもわからない。
だからこそ、私のやるべきことは一つだった。情報を増やすこと。これである。
地球の情報を全て、ないしは必要十分な量を集めた場合、宇宙人は行動を起こす可能性が高い。そしてそれが地球人の望まない結果をもたらす可能性は確実に存在する。
である以上、情報を増やし続けさえすれば宇宙人はその情報をさらに集める必要が出てきて、最終目的を行う決断を遅らせることができるのではなかろうか。時間が稼げるのではなかろうか。
さらにはその情報の信ぴょう性が疑わしいモノであるとなお良い。インターネットはもとより嘘や誤解が蔓延っているのだ。
信ぴょう性の疑わしい話を流布しておけば、宇宙人が真偽を確認するためにより時間がかかる。
また、物語形式の話だともっと良い。語り口調の物語であれば、それが筆者の実体験なのか、はたまた妄想なのか区別がつきづらくなる。より時間が稼げるわけだ。 【拝啓、宇宙人さまへ】(2/2)
「おい」
つまり大量の作り話を作って、インターネット上にばら撒く。それが世界を救う方法で、宇宙人の魔の手から世界を守る唯一の手段なのだ!
そう、だからこそこの手段こそが、唯一、絶対、世界を救う手立てなんだ!!
「へいへい、ちょっと落ち着き給え。人の話を聞け。おーい」
なんだようるさいなぁ。今ちょうどいい感じにテンション上がってたところなのに。
「いや、テンションとか正直どうでもいいし。っていうかそれが理由なのか? こんな変な遊びをしてた理由って」
もちろんそうさ。私は地球を守るために頑張る人だからね。地球LOVE!
「……で、これか。なんだこれ? 安価・お題で短編小説を書こう? これで世界を救うって?」
そう、これなら自由参加型でお題さえ出しとけばドンドン新しい短編が入荷してくるからね。
自分で話を考えるのは大変でも、見ず知らずの暇人が遊びで考えてくれるから実に楽だし。短編だから結構無茶な内容の話もやってくるし、ちょうどいいよね。
「……それでこのスレッドの進行役をやってるのか。もう一年も」
うん、1年で4スレッド。結構多いでしょ、短編。
「一つ言っていいか?」
はいどうぞ。
「バッカみたい」
言われると思った。でもいいじゃんかー、万が一ってことがあるかもしれないじゃんー。宇宙人が攻め滅ぼしてくるかもしれないじゃんー。
「んなわけあるか。単なる観光に来てるだけなんだし、滅ぼしたりとか妄想乙としか言えないよ。陰謀論でもここまで酷いのは見たことないレベル」
……やっぱりそう思う?
「まあな、はぁ、アホらし。最後まで聞くんじゃなかったよ、こんな無駄話。じゃあな」
えー、そこまで言うか。酷いなぁ。地球人も宇宙人も、このスレを楽しんでくれたら嬉しいなっていう気持ちも一応あるんだから、良いじゃないか……。
あれ、そういえばなんで観光だって断言できるんだろ? まあいいか。 >>539
マーベラスな三発目!! かわいがりの権化と化した539氏はまだまだ進行氏を離さない〜、地球防衛軍的スレッドの秘密!
さあ、ときは1947年、真偽不明の一大ブーム、アメリカはワシントン州ではじまったUFOの噂〜、このごろ目撃証言が減ったのはインターネットの影響が大きいのだと語り手は言う〜、
いわく地球にやってくる宇宙人の目的は人類調査であるからして、インターネットがあれば頻繁に来星する必要はなく、すなわちネットの情報量こそが宇宙人の侵略を妨げるんだ理論〜、
ってことで、エントロピーを増大するのが短編スレの役目なのだと語り続けるのが、この人、『進行』氏w 短編が埋めに埋めたり、『一年』で、四スレッドとは見事なり! ところが友に話したところ、宇宙人なんて観光に来てるだけよと一蹴されて、
あ、それもそうか、っておいw 宇宙人の正体みたり顔見知り! 今は亡きアーノルド氏に捧げる鎮魂歌、地球防衛の任を背負った進行氏とスレ民の戦いは月刊ムーっぽい調べを奏で、539氏、お題をハットトリック・クリアだ! >>527
情報を食べる為に都市伝説へと進化する……と言う事でしょうか?
何となくデジモンを思い出しました。
>>528
進行さんだからこその焦燥ですね
気を揉んだが故の安堵だったと言った所ですか
全スレ民が下ネタで頭を悩ませて居るとかw
>>535
スレ民に対する進行さんの不満w
いえ、笑ってはいけないのですがw
>>539
地球を防衛する進行さん
未知かと思えば、機知との遭遇だったと言うw いろんな意味で怒られないか、胃が痛い所ですが……
>>519
使用お題:『一年』『進行さんが主役』
【一周年で思う所】
「色々あったな」
そんな呟きが口から洩れる。
スレの立ち上げからは1年、自分が二代目進行に成ってから10ヶ月。実際、低空飛行ながらも良く続いていると思う。
スレ民は「さす進行!」と称えてくれてはいるけど、これはスレ民皆の功績だと思っている。
確かに、このスレは低空飛行だが過疎スレと言う訳では無い……と思う。
他のスレとは違い、常に議論が交わされていると言う訳では無いが、一定数のスレ民が常に作品を上げてくれているし、その作品に対し、必ず感想を上げてくれる競馬実況さんもいる。
よくログを読み返して見れば、呟きさえあれば、それに返答をするスレ民が必ずいる。そう考えると、固定のスレ民が居る事は確かだ。
安価の時に、最低でも5人は居る事は確実だしね。
それでもこのスレを運行する進行として、もっと活気があれば良いと願わくも無い。
俺は、この礼儀正しく優しいスレ民たちの事が大好きだからだ。 今回は久しぶりに色々集まったな。
次のお題どうする? 個人的に今度は競馬実況さんをピックアップしたいところなんだけども。 そういう特別感あるのはやっぱ記念とか時にやったほうがいいのでは? 二周年とか(ちょっと遠い?)
今回も一周年だったわけだし そうか、残念。競馬実況さんにもお世話になってるからなんかしたかったけども・・・
せめて次のお題全部実況さんが決めちゃうとかそれくらいやってもいいんでないかな、とか思わなくもないこともなくはない。 まあただの一意見なので
やろーぜ!ってノリが主流なら全然問題ないと思うよ お題『一年』『進行が主人公』締切
【参加作品一覧】
>>523【シンコウさんの物語】
>>527【情報過多】
>>528【スマイル】
>>535【進行さんの悩み】
>>539【拝啓、宇宙人様へ】
>>543【一周年で思う所】 悩みましたが、一番心に沁みたものを選ぶ、ということで……
甲乙つけがたいところですが、心に沁みた……というか心を動かされたという意味で
ハラハラさせたで賞
>>528【スマイル】
そう来たか賞
>>539【背景、宇宙人様へ】
の二つが結構攻めてましたね。
とはいえ全ての作品にスレ愛を感じたし、とてもムズムズしながら読んだよw
安価を取り終わったらゆっくり全てに感想を書きたいと思います! と、いうことで、改めて一周年ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
今回のところは、通常安価に戻りましょう>>551-555 ☆お題→『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→11/4の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>548より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 >>523【シンコウさんの物語】
病気の妹を想う良い兄が進行のお話!最後に繋がる妹の手紙にほっこり。スレ民にお手紙っていう繋がり方がいいね
>>527【情報過多】
キケンな香りのする進行!目標を達成するためにもっとスレを盛り上げねば……?怪奇の類になるという発想が面白い
あっ、進行は楽しんでやってるよw
>>528【スマイル】
スレ民に弄られたい進行w投稿が無い週はソワソワしてるのでこれが一番ムズムズしたよ。【いけ、アヘ顔ダブルピースだ、進行氏】にはワロタ >>535【進行さんの悩み】
真面目な進行の悩み!割と当たっている「悩み」に苦い気持ちになりつつ(アヘ顔ダブルピースなんかは笑いながら見てるけどw)、みなさん沢山書き込んで沢山投票してね!
>>539【拝啓、宇宙人様へ】
進行は宇宙人から皆を守る?宇宙人対策のために今日も短編を集めます
友人はまさかの宇宙人っていうオチにニヤリ
>>543【一周年で思う所】
進行の独白!スレ民はスレを愛し、進行もみんなが大好きです
そして、進行になってもう10ヶ月かと再確認
完璧な仕事をしてくれた初代さんみたいにはいかないし、力不足で過疎気味なのは否めないけれど、こうして弄ってもらえるのは有り難いことです。 いえーい、なんか変な賞もらったぜー。
さて、今週もなんか考えるか・・・ >>543
進行氏に贈るメモリアル祭も最後の一作となった、543氏がお題の最終日に結びを行う、思うところオブ一周年の打ち上げ花火!
さあ、「色々あったな」と、立ち上げより『一年』経って二代目なるところの『進行』氏が遠い目で振り返る〜
スレの勢いは常にマイペース、それはスレに息づく創作本位主義の泣き所ではあるが、よくログを読み返して見れば、呟きに返答をするスレ民もあり、
書くスレ民あり、読むスレ民あり、そしてまた書くスレ民あり、小回りながら不足なき機能で短編スレは活動してきた〜
清く正しく美しくあれよ〜、礼儀正しく優しいきみたちのことが大好きだと、中心に立つ進行氏の内心を、543氏が代返で描いてくれたw メモリアル一周年とりまとめ、最後は花火でグランドフィナーレ! 皆おつかれさま! >>544
こらこらw
>>549
この度、このような賞(ハラハラさせたで賞)を賜りありがとうございました。
多くのスレ民のレスを自由にコピペし、進行氏をいじりながら、歩み続けてくることができました。進行氏が怒らないといいなと、一番ハラハラしたのは自分だったでしょう。
今回の受賞(ハラハラさせたで賞)を励みとし、ますますハラハラしていく所存です。スレ民の皆様にも感謝を申し上げます。ありがとうございました。
>>557
胸の高鳴る一週間、おつかれさまw
引き続きまったりいきませう >>558
ただ、事実と願望を列べただけの駄文ですみません
感想有難うございます
>>560
感想をいつも有難うございます
取り敢えず皆勤狙いで書いてみましたが、これは短編小説に成っているのでしょうか? >>556 新年度一発目はもらったああああああああ!
