運搬能力の話をしようか?

一般的に言って、兵士が無理なく行軍できる加重は体重の半分まで、これは古代から今まで変わらない。
体重60キロの人は30キロまで、80キロのがたいのいい人は40キロまで、100キロのボディービルダーみたいな人は50キロまでだ。

つまり、鎧兜や武器、最低限の野営道具、最低限の飲食料・・・水一日分2リットル、食料2日分で6ポンド=2.7キロや靴背嚢など
の合計が30キロとか40キロとかが限界になる。

これを超えると少し歩くだけで息を切らし、戦闘ではすぐにへたばり、となるわけだ。
軍人たちは、炊事やキャンプの準備、薪の確保など全て自分たちでやるという前提で
さらに戦う余力を残す必要があるから、時速4.8キロで50分歩いて10分休憩(1時間に4キロ)
というペースで6時間くらいが普通、強行軍で40キロを目指すくらいとなる。

街道を宿屋にとまること前提でいける冒険者や旅人などは8時間歩いて32キロとかくらいになる。

標準的な加重までなら。
軍人ならまあ、輸送部隊や従軍商人からの補給、戦利品を売りつける買取屋、
などなど、その場である程度かつぐ量を減らす手立ても在るのだが。


ダンジョンにもぐる冒険者となるとそうもいかない。
全部30キロとか40キロとかに収める必要がある。

冒険者になるような奴というと、大抵が貧しくて食い詰め者だったりするから、稀な例を除いて体格は60キロとかになる。
「戦利品をかつぐ分を含めて」30キロが限界とかだから、武装にまわせるのはせいぜい15キロ、
とかになってしまう。あとは、水や食料を消費した分戦利品運搬に回し、無理のない範囲で持ち帰ることになる。