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
【狼男先生】
うちの担任の先生は狼男だ。
朝のホームルーム、始業のチャイムが鳴った時、先生が黒板の上の壁にかかっている丸い時計を見上げた。
「おお、もうこんな時間か。それじゃあ日直号令をアオオオオオオオーーーーン!!」
先生にとって教室の時計は身近なトラップだ。すぐ月と勘違いして変身してしまう。
先生がこう簡単かつ日常的に狼になってしまう。だから誰一人動揺せず、先生が変身している間に日直が「起立、礼、着席」と号令を済ましてしまった。
小学校の授業なんてありとあらゆる場面に危険が潜んでいる。理科の授業中、先生が教科書を持ちあげて解説を始めた。
「えー、だから月の満ち欠けは地球が太陽の影になってアオオオオオオオーーーーン!!」
だから先生が天体の授業をするときはそりゃもう大変だった。
トルコの革命人民解放軍の旗でも変身した実績のある先生なのだ。理科の教科書を1ページめくるごとに変身しちゃうのである。もはや授業の体を為していない。
でも不思議と、先生が頻繁に変身した授業の内容ほど良く覚えている。不思議なものである。
給食の時間は割と安全なことが多い。だからこそ変身されるとビックリする。
「おー、今日はクロワッサンか。久しぶりに食べるなアオオオオオオオーーーーン!!」
何事かと振り返ったら先生がすでに狼になっていた。床に散らばったクロワッサンが、まるで夜空に浮かぶ三日月のように落っこちていた。
三秒ルールでバイキンが付いてないってことにして拾ったけど、先生は月を認識(誤認を含む)してから変身が始まるのに3秒も猶予がない。すぐ変身してしまい、給食の残りを全て平らげてしまう。
帰りの時間が一番酷い。もう授業がないから、とはっちゃけた小学生男子たちが先生を変身させたがるのだ。
「ん、なんだ。外で拾ってきた? まったく、こんな変な虫拾ってきて教室に持ってくるなよなアオオオオオオオーーーーン!!」
男子生徒のはしゃぐ声。「やっぱりこれアウトだったよー」「マジかよ先生、さすがにこれで変身するのはヤバいってー」「アハハハハハハ」
今度はなんで変身したのかと見てみたら丸まったダンゴ虫だった。こんな物でもアウトなのかと溜息をついた。
家に帰ると、さすがに先生の変身を直接見ることはできない。しかし、先生の話題は尽きることはない。
「そういえば聞いた? 昨日例の狼さんがひったくりを捕まえたんですって。凄いスピードで走ってたって聞いたわよ?」
「え、昨日は車に轢かれそうだった子供を助けたって聞いたよ? あまりにも動きが俊敏すぎて運転手も引かれそうだった子供も何が起こったかわからなくて大混乱だったらしいよ」
「ん? 昨夜はその、女性相手の野蛮な事件が起こりそうだったのを、遠吠えで野良犬をけしかけて退治したって聞いたぞ? 鳴き声がものすごくうるさくて近所迷惑だったから、その後周辺の家に回って謝ってたらしい」
それはこの前聞いたぞ、とか前も同じことやってたよね、とか父と母と姉が噂話に興じている。私は一人早く晩御飯を食べ終えて自室へ戻った。
月っぽい物を見るとすぐ変身してしまう間抜けな人狼先生、だけどそんな先生のことを嫌いな人なんて一人もいないのだった。
遠くに響く遠吠えを聞きながら、私は早く明日、学校に行きたいなと思った。 >>556 すかさず2作目を投稿する吾輩のKYっぷりに恐れおののくが良い。
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
【天使と悪魔とニンゲン】
僕の中には天使と悪魔とニンゲンがいる。僕が何かに困ると、すぐにしゃしゃり出てきて余計なことを言い出す。
例えば道に千円札が落ちていたとき、天使と悪魔とニンゲンが出てきてそれぞれこう言った。
「お金を落とした人がいないか、まず周辺を探しましょう。それでも見つからなかったら警察に届けましょう。落とした人はきっと困ってますよ」
「貰っちまおうぜ。子供ならともかく、大人にとって千円なんて大したことねー金額だよ。こっそり自分のものにしたって誰も困らねーし、バレやしねーよ」
「落ちてたって言って、お母さんに渡そう」
三人それぞれの意見を聞いて、だいたい両極端な天使と悪魔の意見は聞かず、いつもニンゲンの言うことを聞いてしまう。今日もニンゲンの言う通りにして、お母さんにお金を預けた。
また学校の宿題を忘れたときはこうだった。
「きちんと謝りましょう。先生だって素直に謝れば許してくれますよ」
「宿題やってきたけど忘れたってことにしちゃえば? どうせホントにやったかどうかなんてわからねーし、明日にゃ先公だって忘れてるよ」
「無言でやり過ごそう。言われたらその時謝ろう」
ニンゲンの言う通りにした。
母親と一緒にデパートに来た時はこうだった。
「ワッフルかクロワッサンにしましょう。美味しいですし、家族みんなで分けて食べることもできます」
「なんでも好きなおやつを買っていいって言ったんだぜ? だったら菓子に決まってんだろポテチチョコアイスもいいなゼリーヨーグルトとにかく旨そうなもん片っ端だ!」
「ガムにしよう」
ニンゲンの言う通りにした。
忘れた宿題と、新しく出された宿題でものすごく大変そうだった時はこうだった。
「もちろん全部やりましょう。宿題は自分のためにやるモノです。同じ宿題忘れで二度先生に嘘をつくことになっちゃいますよ? すぐ開始しましょう」
「別に初めてじゃないんだし、やらなくていいんじゃね? また今日も黙ってりゃバレないってきっと」
「昨日忘れた分はきっちりやって、新しい方は半分やろう」
ニンゲンの言う通りにした。
自室で一人、ゲームをしている時はこうだった。
「1日1時間までです。もう夜遅いですし、すぐやめて早く寝ましょう。寝坊しますよ?」
「別に怒られなきゃ何したっていいじゃんか。硬いこと言わずに朝までやろうぜ!」
「部屋を暗くして部屋の外にバレづらくしてから、1時間だけやろう」
ニンゲンの言う通りにした。
そして今日も一日が終わり、僕は布団の中に入った。
温かい布団の中で微睡んでいると、ふと不安になった。これでいいんだろうか、と。
(確かに、ニンゲンの言う通りにするのが一番だった。千円をお母さんに預けたらもちろんお母さんはそのまま財布に入れた、でも罪悪感があるからその後の買い物の時僕の好きなモノを買っていいって言ってくれた。
その時、歯に良いガムを選ぶことで、僕が拾った千円以上のお菓子を買っても許してもらえた。
宿題のこともそうだ。結局僕は、新しい宿題の半分をやってない。でも先生はたぶん許してくれるだろう、他に生徒もいるんだからいちいち僕のことだけを構っていられないはずだし。
ゲームだってやりすぎた。でもバレないから誰も怒ってない。でも本当にそれでいいんだろうか。こんな誤魔化しや自分勝手なことをしていて。
ニンゲンの言うことばかり聞いていたらダメなんじゃないだろうか。あのニンゲンは、ひょっとしたら悪いことを企む狼なんじゃないだろうか。
僕の中で革命を起こして、あのニンゲンの意見を聞かないようにした方がいいんじゃないだろうか……)
「大丈夫ですよ、あなたの中にいるあのニンゲンは信用できます」
「大丈夫だぜ、あのニンゲンは信用できる奴だぜ」
「大丈夫、私を信じて、今日はもうお休みなさい」
僕は、彼らの、言う通りに、した。 使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
【その日、私は人狼になった】
「クロワッサンはなぜ三日月の形をしているかを君達は知っているか?」
その時、私は先生の授業を思い出していた。
皆が泣いていたのに、私は涙を流すこともせずそんなことを考えていた。
優しくて、面白い先生だった。
お世辞にもかっこいいとは言えない顔立ちだったけど、私はそんな先生に恋をしていた。
焼香の列が進む。
一人一人、別れの言葉を先生にかける。
微笑んでいる遺影を見て、込み上げる悲しみを抑えている。
吐き気がした。
私は知っている。
このクラスの誰かが先生を殺した。
このクラスの秘密を先生に知られたから、誰かが先生を殺した。
私は、その人物を許さない。
進む列、歩む足。
私の震える指先が、先生の弔いを行う。
細い煙が私の鼻腔へと登り、はっきりとした決意として脳内で凝縮される。
目を閉じ、先生の顔をいくつも並べて、私ははっきりとした復讐の念に向かい合う。
「ごめんなさい」
小さく呟いた。
私は、先生と同じところには行けないだろう。
あなたは私の想いを知らないだろう。
あなたにとって私は一生徒に他ならなかったのだから。
けれども、私はあなたの為に闘いたい。
あなたはつまらない私を、一人の人間にしてくれたから。
でも、その私は己の手で、己の意思で獣の道に堕ちます。
私は振り返る。
クラス皆の顔を焼き付ける。
待っていろ。
私はお前達を許さない。
これは圧政者を倒す革命でも、異教徒を排する聖戦でもない。
これはただの復讐だ。
私が己を満たすために行うゲームだ。
私が、お前達を噛み殺す。
それだけの、単純な遊びだ。
夜を待とう。
暗い暗い、深い夜を。
牙を磨ごう。
お前達の首から鮮やかな飛沫を噴き出させるために。
さあ、命懸けのゲームを開始しよう。 >>563
祭り明けの短編スレ、再起動! 今回お題はイメージふくらむ『人狼』の活用がキーか、一番乗りの563氏は溢れるウルフ魂を見せる! 拝啓、親愛なるライカンスロープ先生〜
さあ、舞台は学校、『始』業のチャイムが鳴り響き、教室の丸時計を見る我らが『先生』〜、それじゃあ、日直号令をアオオオオオオオーーーーン!! って、
鼻がムクリと犬形になり、肌は毛皮にザワザワ変貌、『人狼』先生お出ましだw 月っぽい物を見るとすぐ変身してしまう人狼先生〜、聞けばトルコの『革命』的人民解放党のサークル描かれた旗でも変身したらしく〜、
床に散らばった『クロワッサン』を見れば、夜空に浮かぶ三日月のようだとロマンチックに変身してしまう、これ生活できねえぞ!
しかしそこは教師、駿足で轢かれそうな子供を救い、野良犬率いて女性を救い、獣性を世のため使い続けるヒーローなのだという〜、563氏がお題をしっかり使い切り、一周年記念初の全制覇はもらったと吼えて、勝利の雄たけびがアオンきまった〜!
>>565
息もつかせず二発目だ〜、執筆の神に憑依された565氏、止まらぬ筆で迷うことなく全選択だぜ、三者競合、チョイスの魔!
さあ、主人公の頭の中に棲むのはあるあるの、道徳天使 VS 欲望悪魔の対立図、それと普通の、ニンゲン!? ニンゲンw
脳内のニンゲンは『クロワッサン』 VS お菓子の戦いにおいて歯に良さそうなガムを薦める人道派〜、忘れた宿題すぐに『始』めよと急かす天使を尻目に、『先生』誤魔化しうまくやれとそそのかすw 極端な二択を提示されると中間にあるニンゲン案を選びやすくなるものの、
しかし、結果を長期的に見るとニンゲン案は最も狡く…、まさかこいつは人を獣に導く『人狼』のごときもの、脳内『革命』を起こすべきなのか、と考える主人公に、天使も悪魔もニンゲンを信用せよと頭の中で囁き続ける〜、なんてこった
頭の中に棲む囁きの声どもからは逃げられぬ、このオチぞっとしたw 565氏が連続執筆とは思えぬヒネリ回転宙返り、偉業、二連続・全制覇を達成だ! >>567
短編スレ全選択の難しさは、突っ込んだお題でムーディな作品ほど雰囲気が壊れやすくなるという点にあるw 前フリおわり! 567氏の高難度トライを見よ、人狼のロンド!
さあ、記憶に響くは『先生』の声、『クロワッサン』はなぜ三日月か…、懐かしき声が思い出させる恩師の姿、そしてかなわずして断ち切られた淡い記憶〜
焼香の列の語り手は思い出す〜、今はすでに遺影の陰影となったその微笑みのいとおしさ〜、同時に新しき記憶を刻んでいく、まわりに居並ぶ同級の子ら、秘密と罪とを裏に隠した者たちを、獲物の顔を覚えるごとく睨み付け、ゲームを開『始』しようと語り手は言う〜、
『革命』でもなく聖戦でもない、正当性は保証されず、磨いだ牙でただ噛み殺すだけのゲーム、弔うためだけの『人狼』の遊びを始めよう! 獣じみた眼の獰猛なまたたき、その奥にある哀しき光が、無事に復讐を終えても語り手の得るものは悲痛のみだと教えている、
半人半獣の精神を人狼に見立てた567氏〜、『クロワッサン』、月、『人狼』と単語のイメージを繋いで『革命』を噛み砕き、全選択をハードモードクリア、見事な手際だ! そして、もう、ネタ切れorz
3作目を何とか絞りだしたら次のお題を待つか・・・ >>556 おとぎ話口調は結構好きなんだけど、シナリオ作るのクソむずぃ……
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
【クロワッサン王国とワッフル王国】
あるところに旅人と先生がいました。旅人は優しく賢い先生のことを尊敬していました。
2人はクロワッサン王国に着きました。クロワッサン王国の人に話を聞くと、街の人はとても親切にこんな話をしてくれました。
「クロワッサン王国は治安が良くて良い国だ。でも隣のワッフル王国の奴らは悪い奴らだ。絶対に近づいちゃいけないよ」
2人はその後、ワッフル王国へ行きました。ワッフル王国の人に話を聞くと、街の人は懇切丁寧にこんな話をしてくれました。
「ワッフル王国は栄えていて良い国だ。でも隣のクロワッサン王国の奴らは悪い奴らだ。絶対に近づいちゃいけないよ」
二つの国の国民から話を聞いた旅人は、先生に聞きました。
「僕はどちらの国も良い国だと思いました。でも、なんで彼らはお互いを悪い奴だと言うのでしょう?」
先生は答えました。
「人間はね、外に敵がいないと味方を作れないんだよ。人間は狼のように、仲間には優しく、敵には厳しいからね。悲しいことだけどね」
そう言ってワッフル王国から出ていこうとしました。が、なんと2人は捕まってしまいました。
ワッフル王国の人々はこう言いました。
「お前たちはさっきクロワッサン王国から来た二人組だな。もしかしたら敵のスパイかもしれない。処刑してやろう!」
ほんのちょっと前まで優しかったワッフル王国民は、そうだそうだそうかもしれないきっとそうだそうに違いない、と口々に喚き散らし、先生の首を刎ねてしまいました。
先生の首を刎ねたのを見たクロワッサン王国の民がいました。彼らはこう言いました。
「おお、なんと残虐な奴らなんだワッフル王国民は。こんな奴ら生かしておけない。革命を起こして全員殺してしまうべきだ!」
ほんのちょっと前まで親切だったクロワッサン王国民は、そうだそうだそうかもしれないきっとそうだそうに違いない、と口々に喚き散らし、戦争を始めてしまいました。
醜い争いを始めた二つの国の国民たちの姿を見て、優しかった先生の亡骸を抱えた旅人はこう言いました。
「人間は狼なんかじゃない。こんな愚かな生き物は、狼にすら劣る」
そう言って旅人は狼に変身して、戦争をしていた愚か者たち全員を噛み殺してしまいました。
遠吠えが一つ響いただけで、あとには何も残りませんでした。 >>572
572氏のお題・全選択チャレンジは、おとぎ話調のファンシー作品〜、狼とお菓子!
さあ、漂流するように国を行き来する旅人と『先生』が旅先に到着した〜、その名も『クロワッサン』王国〜、かわいい系の王国だw しかし民衆は口々に隣国ワッフル王国に対する敵意うごめかせ、
当のワッフル王国でも状況は同じく犬猿の仲〜、その様子を見て悲しげに、いかにかわいらしい国名であろうとも人間集団は外集団に敵意をもつ狼のようなものよと教えてくれた先生は、逗留先の王国でスパイの容疑をかけられ、問答無用の斬首の憂き目!
さて斬首が国家間の火種となって、『革命』だ、別の王朝を打ち立てろと『始』まる戦争〜、怒りボルテージMAXの旅人が、『人狼』に成り変わって最後は鏖殺ENDだァ! 教訓って感じだな、
なるほど、語り全体を御伽ばなし調にふんわり彩色しつつ、狼の小話を挟むことでラストの『人狼』化も何かありそう感を狙ったか〜、隣国は近くて遠く思うもの、572氏、遺恨の連鎖を描いたお伽の国のドラマでお題を使い切った! とんでもねぇことに気づいちまった・・・
なんでハロウィンをお題に入れなかった自分! まさに旬のネタじゃねーかチクショウ! それ、第一回目のお題でしたから(震え声)
>>563
心優しき野生の子w
思い込みで変身出来るなら、既に月は必要ない様な? もしかして進化した新人狼類なのでしょうかw?
>>565
心の声も時代に合わせて進化しているのですね
狡猾さでは悪魔ですら敵わないと言うw
でも、その心の声の主は自分自身ですからw
>>567
悲しき復讐鬼の誕生……と言った所でしょうか?
果たしてクラスの秘密とは?
>>572
愚かな人々と純粋な人狼
正しくお伽噺だと思いました 恋愛もので何か書けないか2日ほど悩んで心折れてやめました。お題が恋愛テーマからはずれすぎとるでホンマ・・・ >>556
使用お題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
【研究者魂】(1/3)
様々な実験器具のひしめく室内では、一人の男が薬品に漬け込まれていた毛皮を慎重に取り出していた。
一部を切り分け試薬を滴し、満足そうに嗤う。
姿こそ、どこにでも居る様な痩せぎす簾禿の中年メガネの男性……それも研究者然とした出で立ちではあるが、しかし引き攣った様な嗤い顔を見せるその姿は、一言でいえば“マッド”であった。
「ハムハム、ンク……ふう、先生、怪しすぎです」
「……栗栖くん、研究室での飲食は止めたまえ」
「美味しいですよ? クロワッサン鯛焼き。サクサクとした表面ともっちりした中央部分。それにザラメがアクセントになって……うん! 始発を使って自由が丘まで足を伸ばした甲斐がありました」
先生……研究室の主任でもある黒瓜 荒須太は、遅れて来た挙句、手伝いもせずお茶をしている助手の縣 栗栖にジト目を送る。
栗栖の方はと言えば、そんな荒須太の視線などどこ吹く風とばかりに、出勤時にわざわざ遠回りをして買ってきた“クロワッサン鯛焼き”を美味しそうに頬張っていた。
「我輩の研究も手伝わず食べてばかりとは、まったく、嘆かわしい!」
「いえ、そもそも、私、この研究室が、なんの研究をしているのか分かりませんし」
「なに!? 為らばなぜ、この研究室に応募してきた!!」
「給料が良かったもので」
憤る荒須太に栗栖がしれっと言う。
「で、何の研究なんですか?」
暖簾に腕押しだと感じたのか、荒須太はコホンと咳払いをすると「ふむ、そうだな」と呟き、大仰そうに腕を開く。
「今研究している事が叶ったのならば、人類は次のステージへと上がれるだろう!! それこそ新しい世界の幕開け! 新たな歴史の始まり! 旧時代を駆逐する革命的事象!!」
心なしか荒須太の身がスポットライトにさらされている様に思える。そして脳内ドラムがその音を奏で切ったのだろう。
ことさら声を張り上げ、荒須太が高らかに言葉を紡いだ。
「変っ身っだ!!」
「は?」
「“変身”の研究だ!!」
「はぁ」
胸を張りドヤ顔をする荒須太とは裏腹に、栗栖は残念そうな表情を彼に向ける。言う事に欠いて“変身”の研究とは……
確かにそんな研究が実に成ったのなら、革命的だろう……主に特撮的な意味で。
(子供を大人にしたような人だとは思っていたけど、本気で中身は子供だったのね)
残念を通り越して憐憫に届きそうな瞳で見つめる栗栖に気が付いた荒須太は、慌てて弁解を試みた。
「まぁ待て、我輩は本気で研究をしているのだぞ? 第一、これは全人類の夢と言っても良いだろうに!!」
「えー」
到底、納得などできない説明に、栗栖の彼を見る目は既に不審者を見つけた時のソレに成っていた。
その瞳に身に覚えがあったのだろう。荒須太は更に慌てて説明をする。
「変身願望……と言う言葉があるだろう? 今の自分から別の自分に成りたいと言う願望だ。それ位なら栗栖くんも聞いた事が有る筈だ!」
「ええ、まぁ」
だとしても、荒須太の言う“本気の意味での変身”と言うのは、それとは違うだろうと栗栖は思った。少なくとも彼の言う物は、子供向けの特撮やらアニメなどの中にしかないものの様に彼女には感じられたのだ。
「今の自分ではない別の自分に成りたいと言う思いは誰にでもある。それは、それこそ神話の時代からだ」
「……飛躍し過ぎでは?」
「いや! ローマ神話やギリシャ神話等を見てみたまえ! かの神話に登場する者達は、かくも変身しまくっているでは無いか!」 【研究者魂】(2/3)
栗栖は、自身の知る神話の幾つかを思い出す。そう言えばアルテミスもポセイドンも変身していたように思う。
ナルシスも……変身と言えば変身かも知れない。
「ですが、しょせん絵空事では?」
「願望だからこそ、多くの物語に使われるのだ! 狭域で言えば、内弁慶やネットの成りすましとて変身ではあるだろう!」
「見た目が変わるものではないですけどね」
「いや、例えば男装や女装だって自分を変えたいと言う願望ではあろう? それでなくとも形が変わると言うのは心理的にも大きな影響がある! 例えば、君の食べている鯛焼き……」
「クロワッサン鯛焼きです」
「いや、だが、鯛焼きには違いは……」
「クロワッサン鯛焼きです」
「……う、うむ。それとて、中に餡の入った小麦粉を焼いたものでしかないにも拘らず、同様の製法で作られる大判焼や人形焼きと別の物として分けられるし、買う時にも選択されているだろう?」
「あれはあれで、食感とかも違うんですが……」
確かにそう言った一面はあるかもしれない……栗栖はそう思った。何かを始める時に気分を変える為に形から入る、と言うのもそう言ったヤツだろう。
「……ですがそれならコスプレで良いんじゃないですか?」
わざわざ、存在そのものの形を変えずとも、衣装を変えるだけでも十分では無いか? 彼女はそう思った。もっとも、コスプレを本気で研究されてもそれはそれで嫌な物はあるが。
「それで済む程度の願望で有ればそれも良いだろうが、しかし、わざわざ予算を割いてまでやる研究ではないだろう? そもそも、我が研究室の研究は神秘学の始終を検証し、証明する事が主題なのだ。変身の研究はその一環に過ぎない」
「神秘って……」
また一気に胡散臭くなったなと栗栖は思う。
「いわゆるオカルト等は、迷信として駆逐されるべき物ではあるが、しかし、人の世に関わってきた……人の営みの中に関わっていたと言う時点で、一部の真実と有用性はあるのだ」
「真実……ですか?」
「詐欺でもなければ、それを生業と出来るだけの根拠はあるのだよ。魔女の秘薬とされている物が薬草学や薬学の賜物だったり、錬金術が化学の未成熟な形態だったりとね」
そう言われるとそうかも知れない。全面的に支持は出来ないが、栗栖にも何と無く言わんとしている事は理解できた。
「例えばゾンビ―」
「……また一気に胡散臭くなりましたね」
「フィクションのソレでは無いよ、本来の物だ」
「と言うと?」
「あれは本来はブードゥーの刑罰の一つでね、ゾンビパウダーと言う秘薬を使って、刑罰者の自由意思を奪うなり、性格を従順なものに矯正したりして、言わば奴隷とする為の処置なのだよ」 【研究者魂】(3/3)
随分と今言われているゾンビ―とは違うんだなと栗栖は思う。
「何でも、その刑罰は秘密裏に執行されていたらしく、その罰を執行される時に、一時的に仮死状態に陥ったりして……」
「ああ、死んだ筈なのに生き返った……と」
生き返った挙句、生前とは違い自由意思がない虚ろな状態に成っているのでは、確かにあのゾンビ映画のソレの様に思われなくも無いだろう。
意思疎通が全くできない相手と言うのは、それだけで恐怖となる。ましてやそれが人間の……知人の姿であれば、正しくバケモノの様に感じられると思われた。
「第一、噛みつかれて増えるのは、本来ヴァンパイアの方の領分だ。同じアンデットと言う事で一緒くたにされてはいるが、本来、ゾンビ―は勝手に増えたりしない」
「へえ……まぁ、ゾンビ―に関しては納得しました。ですが、やはり変身に関しては色々と納得はいきませんよ?」
例え数多の物語に登場しているとは言え、いや、むしろ登場しているからこそ、栗栖にはフィクションとしか捉えられなかったのだ。
「その為の検証なのだが……」
「第一、神話なんかの変身は、何か凄い神通力で『えいやっ』って変身しちゃうじゃないですか。どこに検証なんて行う余地が有るんですか?」
「確かに神話などではそうだろう。だが、我輩の研究対象は『人狼』なのだよ」
同じでは無いか? そう思った栗栖だったが、しかし、この先生がこうまで自信満々なのだ。何か根拠があるのでは? そう考え、一つの事が頭に過る。
「あ、本来の人狼も、そう言う種族では無い……とか?」
「そう、本来の人狼も、ライカンスロープと言う種族が居る訳では無く、魔術師が術によって姿を変えたものであったり、魔術によって他者に呪いをかけたが為に人狼となる物なのだよ」
「はぁ、で? どうやるんですか?」
先程までとは違い、多少の現実味を帯びた話に栗栖も興味は湧く。と言っても、全く変身できる等とは信じてはいないのだが、検証と言う事であれば、色々と面白そうな実験をやるのだろうと思ったからだ。
「本来ならば、月齢等も加味しなければいけないのだろうが、まぁ、対照実験としてとりあえずやってみると言うのもアリでは有ろう。そうだな、他者を呪って変身させるのはまた次の機会として、今回は術師が自ら変身するパターンを試してみようと思っている」
「へぇ、どんな感じなんですか?」
「術的にはオーソドックスな物なのだが……」
そう言いつつ、先程の毛皮に目をやる。頭の付いたままの狼を見ながら、どうせ見せるのなら、少しばかり脅かすのも有りかもしれない。
そんな稚気が荒須太の心を過る。
「うむ、毛皮に薬品も馴染んで来た事だし、早速、検証実験を始めようか……支度が有るので栗栖くんは少し待っていて貰えるか?」
「わっかりました!」
お茶をしている気満々の栗栖に、荒須太は眉間に皴を寄せるが、しかし溜息を吐きつつ隣部屋に引っ込む。
と、暫くしてその扉がガチャリと開いたのだが……
「ギャ――――――――――!!!!!!」
「うお!! 栗栖くん!! 物は投げるな!! ちょ! ま!!!」
簾禿で、肋骨が浮く程に貧相だが、しかし腹だけは出ていると言う生っ白いオッサンが、上半身裸毛皮に狼製であろう革のパンツルックと言う、どこのビジュアル系バンドだよと言った格好だった為、むしろ身の危険を感じた栗栖に物を投げられると言う結末に終わった。
これがイケメンであればまた違っていたかもしれない。が、当然、この実験は失敗で終わったのであった。 >>577
577氏が全選択で執筆だ、古来より人は変わり身に夢を見てきた〜、ゾンビの異形からはじまり、鯛焼きのアレンジまで、そして研究室で人はついに人狼になる!
さあ、様々な実験器具のひしめく室内で、『始』発のエクストリーム出社によって買い求めた『クロワッサン』鯛焼きを食す栗栖さんが、『先生』怪しすぎですと、マッドな笑みを浮かべる荒須太さんにドン引きしているぜ、
研究対象は〜、新たな歴史の始まり、旧時代を駆逐する『革命』的事象、つまり変身だw ドーン! 栗栖さんから憐憫に近い目で見られ、あわてて弁解する荒須太さんがクロワッサン鯛焼きやゾンビを交えて妥当性をアピール、
早速、検証実験を始めようと、『人狼』に変身した簾禿の荒須太さんは、裸メタボの半身に毛皮、狼製であろう革のパンツルックで現れるw コスプレじゃねえかw
さんざん前フリをしておいて、セクハラ扱いされて終わるという脱力変身オチを構築した577氏〜、お題を全選択でクリアして、ボリュームのある掛け合い漫才、ラストはおいなんでこれで予算おりた・フィニッシュだw >>580
感想有難うございます
この取材の為に(笑)自由が丘までいってきたりしましたw
因みに毛皮を被るのはオーソドックスな変身方法だったりしますw お題『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』締切
【参加作品一覧】
>>563【狼男先生】
>>565【天使と悪魔とニンゲン】
>>572【クロワッサン王国とワッフル王国】
>>577【研究者魂】 ☆お題→『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』
☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK
☆締め切り→11/11の22時まで
☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>582より。
【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】 お題の出し方が下手な人がいるなぁ・・・。メンドクサイお題出したのなら必ず自分で書けよって言いたい。 マジで?
お題は俺はなくてもいいと思ってたけど、ここはお題に沿って書く場所だとも思ってたから
そんなに簡単に廃止したらダメだろ。 うっそぴょーんwwwwwwwwwww
びっくりした?ねえびっくりした??ww すまんw
いつも他板でレスバ負けたらID変えて逃げてるからコロコロ変わるんだはw
許してクレメンスwww (´・ω・`)
お題をうまく消化したいスレ民の不満はあるのかもしれないけど、一応自由選択制なので……
最初期もお題「ああああ」とかあったし、「テキーラ・サンライズ」「ちくわ大明神」あたりも結構奇抜だったかな。お題を絞ってストーリー性に力を入れてみることもできるから、安価の特性として楽しんでもらえると嬉しいかな。 お題は何出してもいいと思うし、自由にやればいい。でも、最低限自分で書いてみてほしい。
無茶なお題出して誰も応じず、結果スレが1週間スルーされたら誰が責任取るんだ。前回だって5人お題出しといて書いたの2人だけじゃないか。
そもそも、お題3つ以上消化したら相当凄いはずなんだし、無茶なお題はスルーさせてもらうよ。今回自分は4つしかお題見てない。 いつの間にか全部消化することが当然になってるのはあかんね。
スルー推奨で行こう。 こんなしょうもない俺になりすましてる奴がいて草
まあこれ適当に拾ってきた共有トリップだしな…
どうでもいいな、うん 長くつ下のピッピは初っぱなから恐ろしいお題でしたね・・・ >>589 でも使えるお題と使えないお題はあると思うんだよね。少なくともお題出したやつは書いてくれや、おいらみたいに。
使用したお題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』
【科学と魔術と僕とアイツ】
魔術、それは世の理を統べる禁断の呪法なり。
混沌を意味する「魔」を操り、それを自らのために活用する「術」を見出すこと。これが魔術の基本的な考え方である。
論理の真逆にあるようで、論理的な法則を用いる術法。原因があり結果が伴うというところは共通しているが、その途中の経過が整然としているものを「物理」または「科学」と呼び、混沌としているものを「魔術」または「魔法」と呼ぶわけだ。
というわけで……我が自然科学研究部の唯一の部員、自称・魔術師さんは今日も魔術の訓練に励んでいるそうだ。全くイライラする。
「おい」
「なに?」
僕の言葉に魔術師殿は反応する。まあ他に人がいないのだから仕方ないのだが。
僕は頭痛がするのを感じながら、魔術師殿に質問をする。
「なんだ、それは」
「魔術」
そう言うと魔術師殿は振り向いて、その手に持っているオカリナを見せつけた。
僕は魔術師殿が被っている白いフードを見ながら、さらに質問を続ける。
「魔術だというのはわかった。はっきり言って意味不明だけどな。で、今日のソレはなんだ」
「爪切りで深爪をしなくなる魔術」
そういって魔術師殿はオカリナを水につけてブクブクを泡立て始めた。その様子は控えめに言って子供のイタズラにしか思えず、はっきり言ってまるで意味がわからない。
僕はいつものように苛立ちながら、自称・魔術師殿に説教を始めた。
「あのですね、ここは自然科学部であって、そんな遊びをする場所じゃないんですけどね! やめてくれませんかね!?」
「いいじゃない、魔術も科学も似たようなもんさ。むしろ効果的なものが多い分、魔術の方が優秀だと思うよ」
そう言って魔術師殿はブクブクを辞める気がない様子だった。僕はイライラしながら魔術師殿の過去をおかしい言動を思い出す。
魔術師殿曰く、魔術は因果関係が至極難解で複雑らしい。よく言えばバタフライエフェクト、悪く言えば風が吹けば桶屋が儲かる。
ホットドッグを16等分にしてそのうち4分の3をペットに与える行為が、どういうわけか邪魔者排除ができるらしい。包丁を振り回して謎の踊りをすると、なぜか虫歯予防になるらしい。
聞いてる僕がよくわからないのだ、言葉で説明しても誰もわけがわかるまい。僕は唯一の部員の奇行に頭を抱えたくなる。
「魔術なんて非科学的なもの……信じるのは自由だが実証しようとするのはどう考えてもおかしいぞ……。現代文明を何だと思ってるんだ……ここは自然科学部なのに……」
「でも、効果のある魔術も多いんだよ?」
そう言って魔術師殿は白いフードを外す。こいつのフードの外し方が独特で、横からズラすように外す。
僕はその様子を見て、ドキリとする。
「な、なにを言ってるんだか。まったく、キミは、もう、ホントに……」
「フフ、まあこの様子だと、部長ドノにだけは魔術を否定されたくないところだね」
そう言って白いローブを被りなおす。僕は、はぁとため息をついて魔術師殿から視線を外して頭を掻いた。
魔術師殿がローブを外すと、妙に動揺してしまう。こんな奇矯な部員さっさと退部させたいのだが、毎回こう動揺してしまうせいでどうにも上手くいかない。
新入部員も全然入ってくれないし……一体僕はどうしたらいいんだ、と魔術師殿の頭を見下ろしながら再度ため息をついた。
「まあ、お互い方法は違えどがんばりましょう。真実の探求を、ね」
「一体何が真実なんだか……」 原稿終わんねぇ……
使用したお題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』
【ハウリング】
「尻尾揺らして飛んでく♪ そう、ぼくはきみのホットドッグ♪ おやつはにんにく卵黄、それからホットドッグ♪」
右へ左へ、行き交う蛍のように揺れるサイリウム。
「爪切り、ブラッシング、きみのためなら我慢するよ♪」
熱気と熱狂を包括したライブ会場のステージで彼は弦楽器をかき鳴らしながらエネルギッシュに歌う。
「いつでも今は今だけだから、駆けだそうよ〜♪ ぼくはきみだけのホットなドッグ♪」
力強いベースラインが跳躍前の踏ん張りを彷彿させるように、僅かに勢いを鎮める。……サビが訪れる直感。
「一緒にっ!」
ボーカルがコーラスをギャラリーに求める。
けたたましくドラムが鳴ったのが合図だった。
「「「「「BOWーWOWーWOW! BOWーWOW!!」」」」」
一斉に揺れながら歌い出すギャラリー。物凄い一体感と疾走感。いいぞもっとやれ。
カルト的な人気を誇るサブカルロックバンド、スチームゼリーを代表する曲の『ホットドッグ』。
とあるファン曰く、「ああ、なんて味わい深い歌詞……天才だ」とのこと。
そんな心の底からスチームゼリーを愛して止まない観客達の中に、落ち着き払った者が二名いる。
一人は、冷静に観客の様子に注目しながら巡回していた自分。
そして、もう一人は顔を隠す様にパーカーの黒いフードを深く被った何者か。
黒フードはポケットから手のひらサイズの何かを取りだし、ボーカルへと狙いを定めた。
手に握られた筒状の先端を持つそれは、込められた魔弾を高速で打ち出す魔力投射器であった。
周りはその事には気づかず、熱狂の渦を絶賛形成中。
――ただ一人、自分を除いては。
背後から魔力投射器をもつ手を抑えると、黒フードはようやくこちらの存在を認識したようで、慌てて身を暴れさせた。
すぐさま揉み合いへと発展する。感情を宿さない瞳がフードの影でギラリと光ったかと思うと、音なく暴発した魔力投射器。
射出された魔弾は真上に向かって一直線に飛んでいき、天井に衝突。プラズマの断片を振りまきながら爆発を起こした。 ……ことの発端は、数日前に遡る。
ライブを控えたスチームゼリーの元に、匿名で、一通の手紙が届いた。
内容は「ライブを中止しないとコロす」といった極めて単純明快なものだった。
こういった類の手紙は、スチームゼリーが自分の国を賛美する歌をリリースしてからというものの、度々届くものであった。世の中、色々な人がいるものである。
これに対し、メンバーは気にしないでライブを決行する方向に固まっていた。というのも、今回行われるのは彼らスチームゼリーが結成してから一周年を祝うイベントでもあったからである。
当然、マネージャーは反対した。
で、この度、ボーカルと旧知の仲である自分は彼らの護衛を依頼された。
どうやらことを公にしたくないらしく、頼めるのはお前だけなんだとか。
「いくらダチの頼みとはいえ、流石に聞けることと聞けないことがある」
「ほら、彼も止めた方がいいと思ってるみたいだし、中止よ、中止」
マネージャーはきっぱりと言った。
「ちなみに報酬なんだが……」
そんなのはどこ吹く風と懐から封筒を取り出すボーカル。
「……っ!」
厚みのあるそれはには思わず視線が釘付けとなった。
「もちろんこれは前払いだ」
気づくと彼の手元にあった封筒は、いつの間にか俺の手の中にあり、今まさにポケットへと突っ込まれる最中であった。
「よし、引き受けた。当日は俺に任せてお前はファンと向き合うことに集中しろ」
「は? あなたたち正気なの?」
「正気か狂気か定かではないが、少なくとも本気ではあるな」
ドヤるボーカルに不満顔を露わにするマネージャー。
「そもそも、報酬で意見をころっと変えるなんて、飛んだ拝金主義ね」
矛先がこちらへと向けられた。
「誤解があるな。俺は報酬が魅力的だから受けるんじゃなくて、それが友達の頼みだから断れないだけだ」
唖然とするマネージャー。
「よし、これで万が一何かあっても大丈夫だな。何せ優秀なガードマンがついたんだから」
優秀なガードマンという評価を頂いたが、それは誇張に誇張を重ねた妄言だった。精々、無属性魔法にカテゴライズされる、瞬間移動の魔法が無詠唱で発動できる程度である。
だが、ここで自分弱いアピールしても話が進まないので黙っておく。
「……はあ。頭が痛いわ」
「そう深刻に考えなくても、どうせただのハッタリだ。お前らは適当に客席に睨みを効かせていれば大丈夫大丈夫」 ……そう言って陽気に笑いを浮かべた旧友の顔が浮かび上がった刹那、天井より降りてきた爆発音。
騒ぎを起こすわけにはいかない。例えアクシデントが起きようと、観客には何事もなくライブは成功したと思わせなければならない。
であるなら、こちらは会場の人たちが見上げるよりも早く、演出魔法(エフェクトマジック)の込められた魔弾を、射出機から頭上に向けて発射した。
魔弾は空中で花開くように弾け、色とりどりの花弁や蝶を生み出して会場の上空を鮮やかに彩った。
若干過剰すぎると言えなくもない演出は、見事に観客の目を奪い、その更に上で起こった爆発をごまかしてくれた。
急いで黒フードへと視線を戻したが、既にそこに求めた姿はなかった。
「……消えた?」
「転移魔法の痕跡が見られたわ。近場での転移の反応はないから、多分ずっと遠くまで飛んだ……と思いたいわね」
インカム越しにマネージャーの声が聞こえてきた。
予め魔法陣を設置し、転移する場所との紐づけをしなければいけない代わりに魔法陣のある場所にはどこだろうと移動できる転移魔法と、魔法陣はいらないが視認した空間にしか移動できない移動魔法とは、性質が異なるものである。閑話休題。
「他に怪しいやつは?」
「大丈夫そう」
その言葉を聞いて、ひとまず胸をなでおろした。脱力し、天井を仰いだ拍子に、スポットライトの一つが、支柱をグズグズにして、今にも落ちそうになっているのが見えた。
「やべ。マネージャー、至急、身体強化魔法を頼む」
言い終えるよりも早く、移動魔法を使ってスポットライトの支柱まで飛び、梁に足を駆けて支柱とのつなぎ目を思い切り掴んだ。微量ながら、体に活力が沸き上がってくるのを感じる。
――バキッ、と音を立ててついぞ折れてしまった支柱があっさりとライトを手放し、代わりに自分の肉体のみがそれを支える役目を担った。
「ぐっ、おっも!」
「駄目、距離が遠すぎて今の出力を維持するだけで精いっぱいよ」
「ああ。そのまま維持してくれ」
「ちょっと待ってなさい。今すぐに観客に避難を呼びかけるから」
「いや、それはなしだ。今騒ぎを起こしたら、今までの全部が無駄になる。俺は大丈夫だから、ライブは続けるぞ……!!」
「馬鹿! そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
「……なあ、聞いてくれマネージャー。この音楽は、魔法なんだよ。生まれつき、魔法適正を持っていなかったあいつが、だからこそに持ち得た、唯一無二で、掛け替えのない魔法なんだよ」
「あいつらが楽しんでいるこの場所、この時を、俺は壊したくないし、壊されたくない」
「その為に背負う負担なんて、本当に、本当に、全くもって、どうってことねえんだよ……!」
例えるならそれは、この会場を包み込む、範囲魔法にして純粋な祈りで構築された、奇跡にも等しい白魔術だ。
終わらせねえ。終わりたくねえ。意地というものに使い道があるのだとしたら、例えばこういうことに使うのだろうと、直感が叫んでいる。
「いい加減にして。これはたかがライブよ? 馬鹿馬鹿しいにも程があるわ」
「そうだな。でもそのたかがライブに、命の危険を知って尚、ステージに立ったバカがいるんだよ……! ここで、そいつの勇気を、そいつについてきたやつらの期待を……台無しに出来るかよ……!」
バカだと一笑されてもいい。愚かだと一蹴されてもいい。それでも諦めきれないモノがある限り、自分の中にある、この意志は絶対に曲がらないし、折れない。
「呆れた。もういいわ、好きにしなさい。……仕方ないから付き合ってあげるわよ」
もし、自分の肉体が持たなければ、被害を被るのは自分だけでなく、下にいる観客にすら影響が及んでしまう。予想ではライブが終わるまではぎりぎり持つと思うが、そこに明確な根拠の提示は出来ない。
そういう前提に置いては、この決断が純粋な悪であることなど分かり切っていた。
もう、どうこねくり回したって美談にはならない。
でも、それでも、音楽はまだ鳴っている。
「「「「「BOW−WOW−WOW! BOW−WOW!!」」」」」
なら、一握りも迷いはない。
「「「「「BOW−WOW−WOW! BOW−WOW!!」」」」」
自分も会場を一つにする音の渦に混じって、声を張り上げた。 >>602
お題の消化をとるか作品の一貫性をとるか、作者の選択も醍醐味となる短編スレではいつでもそれが問題だ、602氏が『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』で挑む、呪法・フード外しのマジックアーツ〜
さあ、舞台は自然科学研究部、オカリナ(『楽器』)を水に沈めてブクブクさせて遊んでる、もとい『白魔術』を行っているフードの魔術師に、部長がなんだそれは問いかける〜!
いわく、『爪切り』で深爪をしなくなる魔術w なるほど白魔術だw さらには『ホットドッグ』を16分割してペットに与え、邪魔者を排除したりもできるらしい魔術理論、
そのカオスが科学思想を信奉する部長にはこらえがたいが、しかしフードをするっと外す魔術師さんの仕草でなんとなく非難したくも誤魔化されてしまう〜
最後のフードは魔術かアレか!? 真実はいつも一つ、いや、とも限らない〜、高村光太郎いわく僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る、科学、魔術、真実とは人により揺蕩うものでもあるゆえに信じた道をゆくがよし、602氏が選択お題を貫徹だ!!
>>603
原稿に追われているバラバラお題を全選択の603氏の挑戦は、友情と音楽とが結実した模様! ライブオン、スイートライブ、バウワウ!
さあ、弦『楽器』をかき鳴らしてボーカルが歌う、ぼくはきみの『ホットドッグ』♪ おやつは『にんにく卵黄』で♪ 『爪切り』、ブラッシングも我慢する〜♪ ぼくはきみだけのホットなドッグ、って駄洒落なのかw めまいがするような歌詞による消化w
ところが会場にテロを目論む影ひとつ! 護衛となった主人公が破壊工作を阻止するが、揉み合いの余波で天井・支柱が攻撃され、スポットライトが落下しかける苦境が発生、
いまやライブ会場を包み込んでいるのは、言ってみれば範囲魔法にして純粋な祈りで構築された、奇跡にも等しい『白魔術』だと、ライトを支え、主人公がワイルドに咆哮だ!
そもそもテロの予告から始まった防衛戦、危険承知のライブで響くは音楽だけにのみならず〜、曲げられない意地と信念、ビートに乗って、603氏がバラバラお題・全選択、熱狂ハウリングENDをビンビン決めたァ! >>602
たった二人の放課後実験ですね
某歌詞によると、恋をした少女は、その瞬間から超一流の魔術師になると言いますが……
どうにも、魔術師と言うより、小悪魔と言った感じですがw
>>603
裏方として頑張る理由は、友情の為
持ち得なかった友人が手に入れたたった1つの魔法を護るためと言う……良い友情だと思いました >>589
使用お題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』
【魔術師のお仕事】(1/2)
とある魔術師協会で、1人の魔術師の少女が今日も仕事に励んでいる。
あらゆる依頼に応じて協会に所属する魔術師がその願いを叶えていくという場所である。白魔術の担当である彼女は人の為となるこの仕事が好きであった。
そこに1人の男がやってきた。本日1件目の依頼のようである。
「すまない、少し頼みがあるんだが」
「はい、どのようなご依頼でしょうか?」
「……妻の大事にしていたハーモニカに思いっきり傷をつけてしまってな。何とかならないか?」
「破損物の修復の依頼ですね。承りました」
壊してしまった物、傷付けてしまった物を直してほしいというのは良くある依頼である。流石に楽器の場合は音が出ないなどの規模になれば職人による修復や調整が必要になるが、表面についた少しの傷くらいであれば低位の白魔術でも問題はない。
すぐに彼女は修復の白魔術を発動し、修復に取り掛かる。淡い光に包まれたハーモニカの傷は、すぐに消えていく。
「はい、出来ましたよ」
「おぉ、助かるよ」
「もし音がおかしいとかがあれば、楽器の職人さんに確認をお願いしますね」
「分かってる、流石に専門外だろうしな。とにかくありがとよ」
「いえいえ、これがお仕事ですから」
男は礼をしきりに述べながら帰っていった。男と入れ違いに1人の少年がやってくる。本日2件目の依頼のようだ。
「魔術師の姉ちゃん、俺の相談を聞いてくれよ……」
「はい、どうしました?」
「うちの親父が屋台をやってるんだけど、新メニューが決まらなくて悩みまくっててさ……」
「それは困りましたね……」
「なんかヒントになる様な物ないかな?」
「……そうですね。捜索の白魔法を使ってみましょうか?」
「え、そんなのあんの? どんな効果?」
「基本的には無くした物を探す魔法なんですが、迷っている時の道標を指し示す事にも使える場合があるんですよ。絶対にとは行きませんけどね?」
「……絶対にじゃないのか。いや、でもヒントになればそれでいい。それを頼むよ」
「はい、承りました」
この捜索の白魔法は本当に求め続けれていなければ効果は発揮しない。彼の父親が依頼する方が可能性は高いけれど、彼女は捜索の白魔法を発動する。そして少女の脳裏に光景が浮かび上がってくる。
「……これはどこかの畜産で生計を建てている村ですね。この辺りでは見かけない変わった食べ物が見えますよ」
「どんな食べ物!?」
「えっと、パンにソーセージを挟んで齧り付いていますね。あ、普通に美味しそう」
「パンにソーセージを挟む!? え、たったそれだけ!?」
「何かソースらしきものはかかっていますけどね」
「よし、それだ!」
「実物を一度見に行ってみる事をおすすめしますよ。名前は『ホットドッグ』かな? 少し遠そうですが方角はここから南の地です」
「知り合いの行商人のおっちゃんに頼んでみるわ! ありがとよ!」
「いえいえ、これがお仕事ですから」
それだけ言い残して少年は駆け出していった。もしかしたら近々この街で先程見えた『ホットドッグ』の屋台が出来るのかもしれない。彼女は少しそれが楽しみであった。 【魔術師のお仕事】(2/2)
そして少年と入れ違いに今度は老人がやってきた。3件目の依頼のようである。
「痛た……」
「大丈夫ですか? どうなさいました?」
「いやなに、爪切りしてたら深爪し過ぎてなぁ?」
「気をつけてくださいね!? 治癒の白魔法をかけておきますよ」
「おぉ、すまんのぉ」
「いえいえ、これがお仕事ですから」
本格的な大怪我は大規模な治療魔術院等に行ってもらわなけれなここでは処置しきれない。だけど些細な傷や軽い病気ならここでも治療出来るという事で、それを依頼してくる人も多い。それもまた魔術師協会の役目である。
そして4件目の依頼者がやってきた。この辺りでは見かけることの無い黒髪黒目の青年である。
「もう我慢の限界だ! 何でもいいから日本の物を食われてくれ!」
「落ち着いてください。えっと、ニホン……?という場所の食べ物ですね?」
「あぁ、そうだ! こっちに飛ばされてからもう全く食えてないんだよ! もう食いたくて堪らない!」
「……遠い故郷なのでしょうか? いえ、分かりました」
「……出来るのか?」
「召喚の魔術を使います。白魔術ではないんですけど、食べ物くらいなら多分大丈夫だと思いますから」
「それでいい! 頼む!」
召喚の魔術は黒魔術に分類されているので、厳密には隣の黒魔術部門の案件という事になる。けれども彼女は切実な様子のその青年の為に黒魔術を発動していく。専門ではないだけで基礎的な黒魔術も習得はしているから出来る事である。
「はい、召喚できましたよ」
「おぉ! 何年ぶりだ? 日本の食い……物……? は? なんでにんにく卵黄?」
「もしかして失敗でしたか……?」
「いや、間違っちゃいない。……うん、間違っちゃいない。おう! これが欲しかったんだ、ありがとよ!」
「そうでしたか! 失敗かと思ってしまいましたが良かったです!」
「……うん、本当にありがとう!」
「いえいえ、これがお仕事ですから」
青年は思った通りの物は手に入れられなかったが、落ち込みかけた彼女の姿を見てそれを告げる事は出来なかった。そもそも自分の頼み方が悪かったという自覚もあったからだ。
彼女の知らない土地の食べ物だとしても、食べ物1つくらいであれば依頼者の狙った通りの物を召喚する事は可能ではある。それが異界の物ですらなければ……。 >>610
610氏は異世界ドキュメンタリー作品でお題・全選択に挑戦してきた、白魔術師は救いたい!
さあ、主役は魔術師協会に所属する『白魔術』の担当少女〜、やって来る人々の平穏を、魔術を行使して守る若き魔術師の一日が始まった〜、
最初の来客の用件は、傷の入ったハーモニカ(『楽器』)の手当て、修復魔法でパパッと直したぞ〜、来客二件目は屋台経営者の新メニューをどうするか、魔術師が捜索魔法で『ホットドッグ』を提案する〜、来客三件目は『爪切り』で深爪した人w はいはい治癒魔法!
最後の案件、異世界に転移してきた青年の願い、日本の食べ物が食べたいなる求めに応じ、黒魔術の応用で、に、『にんにく卵黄』を召還した〜、なんでそれ召還しちゃったのかw
しかし青年も気を遣い、おう! これが欲しかったんだ、と無理をするw そうだな欲しかったよなw 610氏、キラーお題『にんにく卵黄』のアクの強さをオチに転用、徹底取材お仕事風景、描ききり、丁寧な全お題クリアーをやってくれたぜ! >>612
いつも感想ありがとうございます。
もう少し具体的に頼んでいれば違った結果だったかもしれません。 なるほど、オチにもってくって手があったか。考えが凝り固まってるとあかんなぁ >>589
使用お題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』
【魔女対戦】(1/3)
ふと気が付いた時、野々村 真翔は縛られた状態でやけに豪奢な椅子に座らされていた。
周囲には数十人の女性達。それも下は10才程度から上は80近い人もいるだろうか?
その中で、16才程の少女達二人が彼を覗き込む様に見ている。
「……え? 何? ドユコト?」
「クックックゥ、ようやくお目覚めかね? マナトくん」
「大丈夫かな? かな? 花子ちゃんが無茶したから、心配したんだよぉ?」
「花子ちゃん言うな!! ……ウフン? 主とて、この宴には賛同したでは無いか? カナよ」
眼前で覗き込んでいるのは、見知った幼馴染二人の顔。だが、彼女達は普段とは著しく違う所があった。
「コスプレ?」
「コスプレ言うな!! ……クックック、これこそ、アークウィッチの正装なのだよ? マナトくん」
「流石にコスプレは失礼じゃないかな? かな?」
とんがり帽子にひだ付きのシャツ。それに丈の短いジャケットと膝丈のスカート。その上にマントを羽織った二人の姿は白と黒の相似形。
有体に言えば白黒の魔女の様に見えたのだ。違っているのは黒の衣装、山田 花子が身の丈ほどもある大きな杖を持っているのに対し、白の衣装、田中 加奈がタクトの様な短い杖を持っている事だろうか?
真翔は頭の中で日付を確認する。ハロウィンはとっくに過ぎている。
だとすれは、この二人の格好は何だと言うのだろうか?
ましてや真翔がこうして縛られなければならない理由とは?
「うん? 花子ちゃんもわたしも、まだ、ただのウィッチだよね? 第一、ウィッチでもアークウィッチでも格好は変わらなかった様に思うかな? かな?」
「良いのよ! どの道、今この時、我はアークウィッチへと至るのだ! それは定められし運命!!」
「むぅ! アークウィッチに成るのはわたしじゃないかな? かな?」
「いやほんと、マジで説明して下さりやがってくれませんかね? 二人とも!!」
自分を放置したまま言い争いを始める二人に対し、真翔はうんざりした様にそう怒鳴った。
******
「アークウィッチ昇進試験〜?」
二人を問い質した所、そんな返事が返って来た。実は、幼馴染のこの二人、古くから伝わる魔女の家系であり、それぞれ、花子が黒魔術、加奈が白魔術を継承しているらしい。
そして、魔女的に成人を迎える16才のこの日、二人は揃ってアークウィッチへの昇進試験を受ける事にしたのだと言う。
「……いや、勝手にやれよ」
「クックック。残念ながら、運命は其方を選んだのだ、マナトよ」
「そ、それはダメかもしれないかな? かな?」
「何でだよ」
「そりゃぁ……」
「それはぁ……」
渋い顔をする真翔の問いに、二人は顔を見合わせ、曖昧な笑をこぼした。
どうでも良いが、先程から周囲の魔女……なのだろう女性達の、爛々とした視線が突き刺さり、真翔は酷く居心地が悪い。
「諦めるのだマナトよ、其方がここでライブラの天秤を傾けねばならないのは、星に定められた宿命なのだ!!」
「と、とにかく、真翔くんはぁ 審判をして貰わなくちゃいけないかな? かな?」
「……はぁ……分かったよ、で? 何を審判すれは良いんだ?」
引く気のない二人に、真翔は溜息を吐く。
「「それは……」」
「魔女十番勝負じゃよ」 【魔女対戦】(2/3)
「エルダーウィッチ!!」
「長老様ぁ!!」
その声に視線を向けると、人垣が二つに割れ、恐らく最年長であろう女性が、お供に付き添われ歩いて来る所だった。
「……町内会長の婆ちゃん?」
「くくっ、マナ坊、元気かえ?」
「うん、まぁ」
(昔っから、魔女っぽいと思ってたけど……)
昔からお世話に成っていた人物の登場に、真翔が目を丸くする。だが、同時に納得できるような気分にもなった。呵々大笑する長老を見ながら、真翔は苦笑した。
「で? その十番勝負ってのの審判をすれば良いんだね?」
「うむ、十番勝負を見て、そして選べば良い」
「……うん? いや、まぁ、分かった」
彼女の言い回しに少し引っかかった真翔だったが、しかしそれでも頷くと、途端に彼を縛っていたロープが解け、そして空中に浮かび上がったトランペットが、高らかにファンファーレを奏でたのだった。
******
十番勝負も折り返しに入った第六勝負。真翔はある意味、頭痛のする頭を押さえ溜息を吐く。
今、彼の目の前には二山の大量のホットドック。
「制限時間いっぱいまでにって、その時間を使い切れって意味じゃないと思うんだ……」
一番勝負の生け花から来て、日舞、算盤、掃除、洗濯……いやこれだけでも「何やってんの!?」と言う気にさせられた真翔だったが、この六番勝負は、それに輪を掛けてそう言いたくなった。
勝負のお題目は料理。二人が揃って制限時間いっぱいまで作り続けたのが、眼前にあるホットドックの山だったのだ。
「クックック、さぁ! 貪るが良い!」
「た、食べてくれるかな? かな?」
「え? これ、全部食べなくちゃいけないの?」
確かにホットドックは真翔の好物ではある。しかし、それだけを大量に出されるのも辛い物が有った。
何で俺が……と言う思いはある。だが、審判である以上、食べないと言う選択肢はない。しかし、この量を一人でと言うのは勘弁して貰いたかった。
周囲を見回すが、何故か皆、ニヨニヨとした笑みを浮かべるだけで手伝ってくれる気は無いらしい。
だが、期待に目を輝かせる二人を前に、残すと言う選択肢を選ぶ事は出来なかった。
「いや、ホント、何でこんなに作ったよ……」
そう呟きながらも、真翔は覚悟を決めたのだった。
******
顔が引き攣るのも止められず、真翔は今日、二回目に成る恐怖を味わっていた。一度目は先程の耳かき勝負。
加奈の膝枕は、むしろご褒美だと感じられたのだが、問題は花子の方。最新の説による耳かきと言われ、正座をさせられた挙句、頭が動かない様にと部屋の隅で押さえつけられ、耳かきを挿入された時は「何の拷問だよ!」と叫びたくなった。
だがしかし、今はそれ以上の恐怖を感じていた。
【お題、爪切り】……今、真翔は両手を固定され、二人が左右の爪を切っている所である。爪切りをやって貰うこと自体は、子供の頃、母親にやって貰った事も有る。
だが、こんなにも緊張感をもって爪を切られていた訳では無い。
(人に爪を切って貰うってこんなに怖かったっけ?)
真剣に爪を見られつつ、パチンパチンとそれを切られながら、彼は何となく爪切りを嫌がる猫の気持ちが分かった様な気がした。 【魔女対戦】(3/3)
そして迎えた最終勝負。
「最終勝負! 秘薬造りじゃ!」
長老がそう宣言し、二人が予め作ってあった秘薬を持ってくる。
「あ、ここで作る訳じゃないんだ……」
「当たり前でしょ!? 薬を作るのにどれだけ時間が掛かると思ってるのよ!! あ!! いえ、さぁ! 我が渾身の秘薬、堪能するが良い!!」
「はい! わたしの作った魔女の秘薬、飲んでくれるかな? かな?」
「……にんにく卵黄?」
「あ! や! それしか入れ物が残って無くって……」
花子の秘薬の入った入れ物に真翔が首を傾げると、彼女が焦った様にそう言い訳した。
「……おばさん、健康アプリマニアだもんな」
「そうよ、自分で作れるのに、なんで集めちゃうんだか……」
さっきまでの大仰そうな言い回しも忘れ、普通に受け答えをする花子。この辺の気安さは、流石お隣同士と言った所か。
だが、そんな二人を見て加奈が頬を膨らませる。
「真翔くん! わたしの秘薬、飲んでください!!」
「え? あ、うん」
若干、黄味がかった橙色の丸薬を見て、真翔が訊ねた。
「……因みに効能は?」
「え? 疲労回復、滋養強壮、健康維持……かな? かな?」
「……」
真翔の視線が、花子の持って来たにんにく卵黄のパッケージの方を見る。
「や、違うからねぇ!?」
******
十番勝負を終え、長老が「で? どうじゃ?」と訊ねて来た。
正直な話、最後の秘薬勝負以外に魔女らしさなど皆無だった事も有り、真翔は首を傾げる。そもそも、どちらの技術も五十歩百歩であり、明確に差があるとは思えなかったと言う事も有る。
最後の秘薬に至っては、速攻で効く物では無いらしく、未だに効果があるのかどうかも分からなかった。
「……二人一緒に、アークウィッチに成るってのは出来ないんですか?」
そもそも、どの程度のレベルで有れば試験合格なのかも分からないのである。それに、アークウィッチに成るのは一度に一人と決まっているのかも知らないのである。その為、真翔はそう訊ねたのだが……
「ほほう? 二人一緒にか」
「運命は常に一つだ!! マナトよ!!」
「それはダメじゃないかな? かな?」
花子と加奈、二人の声が重なった。呆れ半分、冷やかし半分と言った、周囲の魔女たちの視線も真翔に突き刺さる。
「え? 何で俺が責められる感じに?」
訳の分からない真翔だったが、しかし、アークウィッチへと至る条件が、血を絶やさぬ為に伴侶を得ると言う事だと聞かされていない彼が、それに気が付く事は無い。
「さぁ! 我を選ぶが良い!! マナトよ!」
「わたしを選んでくれるかな? かな?」
そして、その事を説明していないと彼女達が気が付くのは、真翔が逃げ出した後だった。 >>610
最近は異世界出身のお客さんも多そうですよねw
人々を笑顔にする素敵な仕事だと思います >>589
お題:『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』
【陰鬱な終末】
(1/1)
金曜日の夕日はいつだって優しい。脳内アナウンスも浮足立っている。今週の世界はこれでおしまいです。また来週。
俺は職場からいそいそと脱出してHPとMPが赤いまま帰路につく。改札を抜けホームに並ぶおじさんの群れの一部となる。
おじさんAが現れた。おじさんBが現れた。おじさんCは俺。D、E、F……別にキングおじさんにはならない。まだこの人たちとは違う種族だと思えるほどには若造のつもりだ。
しかし地下鉄の窓に映る表情は死者のように覇気がなく、これはやはり魔列車なのかもしれない。
コンビニで適当にポーションとエーテルを買い、セブンスヘブンのドアを開けた。ただいま我が家。お帰り俺。今日も神羅カンパニーに内側からダメージを与えてきたぜ。偉いぞ、よくやった。なんでそんなこともできないの? 知るか、俺は頑張ってんだ。すみませんでした。
片腕が機関銃の黒人とかクリムゾン姉さんの代わりに、カウンターに並ぶ未開封のサプリメントたちが出迎えてくれる。せめてこういうので栄養補給くらいはしなさいねと、母親が送ってくるマルチビタミン、EPA、にんにく卵黄、亜鉛。
こどもの頃は好き嫌いの多さを咎められたものだから、味のしないカプセルを飲むだけでいいと言われたらきっと喜んだろう。
俺はいつだって楽な方に流れていく性分で、そこそこのことを難なくこなす器用さがあった。嫌いなものを嫌いなままでもこうして大人になれた。
エーテルをレンジに突っ込んで、3分間待つ。その間に爪切りを取り出して、胃のあたりに溜まったモヤモヤを吐き出すために、パチリパチリと音を鳴らした。
パチリ
そう、俺はなかなかにできるやつだった。小学生の頃からテストの答案が返されていく時間はわくわくしたし、できる奴らと90点代で一進一退の攻防を演じるのが楽しかったし、お母さんはいつも褒めてくれた。
ポケモンの名前を151匹暗記していたし、ダークドレアムの配合方法を知っていたし、俺のネスは負け知らずだった。ブルーアイズよりデーモンの方が強いことにいち早く気づいたし、対抗呪文の切り方も完璧だった。
まぁ体育は苦手だった。でも結局頭を使える奴が大人になったら最強なんだよねって思うようにしていた。HPと力が低くたって平気だった。俺は黒魔導士になるんだから。
毎日苦もなく冒険し、家に帰ったらのび太を見守り、大人帝国を笑った。毎晩暖かいエリクサーを供され一晩寝れば全回復した。
中学、高校と俺無双は続いていた。かっこよさとかいうパラメータがそんなに高くないことにも気づいてしまったけど、俺のファイラやブリザラは通用した。
吟遊詩人にも興味が湧いたから、メリッサとカルマを練習したし、ロビンソンやTomorrow never knowsを歌い切れるのは世界で俺だけだった。奇声をあげてることを指摘されても、無視して歌い続けられた。
楽器を持つ気にはならなかった。ギターは指が痛いし、カラオケで満足した。
苦手なこともあったけど、無視して進める余力があった。俺はキーブレードに選ばれし勇者で、ワイルドのペルソナ使いで、アーロンさん曰く無限の可能性に満ちていた。
そして自分が主人公じゃないことを自覚できる賢さがあって、だから大学を選ぶときは安全な道を歩んだ。パラディンや魔法戦士になるのはしんどいから。俺は魔法使いを極めるだけでいいと思っていた。 (2/3)
大学では何をしていたっけ? だんだん思い出が減ってる気がする。ミルラのしずくを取りそこねたのかも知れない。わざわざゲームボーイアドバンスを4つも用意するなんてバイタリティにあふれていた俺は忘却の彼方だ。
たしかそのころの俺の手にはアイフォンがあって、ワンタッチでいくらでもゲームをダウンロードできた。画面を埋めるアイコンを順番にタッチして、ログインボーナスを受け取ることがとても新鮮だった。
何だかんだでゲームはクリアできるバランスで出来ているんだから、レベル上げは程々で十分だと気づいていた。人生の夏休みだか何だかという格言を狂信して、面白おかしく過ごした。
そうして幼い万能感がぶり返したおかげか、あるいは開き直りの言動が功を奏したのか、俺の中の数少ない光を一人の女の子が見つけてくれた。
その子は白魔道士で、魔法の話で割と盛り上がった。俺は得意げにメラゾーマを放って、今のはメラだ。なんて言ってみたりもした。彼女は何でも笑ってくれた。家族以外から初めてケアルをかけてもらって、こんな魔法をかけてもらえる僕は特別な存在なんだと思った。
パチリ
今では私が赤魔道士、自分にかけるのはもちろんケアル。なぜなら俺は特別な存在じゃなかったからです。
思った以上に深くえぐれた二の腕を覗いた。モヤモヤと一緒に血が溢れて、潰れたカーペットに新しいシミを作った。誰かを傷つける高揚感がストレスを緩和し、マッチポンプの痛みが今日の失敗を許した。
誰かさんの腕は切れ目の入ったソーセージみたいになっていた。そんなことしたら肉汁が漏れて旨さを損なうのに、見栄えがいいから、箸で持ちやすいからと取り繕うことをやめられない。
本当は安物の徳用ソーセージだから、少しでも熱が入って食えるようにしてるだけなのに。
いつだって俺は切れ目の入ったロールパンを探していた。ソーセージを収めるのに都合よく成形された引き立て役を。一人じゃ何もできないくせに、ケチャップとマスタードをかけてもらって、美味しくなった気でいた。
こぼれた肉汁が大した味じゃないことを気付かれないように、必死になってくるくる転がっていた。
きっと彼女もその味に気づいていて、それでもホットドックになろうって俺が言うのを待っていたのかも知れない。でも俺は青臭くこじれたままで、「君はジャムを挟んだほうが美味いかもしれないよ?」とか言ってみた。
黒のローブの下にはステテコパンツを装備していることを知られたくなくて、しかし隠したままの楽さに甘えた。
そのうちレベルをあげなかったツケが心の底から湧き上がってきて、逃れられない強制バトルが発生する。とんずらは使えないし、8回逃げてもバグらなかった。
LとRを押さえながら、戦闘中にウェイトモードへ変更するすべを探した。たたかう? いいえ。たたかう? いいえ。逃げますか?はい。はい。はい。はい。 (3/3)
芯まで染み付いた逃げグセは、万能薬でも治らなかった。物語の中だけと思っていたヒロインの登場に、俺はうまく対処できなかった。
心の防衛システムがもっともらしい理屈を与える。試練を乗り越えなきゃ報酬は得られない、これまでの人生、対して苦戦しなかった俺にこんなことが起こるはずがない。これは頑張ったところで勝利はない負けイベだ。だから適当に、死なないようにやり過ごせばいいんだと。
結局俺はラストエリクサーを使わなかった。時間切れの演出とともに女将軍の放った聖剣技で俺のHPは1残り、クレイラは爆発した。トランス状態は解けて、リミットゲージは消えて、瀕死で放った苦し紛れのたたかうは必殺技にはならなかった。
ああ、俺は間違えなかった。やっぱり負けイベ。こんなところで本気だしたらバカを見るところだったぜ相棒!(ドンッ☆)。闇の人格にその後を委ねて、普通の人間のフリをして過ごした。
パチリ
そして俺は社会へ。俺は主人公じゃないから、物語の結末までに変化する必要がなく、故にこのままでもエンディングは迎えられるかもしれない。
けれど正直、辛い。回復役なしのソロパーティとかとんだ縛りプレイだ。
世間はそれでもやっていけるというが、黒魔法を極められず逃げて赤魔道士になった人間には当てはまらない。ケアルやホイミじゃ全然足りないし、結局自分のMPが削れていく。
俺のメモリーカードには0%が並んでいて、やり直すべきポイントは残っていない。
一人になると慰めに、誰にも読まれない攻略本を執筆する。
ニンニクは臭いからって避けるべきじゃない。卵黄を混ぜるんだ。アリシンがタンパク質と結びついてマシになるぞ。カプセルいりが手に入れば手軽に摂れるようになるのは確かだが、その頃にはもう遅いんだ。
苦戦しないとカタルシスは得られないぞ?そういう経験があるやつだけが、適切な場面でラストエリクサーを使えるんだ。エアリスを殺さない方法?この先はキミ自身の目で確かめてくれ!
いつしか俺は、かつて笑い嘲った大人帝国の一員になっていた。太陽の塔や月の石はなく、だだっ広いモリコロパークをさまよっていた。
足の臭いは自ら排出したタンパク質と結びついて無害化しカプセル入りになってどこかへ転がって消えた。そもそも嗅がせてくれるしんのすけはいない。
俺は自分がソルジャーだと思いこんでいる一般神羅兵で、おじさんCで、もうひとりのボクで、俺は悪くねぇとのたまう親善大使だ。
ラフメイカーを待ち続け、幻想の白魔術師をいつまでも引きずって、大人と子供の中間の生命体となり永遠に宇宙をさまようのだ。そして死にたいと思っても死ねないので ――
――そのまま日曜の夜を迎えるしかなかった。おわり。 お題『楽器』『ホットドッグ』『爪切り』『白魔術』『にんにく卵黄』締切
【参加作品一覧】
>>602【科学と魔術と僕とアイツ】
>>603【ハウリング】
>>610【魔術師のお仕事】
>>615【魔女対戦】
>>619【陰鬱な終末】 では安価だけここでとってしまいましょう
お題安価
>>625-629 うわああああすまん
レス入力欄でもじもじしてたから安価出てたの本気で気が付かなかった
ということで安価なら『謝罪』 『冬空』
にんにく卵黄に、具体的な効能は書いてありませんね
ただ、健康のために毎日摂りましょうとしか >>619
昔は無限の可能性に充ち溢れていたのに……と言うのは、懐古的によくある話で……
何か、エレクトリックボーイと言うノンフィクションを思い出しました では、お題のアナウンスは次スレを縦次第、そちらで行います。このスレに書き込まれた作品を時間があるときに下に纏めるので、もし心に残っている作品や面白かった作品があれば感想を残してくださると嬉しいです。 >>615
短編スレシーズン4も、はや終盤〜、進行氏および作者みんなの結晶のスレに、職人615氏によるわざもののドタバタ劇の祝儀贈呈〜、アークウィッチ・ハザード・カム!
さあ、拘束された真翔くんの目の前に、コスプレではなく『白魔術』師と黒魔術師のアークウィッチ的正装をした幼馴染の女子二人w ファンファーレを奏でるトランペット(『楽器』)が女子らの魔女十番勝負の開幕つげる〜、
生け花、日舞、算盤、掃除、洗濯についで、『ホットドッグ』の大量作成、『爪切り』と連続する魔女の試練を判定する役目を真翔くんが負うらしいが〜、爪切りでなにを判定するw でも正直、彼女に爪切りされたら癒されるなw ハイそんなことはどうでもいい、
ラスト〜、『にんにく卵黄』っぽい入れ物と効能を持った秘薬を飲ませられ、伴侶を決める戦いだとも知らず、もう何でも良いよと脱走する真翔くん〜!
これは魔女の秘薬、つまり惚れ薬に頼らず頑張れってオチなのか〜、ドタバタを愉しませつつ何時の間にかお題全消化のウデは流石の615氏、キャラの立ったドタバタ・ハーレムでスレ締めくくりに花を添え、ノリノリの、フィニッシュ!w
>>>619
堂々オオトリ! 619氏が舞城王太郎を思い出させるハイテンポでネタを乱射する〜、怪作による全選択だ、HPはレッドゾーン、ならばFIRE、FIRE、FIRE!
さあ週末、主人公が死人だらけの魔列車に乗り込み帰宅した〜、並ぶサプリの『にんにく卵黄』や亜鉛を横目に、おのが人生を追憶していく〜、ゲーム無双だった小学校、
『楽器』を持つ気にはならなかったがポル○の曲はマスタークラスだった中学高校〜、そして彼女と『ホットドッグ』になりきれかった大学時代を経て、ゲームネタをマシンガンのように楽しげに撃ち続ける社会人に辿り着く、
なのに、こんなにも今『爪切り』の音が頭で響いてしまうのはなぜ〜、それは、今や独りだからに他ならない〜、こんなにもあの『白魔術』師を引きずっているのはなぜ〜、ケアルのほっとする感じが忘れられないからに他ならない〜、
こんなにも矢鱈滅法ネタを乱射するのはなぜ〜、それはきっと、停滞する自分を撃ち抜く方法が見つからないからに他ならない! ごまかしきれない寄る辺なき生活を、膨大なネタ乱射によって照らし出したかテクニシャン619氏〜
渾身の短編スレ4ラストスパートはゴールテープを引きちぎる凄まじいネタ濫造のゴールに帰結w 次スレにタスキを回したトドメの一撃、スレ最終弾にふさわしいド級のネタ集束による号砲の弾痕は、グラシアスな重砲となって、619氏 、大ラスBravo・ENDだw 募集期間2018.6/24〜7/1
『はっぱ』を必ず入れる+自由選択『名物料理』『ホワミル』『W杯』『ねこ』
【参加作品一覧】
>>8【街角に立つ】
>>13【最終選考マスコット】 >>14【晩酌の肴】
>>15【森の木陰食堂のちょっとした騒ぎ】 募集期間2018.7/1〜7/8
『交換』を必ず入れる+自由選択『海開き』『デスゲーム』『ネジ』『幼馴染』
【参加作品一覧】
>>52【海のアクシデント】
>>59【呪い】
>>64【Guardian Maker】
>>66【夏の日の中年】
>>71【罰ゲームです】 募集期間2018.7/8〜7/15
『憑依』『ごうかくクン』『すいか』より一つ以上+>>38-40のお題リストより一つ以上選択
【参加作品一覧】
>>86【追い出された俺は『ざまぁ』をしない】
>>94【事案発生はなかった】 募集期間2018.7/15〜7/22
『ナイアガラ』『ドラクエ』『図書室』『視点』『アチアチ』
【参加作品一覧】
>>113【白紙の本】
>>117【夏休み】
>>125【夏の夜】 募集期間2018.7/22〜7/29
『配管工』『ユニオニオン』『誰かが冗談を言う』『ドラムンベース』『ジャンル:ローファンタジー』
【参加作品一覧】
>>138【都会の龍神】
>>145【入国管理】
>>149【ユニオンリンク】
>>155【春踏(しゅんとう)】 募集期間2018.7/29〜8/5
『うさぎ』『パイロット』『鰻』『そらまめくんと仲間達』『偽進行』
【参加作品一覧】
>>174【フリーマインド】
>>178【巨大怪獣は南からやってくる】 募集期間2018.8/5〜8/15
『線香花火』『おっさん』『空軍』『キャプテンTOBBY』『イケメン』
【参加作品一覧】
>>194【魔界の空軍参謀】
>>197【無題】 募集期間2018.8/12〜8/19
『深海』『女体化』『氷河期』『人形』から一つ以上選択
+最後の一行を『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。』とする
【参加作品一覧】
>>215【深海に生き延びた者達】
>>224【歌うシャチとオモチャの人魚】
>>226【小さなレジスタンス】
>>235【ベビーワイルド】 募集期間2018.8/19〜8/26
『幽霊』『百』『ひみつ道具』『乳酸菌くんの家族』『チューハイ』
【参加作品一覧】
>>256【百鬼夜行】
>>257【F先生ごめんなさい】
>>260【俺な、乳酸菌くんが見えるようになったんだよ】
>>262【リバー】
>>269【怪談シロタ株】
>>272【乳酸菌くんの一日】 募集期間2018.8/26〜9/2
『馬』『田中』『チモシー』『ボタン』から自由選択+最後の一文を『だが、これで終わりではなかった。』とする
【参加作品一覧】
>>288【都市伝説「怪人・バイトの田中さん」】
>>290【現場を知る為に】
>>298【まんじゅうこわい、その後】
>>305【それでも続く物語】 2018.9/2〜9/9
『難しい理論(種類は問わず)』『ダンジョン』『摩天楼』『仮面』『カレー』
【参加作品一覧】
>>321【血に塗れたカレーは偽物】
>>327【ある勇者のパーティー】 募集期間2018.9/9〜9/16
『筋肉』『ケロちゃん』『お月見』『ごちそう』『首輪』
【参加作品一覧】
>>340【彼女とお花見】
>>341【月を見上げるお祭り】
>>346【キリンの育て方】
>>351【月光の不死美人】 募集期間2018.9/16〜9/23
『9』『たまねぎくん(ユニオニオン)と乳酸菌くんの出会い(衝撃的な結末を含む)』『ぬるぬる』『スライム』『黒髪ロング』
【参加作品一覧】
>>375【どこにでもある、ごく普通の、ありふれた日常】
>>377【たまねぎくんと乳酸菌くんの出会い】
>>380【たまねぎくんのたまねぎ度】
>>381【たまねぎくんのたまねぎ度(訂正版)】
>>385【些事日記】
>>389【10個の質問をするゲームのお話】 募集期間2018.9/23〜9/30
『スケルトン兄弟』『秋』『伊丹市昆虫館の「てんとうむし」か「はち」(テントウムシは可愛い方)』『「では、そろそろ始めましょうか」』『お月見』
【参加作品一覧】
>>408【ヤバイ人たち】
>>417【ある兄弟のお月見】
>>423【映月下ノ故郷】 募集期間2018.9/30〜10/7
『野球』『水平線』『同じセリフを3回』『コンビーフ』『厨二』
【参加作品一覧】
>>437【あなたの望みはなんですか?】
>>444【夕焼けに染まる砂浜】
>>450【終末の俺伝説】 募集期間2018.10/7〜10/14
『影法師』『将棋か囲碁(詳細は>>457)』『雑談』『文学少女』『混ぜる』
【参加作品一覧】
>>470【影法師と文学少女】
>>475【裏側にあるモノ】
>>479【ホーカゴ・コーシャ】 募集期間2018.10/14〜10/24
『設計』『異世界』『アヘ顔ダブルピース』『カボチャ』『暖色』
【参加作品一覧】
>>491【臨時の仕事】
>>497【転生方法改善会議、資料】
>>506【森の中の崖の木】
>>510【くっころさんが通る】 募集期間2018.10/21〜10/28
『一年』『進行が主人公』
【参加作品一覧】
>>523【シンコウさんの物語】
>>527【情報過多】
>>528【スマイル】
>>535【進行さんの悩み】
>>539【拝啓、宇宙人様へ】
>>543【一周年で思う所】 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています